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:2007:09/21/11:39 ++ 安保理決議で苦しさ増す小沢氏の論理(社説)
国連安保理は、アフガニスタンに展開する国際治安支援部隊(ISAF)の任務を一年延長し、インド洋で日本も参加する多国籍海軍の海上阻止行動に「謝意」を表明する決議一七七六を採択した。海上自衛隊による給油活動の継続に反対する民主党は態度を変えないとしているが、国連決議の根拠がないとする小沢一郎代表には逆風となる。
決議は棄権したロシアを除く十四カ国の賛成で採択された。全会一致でなかった点が民主党に有利に働くとの見方もあるようだが、湾岸戦争の際に小沢氏が自衛隊の多国籍軍参加を主張した根拠とした安保理決議六七八も、中国が棄権している。全会一致でない点を理由に決議一七七六を軽視すれば、これとの一貫性を欠く結果になる。
民主党の鉢呂吉雄「次の内閣」外相は「日本の自衛隊活動を直接規定するものでは全くない」と反対を貫く姿勢を強調する。国内政治の文脈からは理解できる。問題は新たな安保理決議が採択された状況で、それが国際的、国内的に、どの程度の説得力を持つかだろう。
鉢呂氏が指摘するように、決議一七七六は、自衛隊の活動に直接触れてはいない。しかし国際社会には強力な法執行機関がなく、国際法は国内法と同じではない。条約を別とすれば、安保理決議といえども、加盟国を政治的に拘束する程度の規範にとどまる例が多い。内容が漠然としていても、それが全体として何を意味するかの解釈が重要になる。
決議一七七六に明記された多国籍軍の海上阻止行動への謝意は何を意味するのか。安保理はこの活動を是認しているからこそ、謝意を表明したとみるのが普通だろう。安保理がこの活動に反対であれば、それに謝意を表し、決議案に明記して採択することはあり得ないからだ。
したがって自衛隊の給油活動が国連決議の根拠を欠くとする民主党の論理は、完全に崩れたわけではないにせよ、それを貫こうとすれば、一般人には分からない法律家の議論に陥らざるを得ない。来週発足する新政権下での与野党協議での民主党の論理は従来よりも苦しくなる。
これまで反対してきたのだから、あくまで反対を貫くのが支持者に対する誠実な対応だとする考え方も国内的にはあり得る。同時に、安保理決議に示された国際社会の期待に誠実に耳を傾けるのも、国際社会で生きる日本の政治に責任を持つ政党として当然しなければならない判断だろう。与野党はこのためにこそ、知恵を絞る必要がある。
決議は棄権したロシアを除く十四カ国の賛成で採択された。全会一致でなかった点が民主党に有利に働くとの見方もあるようだが、湾岸戦争の際に小沢氏が自衛隊の多国籍軍参加を主張した根拠とした安保理決議六七八も、中国が棄権している。全会一致でない点を理由に決議一七七六を軽視すれば、これとの一貫性を欠く結果になる。
民主党の鉢呂吉雄「次の内閣」外相は「日本の自衛隊活動を直接規定するものでは全くない」と反対を貫く姿勢を強調する。国内政治の文脈からは理解できる。問題は新たな安保理決議が採択された状況で、それが国際的、国内的に、どの程度の説得力を持つかだろう。
鉢呂氏が指摘するように、決議一七七六は、自衛隊の活動に直接触れてはいない。しかし国際社会には強力な法執行機関がなく、国際法は国内法と同じではない。条約を別とすれば、安保理決議といえども、加盟国を政治的に拘束する程度の規範にとどまる例が多い。内容が漠然としていても、それが全体として何を意味するかの解釈が重要になる。
決議一七七六に明記された多国籍軍の海上阻止行動への謝意は何を意味するのか。安保理はこの活動を是認しているからこそ、謝意を表明したとみるのが普通だろう。安保理がこの活動に反対であれば、それに謝意を表し、決議案に明記して採択することはあり得ないからだ。
したがって自衛隊の給油活動が国連決議の根拠を欠くとする民主党の論理は、完全に崩れたわけではないにせよ、それを貫こうとすれば、一般人には分からない法律家の議論に陥らざるを得ない。来週発足する新政権下での与野党協議での民主党の論理は従来よりも苦しくなる。
これまで反対してきたのだから、あくまで反対を貫くのが支持者に対する誠実な対応だとする考え方も国内的にはあり得る。同時に、安保理決議に示された国際社会の期待に誠実に耳を傾けるのも、国際社会で生きる日本の政治に責任を持つ政党として当然しなければならない判断だろう。与野党はこのためにこそ、知恵を絞る必要がある。
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