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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2007:12/19/09:25  ++  【正論】「ネット」と新聞 早稲田大学大学院教授・川本裕子

■新しい付加価値が試される

 ■「IT的ライフスタイル」へのシフト

 ≪情報の伝達革新止められず≫

 新聞は、言論の自由を担い、国民世論の形成をリードする「社会の木鐸(ぼくたく)」の役割を自ら任じており、政府の規制を受ける立場にない。従って、いつの時代にあっても政府から独立した地位を保ち、自立した自己採算のビジネスモデルを持ち続けることが極めて重要である。

 新聞は情報産業の典型といえるが、その新聞業界にITイノベーションの波が激しく打ち寄せている。インターネット革命は人々のコミュニケーションや情報の取り方を大きく変えた。人々が10年前と今の生活を比べたとき、何と言ってもネットサーチやeメール、オンラインショッピングなどの到来が最大の変化だったという評価になるのではないだろうか。事業の本質がニュースや社会に対する意見などの「情報」を伝えることにある新聞が、こうした変化の影響を正面から受けることになったのは当然といえる。

 2点指摘したい。まず、こうした変化は不可逆だということ。時計の針は逆戻りしない。むしろ、たとえば携帯電話の発達により、途上国の人々もこれまでの電話線のような巨額のネットワーク・インフラ投資もせずに、さまざまな情報や金融サービスなどに容易にアクセスすることが可能となった。人々が望むことは誰にも止めることはできない。

 第2に、これからもIT技術は、人々と情報とのインターフェース(仲介役)を変え続けることは確実だ。YouTubeによる動画情報の共有など、予想できない新しい情報伝達の形態が短期間に爆発的に拡大する。これからも変化のスピードは速い。新聞ビジネスは、こうした大きな環境変化に柔軟に適応しなければならない。

 ≪新聞好きの国民性にも変化≫

 日本の新聞は伝統的に強固なビジネスモデルを形成してきた。明治時代以来全国に構築された、世界でもまれに見る販売店ネットワークが膨大な数の購読者に宅配サービスを提供している。国際的にも世帯当たり新聞購読数が今でも最高水準にあり、「新聞好き」な国民性もこうした成功したビジネスモデルのたまものである。しかし、世に万古不易のものはない。若者の間では明らかに紙媒体の新聞購読者は減少している。

 これは若者の文字離れというより、固定電話を持たずに携帯電話を好むような「IT的ライフスタイル」へのシフトの結果だ。このような市場の変化を先取りし、新たな時代に適応するビジネスモデルへのダイナミックな転換に一日も早く取り組むべきだろう。

 同じように情報革命の波にさらされ、大きく変貌(へんぼう)を遂げた産業に金融業がある。ネットバンク、ネット証券などの登場に加え、保険においてもインターネットによる新しい販売形態を始めた新規参入者が市場シェアを獲得している。保険商品の販売の右肩上がりの成長を支えたのは全国に張り巡らされた代理店ネットワークであったことはよく知られている。このため、既存の大手損保会社も代理店ネットワークに加えて、保険商品のインターネット販売に取り組みはじめている。

 ≪販売店ないことが逆に身軽≫

 他産業で現実化している既存チャンネルとネットによる新規チャンネルの競争。新聞で言えば、紙媒体かインターネットかという供給形態における「ITバランス」の問題になる。顧客の変化に応じてITバランスを高めていかないと経営的に成り立たなくなる。伝統的なビジネスモデルの下で国際的にも高かった販売収入の比率は、今後低下し、広告収入の比重は高まる。海外の新聞はもともと販売店網のような流通経路を持たず、身軽にIT化を進められる。日本の新聞が過去の成功にとらわれて対応が遅れると、かつて地球を支配しながら環境変化に適応できず絶滅した恐竜の轍(てつ)を踏む恐れもある。

 しかし、忘れてはならない。環境変化はチャレンジだけでなく、新たなチャンスをももたらす。ITの特色を生かし、購読層別にサービスを差別化し、提供価格も変化させるといった新しい付加価値創造の手法も期待できる。例えば、日々のニュースは競争が激しいので低価格で提供する一方、質の高い論説を特定の読者層に高価格で販売するといった戦略もIT化によって容易になる。もちろん、金融業界とのアナロジーで言えば、新聞界でも、今後販売店網といった固定費的部分の重みをもたない新規参入者が新たに登場する可能性も十分ある。

 卓越した洞察力により、自らを果敢・大胆に変革して未来を切り開く-これほど新聞にふさわしい時代はないといえよう。(かわもと ゆうこ)

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