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:2010:10/12/11:01 ++ 膨張中国どう向き合う。
尖閣諸島や南沙(スプラトリー)諸島の領有権問題、ノーベル平和賞、人民元――。フジタの高橋定さんが釈放され、日中関係はひとまず修復に向かうとみられるが、今後も摩擦は避けられそうにない。膨張する中国に世界がどう向き合うかが問われている。
ノーベル賞黙殺
民主活動家、劉暁波氏へのノーベル平和賞授与の決定を中国政府は国内でほとんど黙殺した。「平和賞への冒涜(ぼうとく)だ」。各紙が報じたのは、中国外務省のごく短い談話ばかりだった。
統制はインターネットにも及んだが「受賞を熱烈に祝う」など、劉氏の名前を伏せた書き込みがあふれた。厳しい報道統制と、それをかいくぐって情報を得るネット世論。“異質な中国”は世界と深くつながっている。
経済規模で日本を抜くほど大きくなった中国。共産党の目標は今後も一党支配の堅持だ。その条件は社会の安定だが、安定を支えるはずの経済に危うさが潜む点に問題の核心がある。
7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は8日、「為替レートの柔軟性を高める改革」を求めることで一致した。だが中国が人民元レートの急激な切り上げを認める可能性は小さい。
「(相場が急上昇すれば)工場が大量に倒産し、社会不安になる」。温家宝首相は6日、ブリュッセルでの会合でこう訴え、さらに続けた。「世界にとって絶対に好ましいことではない」
これは単なる揺さぶりとは言えない面もある。輸出で伸びる中国の急膨張は世界には受け入れがたい。一方、日米欧が停滞する世界経済には中国の成長が必要な現実もある。人民元切り上げは必要だが、行き過ぎると、富の格差が社会不安の芽になっている中国を混乱させ、世界も動揺する。
海洋の領有権が絡む資源問題や地球環境問題にも同様のジレンマがある。中国の領有権の拡張も、中国が非効率な経済を続けることも放置はできない。主要国が協調して知恵を絞るべき時期に来ている。
そこに厄介な問題が表面化し始めている。中国で強まっている国力への自信だ。韜光養晦(とうこうようかい=力を隠して時間を稼ぐ)。1989年に起こった天安門事件以降の外交方針で、〓小平氏が指示したとされる。中国政治に詳しい慶大の加茂具樹准教授は「方針が正式に変わったとの確証はないが、見直しの議論は確実に始まっている」と指摘する。
「中国夢」。中国で今年話題になっている本だ。21世紀は中国と米国が競い合う時代という内容で、著者は軍関係者。大国意識が国民の間で強まっていることを示す。
世界同時不況を真っ先に克服し、中国は自信を深めた。経済と安全保障の両面で、中国と世界は互いの間合いを見いだせていない。その過程であつれきが起きる可能性は否定できない。
工場か、市場か
では中国とどう向き合えばいいのか。日本をはじめ各国の企業はリスクがあることは知っていても、成長する中国に投資を続ける。半面、人件費の上昇でベトナムなどに拠点を移す動きも始まっている。中国を工場とみるか市場とみるかを考え、企業は生き残りをかけて戦略を組む。
民主党の有力政治家は尖閣騒動のさなかに「(中国と)経済パートナーシップを組む企業はお人よしだ」と語った。140人の国会議員団が訪中した一方で、こうした発言も飛び出す。現政権は対中政策で腰が定まっているように見えない。
米国、日本が中国との間で「戦略的パートナーシップ」「戦略的互恵関係」といった言葉を掲げるだけでは事態を打開できない。一連の騒動は関係の再構築が急務なことを示した。世界と中国はどう調和することができるか、模索が続く。
ノーベル賞黙殺
民主活動家、劉暁波氏へのノーベル平和賞授与の決定を中国政府は国内でほとんど黙殺した。「平和賞への冒涜(ぼうとく)だ」。各紙が報じたのは、中国外務省のごく短い談話ばかりだった。
統制はインターネットにも及んだが「受賞を熱烈に祝う」など、劉氏の名前を伏せた書き込みがあふれた。厳しい報道統制と、それをかいくぐって情報を得るネット世論。“異質な中国”は世界と深くつながっている。
経済規模で日本を抜くほど大きくなった中国。共産党の目標は今後も一党支配の堅持だ。その条件は社会の安定だが、安定を支えるはずの経済に危うさが潜む点に問題の核心がある。
7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は8日、「為替レートの柔軟性を高める改革」を求めることで一致した。だが中国が人民元レートの急激な切り上げを認める可能性は小さい。
「(相場が急上昇すれば)工場が大量に倒産し、社会不安になる」。温家宝首相は6日、ブリュッセルでの会合でこう訴え、さらに続けた。「世界にとって絶対に好ましいことではない」
これは単なる揺さぶりとは言えない面もある。輸出で伸びる中国の急膨張は世界には受け入れがたい。一方、日米欧が停滞する世界経済には中国の成長が必要な現実もある。人民元切り上げは必要だが、行き過ぎると、富の格差が社会不安の芽になっている中国を混乱させ、世界も動揺する。
海洋の領有権が絡む資源問題や地球環境問題にも同様のジレンマがある。中国の領有権の拡張も、中国が非効率な経済を続けることも放置はできない。主要国が協調して知恵を絞るべき時期に来ている。
そこに厄介な問題が表面化し始めている。中国で強まっている国力への自信だ。韜光養晦(とうこうようかい=力を隠して時間を稼ぐ)。1989年に起こった天安門事件以降の外交方針で、〓小平氏が指示したとされる。中国政治に詳しい慶大の加茂具樹准教授は「方針が正式に変わったとの確証はないが、見直しの議論は確実に始まっている」と指摘する。
「中国夢」。中国で今年話題になっている本だ。21世紀は中国と米国が競い合う時代という内容で、著者は軍関係者。大国意識が国民の間で強まっていることを示す。
世界同時不況を真っ先に克服し、中国は自信を深めた。経済と安全保障の両面で、中国と世界は互いの間合いを見いだせていない。その過程であつれきが起きる可能性は否定できない。
工場か、市場か
では中国とどう向き合えばいいのか。日本をはじめ各国の企業はリスクがあることは知っていても、成長する中国に投資を続ける。半面、人件費の上昇でベトナムなどに拠点を移す動きも始まっている。中国を工場とみるか市場とみるかを考え、企業は生き残りをかけて戦略を組む。
民主党の有力政治家は尖閣騒動のさなかに「(中国と)経済パートナーシップを組む企業はお人よしだ」と語った。140人の国会議員団が訪中した一方で、こうした発言も飛び出す。現政権は対中政策で腰が定まっているように見えない。
米国、日本が中国との間で「戦略的パートナーシップ」「戦略的互恵関係」といった言葉を掲げるだけでは事態を打開できない。一連の騒動は関係の再構築が急務なことを示した。世界と中国はどう調和することができるか、模索が続く。
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