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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2007:12/13/08:50  ++  ニコニコ動画に学ぶ、人気サービス開発の極意

ちょうどいまから1年前の2006年12月12日、1つのネットサービスがひっそりと公開された。そのサービスは11カ月後、会員数が400万人を突破。2007年10月時点で1日の平均訪問者数は143万人、ユーザーの平均滞在時間は1日約1時間と、圧倒的な人気を誇る。

 これはドワンゴと子会社のニワンゴが共同で運営している「ニコニコ動画」の現状だ。1日の動画再生回数は1567万回、コメント回数は320万件にものぼる。短期間でこれほどの人気を集めるサービスを開発する秘けつとは何なのか、ニコニコ動画の開発者たちに話を聞いた。

開発スピードの速さがユーザーを惹きつける

 ニコニコ動画の特徴の1つとして挙げられるのが、開発スピードの速さだ。直近では、動画を視聴し終わると動画右のコメント一覧部分に、「この動画を見た人は、こんな動画も見ています」というリコメンド機能が12月5日に実装された。プレスリリースや開発者ブログなどで公開されたものもあるが、細かい機能追加、変更も常に行われている。

ニコニコ動画の「この動画を見た人は、こんな動画も見ています」 12月5日以降、動画の視聴が終わると右側におすすめの動画が表示されるようになった(赤枠部分、枠は編集部が追加)

 そもそも、2006年12月12日の時点では、YouTube、AmebaVisionの動画上にコメントを書き込む機能しかなかった。それがYouTubeからのアクセス拒否を受けて2007年3月には動画投稿サービス「SMILEVIDEO」を1週間で構築。5月にはモバイル版を公開(当初テスト版として公開し、8月に一般開放)、7月にはアフィリエイト広告「ニコニコ市場」、10月には台湾版を開始。11月にはユーザーが書き込んだコメントが動画の動きに影響を与える「ニコスクリプト」を実装するなど、急スピードでサービスを拡張している。

 このスピード感がユーザーを惹きつけ、「ここに来れば常に面白いことがある」と思わせる一因になっている。

 では、どのようにしてこの開発体制を実現しているのだろうか。

リリース当初はあえて機能を絞る

 まず押さえておくべき点は、最初の「ニコニコ動画(仮)」の時点では「YouTube、AmebaVisionの動画上にコメントを書き込む機能しかなかった」という点だ。

 実は当初、いろいろな機能を盛り込んだほうが面白いのではないかというアイデアは、開発陣の中でもあったのだという。

ニコニコ動画のプロトタイプ第1号を作ったドワンゴ ニコニコ事業部第一セクション セクションマネージャーの中野真氏 ドワンゴ ニコニコ事業部第一セクション セクションマネージャーの中野真氏

 「単純にコメントが流れるだけじゃなく、もっといろんなエフェクトを付けたら面白いんじゃないかとか、絵が流れたら面白いんじゃないかとかいう話があったんですが、それらはあえて省いています。もっと高度なことをやれたんですが、機能はあえて厳選しました」とニコニコ動画の最初のプロトタイプを作成し、現在は企画運営に携わるドワンゴ ニコニコ事業部第一セクション セクションマネージャーの中野真氏は話す。

 機能を複雑にしなかったのは、ユーザーが何をしていいか分からなくなって使うのをやめてしまう、という事態を避けるためだ。

 「ユーザー側の行動の選択肢が増えると、『そのどれも選択しない』という選択肢まで増えてしまうんです。そうするとユーザーが逃げてしまうので、誰が見てもすぐに使い方が分かるように、できることをまず絞るということに注意しました」(ニコニコ動画の現在の基本システムを作ったドワンゴ 研究開発部 技術支援セクションの戀塚昭彦氏。なお現在戀塚氏はニコニコ動画の技術サポートを中心に手がけている)

 これは同時に、「動画の上にユーザーがコメントを載せあう」という、ニコニコ動画ならではの機能をわかりやすく伝えることにもなった。

ユーザーの使い方に合わせて進化

 サービス開始後は、ユーザーの動向を見ながら機能を追加したり、逆に使われない機能については削除したりしている。サービス開始当初からサイトデザインを担当しているデザイナー自身がその変化の早さに驚くほどだ。

 「ユーザーの使い方に合わせて動的にどんどん変えていく作り方をしていくことで、より受け入れられる形に軌道修正していくことができました」(戀塚氏)

 「数週間から1、2カ月単位、早いときには即日で、ユーザーの動きを見ながら、こういうふうにしたらユーザーが喜ぶんじゃないかとか、当社としてメリットがあるんじゃないかということをかじ取りしています」(中野氏)

 ニコニコ動画は、ユーザーが投稿したりコメントしたりしたものがサイトのキラーコンテンツになる、いわゆる「ユーザージェネレイテッドメディア(UGM)」だ。このため、ユーザーに機能を押し付けるのではなく、反応を見ながら改善を加えていく。

