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:2009:08/18/13:19 ++ 環境対応で常識破る、日本発、革新技術の芽、ロス減らす直流送電。
水からクリーン燃料
地球温暖化や資源の枯渇懸念など切迫する環境・エネルギー問題。その克服には在来技術の延長にとどまらない革新技術が求められる。太陽光発電や電気自動車の先にあるのは何か。日本発の「常識破りの技術」がイノベーションの芽になり2020年には社会を変え始めるかもしれない。
「IT(情報技術)の浸透で企業のデータセンターが急増しているが、新方式なら電力消費の伸びを抑え込める」。中部大学の山口作太郎教授が住友電気工業などと組んで研究を進める「超電導送電」の本格的な実験が11年にも始まる。
高性能コンピューターがずらりと並ぶデータセンターは大量の電気を食い、総消費電力はいまや150万世帯分に匹敵する。新技術は液体窒素で冷やすと電気抵抗ゼロになる超電導ケーブルで変電所とデータセンターを直結。「送電ロスやコンピューターの発熱を抑え、消費電力を4割減らせる」(山口教授)
「冷却設備が必要でコスト高」と二の足を踏む電力会社もあるが、大口需要家への集中送電ならコスト差が縮む。「実用化は遠い先」とみられていた超電導送電への先入観が変わり始めた。
2020年までに20倍
1880年代、米国の電力事業草創期。発明王エジソンは直流による送電を唱え、ウエスチングハウス(WH社の創始者)らが推す交流方式と覇を争った。「電流戦争」だ。軍配は高電圧で遠くまで送れる交流に上がり、交流送電網が社会の血管になった。
それから120年、電力=交流の常識も崩れつつある。温暖化防止に向け「太陽光発電を2020年までに20倍に増やす」という政府の目標が実現すれば、多くの家庭や工場がミニ発電所になり、送電網も見直しを迫られるからだ。
シャープやパナソニック電工は太陽光パネルと家電製品を直接つなぐ「直流家電システム」の研究に動く。技術者を駆り立てるのは次世代照明LED(発光ダイオード)など直流で働く機器の急速な普及だ。現在のLEDは交流から直流への変換時に5割の電力を失う。太陽電池で起こした直流をそのまま使う方がはるかに合理的だ。
テレビのアナログからデジタルへの転換は関連投資を含め250兆円(総務省試算)の波及効果が見込まれるが、「直流家電の潜在需要は少なくとも1ケタ多い」(大手家電)。
「非常にスムーズ。大型エンジンも動かせそうだ」。7月中旬、東京海洋大学で全く新しい燃料で動く小型エンジンがうなりを上げ、伊藤雅則教授の顔がほころんだ。
新燃料は水を電気分解して得た水素・酸素からなるガス。プラントメーカーの日本テクノ(東京・大田、大政龍晋社長)が開発した振動攪拌(かくはん)という技術で作る。二酸化炭素(CO2)の発生がゼロで燃焼後も水に戻る究極のクリーン燃料だ。安定燃焼などに課題が残るが「自然エネルギー社会にふさわしい燃料になる」(伊藤教授)。
薄く広く集める
太陽光発電など分散電源の普及はエネルギーや資源を「薄く広く集める」という発想転換を呼ぶ。空気や排水中の熱を拾い集め、給湯や暖房に使うヒートポンプが代表だ。三菱電機やダイキン工業などが省エネ性能の3~4倍向上を競い、日本勢の独壇場が続く。
18世紀末、ワットの蒸気機関は手工業からエネルギー集約型へと産業構造を変え、環境・エネルギー制約は新たな転換を促す。送電網などのインフラ刷新には政策の後押しや社会的合意が必要だが、固定観念を破る発想が次の産業革命の揺りかごになる。(吉川和輝、黒川卓)
地球温暖化や資源の枯渇懸念など切迫する環境・エネルギー問題。その克服には在来技術の延長にとどまらない革新技術が求められる。太陽光発電や電気自動車の先にあるのは何か。日本発の「常識破りの技術」がイノベーションの芽になり2020年には社会を変え始めるかもしれない。
「IT(情報技術)の浸透で企業のデータセンターが急増しているが、新方式なら電力消費の伸びを抑え込める」。中部大学の山口作太郎教授が住友電気工業などと組んで研究を進める「超電導送電」の本格的な実験が11年にも始まる。
高性能コンピューターがずらりと並ぶデータセンターは大量の電気を食い、総消費電力はいまや150万世帯分に匹敵する。新技術は液体窒素で冷やすと電気抵抗ゼロになる超電導ケーブルで変電所とデータセンターを直結。「送電ロスやコンピューターの発熱を抑え、消費電力を4割減らせる」(山口教授)
「冷却設備が必要でコスト高」と二の足を踏む電力会社もあるが、大口需要家への集中送電ならコスト差が縮む。「実用化は遠い先」とみられていた超電導送電への先入観が変わり始めた。
2020年までに20倍
1880年代、米国の電力事業草創期。発明王エジソンは直流による送電を唱え、ウエスチングハウス(WH社の創始者)らが推す交流方式と覇を争った。「電流戦争」だ。軍配は高電圧で遠くまで送れる交流に上がり、交流送電網が社会の血管になった。
それから120年、電力=交流の常識も崩れつつある。温暖化防止に向け「太陽光発電を2020年までに20倍に増やす」という政府の目標が実現すれば、多くの家庭や工場がミニ発電所になり、送電網も見直しを迫られるからだ。
シャープやパナソニック電工は太陽光パネルと家電製品を直接つなぐ「直流家電システム」の研究に動く。技術者を駆り立てるのは次世代照明LED(発光ダイオード)など直流で働く機器の急速な普及だ。現在のLEDは交流から直流への変換時に5割の電力を失う。太陽電池で起こした直流をそのまま使う方がはるかに合理的だ。
テレビのアナログからデジタルへの転換は関連投資を含め250兆円(総務省試算)の波及効果が見込まれるが、「直流家電の潜在需要は少なくとも1ケタ多い」(大手家電)。
「非常にスムーズ。大型エンジンも動かせそうだ」。7月中旬、東京海洋大学で全く新しい燃料で動く小型エンジンがうなりを上げ、伊藤雅則教授の顔がほころんだ。
新燃料は水を電気分解して得た水素・酸素からなるガス。プラントメーカーの日本テクノ(東京・大田、大政龍晋社長)が開発した振動攪拌(かくはん)という技術で作る。二酸化炭素(CO2)の発生がゼロで燃焼後も水に戻る究極のクリーン燃料だ。安定燃焼などに課題が残るが「自然エネルギー社会にふさわしい燃料になる」(伊藤教授)。
薄く広く集める
太陽光発電など分散電源の普及はエネルギーや資源を「薄く広く集める」という発想転換を呼ぶ。空気や排水中の熱を拾い集め、給湯や暖房に使うヒートポンプが代表だ。三菱電機やダイキン工業などが省エネ性能の3~4倍向上を競い、日本勢の独壇場が続く。
18世紀末、ワットの蒸気機関は手工業からエネルギー集約型へと産業構造を変え、環境・エネルギー制約は新たな転換を促す。送電網などのインフラ刷新には政策の後押しや社会的合意が必要だが、固定観念を破る発想が次の産業革命の揺りかごになる。(吉川和輝、黒川卓)
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