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:2011:01/24/10:56 ++ 崖っぷち国会(下)マニフェスト修正どこへ――議論なく戦略場当たり。
「社会保障や農業で正しいことを言っていれば、野党は逃げられないんだ」。菅直人首相は周辺の「戦線を広げすぎない方がいいんじゃないですか」との進言を、こう退ける。次々に打ち上げる政策課題こそが最上の国会対策だ、との理屈だ。そのため衆院選マニフェスト(政権公約)は大幅に見直す。
首相は22日、公邸に福山哲郎官房副長官や西宮伸一外務審議官を呼び「平成の開国を、国際的にどう訴えたらいいかな」と問いかけた。貿易を自由化して原則関税を撤廃する環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を、首相は「農を尊び、国を開く。尊農開国だ」と呼ぶ。幕末維新の「尊皇」「開国」にひっかけた造語である。
外交は180度転換
社会保障などの超党派協議に野党が参加しないなら「歴史に対する反逆行為」だとも断じた。繰り返し歴史を持ち出して高揚する首相は「与野党だけでなく、国民の皆さんと一緒に議論する国会にしたい」と強調する。その具体策が、政治家以外の識者を加えた組織を使うことだ。
「社会保障改革に残された時間は少ない。民間からも声をあげて盛り上げてほしい」。20日夜、日銀の白川方明総裁、日本経団連の米倉弘昌会長、連合の古賀伸明会長らとの会食で首相は繰り返した。
社会保障と税の一体改革を任された与謝野馨経済財政担当相は早速、民間を交えた「集中検討会議」を設けた。与謝野氏は基礎年金の「税方式」を掲げたマニフェストから、社会保険方式も視野に入れる。「首相の諮問機関」で見直す戦略だ。
トップダウンも進める。20日、首相は各国大使や企業関係者を前に「日米同盟が基軸」と訴え、マニフェストの「東アジア共同体構想」と決別した。鳩山由紀夫前首相が代表として戦った衆院選で主張した外交政策は180度、転換した。
外交、消費税、社会保障、TPP……。見直す課題の方向性は間違っていない。欠けているのは実行に移すための日程表と戦略、調整役だ。
過去は周到準備
竹下内閣は国会決議や野党との交渉を重ねて消費税を導入した。行政改革に取り組んだ中曽根内閣は、自民党内の勢力図に常に気を配った。トップダウンと諮問機関をフル活用した小泉純一郎元首相でさえ、参院との決定的な対決は避けてきた。
節目は6月だ。官僚の予算カレンダーでは当年度予算と関連法案が通り、通常国会が閉幕し、次年度の概算要求づくりを始める時期だからだ。ところが、今年は予算関連法案が成立する見通しがたたない。「国会の終わり方がみえるまで新しいことはしない」と政務三役の一人は語る。
21日の食と農林漁業の再生実現会議では「TPP参加で農協が弱体化したら水田農業はできない」「参加が前提だ」と出席者で言い争いになった。玄葉光一郎国家戦略相が民主党政調会長の立場として「前提にしているわけではない」と、何とかその場をおさめた。
しかし玄葉氏は国会審議を優先せざるを得ない。野党の反発で、与謝野氏は成案づくりの役目に後退した。与党内と有識者をとりまとめる調整役も不透明だ。
野党を押し切るには強力な党内基盤と、世論の後押しが欠かせない。「公約を変えるなら信を問え」と自民党は主張する。マニフェスト修正は前途多難だ。
首相は22日、公邸に福山哲郎官房副長官や西宮伸一外務審議官を呼び「平成の開国を、国際的にどう訴えたらいいかな」と問いかけた。貿易を自由化して原則関税を撤廃する環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を、首相は「農を尊び、国を開く。尊農開国だ」と呼ぶ。幕末維新の「尊皇」「開国」にひっかけた造語である。
外交は180度転換
社会保障などの超党派協議に野党が参加しないなら「歴史に対する反逆行為」だとも断じた。繰り返し歴史を持ち出して高揚する首相は「与野党だけでなく、国民の皆さんと一緒に議論する国会にしたい」と強調する。その具体策が、政治家以外の識者を加えた組織を使うことだ。
「社会保障改革に残された時間は少ない。民間からも声をあげて盛り上げてほしい」。20日夜、日銀の白川方明総裁、日本経団連の米倉弘昌会長、連合の古賀伸明会長らとの会食で首相は繰り返した。
社会保障と税の一体改革を任された与謝野馨経済財政担当相は早速、民間を交えた「集中検討会議」を設けた。与謝野氏は基礎年金の「税方式」を掲げたマニフェストから、社会保険方式も視野に入れる。「首相の諮問機関」で見直す戦略だ。
トップダウンも進める。20日、首相は各国大使や企業関係者を前に「日米同盟が基軸」と訴え、マニフェストの「東アジア共同体構想」と決別した。鳩山由紀夫前首相が代表として戦った衆院選で主張した外交政策は180度、転換した。
外交、消費税、社会保障、TPP……。見直す課題の方向性は間違っていない。欠けているのは実行に移すための日程表と戦略、調整役だ。
過去は周到準備
竹下内閣は国会決議や野党との交渉を重ねて消費税を導入した。行政改革に取り組んだ中曽根内閣は、自民党内の勢力図に常に気を配った。トップダウンと諮問機関をフル活用した小泉純一郎元首相でさえ、参院との決定的な対決は避けてきた。
節目は6月だ。官僚の予算カレンダーでは当年度予算と関連法案が通り、通常国会が閉幕し、次年度の概算要求づくりを始める時期だからだ。ところが、今年は予算関連法案が成立する見通しがたたない。「国会の終わり方がみえるまで新しいことはしない」と政務三役の一人は語る。
21日の食と農林漁業の再生実現会議では「TPP参加で農協が弱体化したら水田農業はできない」「参加が前提だ」と出席者で言い争いになった。玄葉光一郎国家戦略相が民主党政調会長の立場として「前提にしているわけではない」と、何とかその場をおさめた。
しかし玄葉氏は国会審議を優先せざるを得ない。野党の反発で、与謝野氏は成案づくりの役目に後退した。与党内と有識者をとりまとめる調整役も不透明だ。
野党を押し切るには強力な党内基盤と、世論の後押しが欠かせない。「公約を変えるなら信を問え」と自民党は主張する。マニフェスト修正は前途多難だ。
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