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:2008:12/24/12:06 ++ 自動車クライシス(上)逆回転するクルマ経済――外需依存の日本に打撃。
金融で始まった「危機(クライシス)」が自動車産業に飛び火してきた。米国では世界最大の自動車会社ゼネラル・モーターズ(GM)が百年の歴史で初めて政府に救済される事態となり、国内でも日本経済をけん引してきたトヨタ自動車が初の連結営業赤字になる見通し。製造業の屋台骨をなす自動車産業の危機は世界同時不況を一段と深刻にしかねない情勢だ。
「自動車会社の倒産回避に介入したくはない。でも今は普通の状態ではないのです」。ブッシュ米大統領がこう語りGMとクライスラーへの政府融資を決めた三日後。今度は日本に激震が走った。
市場収縮の津波
トヨタが二〇〇九年三月期の連結業績予想を下方修正、千五百億円の営業赤字になると発表した。前期に二兆二千七百億円と日本企業で最大の営業利益を稼いだ同社の急転直下の赤字。渡辺捷昭社長は「かつてない緊急事態」と訴えた。
世界の自動車産業が前例のない市場収縮の“津波”に襲われている。新車販売が前年同月比三―四割減に落ち込んだ米国では販売在庫が急増中。米紙オートモーティブ・ニュースによると通常七十―八十日分の業界全体の在庫が今月初めには百十日分に膨らんだ。すでにクライスラーが北米の約三十工場を最低一カ月にわたって休止。今後、在庫削減のため日米各社が一斉に大幅減産を迫られる。
一台買えば二台目はタダ――。ベルギーの販売店がこんな販促策を掲げるなど欧州でも「投げ売り」のような値下げ競争が起きている。
ガソリン高で需要が陰り始めたところを金融危機が直撃。消費者心理の悪化に加え、信用収縮で自動車ローンが出にくくなったことで販売が大幅に減っている。欧米より金融危機の影響は小さいとされる日本だが、グローバル化が進んだ自動車では打撃を免れない。
日本の自動車会社は世界需要の三分の一に相当する二千三百四十五万台を〇七年に内外で生産、その八割弱を日本以外で販売した。千百五十九万台の国内生産分も半分強を輸出に回し外需依存度が極めて高い。その足元を円高が襲った。
一国の経済への影響が最も大きいのも日本かもしれない。国内総生産(GDP)は米国の半分なのに自動車生産台数では千万台強の米国をしのぐ。しかもここ数年、日本経済のクルマ依存は加速。国内製造業の総出荷額に占める自動車・同部品の比率は〇〇年の一三・三%から一七・二%に上昇し、一九・八%から一六・三%に低下した電機業界と主役交代した。
雇用規模も〇〇年比で一六%増の約八十五万人となり、製造業全体の一割を超えた。
車シフトの誤算
素材や機械、電機業界なども一斉に自動車シフトを強化。需要が一増えたときに関連産業を含めた生産がどれだけ増えるかを示す「生産波及力」で「乗用車」は〇五年で三・二二と「民生用電子・電気機器」(二・四四)などに比べ突出して高い。トヨタの営業赤字転落で直面するのはそんなクルマ依存経済の逆回転だ。
十月までフル生産が続いた鉄鋼業界では先月から状況が一変。粗鋼生産は九年八カ月ぶりの二ケタ減に転じた。このまま需要低迷が続けば国内の一割強に相当する高炉三基分の能力が余るとの見方が出てきた。
工作機械業界の受注額も十一月は前年同月比六二%の大幅減。「自動車関連業界からの受注はほとんど凍結状態」(西嶋尚生ツガミ社長)という。
金融危機が収まっても自動車産業には地球温暖化問題や中長期的なエネルギー枯渇の懸念といった難題が待ち受ける。米国などがIT(情報技術)産業などへのシフトを進めたなか、クルマ経済への道をひた走った日本は大きな試練に直面しようとしている。
「自動車会社の倒産回避に介入したくはない。でも今は普通の状態ではないのです」。ブッシュ米大統領がこう語りGMとクライスラーへの政府融資を決めた三日後。今度は日本に激震が走った。
市場収縮の津波
トヨタが二〇〇九年三月期の連結業績予想を下方修正、千五百億円の営業赤字になると発表した。前期に二兆二千七百億円と日本企業で最大の営業利益を稼いだ同社の急転直下の赤字。渡辺捷昭社長は「かつてない緊急事態」と訴えた。
世界の自動車産業が前例のない市場収縮の“津波”に襲われている。新車販売が前年同月比三―四割減に落ち込んだ米国では販売在庫が急増中。米紙オートモーティブ・ニュースによると通常七十―八十日分の業界全体の在庫が今月初めには百十日分に膨らんだ。すでにクライスラーが北米の約三十工場を最低一カ月にわたって休止。今後、在庫削減のため日米各社が一斉に大幅減産を迫られる。
一台買えば二台目はタダ――。ベルギーの販売店がこんな販促策を掲げるなど欧州でも「投げ売り」のような値下げ競争が起きている。
ガソリン高で需要が陰り始めたところを金融危機が直撃。消費者心理の悪化に加え、信用収縮で自動車ローンが出にくくなったことで販売が大幅に減っている。欧米より金融危機の影響は小さいとされる日本だが、グローバル化が進んだ自動車では打撃を免れない。
日本の自動車会社は世界需要の三分の一に相当する二千三百四十五万台を〇七年に内外で生産、その八割弱を日本以外で販売した。千百五十九万台の国内生産分も半分強を輸出に回し外需依存度が極めて高い。その足元を円高が襲った。
一国の経済への影響が最も大きいのも日本かもしれない。国内総生産(GDP)は米国の半分なのに自動車生産台数では千万台強の米国をしのぐ。しかもここ数年、日本経済のクルマ依存は加速。国内製造業の総出荷額に占める自動車・同部品の比率は〇〇年の一三・三%から一七・二%に上昇し、一九・八%から一六・三%に低下した電機業界と主役交代した。
雇用規模も〇〇年比で一六%増の約八十五万人となり、製造業全体の一割を超えた。
車シフトの誤算
素材や機械、電機業界なども一斉に自動車シフトを強化。需要が一増えたときに関連産業を含めた生産がどれだけ増えるかを示す「生産波及力」で「乗用車」は〇五年で三・二二と「民生用電子・電気機器」(二・四四)などに比べ突出して高い。トヨタの営業赤字転落で直面するのはそんなクルマ依存経済の逆回転だ。
十月までフル生産が続いた鉄鋼業界では先月から状況が一変。粗鋼生産は九年八カ月ぶりの二ケタ減に転じた。このまま需要低迷が続けば国内の一割強に相当する高炉三基分の能力が余るとの見方が出てきた。
工作機械業界の受注額も十一月は前年同月比六二%の大幅減。「自動車関連業界からの受注はほとんど凍結状態」(西嶋尚生ツガミ社長)という。
金融危機が収まっても自動車産業には地球温暖化問題や中長期的なエネルギー枯渇の懸念といった難題が待ち受ける。米国などがIT(情報技術)産業などへのシフトを進めたなか、クルマ経済への道をひた走った日本は大きな試練に直面しようとしている。
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