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:2011:03/07/16:57 ++ 消費税増税 社会保障の安定財源に
政府が6月に具体案をまとめる社会保障と税の一体改革は、消費税率引き上げが最大の焦点だ。増え続ける年金や医療などの費用を賄うには、安定的な税収が見込める消費税の増税が欠かせない。ただ、歴代政権を国政選挙で大敗させた“鬼門”で、菅直人首相も政権内外から批判を浴びる八方ふさがりの状況だ。失敗すれば日本の財政再建に対する国際的な信頼まで失いかねない。(田辺裕晶)
◆10%が目安
「国の財政が社会保障に占拠されて身動きが取れなくなる。速やかに10%まで引き上げるべきだ」(日本経団連・森田富治郎副会長)。2月19日に開かれた一体改革の集中検討会議では、経団連や連合など労使4団体から消費税増税を求める声が相次いだ。
消費税収は平成23年度の見込み額で12.8兆円。4割強は地方自治体の財源に回され、国庫には6割弱の7.2兆円が入る。これを高齢者3経費と呼ばれる基礎年金、老人医療、介護に配分する仕組みだが、3経費全額を賄うには17.2兆円が必要で、10兆円を借金などで穴埋めしている。
税率を1%上げれば、2.3兆~2.5兆円の増収が見込める。不足分を消費税で穴埋めするなら4~5%のアップが必要で、自民党や経団連などが主張する「10%」は一つの目安だ。
◆逆進性が課題
消費税増税は国民に大きな負担を強いるため、低所得者対策などの負担軽減策が欠かせない。日本よりも消費税(付加価値税)率が高い欧州各国では、食料品や書籍などの必需品に軽減税率を設けることが多い。
ただ、複数の税率は線引きが難しい。ドイツのファストフード店でハンバーガーを買うと、持ち帰りなら食料品扱いだが、店内で食べると、「ぜいたく」な外食扱いで標準税率になる。
複数税率は事務手続きが複雑なため、政府はカナダなどが導入している「給付付き税額控除」を検討。低所得者の基礎的な生活費にかかる消費税額を計算し、その分を所得税から控除するといった制度で、控除額が課税額を上回る場合は現金で支給する仕組みだ。
◆政権の“鬼門”
消費税は導入や税率上げのたびに世論の強い反発を招いた。平成元年に導入した際、自民党は同年の参院選で社会党に敗れ、参院での与野党逆転を許した。9年に税率を3%から5%に上げた際も、10年の参院選で当時の橋本龍太郎首相が「不況下の増税」と批判され、自民党は惨敗した。
それでも増税が必要とされるのは、景気の影響を受けにくく安定した税収が見込める消費税しか「社会保障関係費を支えられない」(財務省幹部)ためだ。
国・地方の長期債務残高は23年度末に892兆円となる見込みで、財政は悪化の一途。財政再建に懐疑的な米国の格付け会社は日本国債を格下げした。国債価格が暴落し金利が急騰すれば国の利払い費が増え、国債を保有する金融機関の経営悪化を通じて国民生活に悪影響が及ぶ。増税の可否は日本経済の命運を握る。
◇
脱税・不正受給防ぐ共通番号制度
消費税増税に伴う低所得者対策に不可欠なのが、国民に個別番号をつけ、税金と社会保障の情報を管理する共通番号制度の導入だ。
番号制度では、住民票コードを利用した新番号を新生児から老人まで全国民に配布。年金、医療、介護などの社会保障分野と、税務分野で、必要な情報を蓄積・共有する。税務当局が収入や財産の状況を把握すれば所得の過少申告ができなくなり、脱税や社会保障の不正受給を防止できる。
日常生活では健康保険証や介護保険証、年金手帳などの機能を1枚のICカードに集約。税務署でカードを示せば、確定申告の際に領収書がなくても医療費の所得控除が受けられるなど便利になる。逆にプライバシー侵害への懸念もある。
政府は6月に番号制度の大綱をまとめ、秋の臨時国会に法案を提出する方針。順調にいけば平成27年1月にも利用が始まる。
◆10%が目安
「国の財政が社会保障に占拠されて身動きが取れなくなる。速やかに10%まで引き上げるべきだ」(日本経団連・森田富治郎副会長)。2月19日に開かれた一体改革の集中検討会議では、経団連や連合など労使4団体から消費税増税を求める声が相次いだ。
消費税収は平成23年度の見込み額で12.8兆円。4割強は地方自治体の財源に回され、国庫には6割弱の7.2兆円が入る。これを高齢者3経費と呼ばれる基礎年金、老人医療、介護に配分する仕組みだが、3経費全額を賄うには17.2兆円が必要で、10兆円を借金などで穴埋めしている。
税率を1%上げれば、2.3兆~2.5兆円の増収が見込める。不足分を消費税で穴埋めするなら4~5%のアップが必要で、自民党や経団連などが主張する「10%」は一つの目安だ。
◆逆進性が課題
消費税増税は国民に大きな負担を強いるため、低所得者対策などの負担軽減策が欠かせない。日本よりも消費税(付加価値税)率が高い欧州各国では、食料品や書籍などの必需品に軽減税率を設けることが多い。
ただ、複数の税率は線引きが難しい。ドイツのファストフード店でハンバーガーを買うと、持ち帰りなら食料品扱いだが、店内で食べると、「ぜいたく」な外食扱いで標準税率になる。
複数税率は事務手続きが複雑なため、政府はカナダなどが導入している「給付付き税額控除」を検討。低所得者の基礎的な生活費にかかる消費税額を計算し、その分を所得税から控除するといった制度で、控除額が課税額を上回る場合は現金で支給する仕組みだ。
◆政権の“鬼門”
消費税は導入や税率上げのたびに世論の強い反発を招いた。平成元年に導入した際、自民党は同年の参院選で社会党に敗れ、参院での与野党逆転を許した。9年に税率を3%から5%に上げた際も、10年の参院選で当時の橋本龍太郎首相が「不況下の増税」と批判され、自民党は惨敗した。
それでも増税が必要とされるのは、景気の影響を受けにくく安定した税収が見込める消費税しか「社会保障関係費を支えられない」(財務省幹部)ためだ。
国・地方の長期債務残高は23年度末に892兆円となる見込みで、財政は悪化の一途。財政再建に懐疑的な米国の格付け会社は日本国債を格下げした。国債価格が暴落し金利が急騰すれば国の利払い費が増え、国債を保有する金融機関の経営悪化を通じて国民生活に悪影響が及ぶ。増税の可否は日本経済の命運を握る。
◇
脱税・不正受給防ぐ共通番号制度
消費税増税に伴う低所得者対策に不可欠なのが、国民に個別番号をつけ、税金と社会保障の情報を管理する共通番号制度の導入だ。
番号制度では、住民票コードを利用した新番号を新生児から老人まで全国民に配布。年金、医療、介護などの社会保障分野と、税務分野で、必要な情報を蓄積・共有する。税務当局が収入や財産の状況を把握すれば所得の過少申告ができなくなり、脱税や社会保障の不正受給を防止できる。
日常生活では健康保険証や介護保険証、年金手帳などの機能を1枚のICカードに集約。税務署でカードを示せば、確定申告の際に領収書がなくても医療費の所得控除が受けられるなど便利になる。逆にプライバシー侵害への懸念もある。
政府は6月に番号制度の大綱をまとめ、秋の臨時国会に法案を提出する方針。順調にいけば平成27年1月にも利用が始まる。
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