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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2011:04/11/10:11  ++  集―東日本大震災1ヵ月の闘い、原発、誤算重ね長期戦、想定以上の巨大津波、他。

東京電力福島第1原子力発電所の事故は3月11日の地震から1カ月を経て、なお収束の兆しが見えない。「冷温停止」と呼ばれる安定状態にするのに欠かせない冷却システムの復旧は周辺の高い放射線量に邪魔され、手間取っている。炉心の冷却水の水位低下による、まさかの燃料棒露出と破損、水素爆発、大量の汚染水の漏出――。誤算続きの展開に対応は後手に回った。負の連鎖を断ち切れるか、緊迫した状態は続く。
 原子炉に本来備わっていた冷却機能を奪ったのは、地震後約30分で原発を襲った巨大津波による電源喪失だ。津波の高さは14~15メートル。福島第1原発で東電が想定していた高さ5・4~5・7メートルの2倍以上だった。今回、被害が最も大きかった1~4号機の原子炉建屋は海抜10メートル。同5、6号機の同13メートル、第2原発の同12メートルより低く、弱点を突かれた形となった。
 地震で揺れを感じて原子炉は緊急自動停止し、発電のための核分裂反応は止まった。だが津波のために非常用発電機が使用不能となった。冷却機能を保つための電源をすべて失う緊急事態に陥ったのは約40年に及ぶ日本の原発商業利用史上、初の出来事だ。
 緊急炉心冷却装置(ECCS)も、一度は起動したが電源喪失と同時にダウン。東電の事故対応策は最初から大きくつまずいた。にもかかわらず東電や原子力安全・保安院は「8時間は蓄電池で冷却水を循環させることができる。その間に電源車を配備する」と事態を楽観視していた。
 東電は12日午前2時に「午前1時の炉心の水位は燃料棒より高く、安全水域」と説明。1号機で1・3メートル、2号機は3・6メートル、3号機は4・1メートル、それぞれ燃料棒よりも上にあるとしたが、計測器が正しい値を示していたか疑問は残る。
 その後、原子炉内の圧力が上がり、放射性物質を含む水蒸気を外に放出する作業(ベント)を検討。ただ実際に1号機で放出したのは約9時間後の12日午前10時過ぎ。スイッチ1つで操作できるはずの弁は電源喪失で動かず、手動の作業は通常の1千倍という放射線量のために手間取った。
 状況は悪化し、午後3時半過ぎに1号機で水素爆発が発生。3号機も水素爆発を起こし、2号機の圧力抑制室からも爆発音が聞かれた。関係者は事後対応に追われるばかりだった。
 水素爆発などが発生源とみられる放射性物質は大気中や敷地内に飛散した。原発敷地内では猛毒のプルトニウムも検出された。風向きや降雨などの条件が重なって東京都の浄水場の水からも一時放射性ヨウ素が検出され、ペットボトルの水が買い占められる騒ぎになった。福島県や千葉県、茨城県産の葉物野菜が出荷停止に追い込まれた。
 原子炉を冷やすため海水を注入したが、その弊害への懸念も浮上した。配管の目詰まりや腐食、こびりついた塩のために燃料棒が冷えにくくなるなどの問題を米国の専門家らも指摘。そこで真水に切り替えて1日600トン近くを注入し続けた。
 ところが注いだ水が炉内から建屋、そして外部へと漏れるという問題が発覚。原子炉建屋の隣のタービン建屋地下、配管や電源ケーブルが通るトレンチ(坑道)、地下水があふれるのを防ぐサブドレインなどで、放射性物質で汚染された水が大量に見つかった。
 汚染水は通常の冷却水の1万~100万倍の高濃度放射性物質を含む。4月2日、この汚染水がケーブルなどを収めた2号機のピット(立て坑)付近の亀裂から勢いよく海に注いでいるのを発見。ピットにコンクリートを流し込んだほか吸水性樹脂や新聞紙、おがくずまで入れたが流れは止まらなかった。冷却のために原子炉への注水を増やせば海の汚染も進む――。作業は難しさを増した。
 汚染水はピットの中ではなく、その下の石の層を流れていたと判明するまでにほぼ3日を要した。4月6日になって、ようやく海への流出を止めた。しかし周辺の海からは一時、国の基準値の最高750万倍という高濃度の放射性物質が見つかり、漁業関係者らは懸念を深めた。
