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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2007:08/15/13:03  ++  【正論】作家・評論家・麗澤大学教授 松本健一 「8・15」に思う 戦後神話から目覚めよ

■「無血革命」と原爆投下理由の虚構

 ≪“戦後最大の思想家”の名≫

 昭和二十年八月十五日、日本に無血革命があった-。そうわたしは『丸山真男 八・一五革命伝説』(河出書房新社、平成15年刊)を書き出している。

 ほんとうだろうか、と多くのひとは疑うだろう。そう疑うことのほうが常識(コモン・センス)なのであるが、その常識を超越したところに丸山真男という戦後民主主義の旗手は立っていた。つまり「昭和二十年八月十五日、日本に無血革命があった」というのは、丸山真男のつくった戦後神話なのである。

 それゆえ、わたしは右の書き出しのあとを、次のように継いだのである。-この壮大な仮構(フィクション)こそ、その本質において政治思想史学者だった丸山真男をして、あたかも「戦後最大の思想家」というようなアウラを獲得せしめたゆえんのものであった、と。

 丸山真男が「戦後最大の思想家」というようなアウラを獲得したことと、かれが戦後民主主義革命の旗手とみられたことは、同意味である。

 だが、丸山はほんとうに八・一五に「無血革命」があったと考えていたのだろうか。それが、まず第1の問題である。そしてつぎに、八・一五に革命があったというのは事実だろうか。これが第2の、より重大な、歴史そのものに関わる問題である。

 ≪法学的意味での革命≫

 丸山真男が八・一五に「無血革命」があったと考えていたことは、かれが昭和22年1月に発表した「若き世代に寄す」に「日本のいわゆる無血革命二年目を迎えて…」と書いていることからも証明できる。かれは「八月革命」という言葉もつかっている。

 丸山のそういう認識は、敗戦の直前に新聞に発表された「ポツダム宣言」(7月26日署名)を広島の軍隊にいるときに読み、そこに「基本的人権の尊重」とあるのを発見して、嬉(うれ)しくて顔の筋肉がゆるんだ、という体験にもとづいていた。そして、かれはこの「無血革命」の認識を、復員後の東京大学での憲法研究委員会で述べたのである。

 これをうけて、宮沢俊義(東大教授、法学)が「八月革命と国民主権主義」(「世界文化」昭和21年5月号)という論文を書いた。趣旨は、次のようである。-ポツダム宣言の受諾により、国家の主権の所在は天皇から、天皇と対立する存在としての国民(人民)に移った。つまり「法学的な意味における革命」が起きたのである。「八月革命」とは、その意味である。そうして、戦後の日本国憲法は、この「革命」によって新たに主権者となった国民(人民)が正当に制定した民主的な憲法なのである、と。

 だが、この宮沢説には2つの無理がある。1つは、ポツダム宣言の受諾は天皇の名においてなされている。これでは八・一五に国家の主権が天皇から国民(人民)に移行したという説は成り立たない。2つ目は、宮沢は戦後憲法を国民(人民)が正当に制定したと解釈するが、第9条の「戦争の放棄」は日本が不戦条約(昭和3年)を一方的に破ったことに対しての、また「武力の不保持」は大西洋憲章(昭和16年)にある「好戦国」に対しての、連合国から与えられた懲罰的条項なのである。

 いずれにしても、ポツダム宣言の受諾によって実現されたのは「革命」ではなく、「戦争に負けた」という事実であり、「戦争の終結」であった。そして、それは昭和天皇が決断して受け入れたことであった。

 なお、政府はこのポツダム宣言を新聞に発表するさい、これを「黙殺」する立場を表明した。それを外国の新聞が「reject」(拒絶する)と報道したのである。

 ≪既定方針の「原爆投下」≫

 その結果、アメリカは日本の降伏を早めるために原爆の投下を決断し、一方でソ連が参戦することになったのだ、というまことしやかな説が生まれた。この説は「日本のいちばん長い日」という座談会(「文芸春秋」昭和38年8月号)で、佐藤尚武(終戦当時、駐ソ大使)が唱え、そのあたりから定説化した。

 しかし、アメリカの原爆投下も、ソ連の参戦も日本がポツダム宣言を「黙殺」した結果として決断されたのではない。それらはポツダム宣言以前から米ソによって決定されていた、既定方針の実行にすぎないのである。

 原爆投下をめぐる最近の久間防衛大臣(辞任)の発言をふくめて、わたしたちはもうこういう戦後神話から目をさましていかねばならない。(まつもと けんいち)

(2007/08/14 05:45)

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:2007:08/15/13:02  ++  【正論】評論家・鳥居民 「8・15」に思う 原爆投下と終戦の3つの誤解

■「天皇保全」明記で早期降伏ありえた

 ≪躁状態だったトルーマン≫

 私は原爆投下に関しての考究、論述があれば、カードに写す習慣がある。最近の久間章生氏の発言も加えた。だが、ここで久間氏の言葉を批評するつもりはない。

 トランプのカードを抜くように、カードの箱から3枚のカードを抜いた。熊田亨氏、猪木正道氏、麻田貞雄氏の主張がでてきた。

 まず熊田氏のカードを見よう。「トルーマン米大統領にとって、原爆の投下は苦悩の果ての『大いなる決定』ではなかった。在世の間も痛恨にさいなまれた気配はないし、良心安らかに大往生をとげたようである。『広島』は数百万のアメリカ人と日本人の生命を救い出したと信じて疑わないからである」

 トルーマン大統領は原爆投下の前後には躁(そう)状態だった。

 こういう訳だ。かれの周りにいるのは全てルーズベルトの部下たちであり、かれが取り組む仕事は全てルーズベルトが決定した問題だった。ところが、秘密裡に製造されていた原爆をどのように世界に公開するかというまことに重大な問題について、ルーズベルトは没する前にいかなる指示も残さなかった。トルーマンはその恐ろしい爆弾が自分のものだと知って興奮したのである。全ての部下たちの提言、忠告を無視して、かれは原爆を日本の都市上空で爆発させた。

 ≪企まれた「ポツダム」黙殺≫

 だが、躁状態はいつまでもつづかなかった。この平凡人は原爆投下の問題について数え切れないほどの嘘(うそ)をつづけている間に、自分はとんでもないことをしてしまったのだという大きな後悔が胸中に留(とど)まるようになったのだと私は理解している。中国が朝鮮戦争に介入したときに、原爆の不使用を堅持したのは、かつて老若男女に無警告で原爆攻撃せよと命じたかれだった。

 猪木氏の主張はつぎの通りである。「ソ連という侵略国家に、米、英両国と日本との間の講和のあっせんを依頼した愚劣さは、無念というほかはない。広田元首相が駐日ソ連大使マリクを箱根の強羅ホテルに訪ねた恥ずかしい日々のことを、数日前箱根に滞在した時、あらためて想起した」

 じつは猪木氏のカードは私が入れる箱を間違えたのだろう、原爆の問題には触れていない。だが、多くの人は日本政府はソ連に頼みをかけ、ポツダム宣言を「黙殺」したがために、アメリカの原爆攻撃を招いたと説いてきている。

 事実は違う。日本が和平仲介を求めて、ソ連に特使を派遣しようとしていたことは、アメリカ側が日本の外交電報を解読していたから、トルーマンは全てを承知し、原爆の都市実験を終えるまで、日本を降伏させないことがかれのもっとも留意することになった。そこでポツダム宣言なるものは、日本側が必ずや「黙殺」するようにつくった。まずは正式の外交文書ではなく、宣伝文書の形にした。もともとあった天皇保全の条項をかれ自身が削った。実験終了のあとにそれを復活させる術策を弄(ろう)しもしたのである。

 ≪課題は中国の内戦阻止≫

 国際問題研究家の熊田氏は他界された。京大名誉教授の猪木氏と同志社大学名誉教授の麻田氏はご存命である。麻田氏の主張をつぎにみよう。

 「原爆投下なしに日本が1945年8月に降伏した可能性はきわめて少なかった。B29空襲による被害だけでは、天皇は『かくなる上は止むを得ぬ』といわなかったであろう。鈴木首相も、通常爆弾だけでは降伏にもっていけなかったと証言しているのである。当時の日本軍部の動きを再検討してみると、B29の戦略爆撃と海軍による海上封鎖、それにソ連参戦が加わっても、11月1日までに日本が降伏していた可能性は五分五分もしくはそれ以下であったかと思われる」

 麻田氏の気づいていない事実がある。それは戦後60年間、多くの研究者もまた気づいていないつぎの問題である。

 新編成のアメリカの太平洋艦隊がギルバート諸島を制圧したとき、ルーズベルトの明日の課題は、すでに日本のことではなく、日本敗北のあとに起こる中国の内戦を阻止することにあった。

 こうして日本を一日も早く降伏させ、中国大陸の日本軍を混乱なく降伏させることが、対日政策の基本となった。

 そこで、なんらかの理由で原爆が使用できないことになれば、ルーズベルトのあとを継いだトルーマンは、5月末に天皇保障の条項を明記した対日宣言を発表し、日本は6月中に降伏したはずである。

 ここで試みたのは原爆投下にからむ3つの誤解の究明である。(とりい たみ)

(2007/08/12 05:01)

:2007:08/15/13:01  ++  【正論】「8・15」に思う 同志社大学教授・村田晃嗣 「歴史の反復と復讐」からどう脱却

■歴史的実証と政治のバランス重要

 ≪歴史のプレイバック≫

 また8月15日が巡ってくる。全国で人々が歴史、しかも過酷な歴史に思いを致す日である。

 ここ数カ月の日本政治の流れをふり返ると、歴史について2つのことを想起させられる。1つは「歴史の反復」ということである。

 筆者は先に『プレイバック1980年代』(文春新書)という小著で、今日と1980年代の相似について論じたことがある。大平正芳首相の急逝(1980年)と小渕恵三首相のそれ(2000年)にはじまって、日米同盟重視の中曽根康弘首相と小泉純一郎首相の5年に及ぶ長期政権、国鉄民営化と郵政民営化、さらにリクルート事件とライブドア事件などである。

 これに新たに、参議院選挙での自民党の歴史的大敗が重なることになった。宇野宗佑内閣下の1989年選挙で、自民党が今回以上の打撃を蒙ったことは、周知のとおりである。この調子で80年代との相似が重なると、ほどなくバブル経済がもう一度崩壊することになろう。みな偶然といえばそれまでだが、中曽根首相が「戦後政治の総決算」を唱えて果たせず、今また安倍晋三氏が「戦後レジームからの脱却」を提唱して、首相として初の国政選挙に敗れたことは、日本政治がこの20年ほどの間に、表面的には大きく相貌(そうぼう)を変えながら、根本的には同じ課題を背負い続けていることを示している。

 ≪久間発言と核武装論≫

 そして、次に「歴史の復讐(ふくしゅう)」ということである。

 参議院選挙に先立って、当時の久間章生防衛大臣は、長崎への原爆投下が戦争終結を早めたことを示唆して「しょうがない」と発言し、辞任に追い込まれた。また最近では、いわゆる従軍慰安婦問題をめぐって、日本政府に謝罪を求める米下院決議が採択された。日本の政治や日米関係の将来を見つめるべき時期に、いずれも過去の解釈がこれを強く拘束したわけである。

 少し前に、日本の核武装の可能性について、有力な政治家の発言が相次いだ。これに便乗するかのように、より直截に核武装を説く保守派の論客もあった。核武装を説くのなら、アメリカを説得できなければならない。こうした論客には、異なる立場の人々に「親米ポチ」などというレッテルを貼る前に、大いにアメリカの論客たちと英語で議論を戦わせてもらいたい。「内弁慶」なら簡単なことだからである。

