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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2009:04/30/09:22  ++  IT情報強制開示、中国、来年5月に。

【北京=高橋哲史】中国政府は二十九日、IT(情報技術)セキュリティー製品の技術情報をメーカーに強制開示させる制度について、政府調達を対象に二〇一〇年五月から実施すると発表した。デジタル家電などの中核情報を開示する同制度を巡っては、日米欧の政府や企業が「知的財産権を侵害される」として強く反発してきた。中国政府は対象を政府調達に絞るとしているが、日米欧企業の事業に影響が出るのは必至だ。(中国の強制認証制度は3面「きょうのことば」参照)=関連記事3面に
 中国政府は当初、新制度を〇九年五月から実施するとしていた。温家宝首相は同日の麻生太郎首相との会談で「適用範囲を狭め、導入を一年延期した」と説明。これに対し麻生首相は「政府調達といっても中国の場合は範囲が広いのではないか」と述べ、導入自体を撤回するよう求めた。
 中国国家認証認可監督管理委員会が同日公表した実施要項によると、新制度では中国独自の安全基準である「強制製品認証制度(CCC認証)」の対象にICチップ用OS(基本ソフト)など十三品目を追加。対象製品は認証を取得しなければ中国国内で販売できなくなる。認証を得るには「ソースコード」と呼ばれるソフトの設計図の開示を求められる可能性があり、日米欧企業は中核の技術情報が中国側に漏れることを警戒している。
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:2009:04/28/10:53  ++  MS、「Windows 7」に「Windows XP Mode」を追加へ--旧アプリも利用可能に

Microsoftは、「Windows XP」のユーザーが次期OS「Windows 7」へ容易に乗り換えられるよう、取り組みを行っている。

 ここしばらく、Microsoftはひそかに「Windows XP Mode」を開発してきた。このモードは仮想化を利用して、Windows XP用に設計されたアプリケーションをWindows 7でも簡単に利用できるようにする。この製品に詳しい情報筋によると、このアプリケーション互換モードは、Microsoftが2003年にConnectixから買収した「Virtual PC」技術をベースに開発したものだという。

 Microsoftは、互換モードの追加によって、「Windows Vista」にある主な短所の1つに対処することを目指している。Windows Vistaでは、Windows XPとそれ以前のOS用に作られたソフトウェアに対する互換性が問題になっていた。

 以前は「Virtual Windows XP」として知られていたWindows XP Modeの詳細は、米国時間4月24日午後にSuperSite Blogで初めて明らかにされた。

 この技術は、Windows 7のベータ版に搭載されておらず、Microsoftが情報を公開したこともないが、間もなく提供されるWindows 7のリリース候補版と一緒にリリースされると見られる。Microsoftは4月24日、リリース候補版を30日から開発者向けに、5月5日から一般向けにそれぞれリリースする予定だと述べた。

 Paul Thurrott氏とRafael Rivera氏が執筆したSuperSiteの記事によると、XPモードはWindows 7に標準搭載されるのではなく、「Windows 7 Professional」「Windows 7 Enterprise」「Windows 7 Ultimate」の各エディションの購入者に、無償でダウンロード提供される予定だという。同サイトには、Windows XP Modeをインストールして実際に使用している様子のスクリーンショットも掲載されている。

 秘密のユーザーインターフェースに関するうわさはこれまでにもあったが、4月24日まではXP Modeへの言及はなかった。

 更新情報:24日の夜になって、MicrosoftがXP Modeの存在をブログの投稿で認めた

 同社のScott Woodgate氏は、ブログの中で次のように述べている。「Windows XP Modeは、中小企業のWindows 7移行を後押しすることを明確な目的として設計された。Windows XP Modeによって、Windows 7を搭載したPCでも、古い生産性アプリケーションの多くが利用できるようになる」

 「『Windows Virtual PC』内に構築したWindows XP環境であるWindows XP Modeで、対応するアプリケーションを直接インストールするだけでいい。そのアプリケーションはWindows 7のデスクトップに表示され、Windows 7から直接実行できる」(Woodgate氏)

 同氏の投稿には、「(Microsoftは)間もなく、Windows 7 ProfessionalおよびWindows 7 Ultimate向けのWindows XP Modeのベータ版とWindows Virtual PCをリリースする予定だ」と書かれている。

:2009:04/28/10:47  ++  “ネットとテレビ”融合させた新サービス「テレビ版Yahoo! JAPAN」--開発者に聞く

ヤフーは4月6日に、テレビ向けのインターネットサービス「テレビ版Yahoo! Japan」(http://dtv.yahoo.co.jp)をスタートした。これはあらゆる製品からネット接続を推奨する「Yahoo! everywhere構想」の一環として提供する新サービスだ。

 パソコン、携帯電話以外のデバイスからもインターネットへの接続の機会を作る。ヤフーが考えるYahoo!everywhere構想は、ネットとテレビの関係にどんな効果をもたらすのか。またテレビライクに仕上げたテレビ版Yahoo! Japanは、インターネット対応の薄型テレビのどんな新機能となるのか。

 テレビ版Yahoo! Japanの開発を手がけたR&D統括本部プラットフォーム開発本部EW開発部部長の坂東浩之氏、フロントエンド開発本部EW開発部部長の村上臣氏、フロントエンド開発本部EW開発部ディレクション4の住友永史氏に、開発の経緯から新サービスまでお話を聞いた。

“ネットとテレビ”相反する2つの機能を融合させた理由

――Yahoo!everywhere構想には、ゲームやカーナビといった製品も挙げられていましたが、テレビからスタートした理由は?

坂東:ネットとの親和性ですね。すでに家庭内のブロードバンド環境は何千万件と整っています。あとはインターネット対応機器が登場すればいい状態にあった。一方で2008年にはテレビメーカー5社からネット対応のテレビが発売され、地上デジタル放送へと切り替わる2011年までにはさらに買い替えが促進されるでしょう。そういった背景からも、Yahoo! everywhere構想の浸透力が最も高いのはテレビと考えました。

――インフラの面が整備されていても、使用環境や操作方法を考えると、テレビとネットはかなり相反する特徴を持つと思いますが。

坂東:確かにテレビは一斉同報同時に同じ情報を見る、ネットは一人ひとり違う情報を得る、と現時点では逆側にいますが、今後は新たなライフスタイルを提供する形になるのではないかと。一斉同報に見ているものから、ネットの情報に引き継ぐといったような放送と通信のハイブリッド型のサービスが出てくると思います。

――万人が見るテレビの中に、ネットという個人嗜好の強いサービスを融合させる。特に気を遣われたのは?

