:2025:02/11/22:39 ++ [PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
:2010:08/10/09:53 ++ 移植医療の新たな出発点に(社説)
脳死になったときに臓器を提供するかどうか。本人の意思が書面などに明らかに記されていなくても家族の承諾があれば提供できる。
7月17日に施行された改正臓器移植法は、臓器移植を前提とした脳死判定と臓器提供に必要な条件を、こう緩めた。国内で一例でも多く移植手術を実施し、臓器移植でしか助からない患者の命を救うためだ。
その改正法の下で初めて、交通事故にあった20代の男性が臓器提供を前提に脳死と判定された。本人の提供意思を書面で確認はできないが、家族が承諾しているという。
脳死になった男性は生前に提供意思を口にしていたとされる。移植について会話を交わしたことが、家族の承諾の土台になったようだ。それにしても家族の決断には重く貴いものがある。心の負担も大きいはずだ。医療関係者による精神的な支援が要る。提供意思を生かす移植手術の成功が何よりの朗報になろう。
今回の提供を契機に、善意の臓器提供が着実に増えてほしい。そのためには、家族の意思確認や脳死判定などの一連の手続きが適切に進められたかどうか、これから専門家による検証が必要だ。かりそめにも臓器提供に医師などからの圧力があってはならない。情報をできるだけ開示することが移植医療についての理解を広め、普及につながる。
旧臓器移植法は1997年に施行されたが、13年間で脳死移植は86例にとどまる。心臓や肝臓の重い病気で移植手術を待つ患者は400人を超す。待機中に亡くなる患者や、高い費用をかけて海外で移植手術を受ける患者が後を絶たなかった。
改正法は国内でも移植医療の定着を目指し昨年に成立したが、施行までの1年で医療現場の体制が十分に整ったとはいえない。脳死者の家族に臓器提供について説明し、移植を待つ患者との仲立ちをする移植コーディネーターがかなめとなるが、現状では人員が足りない。
15歳未満の子どもの臓器提供も家族の承諾で可能になったが、大人より難しい脳死判定や、虐待死ではないことの確認などで的確な判断を下せるか不安を漏らす医師もいる。命を大切にする医療の実現に体制充実が欠かせない。
7月17日に施行された改正臓器移植法は、臓器移植を前提とした脳死判定と臓器提供に必要な条件を、こう緩めた。国内で一例でも多く移植手術を実施し、臓器移植でしか助からない患者の命を救うためだ。
その改正法の下で初めて、交通事故にあった20代の男性が臓器提供を前提に脳死と判定された。本人の提供意思を書面で確認はできないが、家族が承諾しているという。
脳死になった男性は生前に提供意思を口にしていたとされる。移植について会話を交わしたことが、家族の承諾の土台になったようだ。それにしても家族の決断には重く貴いものがある。心の負担も大きいはずだ。医療関係者による精神的な支援が要る。提供意思を生かす移植手術の成功が何よりの朗報になろう。
今回の提供を契機に、善意の臓器提供が着実に増えてほしい。そのためには、家族の意思確認や脳死判定などの一連の手続きが適切に進められたかどうか、これから専門家による検証が必要だ。かりそめにも臓器提供に医師などからの圧力があってはならない。情報をできるだけ開示することが移植医療についての理解を広め、普及につながる。
旧臓器移植法は1997年に施行されたが、13年間で脳死移植は86例にとどまる。心臓や肝臓の重い病気で移植手術を待つ患者は400人を超す。待機中に亡くなる患者や、高い費用をかけて海外で移植手術を受ける患者が後を絶たなかった。
改正法は国内でも移植医療の定着を目指し昨年に成立したが、施行までの1年で医療現場の体制が十分に整ったとはいえない。脳死者の家族に臓器提供について説明し、移植を待つ患者との仲立ちをする移植コーディネーターがかなめとなるが、現状では人員が足りない。
15歳未満の子どもの臓器提供も家族の承諾で可能になったが、大人より難しい脳死判定や、虐待死ではないことの確認などで的確な判断を下せるか不安を漏らす医師もいる。命を大切にする医療の実現に体制充実が欠かせない。
PR
- +TRACKBACK URL+