 いずれにせよ、久間発言とこうした核武装論を比較すると、核問題については、過去を語ることのほうが未来を語ることよりも、はるかに困難なようである。もとより、久間発言は、現職閣僚の発言として不適切であったろう(中には、選挙前の発言として「けしからん」と言う者もあったが、では選挙がなければ許容できたのであろうか)。だが、長崎への原爆投下が日本陸軍に降伏を促す重要な要因であったとする、実証的な歴史研究は存在する。政治的な思惑から歴史解釈を一色に塗りつぶす危険は避けなければならない。それは「魔女狩り」である。

 ≪不正確な慰安婦決議案≫

 他方、いわゆる慰安婦問題では、日本政府は繰り返し公式に謝罪してきたにもかかわらず、その真意を歪曲(わいきょく)された。4月には安倍首相自身の不用意な発言もあったが、6月に日本の言論人や政治家有志が『ワシントン・ポスト』紙に掲載した一面広告が、米下院議員たちの心証を決定的に悪化させたようである。この広告は、マイケル・ホンダ下院議員による決議案が、歴史的事実に照らしてすこぶる不正確だと批判していた。確かに、ホンダ議員による決議案も最終的な下院決議も、きわめて不正確で一方的な内容である。

 だが、ここでも実証的な歴史研究と政治的な考慮は分けて議論しなければならない。先の一面広告は、前者の観点からの反論としては必ずしも十分ではなく(なにぶん広告である)、後者の観点からはまったくの逆効果だったのである。

 この歴史的な実証と政治的な考慮のバランスこそが重要であろう。後者のために前者を犠牲にすれば学問の真理が侵されるが、中途半端に前者を振り回しても後者の目的は達せられない。このバランスの回復は、アメリカ人にも中国人にも求められよう。だが、まず日本人がこれを達成しなければ、「歴史の復讐」から逃れることはできず、「歴史の反復」からも脱却することができないのではなかろうか。(むらた こうじ)

(2007/08/11 05:04)

 

:2007:08/15/12:58  ++  「終戦の日」全国戦没者追悼式 遺族らが鎮魂の祈り

政府が主催する全国戦没者追悼式が15日、東京・北の丸公園の日本武道館に天皇、皇后両陛下をお迎えして行われ、参列した遺族ら約5800人が鎮魂の祈りをささげた。

 式典では両陛下のご入場後、参列者全員で国歌を斉唱。就任後、初めての参加となる安倍晋三首相が戦没者と諸外国の犠牲者に対し「深い反省とともに、犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を表します」と述べ、「国際社会の先頭に立ち、世界の恒久平和の確立に積極的に貢献していくことを誓います」と続けた。

 その後、正午の時報とともに1分間の黙祷(もくとう)がささげられ、天皇陛下が「かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします」とお言葉を述べられた。

 また、中国山西省で父親が戦死した高桑國三さん(71)=秋田県男鹿市=が遺族を代表し、「祖国の再興を願って散華された御霊に心から感謝と哀悼の誠を捧げ、真に国民一人一人が祖国を誇りに思える日本国にしていくことを心に誓うことをお約束申し上げます」と追悼の辞を述べた。

 厚労省によると、戦没者は約310万人にのぼり、今年は4921人の遺族が参列を予定。最高齢は101歳、最年少は10歳だった。

 戦没者の父母の参列予定者は最高齢の女性のみで、妻の参列予定者も10年前に比べ1000人以上少ない110人。参列者予定者の65.8%(3237人)を戦没者の子が占め、遺族の世代交代は進む一方だ。

 

天皇陛下おことば

 

 本日、「戦没者を追悼し平和を祈念する日」に当たり、全国戦没者追悼式に臨み、さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。

 終戦以来既に62年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。

 ここに歴史を顧み、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります。

 

安倍首相式辞(全文)

 

 15日の全国戦没者追悼式での安倍晋三首相の式辞全文は次の通り。

 天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、戦没者のご遺族および各界代表多数のご列席を得て、全国戦没者追悼式をここに挙行いたします。

 先の大戦では、300万余の方々が、祖国を思い、家族を案じつつ戦場に倒れ、戦禍に遭われ、あるいは戦後、遠い異境の地に亡くなりました。また、わが国は、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。国民を代表して、深い反省とともに、犠牲となった方々に謹んで哀悼の意を表します。

 終戦から62年の歳月が過ぎ去りましたが、今日の平和と繁栄は、戦争によってかけがえのない命を落とした方々の尊い犠牲と、戦後の国民のたゆまぬ努力の上に築かれています。世界中の各国・各地域との友好関係が、戦後の日本の安定を支えてくれていることも忘れてはなりません。

 私たちは、過去を謙虚に振り返り、悲惨な戦争の教訓を風化させることなく、次の世代に継承する責任があります。

 本日、ここに、わが国は、戦争の反省を踏まえ、不戦の誓いを堅持し、世界各国との友好関係を一層発展させ、国際社会の先頭に立ち、世界の恒久平和の確立に積極的に貢献していくことを誓います。国際平和を誠実に希求する国家として、世界から一層高い信頼を得られるよう、全力を尽くしてまいります。

 終わりに、み霊の安らかならんことと、戦没者ご遺族の今後のご平安とご健勝を心からお祈り申し上げて式辞といたします。

全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前11時56分、東京都千代田区の日本武道館

全国戦没者追悼式で式辞を述べる安倍首相=15日午前11時56分、東京都千代田区の日本武道館

(2007/08/15 12:27)

 

:2007:08/14/16:06  ++  新電子マネー見えないルール(上)使い方広がる「ポイント還元」。

換金・報奨…法の想定外
 電子マネーや企業が利用者に発行するサービスポイント、ネット上の仮想マネーの利用が急拡大している。「一兆円市場」との声の一方、法の網からこぼれ、現行法で対処できないトラブルもある。ルールが不透明な“新・電子マネー”の課題を探る。
課税の算定難しく
 代理店を通じコピー機を売る東芝テックビジネスソリューション(東京・品川)は七月から、PeX(東京・渋谷)の発行するポイントを、営業成績に応じた報奨として代理店販売員に与えている。PeXは企業ポイント同士の交換サービスを展開、互換性の高い自社ポイントも発行する。
 PeXポイントはネット通販のアマゾンなど約二十の提携サービスの商品券、電子マネー、現金にも交換可能で、五千五百ポイントはアマゾンの五百円分。販売員の上位四割は年間二十万―七十万ポイントを得る見込みだ。
 問題は税の扱い。国税庁は「現金以外でも価値があれば収入」とみる。ただ、換金や他の提携ポイント同士の交換も手数料でレートが変わる。「交換レートが様々だと価値算定が難しい」と同庁も頭を悩ます。
 現金同様の価値を持ち始めたポイントだが、制度創設時には想定外だった使われ方が相次ぎ、法や制度の整備も追い付けない。
 ポイントの裏付けで、将来の利用に備え発行企業が積む「引当金」が十分かという問題も浮上している。
 サービスポイントの実施主要五十社の引当金は、二〇〇六年度決算で前年度比四割増の二千七百億円超。だが、企業ごとでは全額から三割程度まで開きがある。カード型電子マネーは前払式証票規制法(プリカ法)で、顧客の入金額の半分以上の国への供託が義務付けられているが、ポイントには法的基準がない。
 通常、購入額の一割分を顧客にポイント還元するビックカメラは、引当額は明らかにしていないが、増額の検討を始めた。同社のポイントは昨春からJR東日本の電子マネー「Suica(スイカ)」に交換できる。自社ポイントは最終利用から二年間との有効期限があるが、スイカは無期限で用途も広く、消滅ポイントが減るとの読みだ。
 引き当てが企業任せの現状に、日本総合研究所の岩崎薫里主任研究員は「慎重にポイントを発行しないと、引き当てしきれない可能性もある」と警告する。国際会計基準の専門家組織が最近まとめたポイントに関する統一指針も、実質全額引き当てを求めている。
 消費者が原資を入金するため規制が厳しい電子マネーを巡っても、法解釈のすき間に急激に広がりつつあるサービスがある。
為替取引に該当も
 電子マネー「Edy(エディ)」を発行するビットワレット(東京・品川)は、二年前から利用者間で一回五万円分を上限に、携帯電話でエディをやりとりできるサービスを始めた。直接現金を動かさずに行う資金移動はすべて、銀行法の免許が必要な「為替取引」とみなされる可能性があるが、このケースでは金融庁は「取引形態から為替取引にはあたらない」とみる。
 ただ、既に上限なしで電子マネーを送っている事業者もあるほか、換金などより影響力の大きいサービスも検討されている。同庁は「為替取引か否かは個別に判断する」とするが、中央大学の野村修也教授は「為替取引の定義をより厳密にして送付金額、反復性など何らかの基準を作る必要があるだろう」と指摘する。
 利用者保護と技術革新によるサービス発展を両立させる法整備は容易ではない。同庁は電子マネー、ポイントも含む決済システム全体の論点整理を開始、法整備論議は熱を帯びそうだ。
 次回は金融面に掲載します。
【図・写真】ビックカメラのポイントをより多用途なスイカに交換できる

:2007:08/10/13:49  ++  【正論】慶応大学名誉教授・神谷不二 米の核融和策と拉致強硬策の両立

 ■北朝鮮独裁体制の脆弱性を考えよ

 ≪米は北の核保有を容認≫

 韓国、北朝鮮が7年ぶりに南北首脳会談を行うことで合意した。北朝鮮は南北和解ムードを強調して、対米関係改善を進めたいところだろう。

 北は6カ国協議(6者)でも、スタートした2003年以降の3年間、アメリカと一進一退の綱引きを展開してきた。

 とはいえ、この間にも水面下では、来るべき変化への胎動が生じつつあった。アメリカは漸増するイラク情勢の混迷をもてあまし、またイラン、パレスチナの難題も加わって、北の核に対して毅然(きぜん)たる姿勢を貫く力を失った。

 平壌にとって核は政権と体制の存否にかかわる最重要課題であり、したがって、もともと核の全面廃棄に応じる意図はまったくない。国際社会の強い反対を無視して、北が昨夏以後弾道ミサイルの発射や地下核実験さえ強行したのは、その表れにほかならぬ。

 今年の春、北にかかわる案件は一時、マカオの銀行に凍結された北の資金問題に集中した。基本的な潮目は、しかしながら、それ以前にすでに大きく変わっていた。今年1月ベルリンで行われた米朝秘密協議で、ブッシュ政権は対北核政策を強硬路線から融和路線へ決定的に転換した。

 北に核の全廃を求めるのではなく、核保有の既成事実は承認した上で、核の拡散だけを阻止する姿勢に変わったのである。第2期も半ばを過ぎた現在のブッシュ政権は、第1期のそれではない。北の体制変革さえ視野に入れていた強硬派の多くは政府を去り、残るチェイニー副大統領も、ライス=ヒルの国務省融和派の前には影が薄い。

 ≪剛構造の独裁体制と弱点≫

 さて、ここでわれわれは国務省融和派と日本の対北政策との整合性、すなわちこの両者が両立するかどうかという微妙な問題にはいらねばならぬ。日本の対北政策は核、ミサイル、拉致、国交正常化の諸側面を包括する総合的なものであるが、拉致がとりわけ重要かつ特徴的であることはいうをまたない。