住友:検索性ですね。PCでは、情報を貪欲にとりにいくための検索性が必要とされますが、テレビでは受動的なものが要求される。そのため視聴者が文字を入力しなくても気になったキーワードをすぐに検索できるよう「急上昇キーワードランキング」「検索総数ランキング」などをテレビ用に最適化しています。ランキング内容はPC版のものと同様ですが、トップページにもランキングを一部表示するなど、アクセスしやすいようレイアウトしました。

 また、今回はトップページと検索ページをテレビ用に最適化させましたが、この2つはどんなテレビでもネット対応であればきちんと表示させるというところに苦労しました。デジタルテレビ情報化研究会のネットTVガイドラインに準拠して制作しているんですが、やはりそれだけで作れるものではなくて……。

坂東:ブラウザって一言で言ってしまえば簡単なんですが、テレビごとに微妙に違う動きをしたり、同じメーカーでも昔のモデルと最新のモデルでは動作が異なったりしますから。

住友:ネット対応というと最新モデルばかりと思いがちですが、早いメーカーだと数年前から対応機が発売されているんです。なので、古いモデルで表示できるベースを作って、新モデルで検証してみると今度は表示サイズがかなり小さく映ってしまったりと。この辺りは試行錯誤しながら、修正しては検証の繰り返しでしたね。

坂東:表示に関しては社長の井上(雅博氏)が最もこだわった部分でもありますね。

村上:ヤフーの原理原則というか、どんな条件であってもきちんと表示させるというのがポリシーなんです。これはPCのブラウザの種類、バージョンが増えてきた時もそうでしたし、あれだけ画面サイズとブラウザの種類が異なった携帯電話でも同じです。

テレビ版Yahoo! JAPANのトップページ 「テレビ版Yahoo! JAPAN」のトップページ。各種コンテンツとトピックス、急上昇ワードなど、スクロールさせずにトップページの情報を入れ込んだ

――PC版Yahoo! とデザイン上で最も差別化された部分は?

坂東:スクロールさせないで、どれだけ情報を見せられるかですね。PC画面でスクロールさせるのは当たり前ですが、テレビでスクロールって合わないなと。

住友:テレビ画面でPC版Yahoo! の画面を見ていただくとわかりますが、ファーストビューでは重要な部分がほとんど見えないんです。テレビ版ではファーストビューでいかに情報を入れ込むかにこだわりました。

坂東:あとは文字の大きさですね。今回は「3m離れても見える」を前提にしています。

住友:ファーストビューで見せられる情報量を確保しつつ文字も大きくしないといけない。そうした条件をクリアした上でシンプルなレイアウトにしました。要素が多すぎるとリモコンのカーソル移動でリンク選択をしたときに、合わせづらくなりますから。

R&D統括本部 フロントエンド開発本部EW開発部部長の村上臣氏、プラットフォーム開発本部 EW開発部部長の坂東浩之氏、フロントエンド開発本部EW開発部ディレクション4の住友永史氏 写真左から、R&D統括本部フロントエンド開発本部EW開発部部長の村上臣氏、プラットフォーム開発本部 EW開発部部長の坂東浩之氏、フロントエンド開発本部EW開発部ディレクション4の住友永史氏

オープンなテレビ版Yahoo! JAPANと独自サービスの2本立て

――御社ではすでにソニー「BRAVIA」用のアプリキャストや、シャープ「AQUOS」用の「Yahoo! JAPAN for AQUOS」など、メーカー独自のサービスも提供されていますね。

坂東:テレビ版Yahoo! JAPANは、オープンなスタンダードサービスですが、アプリキャストやYahoo! JAPAN for AQUOSは、よりメーカーの意向に沿った独自サービスと位置づけています。テレビとネットの関係はサービスを1本化できるほど、まだ進化していない。そういう意味でも、標準化サービスと独自サービスを2本立てでやっていくことは意味があると思っています。

 また、弊社では全てのサービスのアクセス数をカウントしていますから、どのサービスのどんな部分が受けているのか常に測定することで、今後の展開を考えていきます。

――こうしたサービスはテレビメーカーと御社どちらからのアプローチによって実現したものなんですか?

村上:正確にどちらからというのはないのですが、テレビメーカーの方がネット対応テレビを開発され「どんな機能を入れたらいいか、どんなサービスを始めたらいいか」と考えられたときに、「ネットといえばヤフー」と言っていただける状況にまで、ヤフーのサービスが浸透してきたというのは1つあると思います。そういう動きは非常にありがたいですね。

ウィジェットサービス「アプリキャスト」 ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」独自のウィジェットサービス「アプリキャスト」には「Yahoo!トピック」「Yahoo!オークション」などを提供している
「Yahoo!カレンダー」 アプリキャストに新サービスとして導入された「Yahoo!カレンダー」。パソコン、携帯電話からはもちろん、テレビからも予定の登録や管理ができる
「Yahoo! JAPAN for AQUOS」 シャープ「AQUOS」専用のネットサービス「Yahoo! JAPAN for AQUOS」。ハイビジョン画面をいかした「地図」や「世界の写真」など独自のコンテンツを揃える

――米ヤフーでは、「TV Widgets」というウィジェットサービスを提供されましたね。

坂東:TV Widgetsはサービスでもありますが、ミドルウェア的な位置づけに近いものだと思っています。ネットとテレビの関係は、ブラウザだけで済む話ではないですし、サービスによってはウィジェットタイプの方が向いているものもあります。ですから私自身、テレビのウィジェットとブラウザという2つのネットサービスは両立すると考えています。

 一方テレビ市場を見たときに、日本で発売されている製品の方がネット接続という部分で進んでいるんですね。米国はセットトップボックス中心型ですから、ネット機能を内蔵したテレビが日本ほど導入されていない。そうした市場動向からも日本では一歩先にブラウザのサービスを導入し、米国ではウィジェットタイプから提供したという状況です。

 

――日本では2008年の「CEATEC JAPAN」で、「ヤフー動画」という新サービスも開発発表されていますが。

坂東:テレビと動画には絶対的な親和性がありますから、動画コンテンツが見られるようになれば、その利用頻度は高いでしょう。コンテンツ内容はPC版と同様ですが、「CEATEC JAPAN」でお見せしたデモ機では、ユーザーインターフェースに関して、1~10のチャンネルボタンがコンテンツボタンとして連動するなど、テレビ的なメタファーを入れ込みました。実際のサービスをスタートした段階でこのままの操作性を採用するかは未定ですが、テレビとオーバーラップさせることで、違和感なくネット上の動画コンテンツを見せられるのではないかと思います。

ネットと感じさせないネットサービスに育てたい

――スタートしたばかりのテレビ版Yahoo! JAPANですが、ユーザーにはどんな風に使っていただきたいですか?