 原発施設内にたまった汚染水約6万トンを減らさないと放射線量が高くて作業は危険すぎ、冷却システムの復旧など次の段階には進めない。東電は既存のタンクを「玉突き」で空にして処理する計画を進めた。さらに、汚染水の新たな保管先として海釣り公園として利用されていた人工浮島「メガフロート」を静岡市から譲り受けた。ただ、汚染水を入れるには水漏れがないよう改良も必要だ。
 原発敷地内にもともとある集中廃棄物処理施設の活用も決めた。中に入っていた低濃度の汚染水を海に放出、代わりに高濃度汚染水を入れる前代未聞の手段に踏み切った。韓国やロシアから、事前の連絡が不十分だったと批判が相次いだ。
 今後、汚染水対策が進んでも、原子炉の配管や設備が破損していれば期待通りに既存の冷却機能が戻らない懸念がある。その場合、仮設の冷却ルートを別途作り上げる必要がある。東電は外付けの熱交換器とつなげられる配管があるかどうかなど、調査を始めた。原子炉を冷温停止させるには、まだ数カ月はかかるとの見方が大半だ。
 一方、米国の原子力規制委員会は「新たな水素爆発の危険性」を指摘。東電は原子炉格納容器の水素爆発を防ぐ目的で、不活性ガスの窒素を入れる作業を始めた。海外の情報も活用し、珍しく先手を打った行動に出たともいえる。
 第1原発の事故を受け、電力各社は原発に新たに電源車の配備に動くなど非常時の電源確保策を強化し始めた。福島第1原発の事故が「夢であってくれたらいいのに」と原子力安全・保安院幹部は漏らすが、目の前で事態はなお進行しており長期戦は必至だ。もはや誤算は許されない。想像力を働かせ、少しでも先回りして対応する必要がある。
 核分裂反応を利用してエネルギーを取り出す原子力発電所の中核装置。得られた熱エネルギーで大量の水を沸騰させ、発生する水蒸気でタービンを回して電気を得る。
 炉の心臓部の炉心には核燃料をペレット状に固め、ジルコニウム合金製の筒に入れた燃料棒を多数束ねた燃料集合体が並ぶ。放射性物質が外に出ないよう、原子炉には何重もの「壁」がある。核燃料は厚さ約16センチメートルの鋼鉄製圧力容器に収め、その外側を鋼鉄製格納容器が囲い、それをコンクリート建屋で覆っている。
 核燃料棒は原子炉で核分裂反応が進んでいる時はもちろん、運転停止後も熱を発し続けるため冷却水で過熱を防ぐ。電源喪失などにより水の供給が途絶えて温度が3000度近くに達すると燃料棒が溶け出し、崩れてどろどろになる炉心溶融が起きる恐れがある。
 福島第1原発では1、2号機で燃料棒が激しく損傷し、一部溶融している可能性がある。溶け落ちた燃料が圧力容器を傷めて格納容器に達し、配管などを通して外部に大量の放射性物質を出している可能性もある。
 水素は空気中の酸素と反応して爆発する。水素の濃度が4%以上になると爆発を起こす可能性が高まる。水素爆発を防ぐため、通常運転中の原子炉の格納容器は化学的に安定した窒素で満たされている。
 福島第1原発の1号機や3号機では原子炉内が過熱、燃料棒を包むジルコニウム合金と高温の水蒸気が反応して水素が発生した。建屋の上部にたまった水素が爆発し、天井などを破壊した。水素は強い放射線と反応した水からも発生する。
 原子炉の格納容器内にたまった水蒸気を、配管を通して建屋の外に排気すること。放射性物質を含んだ水蒸気が環境中に放出されるため、原子炉内の圧力を下げて損傷を防ぐ緊急措置といえる。
 水蒸気を圧力抑制室の水に通して排気する「ウエット(湿式)ベント」と、そのまま排気する「ドライ(乾式)ベント」がある。ウエットベントだと水蒸気に含まれる放射性物質を減らせる。福島第1原発1号機などの水素爆発はベントの遅れが一因とされる。
 原子炉の運転を止めて内部の温度がセ氏100度以下に下がり、圧力が大気圧近くになると原子炉は安定的に停止したことになる。原子炉が暴走する危険はなくなる。福島第1原発では地震発生時に定期点検中で止まっていた5、6号機は冷温停止状態にある。
 ただ冷温停止後も燃料棒は崩壊熱を出し続ける。過熱による燃料棒の損傷などを防ぐために、冷却水を使って炉心だけでなく使用済み核燃料プールも冷やし続けなければならない。

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