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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2008:10/07/10:26  ++  第2部変わらぬ予感(1)他人の年金―重ねた改ざん成績のため(ザ厚労省)

年金や健康保険の実務を担う社会保険庁。ずさんな運営で批判を浴びる同庁が、厚生年金の算定基準になる標準報酬月額(月給水準)を大量に改ざんしていた事実も明らかになった。四十人の職員とOBに話を聞き、その内容を「一人称」でまとめてみた。以下――。
■「保険料減ります」
 厚生年金の保険料を滞納している会社に上司が助言しているのを聞いたことがある。「標準報酬月額をちょっとの間、下げたことにすれば保険料は少なくて済みますよ」
 報酬月額が下がれば企業と従業員の保険料負担は軽くなる。後日、会社が出してきた申請書には「景気悪化に伴い賃金を下げた」とあった。滞納が一件減り、社保事務所の成績は少し上がった。
 徴収成績が良い事務所の課長が集まる泊まり込みの研修会がある。夜の宴会で課長たちが口々に好成績の秘策を明かしあう。報酬月額の改ざんを自慢する人も多い。社保庁職員の改ざんが問題になっているが、東京や大阪の事務所では昭和五十年代から有名だった。
 上司から「なんとかしろ」と言われると「改ざんしろ」という意味に受け止めた。思いつきで仕掛ける手口ではない。企業に「報酬月額を下げましょう」と提案し、エスカレートすると本人に内緒の改ざんに至る。保険料が安くなれば受け取る年金も減る。改ざんで減ったことに気づいていない人もいるだろう。
 自営業の人が入る国民年金の保険料免除も同じ発想だ。二〇〇四年から市町村の納税情報を社保事務所が利用できるようになった。その情報を使って免除基準に該当しそうな未納者をリストアップして免除を勧めた。戸別訪問で会えず「免除にしますよ」という手紙を置いてきたこともある。そのときは最後まで本人と連絡が取れず、勝手に免除手続きをした。
■「私やってません」
 遠い将来に他人が受け取る年金に、実感がわいてこない。宙に浮いた年金記録が五千万件ある問題も起こるべくして、だった。朝九時の始業の三十分前に出勤すると「早すぎる」と怒られた。「仕事人間になってしまうから研修を受けるな」と言う先輩もいた。「パソコンに四十五分向かったら十五分休む」という規則にも受給者の視点はない。
 最近は窓口に殺到する人の応対で疲れる。年金記録の統合作業は台帳の記録と本人の記憶を照らし合わせなければいけない。働いていた喫茶店の名前を本人が覚えていても、喫茶店の企業名は店名とはたいてい違う。手書きの台帳が雑で読み取れないことも多い。これは自分の責任じゃない。完ぺきな記録統合は無理だと思う。
 数年前、ポスターで「保険料を納めよう」と訴えた女優の未納が問題になった。当時の麻生太郎総務相、石破茂防衛庁長官、中川昭一経済産業相の「未納三兄弟」をはじめ与野党議員の未納歴も明らかになり、社保庁職員からの情報漏れが疑われた。職員ののぞき見調査があったので「やってません」と答え署名した。しばらくして所長から「君、アイドル歌手を検索してるじゃないか」と言われ、興味本位でのぞいたことを思い出した。
 のぞき見したのに「やっていない」と言って後で認めると懲戒処分の対象になる。最初から認めた人や、最後まで見ていないと突っぱねると注意措置で終わることもある。自分は重い方の懲戒処分。納得がいかず二日かけて文書を作り人事院に不服を申し立てたが、結局退けられた。
■「さよなら社保庁」
 世間からいつも怒られている。後輩は「友人の結婚式のあいさつで社保庁勤務と言えなかった」と話していた。加害者ながら被害者のような気分にもなる。土日出勤や残業も釈然としない。
 社保庁は解体される。でも組織を少し変えたくらいで、なにかが劇的に変わるのかなあと思う。社保庁の負の遺産は、一夜で消えるほど軽くなさそうだ。看板を変えたら未納や未加入が減るってわけでもない。
 障害年金を担当していたころ、受給手続きを終えた相手に「ありがとうございました」と言われたときはうれしかった。だから社保庁の後継組織の日本年金機構へ行きたいと思っていた。ただ、懲戒処分を受けた職員は採用されないそうだ。
 そういう職員は厚生労働省年金局や地方厚生局で働くことになる。もうすぐ社保庁の現場とはお別れだ。そんな自分に同僚たちが言う。「おまえ、懲戒処分されてよかったな」。みんな本気でうらやましがっている。

 先行き厳しい日本の社会保障。年金不安、高齢者医療、医師不足、負担の行方……。改革は動いているというけれど、変わらぬ予感がぬぐえない。
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