住友:テレビが受身的なデバイスというのは、少なくとも後5年、10年は続くと思っています。その中でネットサービスはネットを感じさせないようにしなくてはいけないなと。ネットをテレビで使うのではなく、テレビを見ている時にたまたまネットを使っているというシーンを早く作っていきたいです。

 同じ検索サービスを使うのでも、PCとテレビではきっかけが違うと思うんですよ。そのテレビとしてのきっかけをうまく作っていけるようにしたいですね。

村上:「これネットだな」って思われているうちはまだ特殊な機能なんですよね。テレビのすごいところは見ている人が、その仕組みを理解していないところだと思うんです。ネットは「あ、サーバが重いな」とかユーザーが普通に口にしたり、ある意味配慮しながら使ってもらっている状況なんです。テレビ版Yahoo! JAPANもそうした配慮をせずに使ってもらいたいですね。

 長期的な視点としてテレビ版Yahoo! JAPANでは2つのコンテンツにこだわりたいと思っているんです。1つはとことん役に立つということ。ネットの検索って地図にしてもツールにしてもものすごく便利ですよね。常に最新の情報で、ビジュアルも付いている。ここはヤフーが最も得意な部分ですし、この役立つ情報をテレビの操作感で得られるということにこだわりたい。

 もう1つは暇つぶし用のコンテンツを提供したいんです。携帯でもPCでも暇つぶしで見ている側面て誰にでもあると思っていて、この暇つぶし用のコンテンツをヤフーが提供できたらいいなと。

――今後のテレビ版Yahoo! JAPANはテレビとネットにどんな効果をもたらすのでしょう。

坂東:テレビとネットをつなぐインフラは整いましたが、サービス的にもハード的にも過渡期だと思っていますので、ここで踏みとどまらず次の段階をテレビメーカーの方と一緒に考えていきたいです。現時点ではテレビから見るネットコンテンツとしてスタンダードな仕様にしましたが、スタンダード=誰にでも使いやすいとは限らない。そこの底上げをしていきたいと思います。

住友:効果というよりもお願いなのですが、ぜひテレビ版のウェブページを作っていただきたいです。今PCサイトとモバイルサイトと大きくわけて2つのサイトがありますが、そこにテレビサイトを加えて制作してほしい。

 今検索の段階では、テレビ版に適正化したデザインで出していますが、リンクした先はPC版のサイトです。そのリンク先もテレビに最適化されたサイトになるように、テレビ向けのサイトをどんどん作っていってほしいですね。

村上:モバイルサイトのYahoo! と見比べていただくとわかるのですが、携帯電話とテレビでは画面サイズもアスペクト比も解像度も違うのに、なんとなく似ているデザインなんですよね。これは社内に何か基準があるのではなくて、開発チーム全員が共有している思いみたいなもの。「あ、ヤフーっぽいね」というデザインに落ち着いている。こんな風に異なるデバイスにサービスを提供しても「ヤフーっぽいな」と思っていただけるもの広げていきたいと思います。

「急上昇キーワードランキング」 テレビ版Yahoo! JAPANの検索機能の1つとして搭載された「急上昇キーワードランキング」。気になるキーワードを文字入力せずに検索できる

:2009:04/24/14:55  ++  第10部今変えなければ(1)現場発――危機下の求心力(働くニホン)

痛み分け合う配分ルール
 「どう算定すべきか」。今春の一時金交渉で、トヨタ自動車の労使は戸惑いを隠せなかった。賞与の算定方式が成長を前提にしていて、「赤字」を想定していなかったからだ。同社は二〇〇八年度に三千五百億円の最終赤字を見込む。
 「賃上げは無理でも、一時金は満額回答してほしい」(二十代の男性社員)。そんな期待を背に組合は交渉に臨んだが、社長の渡辺捷昭(67)は「皆で痛みを分かち合わなければ働く場を守れない」と繰り返した。結局、会社の回答は組合員平均で百八十六万円。要求を十二万円下回った。
 「賞与のあり方を改めて検討してほしい」。渡辺は三月十八日、組合幹部にこう要請して交渉を締めくくった。トヨタは今年度も赤字となる見通し。労使で分かち合うのは利益ではなく「痛み」。そのルールづくりが手探りで始まった。
「星に願いを」
 厚生労働省によると今年二月まで平均実質賃金は十三カ月連続で前年同月割れ。二月の失業率は四・四%と前月比〇・三ポイント悪化、さらに高まるのは必至だ。連合は春の交渉で「雇用も賃金も」と迫ったが、空振りに終わった。日本電産社長の永守重信(64)は「雇用は天守閣。絶対に守る。当面、賃金は辛抱してほしい」と訴える。非常時の賃金抑制策は職場の風景も変えつつある。
 四月十七日の金曜日。不夜城のように明かりがともる東京・丸の内のオフィス街にあって、日立製作所の本社が入居するビルの上層階は闇に溶け込んだようだった。人けがないのは、この日が初めての「無給の休日」だったから。
 〇八年度に七千億円の最終赤字となる日立は四月から月一回、無給の休日を導入することで労使が合意した。実質三%の賃金カットだ。本社に勤務する二十代の女性社員は「平日の夜も残業する社員の姿は大幅に減った」と話す。午後八時には「星に願いを」、同十時には「明日があるさ」のメロディーが流れ、人影はまばらになる。
 IT(情報技術)バブル崩壊後の〇二年にも同じようなことが起きた。定昇は凍結され、賃金は年功型から成果型へ。その後、日本企業は増収増益を続けたが、課題も抱え込んだ。
 「ものすごくがんばっているうちに、駅の階段を踏み外すほど疲れていた」。ソフト開発のサイボウズに勤める安藤浩二(30)は振り返る。成長企業では週末の出勤も当たり前。「精神的にも参っていた」。職場にきしみが広がり離職率は一時、二割を超えた。
 有能な人材を失い人事担当の副社長、山田理(42)は気付いた。成果だけを目標にすべての社員を駆り立てていいのかと。それまでの「成果型」に「年功型」の報酬体系を用意し、選択制にしたら離職率は半分になった。安藤もいったん年功型に切り替えて気力を取り戻した。
報酬体系も見直し
 業績悪化で賃金のパイは小さくなるばかり。報酬のあり方を含め配分ルールを誤ると、職場は求心力を失って崩壊しかねない。ヘイコンサルティンググループプリンシパルの浅川港(61)は「『全社横断』の人事改革は成功しない。いろんな選択肢を用意すべきだ」と指摘する。
 グループ社員の一割に相当する二千五百人を対象に、営業職への配置転換や早期退職を募る富士ゼロックス。システム要素技術研究所の研究チーム長、川本浩史(49)は「キャリア相談員」として週に半日は同僚の悩みに耳を傾ける。リストラ策が決まった昨年末から、新しい職場や処遇への不安を訴える声が出ている。「引き出しを増やすと思って前向きに考えて」。カウンセラーの資格を持つ川本はこう励まし続ける。

 職場にリストラの波が押し寄せる。働き方に矛盾を抱えたままでは、日本経済は低空飛行から抜け出せない。逆境の今、何を変えるべきか、働く現場に探る。=敬称略

:2009:04/23/14:10  ++  パイオニアが公的資金活用 政投銀への出資要請で最終調整

中堅AV(音響・映像)機器メーカー、パイオニアが、公的資金で一般企業を支援する政府の新制度を活用、日本政策投資銀行に数百億円の出資要請をする方向で最終調整に入ったことが21日分かった。

 世界的な消費不況で、海外に販路を広げてきた日本企業が軒並み急速な業績不振に陥る中、20日には半導体事業の不振などで2009年3月期に7000億円の巨額の連結最終赤字に転落する日立製作所が新制度活用を検討すると表明するなど、同制度活用の動きが広がっている。

 パイオニアは、政投銀の出資の前提となる産業活力再生特別措置法(産活法)の適用を申請する方針。国内外の民間投資ファンドもパイオニアへの出資を本格的に検討するとみられる。

 同社はカーナビやテレビなどで「世界初」の製品を相次いで投入するなど、商品開発力に定評があったが、2005年3月期から連続で連結最終損失を計上、07年には、シャープと資本・業務提携を結んでいる。

