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:2010:09/03/09:26 ++ 混迷ニッポン民主代表選(2)市場の声を聞いているか。
「オザワの影」に債券市場が揺れる。小沢一郎前幹事長が民主党代表選に出馬の意向を示した8月26日。メガバンクのひとつが超長期国債の売りに出ると、他の大手行が続き雪崩を打った。
財政赤字に警鐘
正式出馬を機に債券は再び売られ、2日には10年物国債の利回りは1・1%に乗せた。財政赤字を膨らませかねないのではと、小沢氏の唱える経済政策に、市場が警鐘を鳴らし始めた。
小沢氏の登場前が平常だったのではない。一時1ドル=83円台まで上昇した15年ぶりの円高と、9000円を割った株安で景気失速懸念が広がり、10年物国債の利回りは0・8%台まで低下した。1997~98年の大型金融破綻や2003年のデフレ危機の時をうかがわせる雰囲気だった。
日米株式市場はもともと連動してきたが、6月4日の菅直人氏の首相指名と前後して日経平均株価はニューヨーク・ダウ平均についていけなくなった。6月27日のトロント・サミット以降は、米欧が自国通貨安の容認をにじませたこともあって円高が加速した。
菅氏は市場への感度が鈍い、とみて進んだ円高、株安。それに続き、小沢氏登場で今度は長期金利上昇となると、日本経済はつんのめってしまう。
民主党が約束していたのは、家計への給付拡大などによる経済の内需転換だったはずだ。4~6月の実質成長率は消費の低迷から前期比年率0・4%どまり。円高加速で企業は生産や投資の軸足を一段と海外に移さざるを得なくなっている。
「雇用、雇用、雇用」。菅氏はそう繰り返す。雇用を生み出すのは何よりも成長のはず。
菅氏は就任早々、6月に新成長戦略を打ち出したが、具体化へのスピード感を欠いた。円高、株安に促され、具体化策を急ぐと発表したのは実に8月30日のことだ。目前の景気への対応策もいかにも心もとない。
鳩山政権に続く菅政権の足踏みに内外の市場参加者はしびれを切らし、失望を募らせている。対する小沢氏への市場の受け止め方は真っ二つ。剛腕による経済の閉塞(へいそく)打破を期待する声がある一方で、財政運営に対する危うさを指摘する向きも多い。
小沢氏は子ども手当の満額支給などマニフェスト(政権公約)にこだわる。財源を問われると予算の無駄を削ると答える。昨年の衆院選で民主党は当初7兆円の資金をひねり出すと約束したが、とても足りず10年度予算では44兆円もの国債発行を余儀なくされた。
小沢提案はどこまで現実性があるかと市場はいぶかしむ。「オザワ出馬」を受けた大手行の国債売却は、まさに国債神話のもろさを映していないか。「小沢首相なら債券は売り、株は買い」。一部にそんな声もある。
奇手と紙一重
だがタンス預金をあてにしたような無利子国債に言及するなど、小沢氏の主張は奇手と紙一重だ。国債格付けが下がるような危うい事態に至れば債券も株式も売られ、市場は地滑りを起こす。
そうした点では、財源との見合いでマニフェストの見直しを唱える菅氏の方が現実的だろう。ただ、財政を立て直しつつ、法人税下げなどの成長戦略をどう進めるつもりなのかわからない。
菅政権の下で進んだ国債利回りの低下は、体力の弱った病人の体温が下がるようなもの。株価は低迷から脱却できない。
菅氏、小沢氏ともに、ビジネスや投資を促そうというメッセージが聞こえない。両氏とも政府の役割を強調しがちだが、企業や市場の役割を信頼しないようでは、ヒト、モノ、カネは動かない。
両候補を見つめているのは有権者だけでなく、内外のマーケットでもある。今回の代表選は市場の信任投票でもある。
財政赤字に警鐘
正式出馬を機に債券は再び売られ、2日には10年物国債の利回りは1・1%に乗せた。財政赤字を膨らませかねないのではと、小沢氏の唱える経済政策に、市場が警鐘を鳴らし始めた。
小沢氏の登場前が平常だったのではない。一時1ドル=83円台まで上昇した15年ぶりの円高と、9000円を割った株安で景気失速懸念が広がり、10年物国債の利回りは0・8%台まで低下した。1997~98年の大型金融破綻や2003年のデフレ危機の時をうかがわせる雰囲気だった。
日米株式市場はもともと連動してきたが、6月4日の菅直人氏の首相指名と前後して日経平均株価はニューヨーク・ダウ平均についていけなくなった。6月27日のトロント・サミット以降は、米欧が自国通貨安の容認をにじませたこともあって円高が加速した。
菅氏は市場への感度が鈍い、とみて進んだ円高、株安。それに続き、小沢氏登場で今度は長期金利上昇となると、日本経済はつんのめってしまう。
民主党が約束していたのは、家計への給付拡大などによる経済の内需転換だったはずだ。4~6月の実質成長率は消費の低迷から前期比年率0・4%どまり。円高加速で企業は生産や投資の軸足を一段と海外に移さざるを得なくなっている。
「雇用、雇用、雇用」。菅氏はそう繰り返す。雇用を生み出すのは何よりも成長のはず。
菅氏は就任早々、6月に新成長戦略を打ち出したが、具体化へのスピード感を欠いた。円高、株安に促され、具体化策を急ぐと発表したのは実に8月30日のことだ。目前の景気への対応策もいかにも心もとない。
鳩山政権に続く菅政権の足踏みに内外の市場参加者はしびれを切らし、失望を募らせている。対する小沢氏への市場の受け止め方は真っ二つ。剛腕による経済の閉塞(へいそく)打破を期待する声がある一方で、財政運営に対する危うさを指摘する向きも多い。
小沢氏は子ども手当の満額支給などマニフェスト(政権公約)にこだわる。財源を問われると予算の無駄を削ると答える。昨年の衆院選で民主党は当初7兆円の資金をひねり出すと約束したが、とても足りず10年度予算では44兆円もの国債発行を余儀なくされた。
小沢提案はどこまで現実性があるかと市場はいぶかしむ。「オザワ出馬」を受けた大手行の国債売却は、まさに国債神話のもろさを映していないか。「小沢首相なら債券は売り、株は買い」。一部にそんな声もある。
奇手と紙一重
だがタンス預金をあてにしたような無利子国債に言及するなど、小沢氏の主張は奇手と紙一重だ。国債格付けが下がるような危うい事態に至れば債券も株式も売られ、市場は地滑りを起こす。
そうした点では、財源との見合いでマニフェストの見直しを唱える菅氏の方が現実的だろう。ただ、財政を立て直しつつ、法人税下げなどの成長戦略をどう進めるつもりなのかわからない。
菅政権の下で進んだ国債利回りの低下は、体力の弱った病人の体温が下がるようなもの。株価は低迷から脱却できない。
菅氏、小沢氏ともに、ビジネスや投資を促そうというメッセージが聞こえない。両氏とも政府の役割を強調しがちだが、企業や市場の役割を信頼しないようでは、ヒト、モノ、カネは動かない。
両候補を見つめているのは有権者だけでなく、内外のマーケットでもある。今回の代表選は市場の信任投票でもある。
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