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:2009:11/16/10:45 ++ 持続回復探る世界経済(中)新興国、輸出頼みの成長―資金流入、バブルの火種。
ベトナム国境に近い中国・南寧。パソコン店が集まるため「電脳城」と呼ばれるビルは午前中から来客でにぎわう。売れ筋は3千元(約4万円)以下のパソコン。男性店員は「農村からの客が増えた」と話す。
8%成長現実味
政府が農村住民の家電購入に補助金を出す「家電下郷政策」で、昨年末に3億人だった中国のインターネット利用者は9月末に3億6千万人に増えた。消費刺激策や4兆元(約53兆円)の景気対策を背景に、中国の7~9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比8・9%増と、通年での8%成長という目標達成が現実味を帯びてきた。
中国の財政出動で周辺国・地域も潤う。韓国の同期のGDPは対中輸出の増加を受けて前期比2・9%増(年率換算で約12%増)と、7年半ぶりの高水準。台湾液晶大手も1年ぶりに黒字に転換した。
新興国ではインドが前年同期比6%前後の成長を保ち、資源国ブラジルも4~6月期に3四半期ぶりのプラス成長に転じた。主要株価指数の年初来上昇率をみると、中印、ブラジルが7割前後と突出している。
もっとも、大きな期待はリスクと裏腹でもある。投資マネーの流入で、実体とかけ離れた資産バブルや通貨高を招く恐れがある。
10月中旬、香港で「世界一高額」をうたうマンションの販売が始まった。最高価格は4億4000万香港ドル(約51億円)。中国の個人マネーが流れ込むが、相場高騰は行き過ぎだとの警戒感も広がる。
ブラジルは10月、海外からの株式投資に2%課税する規制を導入。投資マネーの流入を放置すれば通貨レアル高に歯止めがかからないと判断した。中国は人民元相場を維持するため巨額の売り介入を実施、供給過剰になった人民元が不動産市場に流れつつある。世界銀行は3日付で「東アジアへの資本流入が再開し、資産バブルを引き起こす懸念がある」と警告した。
内需拡大に苦慮
一方、財政出動の陰で、持続成長に欠かせない民需が置き去りにされているとの懸念もある。
「数字だけつくっても意味がない」。中国の将来の指導者と目される汪洋・広東省共産党委書記は同省の会合で発言。「橋を建てて壊し、再建すればGDPは増えるが、社会の財産にはならない」と、無駄な投資に警鐘を鳴らした。
「財政規律を立て直したいのだが」。インドのムカジー財務相は3日の記者会見で複雑な表情を見せた。同国政府は昨秋からバス車両購入など大規模な財政出動を続けているが、個人消費は回復していない。逆に財政悪化を受けて長期金利が上昇。自動車ローン金利などに跳ね返り、消費に水を差しかねない。
新興国は輸出依存度が高く、外需の目減りを懸命な財政出動で支えている。米国は経常黒字国が内需を拡大して世界経済の不均衡を是正するよう求めるが「中国の民需はまだ力不足で、世界経済をけん引できるわけではない」(野村国際の木下智夫エコノミスト)。
景気減速リスクを内需主導で乗り越えられるかは日中の共通課題でもある。日本の4~6月期のGDPは前期比年率2・3%増(改定値)。押し上げ要因は中国を中心とした外需だ。輸出は前期比6・4%増と、22%減だった1~3月期から改善したが、中国などの成長が減速すれば、新興国に積極的に進出している日本の持続成長も危うい。
モルガン・スタンレー・アジアのローチ会長は「中国が内需主導の成長を目指すなら、社会保障整備などに政策の軸足を移すべきだ」と指摘する。グローバル市場で存在感を増す新興国だが、世界経済の持続回復を支えるための相応の負担も求められている。
8%成長現実味
政府が農村住民の家電購入に補助金を出す「家電下郷政策」で、昨年末に3億人だった中国のインターネット利用者は9月末に3億6千万人に増えた。消費刺激策や4兆元(約53兆円)の景気対策を背景に、中国の7~9月期の国内総生産(GDP)は前年同期比8・9%増と、通年での8%成長という目標達成が現実味を帯びてきた。
中国の財政出動で周辺国・地域も潤う。韓国の同期のGDPは対中輸出の増加を受けて前期比2・9%増(年率換算で約12%増)と、7年半ぶりの高水準。台湾液晶大手も1年ぶりに黒字に転換した。
新興国ではインドが前年同期比6%前後の成長を保ち、資源国ブラジルも4~6月期に3四半期ぶりのプラス成長に転じた。主要株価指数の年初来上昇率をみると、中印、ブラジルが7割前後と突出している。
もっとも、大きな期待はリスクと裏腹でもある。投資マネーの流入で、実体とかけ離れた資産バブルや通貨高を招く恐れがある。
10月中旬、香港で「世界一高額」をうたうマンションの販売が始まった。最高価格は4億4000万香港ドル(約51億円)。中国の個人マネーが流れ込むが、相場高騰は行き過ぎだとの警戒感も広がる。
ブラジルは10月、海外からの株式投資に2%課税する規制を導入。投資マネーの流入を放置すれば通貨レアル高に歯止めがかからないと判断した。中国は人民元相場を維持するため巨額の売り介入を実施、供給過剰になった人民元が不動産市場に流れつつある。世界銀行は3日付で「東アジアへの資本流入が再開し、資産バブルを引き起こす懸念がある」と警告した。
内需拡大に苦慮
一方、財政出動の陰で、持続成長に欠かせない民需が置き去りにされているとの懸念もある。
「数字だけつくっても意味がない」。中国の将来の指導者と目される汪洋・広東省共産党委書記は同省の会合で発言。「橋を建てて壊し、再建すればGDPは増えるが、社会の財産にはならない」と、無駄な投資に警鐘を鳴らした。
「財政規律を立て直したいのだが」。インドのムカジー財務相は3日の記者会見で複雑な表情を見せた。同国政府は昨秋からバス車両購入など大規模な財政出動を続けているが、個人消費は回復していない。逆に財政悪化を受けて長期金利が上昇。自動車ローン金利などに跳ね返り、消費に水を差しかねない。
新興国は輸出依存度が高く、外需の目減りを懸命な財政出動で支えている。米国は経常黒字国が内需を拡大して世界経済の不均衡を是正するよう求めるが「中国の民需はまだ力不足で、世界経済をけん引できるわけではない」(野村国際の木下智夫エコノミスト)。
景気減速リスクを内需主導で乗り越えられるかは日中の共通課題でもある。日本の4~6月期のGDPは前期比年率2・3%増(改定値)。押し上げ要因は中国を中心とした外需だ。輸出は前期比6・4%増と、22%減だった1~3月期から改善したが、中国などの成長が減速すれば、新興国に積極的に進出している日本の持続成長も危うい。
モルガン・スタンレー・アジアのローチ会長は「中国が内需主導の成長を目指すなら、社会保障整備などに政策の軸足を移すべきだ」と指摘する。グローバル市場で存在感を増す新興国だが、世界経済の持続回復を支えるための相応の負担も求められている。
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