パイオニア株価

 2009年3月期は過去最大の赤字に陥る見通しで、赤字計上に伴い不採算のテレビ事業から撤退、国内外で従業員約1万人を削減する方針を明らかにした。テレビ事業と並ぶ不採算部門だったDVD機器事業も筆頭株主のシャープと共同出資して設立する新会社に移行し、パイオニア本体はカーナビゲーションなど車載用機器を主力とする態勢に移行するが、財務内容悪化で資金繰りが困難になる局面が続いていた。

 総合電機の決算が総崩れになる中で、各社とも財務体質の改善や将来の設備投資のための増資が急務になっており、今後も同制度を活用して資本増強する動きが広がりそうだ。

:2009:04/14/09:37  ++  広告取り込み知恵絞る、求人情報サービス各社―インテリジェンス、エン・ジャパン。

求人情報サービス各社が求人広告で新たな顧客獲得策を打ち出している。インテリジェンス(東京・千代田)が人材紹介サービスとの併用で広告料を効果次第で無料にするほか、エン・ジャパンは同料金で掲載期間を延長するなど実質値下げを開始。リクルートは採用できた人数で料金を請求する。求人広告の急減が背景で、今後もサービス競争は過熱しそうだ。
 インテリジェンスは四月から求人広告の掲載と人材紹介を併用する場合に、広告の掲載料を通常料金から三割引きにする。さらに掲載開始後、四カ月以内に人材紹介経由で入社が決定した場合、求人広告代金を紹介手数料から割り引き、実質的に広告掲載料を無料にする。六月までの限定サービスだが、「顧客の反応次第で延長を検討する」(同社)という。
 エン・ジャパンは実質値引きに踏み切る。新規顧客には掲載料金を通常の二十八万円から十五万円に値引きするほか、既存顧客には同料金で掲載期間を従来の四週間から五週間に延長する。さらに応募者の書類選考を実施する「フィルタリングサービス」や、条件に合う人材に直接メールで応募を促す「スカウトメール」といったオプションサービスも一種類を選んで無料にする。
 リクルートは採用支援を組み合わせた成果報酬型のサービスを始める。着手金十万円に加えて、実際に入社に結びついた人数ごとに七十万―八十五万円を請求する。広告掲載だけでなく、応募者の受付から企業が求める条件での書類選考、さらには通過者と企業の採用担当者の面談日程の調整など、内定通知以外の対応をすべて手がける。
 業界団体の全国求人情報協会によると、求人メディア全体の求人広告数は二〇〇八年四月から前年同月比でマイナスに転じており、直近データである二月は四五・七%減となるなど市場縮小が続く。厳しい市場環境のなかで、すでにエン・ジャパンなど人員削減に手を付けている企業もあり、少しでも多くの顧客をつかもうと、各社の新サービス導入は続きそうだ。

:2009:04/13/09:46  ++  ヤフー、位置情報プラットフォーム「Open Local Platform(仮)」を公開へ

ヤフーは、地図情報を使ったサービスを開発したい企業を支援する「Open Local Platform(仮称)」を今夏にも提供する。地図情報のAPIに加えてストレージも提供するSaaS型の仕組みを採る。

 これは4月3日に東京都内で開催された位置情報関連のイベント「第3回ジオメディアサミット」において、ヤフーBS事業統括本部地域サービス本部の村田岳彦氏とR&D統括本部プラットフォーム開発部の佐藤伸介氏が明らかにしたものだ。

 Open Local Platformには、地図API、拠点情報API、大規模ストレージの3つが含まれるという。地図APIはYahoo! JAPANのサービスやヤフーが提供するほかのAPIと連携が可能。拠点情報APIは、店舗などの拠点情報を検索、配信する。ストレージは投稿された拠点情報などを集積したり、地図情報を配信したりするのに使うことを想定している。

 佐藤氏はこのOpen Local Platformを使った例として、東京近郊でどの辺りにラーメン店が多いのかをヒートマップのように表示した地図を示した。また、建物の高さなどのデータを持っていれば、3次元地図を作ることも可能になるという。

 ヤフーではコンテンツプロバイダーや一般の開発者、システムインテグレーターなどにも幅広くこのプラットフォームを提供していく考え。ただし、具体的な提供方法などについては明らかにしていない。米国では米Yahoo!がウェブアプリケーションを位置情報対応させられる技術「Fire Eagle」を公開しているが、Open Local Platformとは異なる技術だといい、両者は連携できるようにしていくとのことだ。

 ヤフーは2004年に民事再生法の適用を申請した地図会社のアルプスの事業を継承。2008年4月に吸収合併していた。また、ユーザーがオリジナルの観光地図を作れる「Yahoo!地図ワイワイマップ」や、動きのある案内図などを作成できる「うごけ!道案内」などのサービスを提供している。

Open Local Platform 「Open Local Platform(仮称)」を使うと、このような地図も簡単に作れるという

:2009:04/13/09:43  ++  食べログと30min.に学ぶ、盛り上がる口コミサイトの作成法

レストランの評価に関するユーザーからの投稿を集めたグルメサイト「食べログ」と、ブログなどに書かれた店舗や場所の評判を集めて表示する「30min.(サンゼロミニッツ)」。この2つの口コミ情報サイトの戦略が、4月3日に都内で開催された位置情報関連のイベント「第3回ジオメディアサミット」において語られた。

他社サイトからの乗り換えをどう促すか

 食べログは2005年3月にサービスを開始。3月時点で月間ページビューは1億4374万PV、ユニークユーザー数は830万人。ネットレイティングスが2008年9月に実施した調査では、グルメサイトでぐるなびに次ぐリーチ数を誇るという。

カカクコム執行役員食べログ本部長の村上敦浩氏 カカクコムの村上敦浩氏

 食べログはグルメサイトとしては後発で、開設当時はlivedoor グルメやアスクユーなどの口コミグルメサイトが人気を集めていた。そこで食べログはまず、他社サイトにレストラン評価を書き込んでいるユーザーを、自分たちのサイトに移るように促した。具体的には、ユーザーの「マイページ」機能を強化し、ユーザーが投稿するほど自分のページが育つようにした。「自分のレストランデータベースを作りたい人に、サイトを乗り換えるインセンティブを用意した」(カカクコム執行役員食べログ本部長の村上敦浩氏)

 「自分も1ユーザーとして、先行しているサイトで不満に感じている部分があり、それを解消した。有名なレビューアーが食べログを利用し、そのうわさが広がってユーザーが集まってきた。いまでもレビューを書いている人は5万人程度。サイトの雰囲気を決めるユーザーを最初にリアルでどれだけ集められるかが重要だ」と村上氏は口コミサイト成功の秘けつを明かす。

 また、機能の改善要望を集める掲示板を設置。ユーザーの声を聞いて、簡単に反映できるものであればすぐ機能の改善や追加をするようにした。「食べログというサイト作りにもユーザーが参加できるようにしたことで、支持を得られたのではないか」(村上氏)

