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:2008:05/23/11:34 ++ 景気に一段の逆風、NY原油一時初の135ドル台――企業業績下押し(景気がわかる)
原油価格の高騰が加速し、日本経済への逆風が一段と強まってきた。二十二日のニューヨーク原油先物相場は通常取引前の時間外取引で一時、一バレル一三五・〇九ドルまで上昇して最高値を更新。足踏みを続ける国内景気の足かせになっている。航空や製紙業界を中心に企業業績を押し下げ、電気やガソリン価格のさらなる上昇を通じて家計にも影響を及ぼしそうだ。(関連記事4、7面に)
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近の七月物は前日に需給逼迫(ひっぱく)懸念などから四ドル以上も急伸。二十二日朝も高値圏で推移、その後は利益確定の売りで一時一三一ドル台まで下げた。一月二日に一〇〇ドルをつけてから一一〇ドルまで二カ月半、一二〇ドルまでさらに二カ月弱を要したが、そこから二週間余りで一三〇ドルを突破。一年前の二倍強に達している。
原油高は企業収益を下押しする。日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の試算では、二〇〇八年四―六月期以降、原油価格が一三〇ドルで推移した場合、〇八年度の経常利益は一〇〇ドルのケースに比べ二・八%押し下げられる。一四〇ドルになれば押し下げ幅は三・七%に広がる。
航空・製紙に打撃
業種別で打撃が大きいのは航空業界。燃料の国際指標となるシンガポールケロシンは直近で一バレル一六〇ドル超に上昇。日本航空と全日本空輸の〇九年三月期の想定価格(一一〇―一一九ドル)をすでに大幅に上回っている。
日航の今期の燃料費は前期に比べ九百七十億円増える見通し。四月末時点で年間調達量の六六%の価格を確定済みだが、このまま現状の高値が続けば未確定部分の調達コストが膨らみ、さらに七百億円弱の負担増となる見通し。三月末時点で八〇%を予約済みの全日空は、今期の負担増についてはコスト削減などで吸収可能とみているが、「来期以降の経営は厳しい」(山元峯生社長)。
重油を燃料に使う製紙業界も影響は大きい。王子製紙は今期の原油価格を一〇〇ドル(ドバイ原油)と想定しており、一ドルの上昇で経常利益が四億円減る。直近の水準で単純計算すると、すでに百億円近い減益要因となっている。日本製紙グループ本社は王子よりさらに低い価格を想定。輸入価格の低下という円高メリットもあるが、それ以上に価格上昇が響く。
商社など追い風
一方、石油元売りや商社にとっては原油高は業績押し上げ要因となる。石油各社は今期の原油価格(ドバイ)を九三―九六ドルと足元の価格より低く想定。原油価格が上がると、会計上の利益のかさ上げ(在庫評価益)が発生する。原油が一ドル上がると、新日本石油では在庫評価益が五十億―七十億円増える計算。海外の油田権益を持つ大手商社五社は今期もそろって最高益になる見通しだ。
企業業績が全体として下押しされれば設備投資の抑制にもつながる。NEEDS試算では、原油が一三〇―一四〇ドルになれば、設備投資は実質国内総生産(GDP)ベースで〇・四―〇・六ポイント押し下げられる見通しだ。
民間調査機関は〇八年度の経済成長予測をまとめているが、日経グループの金融情報会社QUICKによると、前提としている原油相場は平均一一四ドル前後。野村証券金融経済研究所は今年度に実質成長率一・一%を見込むが、想定価格は一一〇ドル。価格が三割上がると成長率は〇・三ポイント前後下振れする計算だ。
WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近の七月物は前日に需給逼迫(ひっぱく)懸念などから四ドル以上も急伸。二十二日朝も高値圏で推移、その後は利益確定の売りで一時一三一ドル台まで下げた。一月二日に一〇〇ドルをつけてから一一〇ドルまで二カ月半、一二〇ドルまでさらに二カ月弱を要したが、そこから二週間余りで一三〇ドルを突破。一年前の二倍強に達している。
原油高は企業収益を下押しする。日本経済新聞デジタルメディアの総合経済データバンク「NEEDS」の試算では、二〇〇八年四―六月期以降、原油価格が一三〇ドルで推移した場合、〇八年度の経常利益は一〇〇ドルのケースに比べ二・八%押し下げられる。一四〇ドルになれば押し下げ幅は三・七%に広がる。
航空・製紙に打撃
業種別で打撃が大きいのは航空業界。燃料の国際指標となるシンガポールケロシンは直近で一バレル一六〇ドル超に上昇。日本航空と全日本空輸の〇九年三月期の想定価格(一一〇―一一九ドル)をすでに大幅に上回っている。
日航の今期の燃料費は前期に比べ九百七十億円増える見通し。四月末時点で年間調達量の六六%の価格を確定済みだが、このまま現状の高値が続けば未確定部分の調達コストが膨らみ、さらに七百億円弱の負担増となる見通し。三月末時点で八〇%を予約済みの全日空は、今期の負担増についてはコスト削減などで吸収可能とみているが、「来期以降の経営は厳しい」(山元峯生社長)。
重油を燃料に使う製紙業界も影響は大きい。王子製紙は今期の原油価格を一〇〇ドル(ドバイ原油)と想定しており、一ドルの上昇で経常利益が四億円減る。直近の水準で単純計算すると、すでに百億円近い減益要因となっている。日本製紙グループ本社は王子よりさらに低い価格を想定。輸入価格の低下という円高メリットもあるが、それ以上に価格上昇が響く。
商社など追い風
一方、石油元売りや商社にとっては原油高は業績押し上げ要因となる。石油各社は今期の原油価格(ドバイ)を九三―九六ドルと足元の価格より低く想定。原油価格が上がると、会計上の利益のかさ上げ(在庫評価益)が発生する。原油が一ドル上がると、新日本石油では在庫評価益が五十億―七十億円増える計算。海外の油田権益を持つ大手商社五社は今期もそろって最高益になる見通しだ。
企業業績が全体として下押しされれば設備投資の抑制にもつながる。NEEDS試算では、原油が一三〇―一四〇ドルになれば、設備投資は実質国内総生産(GDP)ベースで〇・四―〇・六ポイント押し下げられる見通しだ。
民間調査機関は〇八年度の経済成長予測をまとめているが、日経グループの金融情報会社QUICKによると、前提としている原油相場は平均一一四ドル前後。野村証券金融経済研究所は今年度に実質成長率一・一%を見込むが、想定価格は一一〇ドル。価格が三割上がると成長率は〇・三ポイント前後下振れする計算だ。
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