 そして拉致問題は、スジを通して強硬策を採るか、スジを曲げて叩頭策に陥るかの二者択一しかない。それは妥協や比較利益の論議を許さない、強硬策の世界に属する問題だ。となれば、日本の拉致政策はブッシュ第1期の対北強硬策とは両立したけれども、現在の融和路線と両立しがたいことは否定すべくもなさそうである。

 とはいえ、米朝の綱引きについてアメリカの弱点だけを論じるのは正しくない。とりわけ北の体制が持つ決定的な弱点を、われわれは正確に把握すべきであろう。

 3点をあげたい。第1は、独裁体制が本来的に持つ脆弱(ぜいじゃく)性である。独裁は建築法に例えれば、各部位をひたすら力で締め付ける剛構造だ。それは肝心な部位にゆとりを設ける柔構造とは異なり、1カ所の破損が建物全体の瓦解を招く、危険な構造である。

 共産独裁の元祖であったソ連が意外に早期かつ急速に崩壊した歴史に徴しても、それは明らかだ。まして北の場合は、党への権力の広がりもなく、金日成から金正日にいたる個人の操縦によってかろうじて保たれてきた、耐震性のごく低い体制でしかない。

 ≪非生産的社会の長い歴史≫

 第2に、独裁者は総じて孤独な存在である。権力の裾野(すその)が狭ければ狭いほど、独裁者は体制崩壊の悪夢にさいなまれる。まして齢(よわい)60も半ばを過ぎ、外国医師団の往診まで仰ぐ身ともなれば、孤独と寂寥(せきりょう)は推して知るべし。自己一人の衰弱が体制四散の脅威に直結する。

 第3に、北の独裁者はなりふり構わぬ自己主張によって数年来たしかにポイントを重ねてきた。核保有の切り札も手に入れた。だが、その裏には食糧やエネルギーさえも漸増する対外依存によって維持しなければならぬ、貧しい国家経営像が鮮明に見える。

 歴史をたどれば、1970年代の初頭まで北は経済、軍事両面で韓国を凌駕(りょうが)していた。両者がオブザーバーだった国連でも北の承認国が急増し、今日では信じがたいような話だが、韓国で国連脱退論がまじめに議論されたことさえあった。つまり、北の非生産的な体制にはすでに数十年におよぶ歴史があり、その存続がかりにアメリカや6者によって保障されたとしても、現体制の下でこの国が大きく成長する可能性はほとんどないのである。

 以上3点を真摯(しんし)に考慮するならば、核だけでなく拉致をも柱とする対北強硬策を採る日本の政策は、決して非現実的なものでも非生産的なものでもなかろう。アメリカの変節にかかわらず、日本は拉致政策に自信を失ってはならない。(かみや ふじ)

(2007/08/10 05:01)

:2007:08/07/11:10  ++  【正論】激震、参院選 京都大学教授・中西寛 与野党将来見据え憲法的危機回避を

■いたずらな対立は国際的威信損なう

 ≪党組織弱体化は不可避≫

 参院選挙での与党大敗、民主党の参院第一党の地位獲得という事態は、日本政治にとって大試練である。この試練を政治改革の機会ととらえて与野党が建設的に活かすか、それとも内向きの対立に終始して国際社会で影の薄い存在となるかが問われている。

 まず与党大敗の原因である。郵政民営化や公共事業縮小など小泉構造改革によって自民党の地方組織が弱体化したことが指摘されている。それ自体は間違いではないが、かつての足腰を自民党が取り戻せるかというと、それは難しい。6年前、自民党総裁選で小泉前首相が橋本元首相に対して予想外の大勝を収めたのは、1998年の橋本政権下での大敗の轍(てつ)を踏みたくないという気持ちが自民党の地方支部に強かったからである。期待通り、2001年の参院選では小泉旋風が無党派層を動員して参院選を勝利した。しかし前首相の神通力が衰えた04年の参院選では自民党は比例区得票で民主党に第1位の座を譲り渡した。つまり小泉改革の前から自民党は組織票だけで参院選を勝てない体質になっていたのであり、今回の敗北はこの事実を確認したに過ぎない。

 ≪政権運営まずく信任低下≫

 この構造の上に安倍政権が逆旋風を引き起こしてしまったために今回の大敗となったのである。安倍首相が憲法、教育、外交安保といった国家の骨格について改革意欲をもっていることは疑いない。政権発足当初、この安倍戦略について期待をもつ層と警戒を抱く層が存在したが、無党派層の大半は模様眺めで見ていたというのが実際のところだろう。しかしその後の政権運営は安倍首相への信任を低下させた。要するに骨格改造を掲げる割には、傷口に膏薬(こうやく)を貼るような手法が目立ちすぎた。閣僚人事もその一つだが、段取りの悪さの方が問題だろう。典型は教育改革で、前内閣から引き継いだ教育基本法の改正を実現したのはよいけれども、同時に内閣独自のイニシアチブとして教育再生会議を立ち上げた。基本法改正後に会議を立ち上げるか、会議の諮問を受けて基本法を改正するのが筋の通ったやり方ではなかったろうか。

 首相の言葉が存外軽いことも問題である。参院選について「天下分け目」とか「安倍をとるか、小沢をとるか」といった表現をとったことは、首相の言葉が持つべき重みを感じさせなかった。さらに、ホワイトエグゼンプションや年金の問題で世論の反応を見て対応を安易に変える傾向をもマイナスだった。安物の求愛はかえって軽蔑(けいべつ)を招くことは世の常である。安倍首相が続投するなら、じっくり構えて事を進める手法をとるべきだろう。

 ≪民主の試金石テロ特措法≫

 ひるがえって民主党である。日本が二大政党制に向かうにつれ、衆院多数を与党が、参院多数を野党が占めるねじれは起こりうることである。しかしこれは憲法の予想した事態ではなく、両院の多数派が全面対決すれば、日本の政治はデッドロック状況にに陥る。ここは自民、民主両党が将来を見据えて、双方の主張を取り入れつつ妥協点を見いだす仕組みを作っていく他ない。

 特にそれは民主党にとって望まれることである。世論は当面、民主党に与党との対決を望むだろうが、安易に抵抗路線を突っ走るとやがて世論の矛先が自らに向かうばかりか、将来、民主党政権ができた時にも悪しき先例を提供することになるだろう。主張すべきは主張し、引くべきは引く判断ができるかどうか、心ある人々は民主党の行動に注目している。

 11月に期限切れになるテロ対策特別措置法(テロ特措法)への対応が試金石となる。これまでの期限延長に反対してきた民主党が、無条件で再延長をのめないのは理解できる。しかし、同法制定時には民主党も賛成したのであり、これまでの反対も絶対的なというよりは条件付きのものであった。従って修正つきの同法延長への賛成は可能であろう。

 同法に基づくインド洋での給油は海上自衛隊によりアメリカ以外にも10カ国に対して行われており、その活動は広く評価されている。こうした活動が内政上の対立のために中断されるということになれば日本の国際社会での威信がどれほど損なわれるか寒心に堪えない。仮にテロ特措法を終わらせるなら、民主党はその終了までに従来の主張である安全保障基本法案を提示し、アフガニスタンでの平和構築にどのような形で参加するか明らかにする責任があろう。(なかにし ひろし)

(2007/08/07 05:07)

:2007:08/07/11:08  ++  生産性上昇へ、M&AやIT活用を 経済財政白書

大田弘子経済財政担当相は7日の閣議に平成19年度の年次経済財政白書を提出した。少子高齢化による人口減が見込まれる中で、成長を持続させるためには「生産性を高めることが重要な課題」と分析。企業部門にIT(情報技術)化や人材育成といった生産性上昇のための努力を求めている。

 白書には「生産性上昇に向けた挑戦」という副題がつけられた。持続的な成長には「労働生産性の上昇が鍵を握る」と強調。1人当たりの労働生産性の伸び率を今後5年で5割アップさせる政府の政策目標達成のため、企業に積極的な行動を促している。具体的には、M&A(企業の合併・買収)の有効活用、人材育成の強化、ITの利用拡大などを打ち出している。

 流通や運輸、金融といった非製造業の分野で、米国に比べ日本でのITの活用が遅れていると指摘。IT活用を積極的に進めるため、IT専門の経営責任者を置く必要性を説いている。

 経済の動向では、長期的な回復局面に入り「成長の新しいステージに入りつつある」と評価した。半面、国民が回復を実感できていないことに対して、「企業部門の好調さが家計に波及していない」と分析している。

 企業業績に見合って賃金が上昇していないことが背景にあるが、非正規雇用の増加や団塊世代の大量退職など複数の要因を挙げた。しかし、「決定的な要因は特定できなかった」とした。

 賃金の低迷は今後の企業業績にマイナスの影響を与える可能性がある。加えて、米経済の減速や原油価格の上昇なども懸念材料になっており、先行きの不透明感を印象づけている。

(2007/08/07 10:35)

:2007:08/06/11:53  ++  【正論】激震、参院選 佐瀬昌盛 参院選「勝ち組」に告ぐ

□防衛大学校名誉教授、拓殖大学海外事情研究所客員教授

 

 ■憲法領域の論議無視し続けられない

 ≪「勝ち組」無意識の矛盾≫

 まったく「何たる選挙戦」としか言いようがなかった。年金、不祥事閣僚などを材料に、民主党はひたすらパンチを振るえばよかった。ガードを固める必要はなかった。自民党が一発のパンチだに繰り出せなくなっていたからだ。これほど変わった国政選挙は、みたことがない。

 試合運びがそうだった以上、民主党大勝、自民党大敗となったのは当然だ。ただ「負け組」の総大将・安倍首相が29日夜のうちに続投意志を表明すると、必ずしも当然とはいえない光景が現れた。「勝ち組」が反発、首相は辞任すべきだと声をあげた。「勝ち組」にしてみれば、過去の宇野、橋本両首相の参院選大敗を前例とする経験則に照らして、即刻の安倍辞任が「当然」と考えたわけだ。が、それは本当に当然なのだろうか。

 「勝ち組」には2種ある。第1は民主党。第2は自民敗北を望んだマスコミ、ジャーナリズム。代表格は安倍憎しで染め抜かれた朝日新聞。鳩山民主党幹事長が勝利の高揚感から首相即時辞任を唱えた気持ちは、理解できる。朝日を先頭にマスコミのかなりの部分が同様の主張を展開したのも、「勝ち組」意識の反映だろう。

 そういう行為を私が「必ずしも当然といえない」と見るのは、それが「政権たらい回し」の是認にほかならないからだ。「勝ち組」にしれっと、「政権たらい回しはいいことですか」と尋ねたらどうなるか。「いけない」と答えたにきまっている。「勝ち組」の無意識の矛盾だ。

 ≪衆議院早期解散論へ転換≫

 「勝ち組」は、「勝敗は見ての通り。安倍首相よ。どの道を選ぶかは自分で、あるいは身内と相談して判断なさい」と突き放すべきだった。その方がはるかに厳しく、かつ威圧感ある責任追及だったはずである。

 念のために言う。自民党という「負け組」の中にも首相辞任必要論がある。が、これは「勝ち組」のそれとは性質が全く違う。「政権たらい回し」是認論、いやそれどころか「それ以外に政権維持の道なし」論だからだ。「勝ち組」マスコミにはこれらの事柄の弁別力があるか。

