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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2007:12/12/09:49  ++  第1部危うき奔流(4)墓場までは持って行けない(日本人とおカネ)

「こんなことなら、遺産など無ければよかった」。東京都港区の滝川真二郎(仮名、45)は困り果てた。今年九十九歳で亡くなった祖母の遺産を巡り、普段は行き来のない親せきが「取り分」を請求。「介護は任せきりだったのに」。分割してほしいと言われても遺産の多くは祖母と同居していた滝川たちの自宅。都心の土地の評価額は数億円に達するが、「それに見合う現金があるわけではない」。
 二〇〇六年の死亡者数は約百八万人。野村総合研究所によると〇六年の不動産を含めた相続財産は総額約七十五兆円だ。二〇年には百九兆円にふくれあがり、「大相続時代」が幕を開ける。このお金をどう回すのか。個人の問題であるとともに、日本経済の活力を左右する問題だ。
■「争族」に悩む
 「ギーッ」。東京・丸の内の三菱UFJ信託銀行の一室。厚さ十センチ超の鉄の扉の奥に金庫がある。ここで保管されているのは、個人の遺言信託約一万四千通。「自宅を確実に妻に残したい」「地元の町に財産を寄付したい」――。信託銀行に遺言書を預け遺産分割などを依頼する。信託業界の遺言信託の取扱件数は昨年度末に五万七千件と、十年前の三倍弱に増えた。
 「家」が絶対視されたころ、長子相続は田畑を細かく分ける「田分け」を防ぐ知恵だった。愚か者を意味する「たわけ」はそこから生まれたとの説もある。かつての常識は崩れ、“争族”も後を絶たない。
 神奈川の男性(65)は、かつて受け取るときにもめた経験から「不動産より換金しやすい株や投資信託で資産を持つ」という。長期保有される事が多い高齢者の資産。将来への不安や死後の争いで富が凍り付けば、結果として経済の活性化はますます遠ざかる。
 「手続きにこんなに時間がかかるとは。もっと気軽に寄付できる仕組みがあれば」。一代で上場企業を築いた北陸地方の井戸晴雄(仮名、65)はため息をつく。個人資産で奨学金などを賄う基金を設立する決意をした。文部科学省、財務省、厚生労働省……。税制上の優遇措置を得る認可や調整に一年以上かかった。
 五億円で設立した基金も、運用の規制が厳しいうえ低金利が続く。自己資金二千五百万円を毎年補充することにした。次世代に貢献する残し方をしたいが、「高齢者がお金を生かしにくい世の中だ」と痛感する。
■実感なき大国
 高級ホテル予約サイト、一休社長の森正文(45)の出張は意外と地味だ。格安航空券を使い、電車を乗り継ぐ。森は九年前に設立した会社を上場させ、今も株式の半数を持つ。創業時に資金調達で苦労した経験からも目立たぬ暮らしを意識する。「使い切れない。子どもに全部残すこともない」。自分にふさわしいお金の使い方は何か。私財を寄付した明治人の伝記を読みながら模索する。
 日本は実は米国に次ぐお金持ち大国だ。米メリルリンチなどの調べでは、資産(居住用不動産をのぞく)百万ドル(約一億一千万円)以上を持つ富裕層は日本で百四十七万人。計算上、百人に一人以上が「億万長者」だ。世界の富裕層の一五%を占める。
 だが富裕層は嫉妬(しっと)の目を意識し、どこか窮屈に暮らす。金持ち大国の実感は乏しい。富裕層に詳しい同志社大学教授の橘木俊詔は「日本では“清貧”を重んじた徒然草の昔から金持ちへの情念的な抵抗感がある」という。
 富裕層のお金を生かせないため「社会にお金を回すダイナミズムがない」。半導体ベンチャーのザインエレクトロニクス社長、飯塚哲哉(60)は言う。かつて働いた米シリコンバレーでは「起業家が資産家の支援を受けて成功すると、次は自身が資産家となって事業を起こす」。お金が社会を巡る仕組みがある。
 戦後「勤勉、貯蓄」で積み上げた日本の富。「どう殖やすか」のあとに問われる「どう残すか」そして「どう生かすか」。富の流れを後押しするモデルを築く時だ。(敬称略)
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