口コミはすべて目視チェック

 同時に、サイトに掲載される情報の質にもこだわった。ユーザーが店舗情報を登録できるため、掲載店舗数は39万店で、競合のぐるなびの9倍以上だという。その一方、ユーザーから投稿された情報の質を担保するため、投稿文字数は200文字以上という制限を付け、中身のあるコメントのみを受け付けるようにした。投稿された口コミはすべて目視チェックし、内容が具体的でないものや掲載にふさわしくないものはユーザーに修正を依頼するといったこともしているという。また、優れた口コミや写真がより上位に表示されるように、優先度も付けている。

食べログ 「食べログ」にはユーザーが料理の写真や感想などを投稿する

 モバイルサイトも開設した。「いままで口コミサイトということで公式サイトになれなかったが、公式化後は1年でページビューが5倍に伸びた」(村上氏)といい、現在はモバイルサイトだけで月間3500万PVのアクセスがあるという。

 現在の主な収益源はコンテンツ連動型広告と地域連動型広告だ。特に地域連動型広告は「広告枠の位置はコンテンツ連動型広告よりも下だが、クリック率は1.5倍」(村上氏)と好調。4月1日からは店舗向けに、検索結果の上位に店舗情報を掲載する有料サービスも提供している。今後は、店舗から情報発信できる機能や、ユーザーごとに表示を変えるパーソナライズ機能を用意する考え。また、海外展開も検討しており、ハワイなど日本人がよく行く場所から始めたいと意欲を示した。

ネット上の「眠っている」情報を活用する

サンゼロミニッツ代表取締役社長の谷郷元昭氏 サンゼロミニッツの谷郷元昭氏

 一方の30min.は、2006年4月に創業したサンゼロミニッツが運営する、ウェブ上の口コミ情報を集めたサイトだ。「レビュー情報サイトというより、タウン情報誌、まちBBSに近い存在」と代表取締役社長の谷郷元昭氏は説明する。

 谷郷氏はCGMの特徴として、カテゴリを絞らないとユーザーのコミュニティが育たず、情報が集まらない点を挙げる。そのため、「タウン情報」として幅広い情報を集めようとすると、どうしても情報が薄くなり、サイトとして盛り上がりに欠けてしまうのだという。そこで谷郷氏はサイトに情報を書き込んでもらうのではなく、ブログなどにすでに書かれている情報を集めて表示することを思いついた。「ブログや写真など、CGMサービス内に地域情報が眠っているので、うまく活用できないかと考えた」(谷郷氏)

 30min.では店舗やランドマークなどのページに、ブログの口コミ情報などが掲載される仕組み。サンゼロミニッツの社員が読んで価値があると判断したブログだけをクロールし、文章解析した上で、同社が持つ店舗データベースなどと付き合わせて自動的に分類した。例えばブログ内に店舗の名前や電話番号、店舗URLなどが書かれている場合には、その情報を元にどの店舗について書かれた口コミであるかを判断する。

 2008年12月には、ブログのグルメ記事を元に自分専用のグルメマップを自動で作成できる「30min.ブログマップ」というサービスも開始した。これに伴い、30min.に記事を投稿したいブロガーは、誰でも自分のブログを登録できるようになっている。

 また、Yahoo!グルメや食べログなどとも連携している。「リンクを掲載しているので、30min.の情報で足りない場合は、それぞれのサイトで詳細を確認してもらえばいい」(谷郷氏)と、既存のCGMサービスとは競合するのではなく、共存していけるとの認識だ。

 今後はGPS対応端末からユーザーが情報を投稿できるようにするという。「店舗の口コミを書くだけではなく、『ここであの有名人を見かけた』というニュース投稿サイトのようにしていきたい」(谷郷氏)

30min. 「30min.」では店舗情報などと一

:2009:04/08/10:55  ++  資金繰り支援、企業向け総額37兆円、政投銀の枠を拡大、中堅向けも大幅強化。

政府が追加経済対策に盛り込む企業の資金繰り支援策が、総額三十七兆円規模に上ることが明らかになった。日本政策投資銀行の危機対応の資金枠を一兆円から十五兆円に拡大することが柱。支援が手薄だった中堅企業の受け皿も大幅に強化する。(関連記事5面に)
 三十七兆円の内訳は中堅・大企業向けが二十兆円、中小企業が十七兆円。大企業向け支援の中核である政投銀は現行の低利融資だけでなく社債購入や融資の保証業務にも参入を検討する。これに伴い資金枠を大幅に広げるとともに、政府が追加出資して資本増強する。政投銀以外では、海外進出企業の支援強化へ国際協力銀行も資金枠を数兆円規模で拡大する方針だ。
 中堅企業向けの融資は全体で二兆円程度に増える見込み。商工組合中央金庫の融資枠を八千億円程度とし、三月末現在の利用実績(七百億円)と比べ、十倍以上に拡大する。
 産業活力再生特別措置法の認定を受けた企業への民間銀の融資に中小企業基盤整備機構が保証を付ける新制度の保証枠は二兆円とする。政府が中小機構に原資となる数百億円を追加出資する。

:2009:04/08/10:47  ++  マイナス景気試される復元力(2)「賢い支出」3段構え―消費者、見極め厳しく。

「冷蔵庫と洗濯機だけ買う。掃除機はいい」
 「テレビもいらない。ワンセグ携帯で十分」
 東京・新宿のヨドバシカメラ新宿西口本店。今春の「新生活商戦」は例年より動きが鈍い。五、六種類の家電製品をセットで売り出しても、サラリーマンや学生になったばかりの若者はまとめ買いに慎重だ。
 百円ショップ大手のワッツでは昨秋以降、来店客が約一%増えたのに、既存店の売上高が約三%減った。平岡史生社長は「一人あたりの買い上げ点数が少なくなった。必要なものしか買っていない」と話す。
まず「在庫処分」
 二〇〇八年十―十二月期の国内総生産(GDP)統計をみると、個人消費は実質ベースで前期比〇・四%減少した。輸出や設備投資が大きく縮んだ企業部門に比べれば、家計部門の落ち込みはまだ小さかった。だが足元の消費は一段と厳しさを増している。
 最大の理由は雇用・所得環境の悪化だ。二月は失業率が四・四%に上昇し、一人あたりの現金給与総額が前年同月比二・七%減少した。金融危機の打撃が企業部門から家計部門に波及している。将来不安を抱える消費者は三段構えで支出を選別し始めた。
 ▼第一ステップ「買い物の量をまず絞る」
 化粧水・美容液の二月の出荷量は前年同月比一七%減った。女性は化粧品を使い切らず、買い足していくことが多い。マンダムの西村元延社長は「日用品への支出を節約するため、家庭内に残る在庫の処分を優先している」と話す。
 ▼第二ステップ「必要な品物は安く買う」
 西友の格安スーツが好調だ。親会社の米ウォルマート・ストアーズが世界で展開するプライベートブランド(PB=自主企画)商品。七千九百円の紳士向けは前年の三倍、五千八百円の婦人向けは計画の三倍のペースで売れている。
 ▼第三ステップ「安くて価値もあるものを選ぶ」
 ウィラー・トラベル(大阪市)が運行する夜行バスの「エグゼクティブシート」。東京―大阪間の座席は五月上旬まで予約でいっぱいだ。全身を伸ばせるリクライニングシートや専用のテレビが売り物で、片道料金は九千八百円から。通常の座席のほぼ二倍の値段になるが、新幹線に乗るよりは二―三割安い。
 大和総研の熊谷亮丸氏は「〇八年度の消費は前年度比〇・二%減、〇九年度は一・七%減」と予測する。〇九年度の失業率が過去最高の五・五%まで上昇するというのが前提だ。年間の消費が減ったのは一九九七年度の一度だけ。戦後初めての二年連続マイナスが現実味を帯びる。
 エアコンと冷蔵庫は九・〇年、乗用車は八・〇年、パソコンは四・九年……。日経産業地域研究所の〇八年調査では、家電などの耐久財を買い替えるまでの平均期間が総じて伸びた。消費者の生活防衛行動が強まれば、こうした傾向も顕著になるだろう。
債務少なく余力
 だが歯止めがないわけではない。名目GDPに対する家計部門の金融負債の比率(〇八年の平均)をみると、日本は七五%と米国の一〇〇%より低い。過剰な債務の圧縮に追われる米国の消費者に比べ、モノを買う余力はある。
 消費の五割を超えるサービスの踏ん張りもある程度は期待できそうだ。JTBの予想によれば、今年のゴールデンウイークの海外旅行者は前年比一〇%増の約五十万人、国内旅行者は三%増の約二千百四十万人に持ち直すという。
 東大の伊藤元重教授が指摘する。「デフレを一度経験した日本の消費者は賢くなった。値段が安ければ飛びつくというのではなく、価格と価値のバランスを見極めようとしている」
 いまの家計部門はガードを固めている。消費が底割れするようなら、景気後退と物価下落が連鎖する「デフレスパイラル」のリスクは高まる。それでも「賢い支出」は確実に残る。GDPの六割近くを占める消費の地力が問われよう。

