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:2008:12/18/17:30 ++ 【雇用崩壊~非正規の師走~】(2)雇用安く、解雇早く…自転車、バイク便
「稼働停止です。来月から来ないでください」
呼び出されたわけでも、担当者が来たわけでもない。通告は突然、携帯電話にかかってきた。
バイクや自転車による書類配送の最大手「ソクハイ」(東京都品川区)の自転車便スタッフ、上山(うえやま)大輔さん(31)が、通告を受けたのは9月18日だった。
業務課の担当者は「受注が落ち込み会社も大変。人減らしの対象になった」と話すだけだった。30人ほどが対象になったようだが、携帯電話で最終通告を受けたのは1人だけ。
米国生まれの小型自転車競技(BMX)で全国大会出場歴もある上山さん。都心のオフィス街を大好きな自転車で走り回る自転車便スタッフは天職だった。
ソクハイで働き始めたのは20歳の時。会社も上山さんの熱心さは知っていたはずだ。平成17年には、20人ほどのスタッフを束ねる営業所長に就任。18年には10の営業所を総括する主幹所長にも抜擢(ばってき)された。
「新スタッフの採用面接、勤務管理、伝票整理などが仕事。年収は250万ほどだが充実していた」
会社は認めないが、上山さんは稼働停止になった理由を「業績悪化に加えて、労働組合を立ち上げたから」とみている。
ソクハイにはバイクや自転車スタッフが約700人いる。大半が「運送請負契約」を交わして、それぞれが配達の仕事を請け負う「個人事業主」となっている。収入は完全歩合制。自転車、バイク(ガソリン代も)は自己負担だ。主幹所長となった上山さんのところには、「もう少し労働条件を改善してもらえないか」といった現場の声が多く寄せられていた。
労働組合の結成を決意した。19年1月、業界では初となる組合「ソクハイユニオン」を結成し委員長に就任した。スタッフの半分近くが組合に加入した。
会社も団体交渉に応じるなど関係は悪くはなかったが、労使の争点が具体化するにつれ険悪になっていった。
安く、短時間で荷物を届けるバイク・自転車便は、バブル崩壊後、企業が業務をアウトソーシング(外部委託)するなかで急成長していった。同業社は全国に200以上という。
そこで働く配送スタッフに正社員はまれで、多くが「運送請負契約」を交わして働いている。景気後退を受け、受注は確実に減っており、今後、請負契約が切られるケースが増えてくるとみられている。
厚生労働省は昨年9月、全国の労働局に通知を出し、(1)仕事の進め方を会社が指示している(2)勤務時間を会社が管理している-といったケースの場合は、「労働者性があり、請負の形で契約するのは労働実態に合っていない」と判断している。
にもかかわらず、現場の勤務態勢が大きく変わったという話はない。厚労省も実態調査に乗り出す気は全くない。同業他社からは「請負契約がダメとなれば、会社が持たないどころか、業界全体のビジネスモデルが成り立たない」という本音も漏れる。
「法にのっとった経営をすべきだ」と訴える上山さんは、解雇撤回と原職復帰を求め東京地裁に提訴した。会社は「係争中でありコメントを控えたい」とだけいう。
「圧倒的な早さと安さ」をキャッチフレーズに成長してきたバイク、自転車便。上山さんには、そのフレーズがスタッフの雇用状況を比喩(ひゆ)しているかのように思える。
呼び出されたわけでも、担当者が来たわけでもない。通告は突然、携帯電話にかかってきた。
バイクや自転車による書類配送の最大手「ソクハイ」(東京都品川区)の自転車便スタッフ、上山(うえやま)大輔さん(31)が、通告を受けたのは9月18日だった。
業務課の担当者は「受注が落ち込み会社も大変。人減らしの対象になった」と話すだけだった。30人ほどが対象になったようだが、携帯電話で最終通告を受けたのは1人だけ。
米国生まれの小型自転車競技(BMX)で全国大会出場歴もある上山さん。都心のオフィス街を大好きな自転車で走り回る自転車便スタッフは天職だった。
ソクハイで働き始めたのは20歳の時。会社も上山さんの熱心さは知っていたはずだ。平成17年には、20人ほどのスタッフを束ねる営業所長に就任。18年には10の営業所を総括する主幹所長にも抜擢(ばってき)された。
「新スタッフの採用面接、勤務管理、伝票整理などが仕事。年収は250万ほどだが充実していた」
会社は認めないが、上山さんは稼働停止になった理由を「業績悪化に加えて、労働組合を立ち上げたから」とみている。
ソクハイにはバイクや自転車スタッフが約700人いる。大半が「運送請負契約」を交わして、それぞれが配達の仕事を請け負う「個人事業主」となっている。収入は完全歩合制。自転車、バイク(ガソリン代も)は自己負担だ。主幹所長となった上山さんのところには、「もう少し労働条件を改善してもらえないか」といった現場の声が多く寄せられていた。
労働組合の結成を決意した。19年1月、業界では初となる組合「ソクハイユニオン」を結成し委員長に就任した。スタッフの半分近くが組合に加入した。
会社も団体交渉に応じるなど関係は悪くはなかったが、労使の争点が具体化するにつれ険悪になっていった。
安く、短時間で荷物を届けるバイク・自転車便は、バブル崩壊後、企業が業務をアウトソーシング(外部委託)するなかで急成長していった。同業社は全国に200以上という。
そこで働く配送スタッフに正社員はまれで、多くが「運送請負契約」を交わして働いている。景気後退を受け、受注は確実に減っており、今後、請負契約が切られるケースが増えてくるとみられている。
厚生労働省は昨年9月、全国の労働局に通知を出し、(1)仕事の進め方を会社が指示している(2)勤務時間を会社が管理している-といったケースの場合は、「労働者性があり、請負の形で契約するのは労働実態に合っていない」と判断している。
にもかかわらず、現場の勤務態勢が大きく変わったという話はない。厚労省も実態調査に乗り出す気は全くない。同業他社からは「請負契約がダメとなれば、会社が持たないどころか、業界全体のビジネスモデルが成り立たない」という本音も漏れる。
「法にのっとった経営をすべきだ」と訴える上山さんは、解雇撤回と原職復帰を求め東京地裁に提訴した。会社は「係争中でありコメントを控えたい」とだけいう。
「圧倒的な早さと安さ」をキャッチフレーズに成長してきたバイク、自転車便。上山さんには、そのフレーズがスタッフの雇用状況を比喩(ひゆ)しているかのように思える。
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