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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2007:12/04/14:31  ++  【正論】日米同盟 慶応大学教授・阿川尚之 「一極主義」は日本こそ問題だ

■小沢民主は「多極主義」を装うが…

 ≪総理の決意は実行可能か≫

 福田総理訪米で、日米関係はとりあえず落ち着きを取り戻した。報道によれば、福田、ブッシュ両首脳は同盟の重要性と強化の必要性を再確認した。総理はインド洋での補給活動早期再開のため法案成立に全力を尽くすと言明。一方ブッシュ大統領は、北朝鮮のテロ支援国家指定を簡単には解除しない、拉致問題は忘れないと発言。両首脳は日米間の交流拡大にも同意した。

 参議院選挙での与野党逆転から、防衛省をめぐる一連の疑惑まで、最近の国内政治状況はインド洋での海自補給活動を中止に追い込み、わが国安全保障政策の手足をしばっている。

 一方、大統領選挙まで1年を切った今、イラク問題に全精力を注いできたブッシュ政権も、外交政策にかつてのような明確さがない。北朝鮮をめぐる政権内の意見に揺らぎが見られるのは、その表れだろう。

 こうした不透明な状況下、日米首脳が直接会い同盟の根幹を折々の政局によってぐらつかせないという強いメッセージを送ったのは、大きな意味がある。しかしこの決意をわが国は実行できるのだろうか。

 今回の会談では突っ込んだ議論をしなかったようだが、日米間に存在する個別問題についてわが国の立場の本音を探ると、はなはだ心もとない。

 ≪油断すれば貯金なくなる≫

 インド洋での補給活動再開に努力するが、いつになるかわからない。参院が新法を否決したら衆院で再可決するかどうか、慎重に考えたい。在日米軍駐留経費負担については、財政状況が苦しい折、減額せざるをえないかもしれない。普天間基地の県内移転と海兵隊司令部グアム移転は、まだ時間と金がかかる。理解してほしい。

 拉致は重大な人権侵害問題だから、その解決なしに北朝鮮のテロ支援国家指定を解除すべきでない。しかしミャンマーの人権抑圧問題に対処するにあたり、制裁強化によって同国政府を追い詰めるのはよくない。理解してほしい。

 米国産牛肉の輸入完全解禁は、国民の食の安全に照らして難しい。理解してほしい。

 総論で日米同盟強化をうたっても、個別問題では理解を求めるばかりで何も具体的な行動を約束しない。それでもなお大統領が無理を言わなかったのは、ここ6年ほど日本がテロと戦うアメリカと具体的行動を通じて足並みをそろえてきた、その貯金があるからだろう。

 しかし貯金は油断すればすぐに減る。中東長期派兵により兵士の犠牲と巨額な戦費支払いを強いられる米国民が、日本は安全のコストを負担しない。それどころか在日米軍駐留経費の負担分を減らそうと懸命で、同時に米国産牛肉の輸入は許さない-そんな風に捉(とら)えはじめたら、貯金はやがて底をつく。

 ≪生き残り策に敏感であれ≫

 これに対し、なぜアメリカとの関係ばかり重視するのかという強い反論がある。ブッシュ政権は国連決議なしで一方的にイラクを攻撃し、多数の民間人犠牲者を出して中東の混迷を深めた。アフガニスタンも同じだ。日本でも沖縄など各地の基地で過大な負担を強いている。京都議定書にさえ調印しない一極主義の国アメリカに、いつまで追随するのか。

 けれどもアメリカやその他多くの国から見れば、わが国も相当一極主義的に見えないか。アメリカは時々ひどくわがままだが、日本もしばしば自らの立場をかたくなに譲らない。ただ両国の一極主義には、一つ違いがある。それは、アメリカは一極主義でも何とかやっていけるが、日本はまったく不可能だという単純な事実である。

 わが国は戦前それを一度試みて見事に失敗した。だからこそ戦後、アメリカと同盟を組んで自国の安全を守ると決めた。中国が軍事大国化し、日本の人口が減少しはじめた今、東アジアで生き延びるためには、アメリカとの同盟維持・強化が必須である。無論近隣諸国との友好は大事だが、彼らは日本を守ってくれない。国連も同じだ。

 民主党の小沢代表は、国連決議がない限り、憲法上、日本は自衛隊を海外に派遣できないという。憲法9条のしばりと合わせて、実質上それは多極主義の衣を借りる一極主義だろう。また自らの安全保障に直接かかわるような問題で、国連の決議とアメリカの意見が対立したとき、自国の判断を国連の意思に委ねるような国を、米国は本気で守るだろうか。この考え方は、日米同盟の根幹に亀裂を生じさせる恐れさえある。

 これまで日本人はアメリカの一極主義を散々非難してきたけれど、自国の一極主義の害に、もう少し敏感であってもいい。(あがわ なおゆき)

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