:2009:04/08/08:48  ++  2009年度のIT投資予算、中堅中小企業の約4割が「減少する」--IDC Japan調査

IDC Japanは4月6日、国内の中堅中小企業のIT投資予算に関する調査結果を発表した。2009年度のIT投資予算を「減少する」と回答した企業は40.9%で、前年調査時の19.6%から大幅に増えた。

 産業分野別では、特に製造業、ITサービス業、その他(建設/土木業、公共/公益業など)で「減少する」と回答した企業の割合が高くなっている。このことから2009年の国内中堅中小企業IT市場は、これらの産業分野を中心に大幅に減速し、縮小するとIDC Japanでは予測している。

中堅中小企業における2009年度IT投資予算増減率 中堅中小企業における2009年度IT投資予算増減率
(※画像をクリックすると拡大表示します)

 IT投資の重点分野では、従来から継続的に重点投資されてきた「セキュリティ強化」「コンプライアンス対策」に関連した項目も、ユーザー企業の業績の悪化から2009年度以降は減速する見込み。特に「ネットワーク/施設/ハードのセキュリティ強化」の項目を重点投資するとした企業の割合は、前年の42.8%から28.3%と大幅に減少した。

 その一方で「市場分析」および「製品/サービス開発支援」といった戦略的な投資項目では、2009年度以降も堅調に推移している。特に「市場分析」は前年の6.3%から8.6%へと増加した。

 中堅中小企業の抱える経営課題として最も多く挙がったのが「売上拡大」で、54.3%となった。また、ITの活用によって効果が期待できる経営課題としても「売上拡大」は27.4%と比較的多くの企業が挙げている。業績が厳しくなりIT投資予算が抑制される中でも、売上拡大を目的にした戦略的なIT投資に対する意欲は高いとIDC Japanは分析している。

:2009:04/07/16:22  ++  軽自動車が初の4割超 08年度下期、「エコカー」主戦場に

縮小が続く国内新車市場で、低燃費・低価格シフトが鮮明になってきた。国内総販売に占める軽自動車の比率は2008年度下半期(08年10月―09年3月)に半期ベースで初めて4割を超えた。軽の下落幅が登録車(排気量660cc超)より小さかったため。4月からは軽やハイブリッド車など「エコカー」に対する優遇税制が始まっており、顧客争奪戦が一段と激しさを増しそうだ。

 08年度の軽自動車を含む国内総販売台数は前年度比11.6%減の470万台。車名別販売ランキングでは、上位10車種のうち軽自動車が6車種を占めた。首位のワゴンRの販売台数は7%減と、全体に比べ落ち込み幅が小さかった。昨年9月に全面改良し、燃費性能などを高めた効果が出た。 (08:33)

