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:2009:02/24/11:16 ++ 米アカデミー賞、「おくりびと」「つみきのいえ」、「世界の邦画」高まる期待。
海外市場開拓、商機広がる
二十二日開かれた米アカデミー賞の発表・授賞式で「おくりびと」(滝田洋二郎監督=53)が外国語映画賞を、「つみきのいえ」(加藤久仁生監督=31)が短編アニメ賞をそれぞれ受賞した。ここ数年、日本国内で着実に売り上げを増やしてきた邦画が「内向き」を脱して世界に市場を広げることができるか。今回の受賞は国内映画産業のグローバル化の行方を占う試金石ともなりそうだ。(関連記事を社会面、文化面に)
松竹の株価急騰
二十三日の東京株式市場では国内配給元である松竹の株価が急騰。終値は前週末比九十八円(一五・二%)高の七百四十四円とこの日の高値で取引を終えた。「おくりびと」はTBSが主幹事となり松竹、電通、小学館などが出資する製作委員会が製作費を拠出、著作権などの権利を保有する。今回の受賞で松竹だけでなく、他の参加企業にも収益拡大のチャンスが広がることになる。
この作品は今回の授賞式前にすでに米国、カナダ、フランス、オーストラリアなど三十六カ国での劇場公開が決まっていた。受賞により海外での商機がさらに広がるのはほぼ確実。このため劇場公開やDVD販売などの事業展開について「製作委関係者が帰国後に改めて計画を練り直す」(TBS関係者)という。
日本映画は古くからカンヌ、ベルリン、ベネチアの三大国際映画祭での常連となってきた。
国内外の映画作品を手掛ける市山尚三プロデューサーは「日本映画の出来が良いのは当たり前と見られている」と指摘。海外と映画の共同製作を長年続けている井関惺プロデューサーも「黒沢明監督らの映画を見て育った映画人が世界中に多く、日本映画に対する尊敬の念がある。アジアでの国際共同製作も増えている」と話す。
日本映画の攻勢を支えるのが国内市場の活況だ。二〇〇八年の邦画の国内興行収入は前年比二二%増の千百五十八億円と過去最高を記録。全興収に占める邦画の割合は約六割と洋画を圧倒、需要増をにらんだ企業の製作投資の拡大が優良作品の増加につながる好循環を生んでいるといえる。
ただ、海外での高評価が商業的な成功を約束するわけではない。
外需の比率2%
〇七年の国内コンテンツ産業の市場規模は前年比〇・三%増の約十三兆九千億円、そのうち映像産業は四兆八千億円だった。外需の割合は二%程度。〇八年の映画の輸出額(各種権利販売を含む)も七十億円程度と国内邦画興行収入の六%程度にとどまる。一八%を海外売り上げで稼ぐ米国コンテンツ産業と対照的に日本は典型的な「内需産業」に甘んじてきた。
大きな壁の一つが文化の違い。「リング」などでジャパニーズ・ホラーのブームを作った一瀬隆重プロデューサーは「米国の人たちは字幕を見ない。会話劇が多い日本映画はなかなか大衆に届かない」と指摘する。
「世界の映画界では米ハリウッド企業が圧倒的な支配力を持ち、日本企業の意向を反映した契約条件がなかなか実現しない」(国内映画大手首脳)という声も多い。
それでも海外での評価の高まりを背景に国内映画業界の意識は変わり始めた。三、四年前から欧米の主要映画祭に日本映画業界のブースを出展して新作邦画を世界の業界関係者に紹介。ハリウッドの大手映画会社を製作委員会に加えて当初から世界興行をめざす試みも増えている。
金融危機で企業の投資意欲がしぼむ恐れもあり、邦画ブームがどこまで続くかは不透明。「おくりびと」の受賞で強まる世界への追い風を一過性で終わらせないための知恵が求められている。
二十二日開かれた米アカデミー賞の発表・授賞式で「おくりびと」(滝田洋二郎監督=53)が外国語映画賞を、「つみきのいえ」(加藤久仁生監督=31)が短編アニメ賞をそれぞれ受賞した。ここ数年、日本国内で着実に売り上げを増やしてきた邦画が「内向き」を脱して世界に市場を広げることができるか。今回の受賞は国内映画産業のグローバル化の行方を占う試金石ともなりそうだ。(関連記事を社会面、文化面に)
松竹の株価急騰
二十三日の東京株式市場では国内配給元である松竹の株価が急騰。終値は前週末比九十八円(一五・二%)高の七百四十四円とこの日の高値で取引を終えた。「おくりびと」はTBSが主幹事となり松竹、電通、小学館などが出資する製作委員会が製作費を拠出、著作権などの権利を保有する。今回の受賞で松竹だけでなく、他の参加企業にも収益拡大のチャンスが広がることになる。
この作品は今回の授賞式前にすでに米国、カナダ、フランス、オーストラリアなど三十六カ国での劇場公開が決まっていた。受賞により海外での商機がさらに広がるのはほぼ確実。このため劇場公開やDVD販売などの事業展開について「製作委関係者が帰国後に改めて計画を練り直す」(TBS関係者)という。
日本映画は古くからカンヌ、ベルリン、ベネチアの三大国際映画祭での常連となってきた。
国内外の映画作品を手掛ける市山尚三プロデューサーは「日本映画の出来が良いのは当たり前と見られている」と指摘。海外と映画の共同製作を長年続けている井関惺プロデューサーも「黒沢明監督らの映画を見て育った映画人が世界中に多く、日本映画に対する尊敬の念がある。アジアでの国際共同製作も増えている」と話す。
日本映画の攻勢を支えるのが国内市場の活況だ。二〇〇八年の邦画の国内興行収入は前年比二二%増の千百五十八億円と過去最高を記録。全興収に占める邦画の割合は約六割と洋画を圧倒、需要増をにらんだ企業の製作投資の拡大が優良作品の増加につながる好循環を生んでいるといえる。
ただ、海外での高評価が商業的な成功を約束するわけではない。
外需の比率2%
〇七年の国内コンテンツ産業の市場規模は前年比〇・三%増の約十三兆九千億円、そのうち映像産業は四兆八千億円だった。外需の割合は二%程度。〇八年の映画の輸出額(各種権利販売を含む)も七十億円程度と国内邦画興行収入の六%程度にとどまる。一八%を海外売り上げで稼ぐ米国コンテンツ産業と対照的に日本は典型的な「内需産業」に甘んじてきた。
大きな壁の一つが文化の違い。「リング」などでジャパニーズ・ホラーのブームを作った一瀬隆重プロデューサーは「米国の人たちは字幕を見ない。会話劇が多い日本映画はなかなか大衆に届かない」と指摘する。
「世界の映画界では米ハリウッド企業が圧倒的な支配力を持ち、日本企業の意向を反映した契約条件がなかなか実現しない」(国内映画大手首脳)という声も多い。
それでも海外での評価の高まりを背景に国内映画業界の意識は変わり始めた。三、四年前から欧米の主要映画祭に日本映画業界のブースを出展して新作邦画を世界の業界関係者に紹介。ハリウッドの大手映画会社を製作委員会に加えて当初から世界興行をめざす試みも増えている。
金融危機で企業の投資意欲がしぼむ恐れもあり、邦画ブームがどこまで続くかは不透明。「おくりびと」の受賞で強まる世界への追い風を一過性で終わらせないための知恵が求められている。
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