 「完成品を届けるということをあまり意識しないようにしています。素材を提供して、それをどう活用するのかはユーザーに委ねています」(ニワンゴ 代表取締役 兼 ドワンゴ ニコニコ事業部 部長の杉本誠司氏)

 そこには当然、開発者の想定していない使われ方も出てくる。「弾幕」と呼ばれるコメントの書き込みはその1つだ。ユーザーが動画画面を埋め尽くすようにコメントを書き込む手法のことで、楽曲のサビの部分にあわせて歌詞を書き込むといった使われ方が多い。

ニコニコ動画「【初音ミク】みくみくにしてあげる♪【してやんよ】」の弾幕 動画上をコメントが埋め尽くす「弾幕」。ニコニコ動画の「建国1周年」を記念し、12月12日午前0時過ぎには、多くの人気動画でこの弾幕が起きた

 戀塚氏は「最初の段階の設計では、コメントが集まりすぎて画面が破綻することは想定していなかった」というが、これを逆手にとって「大群衆がいるような感じを見せるためにあえてコメントを散らすなどの工夫を加えた」という。逆に、ニコニコ動画(仮)の段階ではコメントに自分の名前を書き込む欄を設けていたが、あまり使われていなかったことから廃止した。

 ここでも、サービス開始時に機能を絞り込んだことが効いたようだ。

 「機能が少ないと考えなきゃいけないことが減るんで、より深く既存の機能に対して改善の検討ができるんですね。機能が増えれば増えるほどそれは難しくなるので、初期は特に機能を少なくすることを意識していました」(戀塚氏)

優先度は「簡単にできて効果の高いもの」が上

 ニコニコ動画の開発エンジニアは10名ほど。それぞれが新機能のアイデアを持ち寄り、優先順位をつけて機能を実装していく。

 「やりたいことはたくさんあるんですが、やる順番にはすごく気を使っています」(中野氏)

 優先するのは、開発期間が短く、サービスへの影響力が大きく、ユーザーに使ってもらえるような面白いもの。「すごく面白いと思っても開発に時間がかかるものは、いまのニコニコ動画のスピード感に合わない」(中野氏)という理由で見送っている。

 このスピード感自体は、ニコニコ動画の開発初期から変わっていないようだ。中野氏は最初のプロトタイプを作ったとき、「期待されている感覚が、『明日動いているものが見られるよね』という感じだった」と話す。また、戀塚氏が現在のニコニコ動画の原型を作ったときにも、「来週には動いてるよね」と言われて、実際には3営業日でシステムを完成させたというエピソードを明かしている。その後も社内のリクエストに合わせて機能を追加、改善し、約1カ月でサービス開始にこぎつけた。

ニコニコ動画の原型を作り上げたドワンゴ 研究開発部 技術支援セクションの戀塚昭彦氏 ドワンゴ 研究開発部 技術支援セクションの戀塚昭彦氏

 「すぐに結果が見えないものは、リクエストした時点では面白そうだと思ってもその後状況が変わっていることもあるし、気が変わっていることもある。時間をかけて大変な作業をして、やっとできたと思ったときにはもう使えない物になっているということがあるので、すぐに結果が分かるものをとにかく選んでどんどん実装していきました。例えば、見せ方をちょっと工夫すると一気に変わるというようなものは、作業に対してコストパフォーマンスがいい。逆に、裏方の管理系システムは、すごい手間がかかるのに見た目ではほとんど分からない。そういうのは、やらなくて済むならやらない、というように、できるだけ、コストパフォーマンスのいいやり方を選びました」(戀塚氏)

開発者こそがユーザー

 まずはシンプルなサービスを提供し、ユーザーに受け入れられたところで動向を見ながら機能を改善、追加していく。それも簡単にできて、ユーザーが楽しんでもらえるものを優先してどんどん提供していくことで、ユーザーを飽きさせずに惹きつけ続ける。

 その底辺にあるのは、開発者自身がニコニコ動画の一番のユーザーであり、ファンであるという事実だ。ドワンゴ 第二開発部 ポータル機能開発セクション セクションマネージャーの鈴木慎之介氏が「『ニコニコな人』が社内で集まってニコニコ動画を作っている」と話すように、自分たちがユーザーとして楽しめるものを作りたい、という気持ちを開発者が共通して持っている。

 「自分が面白い、って思うものを作りたい。ドワンゴはもともとネットワークゲームの開発キット(SDK)などを提供するゲーム会社だったので、面白いものを作りたいというのは第一にあります」(中野氏)

 「フィードバックサイクルと言いますが、何か要求が発生してからそれを作り手に伝えて、実際に作業するまでの経路が短ければ短いほど的確に伝わるし、結果も早く得られます。その最大の形が、自分自身がユーザーであり作り手であること。自分のためのソフトをつくるのが最高のものだということになります。ですから、(自分の開発したサービスを)自分自身も使うというのはかなり重要なところですね」(戀塚氏)

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