:2009:04/03/10:56  ++  金融サミット、大規模金融機関、監督・規制を強化、他。

【ロンドン=吉田ありさ】二十カ国・地域(G20)の首脳会合(金融サミット)は金融システムの再構築に向け、金融監督・規制を抜本改革する方向性を打ち出した。金融システムに影響する大規模な金融機関をすべて監督対象に置き、報酬体系に規制を導入する。共通のルールで監視するため、各国金融当局でつくる金融安定化フォーラム(FSF)の機能を強化し、G20すべてが参加する金融安定化理事会(FSB)に改組する。タックスヘイブン(租税回避地)の国・地域への監視も強める。(1面参照)
 議長のブラウン英首相は会合後の記者会見で、銀行が高リスク取引の隠れみのにした証券化市場や銀行傘下ファンドなど「影の銀行(シャドーバンキング)を初めてグローバルな金融監督・規制の対象にする」と表明。金融危機の再発を防ぐため、一定規模以上の金融機関をすべて監督する枠組みとしてFSB創設の意義を強調した。
 共同声明は「FSBが国際通貨基金(IMF)と協力して金融市場のリスクを把握し、早期に対応策を協議する」と明記し、金融監督強化を打ち出した。ただ具体策は今後の検討に委ねており、実効性は不透明だ。
 金融規制については、メルケル独首相とサルコジ仏大統領が二日に共同記者会見を開き「規制強化の原則は昨年十一月に合意しており、今回は具体策を決めなくてはいけない」と主張。新興国も独仏に同調したため、規制強化に消極的だった米英が折り合う形で、金融システム強化に向けた規制改革に取り組む方針を確認した。
 タックスヘイブンになっている国・地域の問題では、税情報の交換協定に協力的でない国に「制裁措置を講じる用意がある」と共同声明に明記した。
 FSFは新たな金融規制の具体案として、G20に合わせ、健全な報酬慣行、危機管理、景気循環を抑える可変的な自己資本規制の三つを柱とする報告書を公表した。
 金融危機の一因はトレーダーが長期リスクを軽視し、高リスク取引を拡大した点にあるとして報酬体系に規制を導入。報酬の支払期間を取引期間全体に合わせ、全体の収益と連動させるように求める方向だ。
 銀行の自己資本規制では、常に一定の自己資本を積むように義務づけるバーゼル銀行監督委員会のルールを見直す。現行ルールでは、銀行が好況時に高リスク取引に傾斜してバブルの芽を生む一方、不況時には過度に取引を抑えて信用収縮を招く恐れがある。景気循環の波を増幅させないように、好況時に自己資本を引き上げ、景気・金融の悪化局面で取り崩せる新ルールを導入する。
 【ロンドン=岐部秀光】ブラウン英首相は二日、二十カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)閉幕後の記者会見で「前例のない規模の経済刺激策と協調で合意した」と述べ、会合の成果を強調した。
 同首相は景気後退を短縮して雇用を守るため、六つの宣言をまとめたと発言。(1)グローバルな金融規制の整備(2)銀行システムの健全化(3)総額五兆ドル規模の経済刺激策(4)国際金融機関の改革(5)貿易促進(6)貧困対策――の六項目を説明した。金融規制を巡ってはヘッジファンドや格付け会社も含めた「包括的な規制の整備に初めて着手することになる」と意義を強調した。
 経済刺激策では各国による財政出動に加え、国際通貨基金(IMF)の融資枠増額により「世界経済は成長力の回復に向けた自信を取り戻すことができる」と述べた。
 国際金融機関の改革では、新興国や途上国の発言力を反映させることで「より透明で、より効率的な運用が可能になる」との見方を示した。
 貿易については貿易金融支援を巡り、今後二年間で二千五百億ドルと会議前に調整を進めていた金額の二・五倍の規模で合意したと述べた。首相は「貿易は成長にとって重要なエンジン」と指摘、多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)合意を急ぐことが重要だと強調した。
 貧困対策では国連のミレニアム開発目標の達成や各国が過去に表明した支援の約束を守ることが重要との認識を強調し、公正で持続可能な成長を求める必要があると訴えた。IMF保有の金の売却益を低所得国の支援に充てるなど、五百億ドルの最貧国支援で合意したことを明らかにした。
 ブラウン首相は「(各国の協力によって)新しい世界秩序が出現しつつある」と指摘。「責任ある形で公正なグローバル化を進めることで、持続可能で開放的なグローバル社会を築くことができる」と述べた。
 河野龍太郎・BNPパリバ証券チーフエコノミスト 各国の意見に隔たりのあった金融規制の議論に注目していた。投資銀行など新しい金融システムの暴走が今回の危機を招いた面は否めないが、規制を強めすぎることには賛成できない。今後、規制強化で成長を停滞させることがないかを見守りたい。
 危機回避に向けて財政出動で協調するとした点は正しいが、財政政策は各国の状況に応じて実施すべきものだ。日本に必要なことは単なる金額の積み上げでなく、国内の成長産業を育てること。積極的な規制緩和で民間活力を引き出す方策を考えるべきだ。
 木内登英・野村証券金融経済研究所経済調査部長 新興国向け支援と金融機関監視で一定の成果が出た点は評価できる。国際通貨基金(IMF)の緊急融資枠の拡大などでも前進したようだ。金融と財政の政策を協調させる点でもそれなりに足並みはそろったと言える。
 ただ世界経済の回復を巡っては、めぼしい具体策が見当たらない。二〇一〇年末の回復という目標も、どのような回復軌道を描くのかは各国・地域の取り組み次第だ。金融危機の発生から時間がたち、各国・地域の事情はかなり異なっており、合意の難しさが浮き彫りになったとも言える。

:2009:04/03/09:22  ++  電気自動車、三菱自、生産能力を倍増、11年度2万台に、専用電池も増産。

三菱自動車は二〇一一年度中に電気自動車「アイミーブ」の生産能力を当初計画の二倍の二万台に引き上げる。心臓部分であるリチウムイオン電池の生産量も現在の二・五倍に増やす。〇九年度に生産する二千台は東京電力や日本郵政グループなど法人からの受注で予約が埋まったもよう。各国が環境規制を強化する中、電気自動車の需要は大きく拡大している。
 アイミーブは水島製作所(岡山県倉敷市)で生産し、今年七月、法人向けに発売する。当初の生産計画は〇九年度二千台、一〇年度四千台、一一年度一万台だった。一〇年以降は仏プジョーシトロエングループ(PSA)へ年間一万台程度の供給も始まるほか、国内で個人向け販売も始める。
 これに合わせジーエス・ユアサコーポレーション、三菱自動車、三菱商事の共同出資会社「リチウムエナジージャパン」(京都市)はアイミーブ向けのリチウムイオン電池を増産する。二十五億円かけて滋賀県に建設した工場に約三十億円を追加投資。一〇年秋までに二本目の生産ラインを設け、生産量を現在の二・五倍の年五千台規模に増やす。効率化を進めて生産量をさらに一千―二千台引き上げたい考えだ。
 各国で二酸化炭素(CO2)排出規制や燃費基準を強化する動きが強まり、走行中にCO2を出さない電気自動車は、有力な次世代環境車として注目されている。
 日本勢では日産自動車が一〇年度に日米市場で販売を始める計画。トヨタ自動車も近距離用の新型車を開発し、一二年までに量販に乗り出す。

:2009:04/03/08:43  ++  2009年の国内IT市場規模は6年ぶりに縮小へ--IDC Japan

IDC Japanは4月1日、2008年12月に発表した「国内産業分野別IT市場企業規模別の予測」について、昨今の経済動向を反映した修正版を発表した。

 2009年の国内IT市場規模は前年比1.7%減の12兆3788億円となる見通し。国内IT市場が縮小に転じるのは、2003年以来6年ぶりとなる。

 企業規模別に見た2009年のIT投資は、SMB(中堅中小企業:999人以下)市場で前年比2.4%減と、2008年12月の予測から一転して減少するとみている。国内経済の低迷による企業収益の悪化は産業界全体を直撃しており、特にSMB市場はその影響が大きい。

 一方、大企業の2009年IT投資は同1.4%の見込み。金融商品取引法(日本版SOX法)の初年度適用後の対応や、国際会計基準対応に向けた取り組みのためにIT投資が持続することから、SMB市場に比べマイナス幅は低くなるとIDCでは予測している。

 期待が持てるのは医療分野におけるSMB市場だ。電子カルテシステムの導入やレセプトのオンライン化など、他の産業に比べて遅れているIT化を推進するため、2009年は前年比3.9%増と2008年に引き続き成長する見込みだ。

:2009:04/02/10:46  ++  上場企業の倒産最多に、昨年度45件、不動産関連が半数。

民間調査会社の帝国データバンクが一日に発表した調査によると、二〇〇八年度の上場企業の倒産は四十五件と件数ベースで戦後最悪となった。世界的に信用収縮が深刻化した九月以降、企業への資金が細り民事再生法の適用申請などが急増した。今まで戦後最多だった〇二年度の二十二件を大幅に更新した。
 倒産の半数以上の二十三件が不動産関連だった。資金調達環境の悪化に加え、不動産市況の低迷で物件の売却も進まなくなり資金繰りが詰まる例が相次いだ。アーバンコーポレイションやモリモトなど、直近の本決算で最終損益が黒字だった企業の倒産も二十一件に及んだ。〇九年も日本綜合地所や商工ローン大手のSFCGが破綻。〇八年度の負債総額は二兆三千三百二十七億円と、一兆円を超えていたマイカルなどを含む〇一年度と、〇〇年度に次ぐ戦後三番目の水準となった。