 小沢一郎民主党代表の姿が永田町に戻ってきたころから、「勝ち組」の主張は首相即刻辞任必要論から衆議院早期解散実現論へシフトした。首相を引きずり降ろす制度的手段がない以上、この転換はやむを得まい。ただ、ここでも念を押しておく。安倍内閣を追い込み衆議院早期解散をかちとるとは、裏を返すと「伝家の宝刀」を抜く首相の大権の容認を意味する。それは、参院選で国民は首相を不信任、ゆえに衆議院の意向を待たずして首相は辞任せよとの高揚感過多の、ただし理性欠如の当初の議論とは、構造的に大きく違う。「勝ち組」の主張は気まぐれ過ぎる。

 ≪「高い」領域と身近な領域≫

 欧米諸国にはハイポリティクスとかグローセ・ポリティーク(大きな政治)とか呼ばれる観念がある。国の防衛、安全保障、外交など対外関係、あるいは国の基本的骨格、つまりは憲法秩序の領域がそれに当たる。ハイとかグロースとか呼ばれるのは、それらが「高過ぎ」たり「大き過ぎ」て市井の人の目には入りにくいからだ。だから、この種の論点を持ち出すのは選挙戦法として割が悪い。「年金」「格差」のような有権者に身近な問題とは違う。

 安倍首相はハイポリティクス領域での選挙戦を望んで空しかった。小沢代表は「国民の生活が第一」として、ハイポリティクス領域を無視した。その意向に即して民主党の「マニフェスト」も、この領域への言及はミニマムだった。この選挙戦法は巧妙で、勝利に大きく貢献した。

 だが、自民党を倒して政権担当者たるには、ハイポリティクス領域を無視しつづけることはできない。国政にはその領域が厳然として存在するのだから。ちなみに、安倍首相が論争を封じられた憲法、外交、防衛、安保の領域で、思う存分に持論を-ただし安倍首相とは逆方向で-語った勢力が2つあった。共産党と社民党だ。両党は憲法9条問題では民主党にさえ噛(か)みついた。そして議席を減らした。なぜか。このことの意味を「勝ち組」マスコミは全く分析しない。

 次期衆議院選挙戦は実質的にすでに始まっている。それがもう一度、「年金」選挙となることはあり得ない。ではどんな選挙戦となるか。今回は省略されてしまった「高い」領域でも二大政党が議論を交わしてはじめて、真の「政権選択選挙」が実現することになる。

 (させ まさもり)

(2007/08/06 05:59)

:2007:08/04/21:27  ++  ホンダ議員、慰安婦決議採択直後に明言 中国系団体が主導

【ワシントン=古森義久】米国下院は慰安婦問題で日本を糾弾する決議を採択したが、この決議を主導したマイク・ホンダ議員(民主党、カリフォルニア州選出)は採択直後の記者会見で、最初に在米の中国系反日団体への感謝を述べ、同団体が長年にわたり慰安婦問題に関する同議員の日本非難の活動にとって最大の推進力となってきたことを明言した。

 ホンダ議員は7月30日の同会見で冒頭、「感謝」の対象として真っ先に在米中国系団体「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会)の名をあげ、次のように語った。

 「1999年、この団体がアジアで起きたことの映像展示会を開き、その一つが慰安婦問題だった。そして同団体の指導と主唱が私たち議員事務所、私個人にとっての最初の(同問題への)かかわりとなった。同団体の主唱こそが私に情報と推進力を与え、カリフォルニア州議会で共同決議を採択させた」

 同州議会での決議は慰安婦問題などで日本政府に謝罪や賠償を求める内容で、賠償を除いては今回の連邦議会下院での決議と同趣旨だった。州議会での決議案は抗日連合会の幹部連がホンダ議員と「ともに書き、共闘で成立させた」と明言していた。同幹部連は以後もホンダ氏が連邦議会下院選に出る際に政治献金などで全面支援し、2001年から今回まで合計4回の慰安婦決議案提出でも背後の推進力となったことを同様に地元マスコミなどに明かしてきた。

 連邦議会での同決議案推進のロビー工作には韓国系の「ワシントン慰安婦連合」などという団体が表面に出ていたが、ホンダ議員は決議案採択後の会見では同団体に言及もせず、真の推進役が中国系の抗日連合会であることを期せずして明示した。また決議案の審理中もホンダ議員は中国系とのかかわりを語ることはなかった。

 ホンダ議員は同会見で「中国政府から指令されてはいない」と強調した。

 しかし抗日連合会は1994年にカリフォルニア州で結成され、幹部はみな中国系の米人や永住権保持者だとはいえ、2005年春には中国政府の意向を受ける形で日本の国連安保理常任理事国入りに反対する署名を4200万人分も集めたと発表したほか、02年には中国当局の協力を得て上海で第二次大戦の賠償に関する国際法会議を開くなど、中国との密接なきずなを明示してきた。

 ホンダ議員の選挙区に本部を置く抗日連合会はさらに1997年には南京事件に関する欠陥書の「レイプ・オブ・南京」(アイリス・チャン著)の宣伝や販売に総力を投入したほか、昨年には「クリント・イーストウッド監督が南京大虐殺の映画を作る」というデマの発信源ともなった。

 他方、今回の慰安婦決議では日本側の最近の動向に対応して米国議会が自主的に批判の動きをとり、韓国系団体が同調するという構図が提示されてきた。だがホンダ議員が中国系の抗日連合会こそ日本糾弾の真の推進役であることを初めて明らかにし、しかもその団体が中国当局の意向を反映し、恒常的に歴史問題での日本非難の構えを取ってきた実態と合わせて、いわゆる慰安婦問題での真実の構図は従来の表面上の印象とはまったく異なることが証されたといえる。

(2007/08/03 08:01)

:2007:08/03/10:26  ++  【正論】東京基督教大学教授・西岡力 民意は安倍政権の拉致政策を支持

 ■ねじれ現象の混乱を喜ぶのは北朝鮮

 ≪北は日本の柔軟化を期待≫

 参院選の自民党大敗が今後のわが国の対北朝鮮政策にどのような影響を及ぼすのかについて考えたい。安倍政権は拉致問題を国政の最優先課題に掲げ、6者協議で核問題が進展しても拉致問題に実質的進展がない限り、一切の対北支援に加わらないという強い姿勢を堅持している。この政策が変更されるのか。

 北朝鮮は選挙期間中、安倍政権を糾弾する集会を連日開催し、官営メディアを動員して安倍非難を続けた。7月19日には「安倍一味の『拉致』騒動は自滅を招くだけだ」と題する外務省備忘録を発表し「『拉致問題』は、わが共和国の誠意ある努力によってすでに解決された」「安倍一味は『拉致問題』が解決したことを必死に否認し、『拉致』騒動に執拗(しつよう)にしがみついている」「死んだ人たちを生かして送還するまでは『拉致問題』が解決したといえないということだ」「安倍政権は『拉致問題』を引き続き持ち出して、日本の再武装を進めるのに利用しようとしている」などと、荒唐無稽(むけい)の主張をなした。

 選挙結果が判明した30日、北朝鮮外務省副局長はマニラで日本人記者に「朝日関係改善の点から本当に行動するつもりがあるかどうかだ。今の政権はそうしたことがなかった。誰が政権を担おうが本気でわれわれとの関係を改善し、過去を正しく清算する意思がある人間なら肯定的に対応し、意思がないなら相手にする必要はない」(朝日新聞30日夕刊)と日本非難を続け、わが国の対北朝鮮政策が選挙後、柔軟化することへの期待を表明した。

 ≪自・民とも対北強硬姿勢≫

 核問題での成果を求める米国務省と、元来親北的な中国共産党政権、韓国現政権も安倍政権の政策変更を求めている。しかし、困難を覚悟して政権の座に留まった安倍首相は対北政策を変えないだろうし、また絶対に変えるべきでない。安倍首相は「鉄の意志で拉致被害者全員を救出する」とした公約を守るためにこそ留任を決断したのだろう。

 参院選では拉致問題をはじめとする対北朝鮮政策は争点とならなかった。国政選挙として残念だったし、自民大敗の理由の一つがそこにあったかもしれない。ただ、少なくとも国民は安倍政権の対北政策に「ノー」を言ったのではないことがここから分かる。

 さらに、選挙で大勝をおさめた民主党は選挙直前に安倍政権以上に強い対北政策を主張していた。

 7月11日付本欄拙稿で論じたように、6月末、北朝鮮人権法の改正案が自民、公明、民主の3党の合意の下で成立した。当初の自民党案は「政府は、その施策を行うに当たっては、北朝鮮当局による人権侵害状況を固定化し、又は助長するおそれがないよう、十分配慮するものとする…」とされていたが、民主党はそれをより強硬に修正して「北朝鮮に対する支援は、拉致問題の解決その他北朝鮮当局による人権侵害状況の改善に資すると認められない限り、行ってはならない…」とした。

 6月12日、民主党は横田めぐみさんのご両親ら被害者家族と支援団体などを招いて拉致対策本部を開き、自民党案では生ぬるい、安倍政権は拉致問題の実質的進展がないまま北朝鮮支援に踏み切るかもしれないと批判した。

 最終的に自民・公明と民主の政策責任者が協議をして「政府は、その施策を行うに当たっては、拉致問題の解決その他北朝鮮当局による人権侵害状況の改善に資するものとなるよう、十分に留意するとともに、外国政府及び国際連合、国際開発金融機関等の国際機関に対する適切な働きかけを行わなければならない」とする改正案がまとまり、与野党の圧倒的多数で成立した。この改正案に反対した共産党と社民党は選挙で惨敗した。

 ≪核協議の進展と拉致問題≫

 北朝鮮は今後、核問題の「見せかけの進展」を示しつつ、米国務省、韓国政府、中国政府などと連携して「拉致問題にこだわる日本のせいで核問題解決が阻害される」との圧力をかけてくるだろうが、安倍政権はもちろんのこと、巨大野党となった民主党も、自分たちが作ったこの法律に従って拉致問題解決を最優先とする今の対北政策を継続しなければならない。参院選で国民はこの改正を行った自民、公明、民主の3党を支持した。これまで拉致問題解決のために尽力してきた自民党の中山恭子、衛藤晟一、民主党の森裕子の3氏が激戦の中、当選したこともそのことを象徴している。これが民意である。(にしおか つとむ)

(2007/08/03 05:17)

:2007:08/03/10:22  ++  【主張】テロ特措法 国益考え責任政党の道を

参院の第一党になった民主党が、責任政党の道を歩むのかどうか。

 インド洋で海上自衛隊が洋上給油活動を行うためのテロ対策特別措置法が、11月1日で期限切れとなる。民主党が秋の臨時国会で、期限延長の改正案にどう対応するかが、さっそく、焦点となっている。

 しかし、小沢一郎代表は「これまで反対していたのに賛成するわけがない」と、反対する姿勢を早々と示し、米国政府の懸念も招いている。

 日米同盟や日本の国際的信用など、国益を考えた対応をとれないようでは、参院選で民主党を勝たせた有権者の多くが「やはり政権は任せられない」と見放すに違いない。

 この際、小沢氏は「政策より政局の人」という不本意なレッテルを返上すべきである。

 テロ特措法は、平成13年9月の米中枢同時テロを受けた国連安保理決議に基づいて定められた。

 過去3回延長されたが、そのたびに民主党は反対した。参院で与党が過半数割れした状況下で、民主党の反対は延長を阻止し、活動の空白を生むことにつながる。

 活動内容は、アフガニスタンでの対テロ作戦に参加する多国籍軍の艦船への補給だが、対米協力ばかりではない。イスラム国家として艦船を出しているパキスタンへの補給もある。欧米諸国を中心とする「テロとの戦い」にパキスタンをつなぎ留めておく点でも、日本の役割は大きい。

