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:2010:10/26/10:13 ++ 円高で拡大する企業・国民の利害不一致(社説)
25日の東京市場では円高が進み、対ドルで過去最高値に接近した。そのなかで大手企業では1ドル=70円の超円高に備える動きも出てきた。
25日に開いた「世界経営者会議」(日本経済新聞社など主催)で講演した東芝の佐々木則夫社長は、1ドルが70円になっても耐えられる経営を目指す、と語った。
70円が定着した場合の影響や経営戦略を研究したという。その結果、中国や台湾の受託製造会社の活用や現地調達を拡大することと、事業の一層の「選択と集中」が必要という結論になった。
製造業では東芝と同様の検討が進んでいる。自動車大手の幹部は80円程度が続くと「輸出車の大半が赤字になるので、海外生産を増やさざるを得ない」という。上位の自動車メーカーは国内の生産台数をピーク時の半分まで落とし、海外生産を拡大することも検討している。
大手製造業は円高に振れると海外生産を増やし、円安だと国内生産を増やしてきた。今後もそれは続くとみられるものの、円高の定着を機に海外、特に自国通貨をドルと連動させている国に自社工場をつくるような企業は、為替変動にかかわらず現地生産を増やす可能性が大きい。それは国内雇用が減少していくことにつながる。
グローバル化した経済の下で企業にとって最適な経営は、日本国民の雇用を脅かす結果となりうる。著しい円高はそれを増幅することが、次第に現実の動きとなってきた。
円相場の行方はまだ読めない。しかし、どんな円高にも耐えられる経営を企業が目指し始めた事実は、政策当局に重大な決断を迫っている。
第一に、国内での生産をなるべく残すための環境づくりだ。当面は70円といった超円高や現状のような著しい円高が続くのを防ぐため、適切な金融政策の運用が必要である。
また、法人税減税や自由貿易協定網の拡大、労働規制の見直しなどの政策も要る。
第二に、それでもかなりの生産移転が避けられないとすれば、国内の成長分野をはぐくみ、内需を拡大していくことだ。
環境、医療、介護、観光などの分野での規制緩和や適切な予算配分などが要る。東京の国際金融センター化もあきらめるのは早い。起業の促進策も大事だ。それらを進めるには教育の改革が重要になる。総じていえば経済の供給面の大改革である。
企業の成長が国民の繁栄に自動的にはつながらない時代の到来に、政治家は対応を急ぐべきである。
25日に開いた「世界経営者会議」(日本経済新聞社など主催)で講演した東芝の佐々木則夫社長は、1ドルが70円になっても耐えられる経営を目指す、と語った。
70円が定着した場合の影響や経営戦略を研究したという。その結果、中国や台湾の受託製造会社の活用や現地調達を拡大することと、事業の一層の「選択と集中」が必要という結論になった。
製造業では東芝と同様の検討が進んでいる。自動車大手の幹部は80円程度が続くと「輸出車の大半が赤字になるので、海外生産を増やさざるを得ない」という。上位の自動車メーカーは国内の生産台数をピーク時の半分まで落とし、海外生産を拡大することも検討している。
大手製造業は円高に振れると海外生産を増やし、円安だと国内生産を増やしてきた。今後もそれは続くとみられるものの、円高の定着を機に海外、特に自国通貨をドルと連動させている国に自社工場をつくるような企業は、為替変動にかかわらず現地生産を増やす可能性が大きい。それは国内雇用が減少していくことにつながる。
グローバル化した経済の下で企業にとって最適な経営は、日本国民の雇用を脅かす結果となりうる。著しい円高はそれを増幅することが、次第に現実の動きとなってきた。
円相場の行方はまだ読めない。しかし、どんな円高にも耐えられる経営を企業が目指し始めた事実は、政策当局に重大な決断を迫っている。
第一に、国内での生産をなるべく残すための環境づくりだ。当面は70円といった超円高や現状のような著しい円高が続くのを防ぐため、適切な金融政策の運用が必要である。
また、法人税減税や自由貿易協定網の拡大、労働規制の見直しなどの政策も要る。
第二に、それでもかなりの生産移転が避けられないとすれば、国内の成長分野をはぐくみ、内需を拡大していくことだ。
環境、医療、介護、観光などの分野での規制緩和や適切な予算配分などが要る。東京の国際金融センター化もあきらめるのは早い。起業の促進策も大事だ。それらを進めるには教育の改革が重要になる。総じていえば経済の供給面の大改革である。
企業の成長が国民の繁栄に自動的にはつながらない時代の到来に、政治家は対応を急ぐべきである。
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