証券化商品など可能
日米欧が一斉に、金融機関や企業が保有する債券や証券化商品などの金融商品を時価で評価する時価会計の適用を一部凍結する方向で動き出した。日本は民間の企業会計基準委員会(ASBJ)が十六日、時価評価の対象外になる範囲を拡大するなど会計基準を見直す検討を始めた。市場の混乱を受けて時価会計凍結を検討する米国や、見直し策を打ち出した欧州に追随する。世界的な金融危機を封じ込めるため緊急措置に踏み切る。(時価会計は3面「きょうのことば」参照)=関連記事7面に
日本の会計基準を作るASBJは十六日の会合で「金融商品に関する会計基準」の見直しで一致した。年内にも改正案をまとめる見通し。これを受け、金融庁が金融商品取引法の関係政省令で最終決定する。適用時期は未定だが二〇〇九年三月期から適用する可能性がある。
見直した基準は銀行や証券会社、企業が利用できるようにする。欧米が時価会計適用を棚上げする検討を始めており、追随しなければ日本の企業や金融機関が競争上、不利な立場に追い込まれる懸念があった。
時価会計が一部凍結されれば、金融機関や企業が保有する変動利付国債や証券化商品などの価格が大幅に下落しても、決算期ごとに特別損失を計上しなくて済む。金融市場の動揺で、下落率の大きい金融商品を持つ場合は減損対象となり、大幅な特別損失を計上する必要に迫られていた。
欧米当局は民間で決める会計ルールに踏み込んだ異例の対策を打ち出し始めた。米国は金融安定化法に時価会計を一時停止できる措置を盛り込んだ。欧州でもEU(欧州連合)が十五日に時価会計の対象外となる金融商品の範囲を拡大する対策を決めた。日本も足並みをそろえ、ASBJに検討要請していた。今月の主要七カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、各国が政策を総動員して金融危機に対応することで合意している。
ASBJは企業や金融機関が会計方式を選べるようにすることを検討。また、減損対象となる金融商品を取得時の価格(簿価)で評価できる「満期保有」への変更を認める案を軸に議論する。企業や金融機関は取得時に保有目的を決め、「売買目的」で保有する場合は決算期ごとに評価損を業績に反映することを義務づけられている。現在のルールは「売買目的保有」から「満期保有」への変更を禁じているが、これを解禁。自由に変更可能にするか条件付きで変えられるかを検討する。
:2025:02/13/16:08 ++ [PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
:2008:10/17/14:08 ++ 日米欧、時価会計一部凍結へ、金融危機封じへ非常手段、評価損見送り。
- +TRACKBACK URL+