 日本が仮に撤退すれば、日米同盟への悪影響は深刻である。そう考えれば、改正案への対応はおのずと決まっていくだろう。

 シーファー駐日米大使も問題の重要性から、小沢氏と会って説得したい意向だとされるが、まず、政府・与党が民主党と向き合うことが必要だ。

 当初、民主党が主張した自衛隊派遣に関する国会の事前承認について、修正協議も検討したらよい。

 1日死去した作詞家の阿久悠さんは、遺稿となった本紙コラム「阿久悠 書く言う」(6月9日付)を「国民は動いている。野党はフリーズしている。柔軟な外国に勝てませんぞ」と結んだ。民主党諸氏にぜひ、読み返してほしい一文である。

(2007/08/03 05:24)

:2007:08/03/10:16  ++  安倍内閣支持率、過去最低の22% FNN世論調査

FNN(フジニュースネットワーク)が参院選直後の7月31日から今月1日にかけて実施した「政治に関する世論調査」によると、安倍内閣の支持率は22.0%と内閣発足からの最低記録を更新し、支持しないとの回答も64.8%と、初めて60%を突破した。59.4%が早期の衆院解散・総選挙を望んでおり、安倍内閣が年内に退陣するとの見方も半数を超え、続投を表明した安倍晋三首相は、厳しい数字を突きつけられた。

 

指導力への不信増大

 

 安倍内閣は発足直後の支持率が63.9%、不支持率は17.0%だったが、1年もたたずに完全に逆転した。その最大の原因に、安倍首相の指導力が挙げられる。

 指導力への評価は、発足直後は36.8%だったのが、前回のFNN・産経合同調査(7月19~21日)では15.8%まで下降、今回は8.1%と1ケタ台になった。参院選のひとつの争点だった年金記録紛失問題への対応は21.9%が評価したが、閣僚の相次ぐ不祥事が参院選の結果に影響したとする意見が92.9%にのぼった。安倍首相の不祥事への対応が後手に回ったとみられたようだ。

 安倍内閣の見通しにも厳しい数字が出た。年内に退陣すると回答したのが56.4%で、首相に早期の衆院解散・総選挙を求める意見が56.0%と、政治姿勢や政策を変えるべきだ(25.5%)、今までの通りでよい(14.7%)を大きく上回った。自民党支持者の間でも「衆院解散・総選挙を」「今までの通りでよい」が33.5%で並んでいる。

 

民主党への期待上昇

 

 政党支持率も、自民党が23.0%で前回調査より9.6ポイント下がり、逆に参院の第1党に躍進した民主党は32.8%とほぼ倍に跳ね上がった。また、54.3%が民主党に期待すると回答、76.8%が参院は衆院へのチェック機能を強めるべきだとしており、参院での民主党への期待が高まっていることもうかがえた。

 今回の調査結果について、塩崎恭久官房長官は2日の記者会見で「国民が期待する政策、要望にきちっとこたえ、結果を出すことが大事だ。いろいろな批判や評価に謙虚に受け止めたい」とコメントした。

 民主党の菅直人代表代行は2日、都内で記者団に「民主党にチャンスを一度与えてもらった。それにこたえるために、マニフェスト(選挙公約)を軸に、すぐできることは参院に法案を出して実現していきたい」と述べた。

 

本命不在

 

 「ポスト安倍」にふさわしいのは誰か、を尋ねたところ、最も多かったのは、民主党の小沢一郎代表。ただ、全体で13.8%、民主党支持者のなかでも26・5%程度で、小沢首相待望論が高まっているとはいえない。

 自民党内では、麻生太郎外相と小泉純一郎前首相が10.8%でトップ。以下、福田康夫元官房長官(8.4%)、谷垣禎一元財務相(4.1%)と続いた。しかし、全体の27.9%、支持政党なし層の54.5%が「ふさわしい人はいない」と回答しており、「ポスト安倍」に名乗りを上げる人物がいないという自民党内の現状を見透かした反応ともいえそうだ。

(2007/08/02 19:20)

:2007:08/03/10:15  ++  MSがネット改革 利用者絞り込み独占コンテンツ

マイクロソフトは2日、今年度のネット事業戦略を発表した。利用者層を絞り込み、独占コンテンツ(情報の内容)を新規投入してポータルメディア化を加速させるほか、メールや記憶領域提供サービスなどの無料ウェブサービスを充実させ、ヤフー、グーグルを追撃する。しかし、グーグルも動画投稿サイト「Youtube(ユーチューブ)」の著作権問題を解決できずにいるほか、米ヤフーは広告収入の伸び悩みで減益が続くなど根幹が揺らいでいる。3社ともそれぞれ課題を抱えてはいるが、他の多くの業界を変える衝撃波はすさまじく、その動向からは目が離せない。

 

ヤフー、グーグルに対抗

 「今年こそ大きな波を作りたい」。マイクロソフトのオンラインサービス事業部の笹本裕部長は、ライバルに大きく後れをとる赤字のネット事業とポータルのMSN、それにウェブサービスのウィンドウズ・ライブの強化策を次々と挙げた。

 ヤフーに対抗するMSNは、利用者層を25~45歳に絞り込み、都会派のための知的エンターテインメントサイトへの変革を目指す。新動画再生ソフトなど新たな利用者体験を実現する機能を投入。コンテンツ面でもニュース配信や動画投稿サービスなどを刷新する。

 ニュース配信は産経新聞社と提携。エグゼクティブプロデューサーのショーン・チュウ氏は「MSN産経ニュースは、常識を覆すウェブ・ファーストのネット優先編集」と速報性が売りと紹介。10月からのサービスを改革のトップバッターと位置づけた。

 グーグル対抗のウィンドウズ・ライブは、無料メールとアウトルックの融合など、ウィンドウズOS(基本ソフト)との一体化を進めるほか、メール保存容量を現在(2ギガバイト)の倍に増やすなど、ライバルよりもサービス内容を拡充させる。

 一方、今年の重要課題の1つに広告事業拡充がある。約7200億円を投じて5月に買収したネット広告大手アクアンティブを活用し、ライバルを追いかける。

 リードするライバルも順風満帆ではない。

 ユーチューブの著作権侵害問題について2日、会見した米グーグルのデイビッド・ユン副社長は「改善に向けて最大限の努力を続けたい」と従来通りの発言を繰り返すにとどまったが、著作権侵害状態は改善されておらず、日本の著作権関連24団体・事業者は「グーグルの対応は極めて不十分」との声明を発表。問題解決にはほど遠い状況だ。

 ユン副社長は「違法コンテンツは望んでいない。ユーザーには権利を持つコンテンツのみを投稿するよう明示している」と訴え、画像や音声の識別技術と、動画情報に著作権情報を埋め込む「電子透かし」技術を活用して著作権侵害の投稿を発見するプログラムを開発中と説明。一部は今秋にも著作権者側に提供するとし、テレビ局に対しては放送設備への導入を求める考えを示した。

 しかし、著作権侵害の横行を既成事実ととらえ、解決手法も自社の技術に求めるグーグルの姿勢には、著作権団体の反発も強い。

 また、ポータルで先行する米ヤフーは、順調な日本法人とは裏腹に、ネット広告収入の伸び悩みから6四半期連続で純利益ベースでの減益が続いており、サービスの再構築が急務。ネットサービスを巡る勝敗の行方はまだ分からない。

(2007/08/03 09:27)

 
 
 

:2007:08/03/10:08  ++  (5/9)SaaS を考える・その2(氏家 豊氏)

先回に続いて、SaaS(Software As A Service)を考える。その運営環境はどうか。顧客はソフトウェアのインストールやサーバー、ネットワーク機器その他ハードウェアの管理をするわけではないため、SaaSプロバイダーの仕事はエンドユーザー教育にウェイトが置かれる。つまり、プロバイダーは顧客側での当該製品トレーニングと関連ネットワーク運営を含むアプリケーションサポートに資本を投入している。その結果、顧客からのフィードバックも継続的に行われるため、新しい機能の開発にも役立つしアプリケーションのパフォーマンスも改善される。かつ、初めからアプリケーション環境それ自体にエンドユーザーとの相互作用が多いため、新機能に対する「優先順位化」やバグ修正、システム拡張などへと従来よりも効果的に結びついてゆく。

 ユーザーから来る数千の取引を同時に行い、過去のデータ等にも迅速にアクセスできるようにするというのは、最近のオンライン取引や企業コンプライアンスの面から益々大きなテーマになってきた。他方で、ほとんどのサービスプロバイダにとって、「大掛かりなデータセンター(複数のバックボーンによるコネクティビティ・データストレージ・電源、など)を構築し管理してソフトウェアの可用性(Availability)とデータセキュリティを確保する」、というやり方はコストがかかりすぎる。しかし、ほとんどのサービス品質保証 (SLA)が要求する最適性能はこのようなインフラへの巨額の投資を行ってのみ可能であるのも事実。また、ソフトウェアの使用量が増加するにつれて、ピーク時の需要を支えるためにハードウェアとネットワーク環境に対する要求も増大する。こういった理由から、サービスプロバイダー側では純粋にソフトウェアだけのライセンスを再販するよりも、管理面コストを縮小できるホスティング済みソフトウェアの再販という形をとるようになっている。

 さらに、このアプリケーションのサポート運営コストを抑えるため、繰り返し性のある作業をなるべく自動化するという事が重要になる。自動化により生産性を増加させ、デッドラインに間に合わせることが可能になるからだ。また人為ミスを発見したりデータ入力エラーを回避するためには、監視システムが不可欠である。人為ミスは解決に費用がかかるだけでなく、顧客の不満にもつながる。他方、簡単に自動化できないプロセスに関しては、高いエラー率で発生する全ての特殊事情をサービスプロバイダー側で分析した上で、場合によってはワークフローを簡素化することも求められる。

 アプリケーションは必要に応じて機能を使用可能にしたり使用不可にしたりできることもポイントである。これによりサービスプロバイダー側に同様に、提供アプリケーションを簡素化したり逆に複雑なビジネス環境に対して機能を拡張したりする力を与えることができる。ソフトウェア設定も、ワークフローの変化やその他ユーザーの要求に対していちいちカスタマイズしなくても対応できるようでなければならない。以上のような事やその他ベストプラクティスを実行することで、売り上げは増えサポートコストも減少するはずである。

 では、アプリケーション・アーキテクチャーはどうか。従来のソフトウェアライセンスモデルとこのSaaSとの間で大きな差異をもたらす部分として、R&Dと製品サポートに対するアプローチの違いがある。ソフトウェアライセンスモデルでは多くの場合、異なる技術環境(メインフレーム、クライアント・サーバー、Webベース等)上に複数のコードベースをサポートすることがベンダー側に要求され、しかも単一クライアント向けに納品されるため、それらはクライアント側で管理される。一方SaaSモデルでは複数のエンドユーザーを対象にし、マルチクライアントの共有アプリケーション環境で動作する、単一のWeb用コードベースで作成される。その結果、SaaSプロバイダーでは新規顧客を獲得するたびに増分R&Dコストが下がる、という仕組みになる。加えて、従来のソフトウェアライセンスベンダーが2-3年毎をサイクルとして新しいソフトウェアを発表するのに対して、SaaSプロバイダーはより頻繁でシームレスなソフトウェアのリリースが可能である。

 また、SaaSではピーク時の需要を想定して、セキュアで安定した環境の中で何百万というトランザクションを実行する事を可能にするアーキテクチャーを必要とする。このソフトウェアアーキテクチャーの選択肢を検討する際、サービスプロバイダーは同様の特性を持つ関連産業を通常参考にしている。その意味でよく参考にされる産業として、ピーク時の需要(開始・終了のベル)や使用量の多さ(株の売買)などから証券取引業界がある。Web技術を早くから取り入れたウォール街では、バックオフィスのアプリケーションの多くはJavaベースのシステムに移行している。

