:2025:02/03/17:06 ++ [PR]
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
:2010:09/27/09:30 ++ ASEAN新たな成長期(下)「世界の工場」へ名乗り―部品産業集積、再び脚光
【バンコク=高橋徹】東南アジア諸国連合(ASEAN)で、拡大する内需とともに双発の成長エンジンを構成するのは輸出だ。製造業の輸出拠点としてはこのところ、中国などの後じんを拝することも多かったが、分厚い部品産業の集積や進んだインフラ、東アジアを中心とする重層的な自由貿易協定(FTA)網などが評価され、「世界の工場」としての存在感が再び高まりつつある。
タイ中部プラチンブリ県。中国家電最大手、海爾集団(ハイアール)の工場で「グローバル・トップ・マウント」(世界最高峰)と銘打ったプロジェクトが始動した。
年内に日韓の競合他社より5~10%安い高機能冷蔵庫6機種の量産を開始。2011年の生産台数を2割増の130万台に増やす。需要増が見込めるドラム式洗濯機も中国から生産移管する。
日本、中東、インド、そして欧州。8割を占める輸出の仕向け地は全方位で「世界への供給基地の役割を担う」(タイ現地法人のアーナット研究開発部長)。中国国外での売上高比率を現在の5割以下から7割へ引き上げる成長戦略を掲げる同社にとり、タイ拠点はその先兵となる。
米フォード・モーターは150億バーツ(約400億円)を投じ、タイ東部で新工場を建設。12年から主力小型車「フォーカス」を年15万台量産する。ジョー・ヒンリッチス副社長は「生産車の85%はアジア太平洋市場へ輸出する」と話す。
ぼっ興する中印の陰で埋没感が否めなかったASEAN。単年の直接投資受け入れ額は中国に早々に追い越され、09年はインドに追いつかれるなど外資の視線は両大国に注がれてきた。
だが、風向きは変わりつつある。日本貿易振興機構(ジェトロ)などによると主要6カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム)の今年1~6月の対内直接投資額(認可または実行ベース)は前年同期比で約5割増。約2割増の中国を伸び率で上回った。
進出企業が凝視するのは域外だ。セイコーエプソンがインドネシアのジャカルタ郊外に持つ輸出専用工場はインクジェットプリンターの世界生産の4割を担うが、12年までに2・2倍の年産1300万台へ増強する。
「従業員を採用しやすく定着率も高い」(同社幹部)。一方、ライバルの中国は沿海部を中心に賃金水準が急上昇し労働争議が頻発。人民元の先高観も輸出拠点としての位置付けに影を落とす。
「外資は中国以外の拠点を模索しているが、一足飛びにインドを選ぶのはハードルが高い」。ジェトロの若松勇・海外調査部アジア大洋州課長は「ASEANの魅力は相対的に高まる」とみる。
過去の蓄積も強みだ。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると09年末の直接投資の累計は6665億ドルと中国の1・4倍、インドの4倍。部品産業の集積や道路などのインフラが高水準なことが外資のASEAN回帰を容易にしている。
英製薬大手グラクソスミスクラインはアジア初のワクチン工場の建設地にシンガポールを選んだ。独化学大手ランクセスも同国に自動車用ゴムの巨大工場を建設中。いずれも中印両国への供給拡大が最大の狙いだ。外資にとってのASEANの戦略的位置づけは、中印と並ぶ一大生産拠点になりつつある。
タイ中部プラチンブリ県。中国家電最大手、海爾集団(ハイアール)の工場で「グローバル・トップ・マウント」(世界最高峰)と銘打ったプロジェクトが始動した。
年内に日韓の競合他社より5~10%安い高機能冷蔵庫6機種の量産を開始。2011年の生産台数を2割増の130万台に増やす。需要増が見込めるドラム式洗濯機も中国から生産移管する。
日本、中東、インド、そして欧州。8割を占める輸出の仕向け地は全方位で「世界への供給基地の役割を担う」(タイ現地法人のアーナット研究開発部長)。中国国外での売上高比率を現在の5割以下から7割へ引き上げる成長戦略を掲げる同社にとり、タイ拠点はその先兵となる。
米フォード・モーターは150億バーツ(約400億円)を投じ、タイ東部で新工場を建設。12年から主力小型車「フォーカス」を年15万台量産する。ジョー・ヒンリッチス副社長は「生産車の85%はアジア太平洋市場へ輸出する」と話す。
ぼっ興する中印の陰で埋没感が否めなかったASEAN。単年の直接投資受け入れ額は中国に早々に追い越され、09年はインドに追いつかれるなど外資の視線は両大国に注がれてきた。
だが、風向きは変わりつつある。日本貿易振興機構(ジェトロ)などによると主要6カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール、フィリピン、ベトナム)の今年1~6月の対内直接投資額(認可または実行ベース)は前年同期比で約5割増。約2割増の中国を伸び率で上回った。
進出企業が凝視するのは域外だ。セイコーエプソンがインドネシアのジャカルタ郊外に持つ輸出専用工場はインクジェットプリンターの世界生産の4割を担うが、12年までに2・2倍の年産1300万台へ増強する。
「従業員を採用しやすく定着率も高い」(同社幹部)。一方、ライバルの中国は沿海部を中心に賃金水準が急上昇し労働争議が頻発。人民元の先高観も輸出拠点としての位置付けに影を落とす。
「外資は中国以外の拠点を模索しているが、一足飛びにインドを選ぶのはハードルが高い」。ジェトロの若松勇・海外調査部アジア大洋州課長は「ASEANの魅力は相対的に高まる」とみる。
過去の蓄積も強みだ。国連貿易開発会議(UNCTAD)によると09年末の直接投資の累計は6665億ドルと中国の1・4倍、インドの4倍。部品産業の集積や道路などのインフラが高水準なことが外資のASEAN回帰を容易にしている。
英製薬大手グラクソスミスクラインはアジア初のワクチン工場の建設地にシンガポールを選んだ。独化学大手ランクセスも同国に自動車用ゴムの巨大工場を建設中。いずれも中印両国への供給拡大が最大の狙いだ。外資にとってのASEANの戦略的位置づけは、中印と並ぶ一大生産拠点になりつつある。
PR
- +TRACKBACK URL+