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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2007:09/18/12:08  ++  【正論】安倍首相辞任 同志社大学教授・村田晃嗣 「9・11」が象徴する日米関係

■2年で両国が経験した変遷の激しさ

 ≪イラクと米国の「時間感覚」≫

 私事にわたるが、筆者は米中枢同時テロ事件のメモリアル・デー、9月11日をワシントンで迎えた。この1カ月半ほど当地に滞在しているのである。

 この日、連邦議会ではイラク駐留米軍司令官のペトレイアス将軍らが証言に立ち、イラクでの治安状況の改善を強調して、来年夏に3万人の米軍削減は可能との展望を示した。だが、民主党、共和党を問わず、イラクからのより長期的な出口戦略の不在に苛立(いらだ)ちを募らせている。ペトレイアス将軍を「裏切り者」(ベトレイ・アス)と呼ぶ者すらいる。イラクでの戦術的な時間感覚(安定重視)とワシントンでの政治的なそれ(撤退重視)との間に、大きな乖離(かいり)があるのである。

 ブッシュ政権は、この戦術と政治をつなぐ戦略を提起できていない。しかし、批判勢力もイラク泥沼論を繰り返すだけでは、もはや世論の支持を維持できない。1年後の9月11日には、共和党と民主党の大統領候補はイラク問題をどのように論じ、そして、実際のイラク情勢はどのようになっているであろうか。もとより、これらを予測することは困難だが、それらが来年秋の大統領選挙の帰趨(きすう)を大きく左右するであろうことはまちがいない。

 ≪「テロとの戦い」と日米同盟≫

 逆に2年前の9月11日を思い返してみよう。当時の小泉純一郎首相が郵政民営化だけを争点にして衆議院を解散し、総選挙で自民党が(否、小泉氏が)歴史的な圧勝を収めた日である。自民党の政権基盤は盤石になり、小泉首相の強烈な個性とリーダーシップの下で、日米同盟は「過去最高」「黄金時代」と呼ばれていたころである。

 ところがその2年後には、小泉氏の後継者たる安倍晋三首相が辞意を表明した。この決定はほとんどの人を驚かせ、多くの人を失望させた。首相の辞任は、先の参議院選挙惨敗の責任をとるものとしては遅すぎたし、懸案のテロ対策特別措置法延長への責任を果たすものだとすれば早すぎた。体調悪化の中での苦渋の決断であったにせよ、「美しい国」の最高指導者としては無責任のそしりを免れまい。自民党が誰を後継者に選ぶにせよ、衆議院の解散総選挙によって再び民意を問う必要が、そう遠くない将来に来るであろう。野党への政権交代の可能性も生じてきた。

 「黄金時代」と呼ばれた日米関係にも、種々のすきま風が吹きつつある。まず、先述のテロ特措法の延長問題である。もとより、海上自衛隊がインド洋での給油活動をやめたからとて、同盟が終焉(しゅうえん)するわけではない。だが、例えばアフガニスタンへ自衛隊を派遣することに比べれば、インド洋での給油活動は、はるかにコストとリスクが低く、効果の高いものである。

 またこの活動は日米同盟を超えた、国際的な必要性と正当性の高い活動でもある。いわゆる「テロとの戦い」で対米協力している国は75カ国に上る。そして日本の給油活動には、アメリカのみならずアフガニスタン、パキスタンなど多数の国々が謝意を表しているのである。

 民主党がかつてテロ特措法に反対したのも、主として国会による事前承認条項をめぐってであって、立法の趣旨自体への反対ではなかったように記憶するが、いかがであろうか。他方で民主党の指摘するように、インド洋での海上自衛隊の活動内容がこれまで十分に説明されてこなかった憾(うら)みはある。安全保障・外交政策での国民への説明責任を、政府は改めて自覚すべきであろう。

 ≪イラクと北朝鮮という難問≫

 さらに、北朝鮮をめぐる6カ国協議の場でも、米朝の急接近の中で、拉致問題を抱える日本が孤立を感じる局面が(実際に孤立しているかどうかは別にして)増えつつある。これも2年前には想像しがたい事態であった。

 何しろ、アメリカの対北朝鮮強硬路線と、拉致問題に関する安倍氏の「毅然たる」姿勢が共鳴しあって、同氏を首相の座にまで押し上げたのである。そのアメリカの路線が大きく変化したのは昨年の中間選挙後で、イラク問題をめぐっては日本でもすこぶる評判の悪い「ネオコン」が政権を追われてからであった。こと北朝鮮問題をめぐっては「ネオコン」こそ、日本の世論の友だったわけである。

 次の9月11日に日本の政局と日米関係がどうなっているのかも、予断を許さない状況になってきた。ただし日米両国とも、指導者が国際社会と国民の双方に説明責任を果たし、イラクや北朝鮮といった難問に対して、長期的かつ現実的な戦略を示す必要があることは、まちがいあるまい。(むらた こうじ)

(2007/09/18 05:05)

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