 シリコンバレーの、あるセキュリティーソフトウェアのリーディング企業は、今年2007年よりSaaS製品を発売予定である。「我々の技術は、SaaSの形態によく合うものです」とその会社経営者は言う。「ひとつの例としてバックアップが挙げられます。すでに弊社コンシューマ用サービスにて、オンライン上で処理が可能です。つまり、写真やデジタルコンテンツなら、オンラインで提供される2GBを使って弊社のデータセンターにバックアップし、そのまま放置することができます」。この会社は現在、そのSaaS製品を中小企業市場向けに拡大しようとしている。もっとも、この、ライセンスからサブスクリプションのモデルへの移行は、「最終的には収支的に成功が見込まれるものの、短期的には苦痛に満ちた、つまり売り上げ単価の小ささが全体収入を危うくしうる」。

 私自身、最近、このSaaSモデルを標榜する企業に行き当たることが増えてきた。やはり、顧客対応ツール系、つまりEマーケティングや顧客向けビジネス文書は配信管理など。これからも増えて行こう。

:2007:08/03/09:59  ++  (4/10)SaaS を考える・その1(氏家 豊氏)

今回は、私自身も付き合いの長いソフトウェア分野に戻って、テーマはSaaS。サースと読む。日本のシステム・インテグレーター業界でも最近急速に注目度を増しているキーワードの一つだ。そもそもこのSaaSだが、ご存知の通り、少し前はASP、つまりアプリケーション・サービス・プロバイダーと言うことばを使った。このASPモデル、そもそも1998年ころより、企業向けソフトウェアのアプリケーションがWeb上で提供され始めた動きで、ほんの10年足らず前のこと。それまでの主流であったソフトウェアのライセンス売りの代わりにサブスクリプション、つまり顧客の必要に応じたレンタル形式での「ホステッドソフトウェア・スペース」が注目を浴びていた。少しずつビジネスモデルを変えたいろんなASP業者が出てきたが、登場時の華々しさのわりに、ソフトウェア業界大手の従来型ライセンスモデルの壁にも阻まれて、その後関連ベンチャー企業群の株価も急落し低迷した。比較的最近、その代表的専業ASPの一社であったCorio社がIBMに買収されたのは記憶に新しい。

 

 このレンタルモデル自体は、元々ユーザーニーズに適っていたこともあり、その後、この分野の一部企業がそれまでの不完全性を補って、再度復活してきた。セールスコピーも、ASPという古い言葉ではなく、「Software-as-a-Service」からSaaSとした。IBMの提唱する「ITサービス」、つまり「サービス提供としてのIT」的な着想である。そしてこれらSaaS企業は、折からのネット環境完備の追い風も受けて、完全Webベースでのアプリケーション提供モデルを極めて行った。その結果、米国では2003年後半より、「ユーザーが必要とするものだけをサービスとして配布して利用できるようにしたソフトウェアの配布形態モデル」として拍車がかかった。

 現在、このSaaS分野では数社がIPOを成し遂げている。 この「pay-as-you-go」モデルは、確かに、ソフトウェアと関連インフラをアップグレードするべきか、あるいはアウトソーシングするべきかに悩む経営者にとって強い魅力となっている。この動きはまた、ソフトウェアベンダー、専門ITサービス提供会社そしてエンドユーザーとの間の根本的な役割・責任を変化させている。つまり、SaaSに対する需要が増えると、従来のソフトウェアとITサービス会社としては当然、市場戦略の見直しを迫られ、オンデマンド提供に耐えうる資本力ある他社に対して競争力をつけなくてはならなくなる。

 SaaSでは、アプリケーションはオフサイトのデータセンターにあり、サービスプロバイダがデータ・サーバ-・関連ハードウェアなどの保守を行う。エンドユーザーはインターネット経由でブラウザやバックエンドWebサーバー等を使ってこのアプリケーションにリモートアクセスする。ここでは、「一対多数」またはマルチクライアント配信モデルを前提としており、アプリケーションはクライアント側で共有されているため、アプリケーションのカスタマイズは最低限に抑えられ、大規模なインプリメンテーションやインテグレーションのコストは回避できる。このモデルの前提は、クライアント側ではなくSaaSのプロバイダー側が技術・ハードウェアとサポートに投資する、ということ。その代わり、顧客側はサブスクリプションやサービス品質保証 (Service Level Agreement: SLA)に従って随時決済をし(pay-as-you-go)、それにより一定レベルのパフォーマンスとアベイラビリティが保障される。このアプローチではリスクはSaaSプロバイダー側とクライアント側で共有され、責任も単一化される。

 最近、米国の中小企業のみならず大企業でもこのサブスクリプションが増加し、SaaSモデル売上の増加が報告されている。SaaSは、従来のクライアント側のアプリケーションと比べ、インプリメンテーションまでの時間が短縮されサポートに要するリソースも少なく済むため、エンドユーザー側では初期投資が減り持続的サポートや保守、アップグレード等の運営コストも減少させることができるという。

 またSaaSモデルは、巨額の初期費用やプロフェッショナルサービス料、保守コスト等の代わりに「全て込み」のサブスクリプションを毎月ないしは他の定期的間隔で支払うという部分で、従来のライセンスモデルとは大幅に異なっている。サービスをベースにした取引関係を顧客と結ぶSaaSプロバイダーは、初期の収入が大幅に少なくなる代償として、長期的関係とキャッシュフローの予測性を手に入れることになる。多くのプロバイダーは、このようにして一定の収入源を確保してゆく方が従来のソフトウェアライセンシングよりも得策であると感じている。

 その際、このSaaSモデルを支える必要条件は、アプリケーションを複数の企業で共用可能にする「マルチテナント方式」。一つのプログラム・コードに対して、ユーザー側で使用するアプリケーションごとに管理する項目やレイアウトなどを自由に変えられるようにする。従来のパッケージでは、一度、アプリケーションをカスタマイズしてしまうと、バージョンアップできない問題に直面したが、このマルチテナントであれば、ユーザーはすぐに最新機能を取り入れられるし、従って、新規市場参入の障壁を低くできる。その多彩な拡張された機能や、ほとんどどこからでもアプリケーションにリモートアクセスできる機能、そしてデータの同期による一箇所入力などがメリットである。

 さらに、ソフトウェアコストを固定から変動モデルに切り替える事で経費算出の際、柔軟性を拡張できる。その結果、顧客側は経費がよりコントロール可能になる。またSaaSプロバイダーも経験を生かしながら、顧客により柔軟な提案が出来るようになる。顧客側ではほとんどの場合クライアント用ソリューションを完全に活用する時間はなく、IT環境の変化を社内で管理できるような人材も持っていないことから、SaaSモデルを採用する方が競争力維持が容易になるという。

 あのころもう一つ普及しなかったASPモデルが、進化しながらも、最近になってなぜかくも受け入れられつつあるか。Salesforce.comのようなリーディング企業のプロモーション効果もさることながら、やはり超大手ベンダーのスタンス変化や、何と言っても、オンデマンド志向という市場のうねりの現れである。それにしても、一件当りの取引額は小さくなる、「多品種少量生産」を迫られる等々、少し考えてもベンダー側にとっては、その収益性・コスト管理、サービスの永続性、サポート体制維持は大丈夫か、等々の疑問が湧いてくる。特に、中堅ベンダーの出番は今度こそあるのか、ないのか。

:2007:08/03/09:46  ++  人口の半分超、3大都市圏に・住民基本台帳調査、3月末

総務省が2日に発表した住民基本台帳に基づく3月末時点の人口調査で、東京、名古屋、関西の3大都市圏の人口が初めて全国の半数を上回った。大都市部への活発な人口移動は高度成長期などに続く現象で、労働力や資本の集積による経済成長力の底上げ効果がある。一方で大都市部への人口集中は交通渋滞や住宅環境の一層の悪化につながる懸念も出ている。

 日本の総人口は1億2705万3471人と2年連続で減少した。減少幅は1554人(前年比0.001%減)で、前年比3505人のマイナスだった昨年の調査より減少幅はやや縮小した。

 地域により傾向は異なる。東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)と名古屋圏(愛知、岐阜、三重)、関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良)の合計人口は6353万9362人。初めて全国の50.01%(前年は49.84%)に達した。3大都市圏でも東京と名古屋は増加、関西は微減と明暗を分けた。(21:50)

:2007:08/03/09:41  ++  2007年上半期のネットビジネス重大ニュース、1位は「『mixi』がSNSとして定着したこと」

インターネットリサーチサービスのインターワイヤードは8月2日、「2007年上半期のEビジネス重大ニュース」に関するランキング調査を実施、結果を発表した。

 調査によると、1位はソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の「『mixi』が定着(217票)」だった。次いで「個人情報や機密情報の漏洩が相次ぐ(163票)」、「マイクロソフト社が新OS『Windows Vista』を発売(158票)」が続く。特に今回の調査では、mixiの定着(1位)をはじめ、インターネットトレードが定着(5位)、アフィリエイトが定着(7位)、ブログが定着(9位)などさまざまなサービスが登場し、定着してきたことが伺える結果となった。

 また、新たにWindows Vista(3位)やセカンドライフ(4位)、i Phone(14位)、PASMO(24位)などのキーワードが登場した。ランキングの上位10件は以下のとおり。

順位 内容 票数
1位 『mixi』が定着 217
2位 個人情報や機密情報の漏洩が相次ぐ 163
3位 マイクロソフト社が新OS『Windows Vista』を発売 158
4位 仮想空間サービス『セカンドライフ』に注目集まる 117
5位 インターネットトレードが定着 115
6位 ライブドア事件、同社元幹部への地裁判決が出る 105
7位 アフィリエイトが定着 98
8位 TBSと楽天、経営統合や提携めぐる交渉がもつれる 90
9位 ブログが定着 81
9位 動画共有サービス『You Tube』に注目集まる 81

  調査は2007年6月27日~7月5日、Eビジネス研究所と共同でインターネットを利用して実施したもの。有効回答数は7004人。

:2007:08/03/09:30  ++  Ask.jpが3つの動画サービスを吸収--動画広告ネットワークで収益化目指す

 Askビデオが3つの動画関連サイトを吸収し、総投稿数100万本を超える国内最大の動画共有サイトとなった。

 買収によって吸収するのはファブリカコミュニケーションが運営する動画変換配信サービス「らくちんFLVメーカー」、動画付グリーティングカード「ドウガメール」、動画共有サイト「Movie Caster」。アスク ドット ジェーピー(Ask.jp)、トランスコスモス、ファブリカコミュニケーションの3社が7月2日に売買契約に合意した。買収額は非公開だが、数億円規模とのことだ。

 これらのサイトはトランスコスモスが譲受し、Ask.jpが運営を引き継ぐ。Movie CasterはAskビデオと同様の動画共有サイトだが、配信形式が異なるため統合は行わない方針だ。

 Askビデオはグループ会社であるJストリームの技術を利用した完全ストリーミング。一方、Movie CasterはYouTubeのような擬似ストリーミングであるため、ローカルへのダウンロードが可能となっている。

 そのため、Askビデオは企業向けのキャンペーンへの提案などBtoB向けにも展開できる。それに対して、Movie Casterではコンシューマに絞ったサービスを提供する。Google VideoとYouTubeのようにまったくの別ブランドとして共存させるという。またドウガメールも個別のサービスとして企業向けキャンペーンに利用していく。

