上場企業 最悪の30件 資金繰り難、運輸・ITなども
民間調査機関の東京商工リサーチが八日発表した二〇〇八年一―十一月の企業倒産件数は一万四千二百八十四件となった。〇七年暦年の実績を十一カ月間で超え、〇八年暦年で五年ぶりの高水準を記録することが確実になった。上場企業の倒産は三十件で、暦年の戦後最大を更新した。世界的な金融危機と景気悪化が日本企業に打撃を与え、業種や規模を問わず倒産が増えている。
十一月の倒産件数は前年同月比五・三%増の千二百七十七件、負債総額は一六・九%増の五千七百六十億五千二百万円となった。全十業種のうち七業種の倒産件数が増加。運輸が二・四倍に膨らんだほか、金融・保険(五〇・〇%増)や情報通信(三七・五%増)などの伸びが高かった。
原因別にみると「運転資金の欠乏」(三七・二%増)の増加が目立つ。金融機関から融資を受けにくくなり、資金繰りが悪化する企業が増えているようだ。
この結果、〇八年一―十一月の累計倒産件数は、〇三年暦年以来の多さとなった。累計の負債総額は十一兆六千五百九十二億円で、〇二年暦年以来、六年ぶりの高水準を記録することが確実になった。
このうち上場企業の累計倒産件数(上場廃止後の倒産を除く)は〇二年暦年の二十九件を超え、年間の戦後最大を更新した。直近の十一月にはマンション分譲のモリモトや建設業のオリエンタル白石など上場企業三社が相次いで倒産した。
〇八年は米大手証券リーマン・ブラザーズが破綻した九月を境に、倒産件数や負債総額が一段と拡大した。リーマンの日本法人の負債額は約三兆四千億円と年間で最も大きく、関連の三社を含めると約四兆七千億円に膨らんだ。
資金繰りの悪化などによる倒産件数は、年末をはさんで一段と増える公算が大きい。日銀が八日発表した全国銀行の十一月の貸出残高は前年同月比三・六%増と、十六年七カ月ぶりの高い伸びとなった。市場で資金を調達しにくい大企業が借り入れを増やしている面が大きく、中小企業の資金繰りに支障が出ているとの見方もある。
政府は金融機関の中小企業向け融資に対し、一〇〇%の保証をつける六兆円の緊急保証制度を十月末から実施。今月二日時点で三万七千件、九千二百億円の融資を保証した。金融機関の貸し出し余力を増やすため、金融機関への予防的な資本注入を可能にする金融機能強化法改正案も十二日に成立する見通しだ。
ただ東京商工リサーチは「一時的な対症療法にとどまりかねない」と指摘。〇八年暦年の倒産件数は一万五千五百件まで増えると予測している。
:2025:02/13/06:17 ++ [PR]
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:2008:12/09/11:15 ++ 倒産5年ぶり高水準、今年見通し、1―11月、既に1万4000件超。
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