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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2007:12/18/10:29  ++  【正論】「ネット」と新聞 多摩大学情報社会学研究所所長・公文俊平

■「宅配」「広告」の経営モデルを脱せ

 ≪プロの仕事は変わらないが≫

 日本の新聞産業は、いますぐではないにしても、存亡の危機にある。媒体(紙)の面でも、宅配と広告に依存しているビジネスモデルの面でもだ。

 日本人は近年、1人あたり世界平均の5倍、年間250キロ近くもの紙を消費するようになったが、その2割ほどが新聞紙だ。そのさらに2割ほどが、いわゆる宅配の「押し紙」であって、消費者の手元に届くことなしにリサイクルにまわされている。これほど大量の紙の消費、いや浪費を、いつまでも続けていくわけにはいかないだろう。

 日本の若者は、数が減るだけでなく新聞を読まなくなっている。宅配への需要は、このままだと減少の一途をたどる。広告のあり方も変わりつつある。ネット広告の比重が拡大しているだけでなく、不特定多数の消費者に一方的に広告を流すという仕方自体が見直されている。

 しかし、信頼できるニュースやその背景分析への需要までなくなるわけではあるまい。よく、記事は筆者の名前や肩書でなく内容で判断されるべきだという。しかしそれは容易なことではない。だからこそ、プロのジャーナリスト集団が、きちんとした取材やしっかりした調査をもとにして、組織の名誉をかけて提供する記事に、読者は信頼をおいてきた。新聞社と読者の間のこのような関係は、記事が電子的に提供される時代になっても、変わりはすまい。

 問題はビジネスモデルだ。新聞が存続するためには、いや、さらに発展していくためには、宅配と広告に依存してきたこれまでのビジネスモデル自体を捨て去るしかなかろう。

 ≪感動への感謝に1クリック≫

 ではそれに代わる新しいモデルはありうるのか。その答えは、記事自体の価値を通じて結びついた、新聞社と読者の「コミュニティー」作りにあると思われる。新聞社は、価値ある記事を読者に提供する。読者は、記事の有用性や記事が与える感動に感謝して、なにがしかの謝礼を払う。それは、梅棹忠夫氏のいう「お布施」、ひつじ書房の松本功氏が提唱した「投げ銭」、やさしい情報社会化を推進する関根千佳氏が考案した「感謝券」などと似た仕組みになる。

 たとえば、記事推奨システムが配信するどれかの記事を読んだ読者が、感謝の印として1クリックすれば、若干の謝金(1クリックあたり10円くらいが妥当か)が新聞社に送られる。感動が大きければ、さらにクリック数を増やすもよい。その一部は、「砂漠を緑に」などのような新聞社のキャンペーン基金に繰り入れられてもよい。

 さらに、感動した読者は、自分のブログやメールを通じて、仲間たちにその記事を推薦したくなる。仲間たちは、それぞれ個別化された記事推奨システムからの配信を受けているので、同じ記事を目にしているとは限らない。推薦を受けた仲間がその記事を読んで1クリックすると、感謝の印として送られた10円は、たとえば7対3の割合で、新聞社と推薦者に配分される。もちろん、この場合も、感動の程度に応じて、クリック数は自由に増やしてよい。

 ≪社外からの参加も排除せず≫

 そればかりではない。読者は、自分が書いた記事を新聞社に送って、その配信システムに載せてもらうこともできる。その選別は新聞社が自らの責任で行えばよい。この場合の「読者」には、個人だけでなく組織、とりわけ企業も含まれてよいとすれば、その中にはこれまでなら「広告」とみなされた記事も含まれうることになる。

 このような仕組みが実現しうるためには、大量の少額送金が安全・確実に、そして低コストでできるプラットフォームの構築が不可欠となるが、今日の情報技術をもってすれば、技術的にはさほどむずかしいことではなかろう。しかしそのようなプラットフォームを各新聞社が個別に作るのでは効率が悪すぎる。ここは業界が共同で立ち上がるべきところだ。少額課金や送金の技術をもつ携帯電話業界やネット銀行などの協力がえられると、なおよかろう。

 それぞれの新聞社は、そうした共通のプラットフォームの上で、自社を核とする読者とのコミュニティー作りに秘術を尽くせばよい。私は、産経のコミュニティーに喜んで加入するだろう。そうはいってももちろん、そのようなコミュニティーは、読者を囲い込む排他的な形のものではなく、複数のコミュニティーへの同時加入や、コミュニティー間の移動が自由でオープンにできるものとなることが望ましい。21世紀の日本の新聞産業の興廃は、それにかかっているとわたしは思う。

(くもん しゅんぺい)

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