 らくちんFLVメーカーは、動画をブログに貼り付けたり、Movie Casterとドウガメールにアップロードするためのツール。アップロードされた動画はらくちんFLVメーカーがホスティングしており、現在70~80万本ほどのビデオを保有していることになる。これにAskビデオに投稿された約30万のビデオを加算すると、累計投稿本数が100万を超える国内最大のサービスになるということだ。

 さらにAsk.jpが運営するこれらのサイトに投稿された動画のブログ被貼り付けシェアは、YouTube、ニコニコ動画に次ぐ3位になるという(8月1日Ask.jp調べ:Askブログ検索より統計データを抽出)。

 Ask.jpは今回の3サービスの吸収により、2008年までに3億円の広告収入およびコンテンツ収入を目指す。具体的な収益源としては、動画広告ネットワークの構築を視野に入れている。Ask.jp 事業戦略室 エグゼクティブビジネスプロデューサー 兼 CGM事業部長の桐生学氏は、「ブログ事業者などと提携し、ブロガーが好きな動画広告を選択して掲載できる仕組みを検討していく」と語る。

:2007:08/02/11:23  ++  【正論】激震、参院選 初代内閣安全保障室長・佐々淳行

■自民大敗は「危機管理」の大失敗

■「泣イテ馬謖ヲ斬ル」非情さ必要

 ≪優しすぎるは闘将の弱点≫

 選挙は「戦(いく)さ」である。「戦さ」には「闘将」と「軍師」と屈強な郎党が必要だ。参議院選挙における自民党・安倍内閣の歴史的大敗は、危機管理の専門家としていうならば、筆者が「組織防衛」と意訳して説いている危機管理の手法の一つ「コンプライアンス」の大失敗だったといわざるを得ない。安倍晋三総理の続投を支持し、憲法改正などの「戦後レジームからの脱却」という高い志の成就を願うからこそ、あえて苦言を呈する。

 参院選で大敗したといって挂冠(かいかん)するのは潔くみえて、さにあらず、衆院選で自民党内閣を支持した有権者の信任を裏切る「無責任」な「敵前逃亡」である。安倍総理は、針の莚(むしろ)に座って信念を貫くべきだ。

 ニコロ・マキャベリ曰く「君主ハ愛サレズトモ 恐レラレヨ」。この帝王学からいえば、安倍総理は育ちがよすぎ、仲間に優しすぎて、甘い。優しすぎるのは闘将の弱点となる。第一次世界大戦の独ファルケンハイン参謀総長は同盟国イタリアを評して「弱イ味方ハ強イ敵ヨリ悪イ敵」と言った。安倍総理の敵は年金問題ではなく、苦言を呈さなかった取り巻きたちで、総理がとるべき責任は「任命責任」である。

 発足後9カ月で18人の閣僚のうち6人までが「失言」(柳沢厚労、久間防衛各相)や「政治とカネ」(佐田行革、伊吹文科、松岡・赤城農水各相)で高い政治目標を掲げる総理の足を引っ張った。

 官房長官率いる官邸の補佐官たちもよくない。政治倫理や大臣の資質が問われているときに、総理の「任命責任」を恐れたのか、マスコミのいう「コンプライアンス」(法令遵守)という解釈にミスリードされたためか、総理に「法令の範囲内で対応しているから問題ない」といわせた。赤城農水相更迭は遅きに失したが、総理の英断である。

 ≪直言諫争行う軍師なし≫

 諸葛孔明は、街亭の戦いで判断ミスから魏軍に大敗したとき、股肱(ここう)の臣、馬謖(ばしょく)を軍法に照らして涙をのんで斬った。小泉前総理は、田中真紀子外相を斬り、郵政改革反対派を除名し、刺客を放つという非情な危機管理能力を発揮した。小沢一郎民主党代表は「野党で過半数とれねば政界引退」とまさにバーニング・ブリッジス(背水の陣)で臨んだ。しかるに安倍総理は女性スキャンダルの本間正明税調会長をふくめると7人の閣僚級を庇って優しすぎさを見せてしまった。

 かつて民主党の期待の新星・前原誠司前民主党代表が永田寿康偽メール事件の際、同じ過ちを犯した。筆者にも経験があるが、若い指揮官は時として部下たちの人心収攬(しゅうらん)のため部下の失敗を不必要なまでに庇い、それを帝王学と思うものだ。そんな時「それはいけません」と「逆命利君」の直言諫争をあえて行い、「泣イテ馬謖ヲ斬リナサイ」と献策する後藤田正晴、諸葛孔明のような老巧な「軍師」が必要だ。また、この内閣には楠田実、早坂茂三、上和田義彦、飯島勲各氏のような悪七兵衛景清、悪源太義平もどきの屈強な首席秘書官も存在しない。「悪」とは、この場合「強い」という意味である。「悪党」と呼ばれた楠木正成や豊臣秀頼を助ける真田幸村のような武将もいない。

 ≪早々に内閣改造の断行を≫

 9月といわず早々に「製造責任」をとって“不良品回収”の内閣改造を断行すべきだ。内閣の補佐機能も組織法重視で権限法を是正しないから組織が細分化、複雑化して増殖し、責任と権限が分散されている。筆者の時代は7人(2副長官5室長)で処理していた事務を15人(3副長官、5総理補佐官、危機管理、情報、広報3官、3副長官補、1連絡官)ですることとなり、当初めざした官邸機能強化の方向と逆行し、週刊誌に「少年官邸団」などと揶揄(やゆ)されている。本当に必要なのは、上下直列の指揮情報系統の早期整備、すなわち総理直属の危機管理・意思決定機構国家安全保障会議(NSC)と内閣情報局(JCIA)の実現であり、内閣法改正による総理非常大権、官房長官の積極調整権の確立という、すでに着手している内閣機能強化策の推進だろう。

 安倍総理は祖父岸信介の志を継ぎ、日本を真の独立主権国家にするという、戦後歴代内閣の「政治課題」を自らの「政権課題」としている。今後ともなおざりにされてきた「国民の身体、生命、財産の保護」を最高使命として「治安、防衛、外交」を重視する内閣総理大臣として成長されることを祈ってやまない。(さっさ あつゆき)

(2007/08/02 05:01)

:2007:08/02/11:22  ++  【正論】元駐タイ大使・岡崎久彦 安倍総理は所信をまげず進め

■新旧自民党の戦いが底流にあった

 

 ≪自ら判断してブレない≫

 

 自民党の大敗で今後の日本政治はどうなるのかと心配になったが、安倍総理が続投の意思を明らかにされたので、とりあえず安堵(あんど)した。

 

 安倍晋三という人は不思議な人である。ものすごく大事なことを-むしろ大事なことに限って-誰にも相談せずに自ら決断してブレない。

 

 若いころからの拉致事件がそうである。言えば右翼反動といわれた時代から信念をまげなかった。最近の慰安婦問題では「20世紀は人権が侵害された時代であり、日本もそれに無関係ではない」という、世界中の識者の20世紀観の琴線に触れるような発言を一貫して守っている。

 

 今回も、私の知る限り、誰に相談したのでもないのであろう。それが正しいと自分で判断して、如何に雑音、批判があろうとも、そこからブレそうもないのである。

 

 そもそも今度の選挙は何だったのであろうと思う。専門外の私が、従来感じてきたことは、冷戦が終わってからの日本の選挙は政策論争、イデオロギー上の選挙でなく、一種のイメージ選挙であり、そのイメージは「風」により振り子のように揺れるということである。

 

 そうでなければ、この前の衆院選挙の自民党圧勝などは説明がつかない。また、振り子ということならば、その圧勝の後である今度の選挙は負ける番だということになる。

 

 ≪古い自民党的体質の人々≫

 

 今度の選挙までに至る安倍政権の業績について政策面で考えると、まず私の専門分野である外交安保については、いかなる失点もないし、また、現に選挙戦中これが問題にされたことはない。

 

 就任直後の訪中、訪韓、その後の温家宝中国首相の来日と首脳会談、そして日米首脳会談、G8サミットにおける環境問題など、野党も新聞も一言の文句も付けようのない成功であった。

 

 内政の問題は、年金だと言うが、これは過去の歴代政府の行政と労組の共同責任である。ただ、増税と老人負担の増加は小泉内閣の遺産であり、現政権としては踏襲せざるを得ないことであった。それは安倍政権の責任でなくとも、国民の不満の対象となるものであり、イメージの振り子が揺れもどる状況の中で、選挙にかなり大きな影響を与えたらしい。

 

 ただ、私の直感では、別の理由もあったように思う。少し前に帯野久美子氏がいみじくも新聞紙上で書いておられたが、これは新しい自民党と古い自民党(小沢氏を指す)の間の争いだったのではないか、ということである。

 

 今までの自民党が「そこまで行くのはやり過ぎだ」というような漠然たる理由で、単純に先延ばしを重ねてきた防衛庁の省昇格とか、教育基本法改正、国民投票法などを次々に解決していったことは、古い自民党的体質を持つ人々に違和感を与えたことは間違いない。と言って、正しいことをしているので表だって反論もできない。その不満の鬱積(うっせき)もあったのであろう。

 

 ≪ここで引いてはいけない≫

 

 安倍総理があえて避けなかった大新聞との対決などということは、佐藤総理が、引退が決まってから積年の憤懣(ふんまん)をぶちまけた以外に誰もしなかったことである。

 

 安倍政権は「政治というものはこういうものなのだ」という、古い自民党の体質を打ち破ったものであり、「なあなあ」を以(も)って尊しとする古い人々の間に、それに対する陰湿な反感を生んだことは想像に難くない。

 

 この分析が正しいとすれば、ここで引いてはいけない。旧自民党の体質-それは旧社会党の体質でもある-に戻って安住したい人がたくさんいる。ここで引けば、そういう人々は勢いを盛り返してくる。逆にここで頑張ればそういう人たちはいずれ過去の人となっていく。

 

 政局が困難であろう事は予想に難くないが、初心を貫けばよい。今度選出された民主党の人々の中にも、旧自民党、旧社会党の体質に反発している人も多いと思う。

 

 あるいは今回の選挙は世代交代のチャンスかもしれない。それならば禍(わざわい)を転じて福と為(な)せる。安倍総理は所信をまげず、党派を超えて、新しい日本を担う人々の希望の星となればよいのである。

 

 そもそも、外交安保については選挙中にも何の批判もなかった。憲法も幸か不幸か選挙の争点にならなかった。集団的自衛権の行使など日米同盟を盤石にし、今後何十年にもわたって国民の安全を確保する懸案に正面から立ち向かって、所期の目的を追求していただきたい。(おかざき ひさひこ)

(2007/08/01 05:25)

:2007:08/02/11:12  ++  安倍敗北、ロシア流解釈 弱体化歓迎 躍進民主に秋波

【モスクワ=内藤泰朗】ロシアは、参院選で惨敗し厳しい政権運営を迫られる安倍晋三首相が今後、日露両国懸案の北方領土問題までは手が回らず、交渉が大幅に先送りされるとみている。躍進した野党・民主党が、領土問題でロシアに譲歩する用意があるのかどうかに、関心を示しているようにも見える。

 7月29日投開票の参院選で自民党が惨敗した模様は、ロシアの各テレビなど主要メディアが、かなり大きな扱いで報道した。それだけロシアが日本の政治を注視するようになったわけだ。

 今回の選挙結果について、ロシアの日本専門家たちは一様に「日本の国家戦略の本格的な変更は期待できない」(ロシア科学アカデミー極東研究所のパブリャチェンコ日本研究センター所長)などと述べ、日露関係に大きな影響は与えないとの冷めた見解を示している。

 ロシアのプーチン政権は領土問題で譲らぬ姿勢を示し、すでに平和条約締結交渉は凍結状態になっている。さらに参院選の結果から、日本の政局はロシアどころではなくなった。したがって、両国関係も「変化なし」という見方だ。領土問題を半ば永久に先送りしたいプーチン政権にとって、これは歓迎できる“事件”である。しかも、米国との関係を最重視し、対ロシアでは強硬な姿勢を示して平和憲法を改正しようとする安倍首相の弱体化が加速するのは避けられない状況なのだ。

 ロシアが今強く意識しているのは、政権奪取に向けて勢いづく民主党など野党勢力に、鳩山由紀夫・民主党幹事長ら親ロシア的な政治家たちが多く含まれていることだろう。それは「野党は日本史に新たなページを開こうとしている」(国営テレビNTV)や「日本は野党が勝利を祝うが、安倍首相は辞任したくない」(大手日刊紙RBK)といった報道ぶりにも表れていた。

 安倍政権の求心力が弱まるにつれ、ロシア側が鳩山氏ら民主党の有力議員らにさまざまな形の秋波を送ってくることは間違いない。

 ロシアが今回の参院選の結果に高い関心を示したもう一つの理由としては、年金記録の不備や閣僚らの相次ぐスキャンダルなど、ロシア国民にも身近でわかりやすい問題で自民党が惨敗したことがあげられる。

 ロシアでは、今年12月の下院選、そして来年春の大統領選と、2つの重要な政治日程を控え、政治への関心が高まっている。そこで、選挙で大敗しても辞任しない安倍首相の姿勢についても、独特のロシア流評価がある。

 ロシア国民の多くは自らの体験から「政権交代は政治の不安定化や新たな汚職の温床を生み出すだけで、いいことは何もない」と思っており、安倍首相の続投表明を肯定的に見る傾向もある。

 ロシア下院議席の7割近くを占めるプーチン大統領の翼賛与党「統一ロシア」(グリズロフ党首)は、その創設に当たり戦後の日本政治を事実上独占してきた自民党の機構や党綱領などを参考にした。ロシアにも同様の主導政党を創設し、安定した政権運営を図ろうというのが最大の目的だった。

 「統一ロシア」の幹部が、かつて記者に「一党独裁体制を敷いてきたソ連共産党ですら崩壊した。われわれもいつかは落日を迎えることになるだろう」と漏らしたことがあった。その文脈からすれば、プーチン・ロシアにとって自民党の敗北はひとごとではない。

:2007:08/02/11:04  ++  電機大手9社 価格下落で温度差 日立、薄型TV赤字拡大

日立製作所など電機メーカー大手9社の4~6月期決算が31日出そろった。内外の堅調な景気環境や為替相場の円安を背景に、経営再建中の三洋電機と欧州パソコン事業売却の特殊要因があったNECを除く7社がそろって増収を確保、利益面でも東芝、三菱電機が9月中間期予想を上方修正するなど過去最高益の並ぶ好調な決算となった。ただ、薄型テレビや電子部品の価格下落への対応力などでは各社の明暗が分かれた。

 好調な全体傾向のなかにも課題が残る今回の電機大手の決算を象徴したのが、31日に公表した日立の業績だ。

 日立の4~6月期は、輸出や設備投資の増加の後押しを受け、電力・産業システムや電線・ケーブルなどの高機能材料事業などが好調に推移。営業活動によるキャッシュフロー(金融収支)が前年同期の398億円の赤字から1420億円の黒字に大幅に改善。4~6月期としては6年ぶりの黒字を確保した。

 しかし、フルハイビジョン(HD)の高性能プラズマテレビの商品投入に出遅れた薄型テレビ事業は、価格下落や販売台数の伸び悩みで損益が悪化。同事業などのデジタルAV(音響・映像)関連部門は営業赤字が前年同期の161億円から224億円に拡大した。

 このため、同社は9月中間期の営業利益予想900億円を据え置く一方、その中身ではデジタルAV関連部門の損益を当初予想の130億円の赤字から400億円の赤字に下方修正した。

 好調な全体業績とは裏腹に看板の薄型テレビで価格下落に苦戦しているのは松下やソニーも同様で、主力の液晶や半導体メモリーの価格安定で通期利益の上ぶれも視野にあるシャープや東芝とは収益成長の先行きに微妙な温度差が出ている。

表

:2007:08/02/10:49  ++  Google Appsの日本展開はモバイルがカギを握る

Googleが企業向け情報共有ツール群の展開を加速している。Microsoftの独壇場となる事業領域だ。

 これまでのオフィス支援ツールの役割のほか、オンライン上での情報共有機能を強調。セキュリティ面を懸念する声もあるが、圧倒的な低コストと使い勝手の良さを武器に、一般企業向けに加えISP(ネット接続業者)への提案も積極化している。Microsoftとは異なる事業領域の開拓も見え始めてきた。

 国内では大手ポータルのライブドアに続き、主要携帯キャリアでKDDIが展開する「au」もGoogleのシステムを採用すると発表。この流れがさらに広まる可能性もある。

 Microsoftの牙城に切り込む「Google Apps」。検索、広告に続くこのGoogle第3の主力事業について、GoogleのInternet Product SyndicationであるDan Stickel氏に話を聞いた。

--Googleの全社的な戦略におけるGoogle Appsの位置付けは。

 Googleは検索、広告、Google Apps──の3つが重要な核となるサービスであると考えています。

 検索ではオンライン、オフラインに関係ないユニバーサルな検索サービスを目指し、広告におけてはテレビやラジオを含むエンターテインメント性も備えた広告をワンストップで広告主に提供する方針です。そしてわたしが担当するAppsは、コミュニケーションコラボレーションの推進を大きなミッションとして掲げています。

 企業は従業員がメールや文章作成ソフトなどを使うために、年間1人あたりで785ドル使っていますが、Google Appsであればその10分の1のコストで済む。IT投資の80%はサーバ管理などの現状維持に使われているが、企業は今後、その分の投資を革新的なことに用いるようになるでしょう。

--基本はMicrosoftの「Office」と同じ用途ですね。

画像の説明 Dan Stickel(ダン・スティッケル)氏。従来の検索サービスのシンジケーションやGmail、Google Docsなどの新しいサービスを含むGoogleのパートナープロダクトを担当。AT&T ベル研究所からキャリアをスタートさせ、これまでにAltaVistaの上級副社長を務めたほか、3つの企業の共同設立者にも名を連ねた。Google入社前はMacrovisionの上級副社長/ゼネラル・マネジャー。2005年にGoogle入社。

 目的としては違うと言いませんが、世界中の人たちの共有とコラボレーションの推進に注力します。

 例えば、文章作成と表計算ソフト「Google Docs&Spreadsheets」を出し始めた頃、まずは社内でこれとMicrosoftの製品の両方を使っていました。しかし、両製品は目的が違っていたので、Google Docs&Spreadsheetsをシンプルで共有しやすいものにしていこうと機能拡張したところ、社内でほかのツールは使わないようになってきました。

 我々の狙いはMicrosoft製品の置き換えではない。世界中の人たちの共有とコラボレーションの推進にあります。

--単なる置き換えではなく「Microsoft製品+共有」ということですか。

 そう思いたかったらそうでもいいですが、我々はMicrosoftに捕らわれていません。わたしたちにとっては、わたしたちのユーザーが「何に期待しているのか」ということが何よりも重要です。

 90年代はMicrosoft Officeの時代でした。しかし、今の時代では全然違ってきていると我々は考えています。

--確かに、共有したいというニーズはありますが、社内情報をオンライン上で共有することには抵抗のある企業も多いです。

 それを心配する企業が多いことは確かです。しかし、わたしは全く心配していない。なぜなら、Googleはウェブサイトとしてはナンバーワンでありながら、9年間もハッカーたちからの攻撃を阻止し続けてきました。しかも、純粋な検索サービスだけではなく、何十億ドルものクレジットカード決済を四半期ごとに行っているにもかかわらず。

 我々はセキュリティーやプロテクションのプロです。さまざまな業態の企業と比べていただいても、そこに関しては我々の方が優れているでしょう。

 また、同じ会社の人間同士であればそれぞれの給料、競合企業同士であればそれぞれの業績などに興味があるかもしれませんが、我々は全く関心がない。我々がわざわざ他社の情報を見ることもないですし、むしろ、社内で情報を持つことの方がGoogleの中よりも漏れる情報が多いのではないでしょうか。

--しかし、抵抗感はそう簡単に取り除けそうにありません。どうしますか。

 やり方はいくつかあります。例えば、工場で働いている社員や一時的に雇用している社員などについては、これまで彼らにメールアドレスを付与しないという企業も多かったでしょう。しかし、費用対効果が高ければ、彼らにも各種ツールを与え、情報共有の機会を作ってあげることができます。こうしたメリットをきちんと説明します。

 専門の営業部隊もいますし、オンデマンドコミュニケーションのセキュリティやコンプライアンスソリューションを手がけるPostiniを買収するなど、エンタープライズレベルの問題解決についても真剣に考えています。

--日本での営業体制は。

 人数など詳細は公開していませんが、開始しています。すでにISPなどは検索の分野で協力関係にあるので、そういうところはやりやすい。一方、中小企業などはオンラインから登録できるので、営業はほとんどしていません。

--特に日本展開で期待しているターゲットはどこか。

 Googleはどのターゲットも手広くやる会社です。大学は無料で提供していることもあって大変人気があり、中小企業のエリアは全部足せばかなりの数になっています。ISPのエリアはこれから急速に増やしていきますし、ここ数週間でも大きな動きがあるでしょう。エンタープライズ向けはもっと加速していかなければならないところですが、ただ将来的にはここからの売り上げに相当期待しています。

 日本展開ではモバイルの部分に期待をしています。モバイルは日本が明らかにリーダーなので、そこが日本で我々の注力すべき領域であろうと考えています。

--具体的にモバイルはどんなビジネスモデルを提案するのですか。

 Google Appsを提供させていただく各社それぞれのカスタマイズサービスにおいて、売り上げをシェアさせていただくというモデルです。例えば、自社で地図サービスを持っているので、「Google Maps」はいらないというのであればそれでいいです。ご提供いただくサービスは各社のご希望に合わせます。

画像の説明 Google Appsがターゲットとする主要ターゲットとその代表例

:2007:07/31/13:32  ++  NECと日立、静音レベルが約3分の1になるデスクトップPC向け新水冷システムを共同開発

NECおよびNECパーソナルプロダクツ、日立製作所は7月30日、静音レベルを約3分の1に低減するデスクトップPC向けの新水冷システムを共同開発したと発表した。

 今回開発されたデスクトップPC向けの新水冷システムは、日立製作所の水冷技術とNECのPC開発設計技術を用いたもの。従来比2倍以上の受熱効率向上を誇る日立製作所の新CPU水冷ジャケットに加え、世界初となるHDD水冷ジャケットによる冷却を採用。従来の水冷システムを搭載したPC本体で最大稼働時の静音レベルが30デシベル程度だったのに対し、25dB程度までの静音化を実現している。これにより、一般的な家庭用DVDレコーダー以上の静音性を備えたAVパソコンも実現可能だという。

 なお、このデスクトップPC向け新水冷システムは、NEC製の次期個人向けデスクトップPCに採用が予定されている。