:2009:03/31/12:03  ++  燃料電池、低コストで、日清紡、価格6分の1の触媒―完成車、1割安く。

日清紡は家庭の電源や自動車に使われる燃料電池の触媒として、高価な白金に代わる炭素材料を初めて実用化し、二〇一〇年春から量産する。性能は白金とほぼ同じでコストは約六分の一になる。燃料電池車に使った場合、車全体の約一割に相当する五十万円程度のコスト削減につながる見込み。燃料電池の普及に弾みが付きそうだ。
 炭素材料は「カーボンアロイ触媒」と呼ばれる。日清紡は中央研究所(千葉市)で来春から生産を始め、自動車や家庭用燃料電池メーカーに出荷する。生産量は一五年に年産数トン、二〇年には数十トンに引き上げ、五百億―一千億円の売り上げを見込む。
 燃料電池は希少金属の白金のコストがかさみ、普及を阻む壁となっている。燃料電池車一台に必要な白金は約百グラム、家庭用燃料電池では約五グラムとされる。価格が五百万円程度とされる燃料電池車の場合、原価と加工費を合わせると触媒だけで約六十万円の費用がかかるが、炭素材料を使えば約十万円に抑えられる。
 燃料電池の触媒は水素と酸素の化学反応を促し電気と水を発生させる重要な役割を担う。白金代替の触媒は国内外の企業や研究者が開発を競っている。今回の炭素材料は群馬大学の尾崎純一教授と共同開発し、実用化にメドをつけた。
 ▼燃料電池 水素と空気中の酸素を化学反応させて電気エネルギーと水を発生させる小型の発電装置。エネルギー効率がよく、二酸化炭素(CO2)の排出量を減らせる。次世代自動車や家庭用コージェネレーション(熱電併給)システムのエネルギー源として期待されている。

:2009:03/31/08:49  ++  IT業界は「夢がある」が「仕事はきつい」--学生の持つイメージ、IPAが調査

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は3月27日、2008年度に実施した「IT人材市場動向調査」の調査報告概要版第3弾を公開した。この調査は、IT人材の育成施策を検討するために、基礎情報を収集する目的で実施したもので、調査報告の概要は4回に分けて公開されている。

 今回は大学3年生以上の学生600名を対象にした情報サービス産業のイメージ調査、社会人を対象にした他産業との就業満足度比較調査をまとめた。

 学生を対象とした「情報サービス産業のイメージ分析調査」は、学生が情報サービス、ソフトウェア産業をどのようにとらえているかを調べた。その結果、「技術やスキルが身につく」「夢がある」という項目で、「IT・情報サービス・ソフトウェア」がトップとなった。「かっこいい」「仕事にやりがいがある」などといったイメージも比較的上位に挙がったという。

 その一方、「働いている人たちが自分の仕事に誇りをもっている」という項目での評価は高くなく、「仕事がきつい」などの点においては「医療・福祉」の次に「IT・情報サービス・ソフトウェア」が挙げられた。「仕事が大変だ」という認識が、学生の間に浸透しているようだ。

 また「仕事の内容がわかりにくい」という点も指摘された。このことから、業界のイメージを向上させるために、「今後、仕事の内容や仕事の誇りを積極的に伝えていくことが求められる」とIPAは分析している。

 社会人を対象とした「他産業との就業満足度比較調査」では、IT関連産業が他産業に比べて仕事に対する満足度が低いことが示された。特に「他業種と比べて給与が高いと思うか」という項目で、IT関連産業は全産業中、下から2番目となった。

 しかしIPAによると、IT関連産業は全産業の中で平均よりも給与水準が高いという調査結果も多いという。このことから「IT関連産業に従事する人材は、現実を実態よりもネガティブにとらえている傾向がある」(IPA)と分析している。なお、「調査報告概要版 No.4」は2009年4月上旬頃に公開される予定。2009年5月中旬には、調査報告全体が「IT人材白書2009」として出版される予定だ。

:2009:03/30/10:26  ++  65歳まで働ける企業、10年度末めどに5割に 厚労省方針

厚生労働省は2010年度末をめどに、希望者全員が65歳まで働ける企業の割合を50%に引き上げる方針を決めた。公的年金の支給開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられることを踏まえ、奨励金や助成金を活用して企業に高齢者の雇用機会を確保するよう働きかける。

 厚労省が策定する「高年齢者等職業安定対策基本方針」に盛り込み、4月1日に公布する。希望者全員が65歳まで働ける企業の割合は08年6月1日時点で39%。これまで目標は無かったが具体的な数値を示す。70歳まで働ける企業の割合を10年度末をめどに20%に引き上げることも明記する。 (08:03)

:2009:03/30/09:52  ++  65歳まで働ける企業、10年度末、半数に―厚労省方針、年金支給に合わせ。

厚生労働省は二〇一〇年度末をめどに、希望者全員が六十五歳まで働ける企業の割合を五〇%に引き上げる方針を決めた。公的年金の支給開始年齢が段階的に六十五歳まで引き上げられることを踏まえ、奨励金や助成金を活用して企業に高齢者の雇用機会を確保するよう働きかける。
 厚労省が策定する「高年齢者等職業安定対策基本方針」に盛り込み、四月一日に公布する。希望者全員が六十五歳まで働ける企業の割合は〇八年六月一日時点で三九%。これまで目標は無かったが具体的な数値を示す。七十歳まで働ける企業の割合を一〇年度末をめどに二〇%に引き上げることも明記する。
 厚労省が対応を急ぐのは、〇六年に施行された改正高齢者雇用安定法が一三年度までに六十五歳までの雇用確保を企業に義務づけているため。企業は定年の廃止や引き上げ、再雇用のいずれかで対応する必要があるが、国の支援をテコにそうした取り組みを促す。
 厚労省は四月から複数の支援策を用意。一つが「定年引き上げ奨励金」の拡充。定年を六十五歳以上七十歳未満に引き上げた企業に四十万―八十万円を支給する仕組みだったが、柔軟な勤務時間制を導入した企業には一律二十万円を追加する。
 また「高年齢者雇用モデル企業助成金」を導入する。六十五歳以上の高齢者を外部から新たに雇い入れる取り組みなどをモデル事業として認定し、事業経費の二分の一相当分(上限五百万円)を支給する。

:2009:03/27/10:38  ++  いまどきの売れ筋(下)「3ない」消費――節約すくう新サービス。

「この不況が多様なサービスの揺りかごとなる」
(伊藤元重・東大教授)
 「修理中の代替機は在庫切れです」。携帯電話を直して使い続ける人が急増し、都内の家電量販店や携帯ショップにこんな張り紙が登場した。
「持たない」強み
 携帯も新型機種なら三万―六万円するが、修理だけなら二千―五千円。ヨドバシカメラマルチメディアAkiba(東京・千代田)に持ち込まれる修理機は前年比二―三倍に増えた。「写真や音楽をため込んだ愛機の方が大切」(ヨドバシカメラ)という需要をすくい取り、修理がちょっとしたブームになっている。
 ▼修理チェーン「ミスターミニット」が高島屋新宿店(東京・渋谷)で開くサロン風工房。靴やカバンを洗ったり分解したりして新品同様にするサービスの売上高はこの半年、前年比一―四割の伸びで推移する。
 ▼タカラトミーは昨夏、おもちゃの消耗部品などの通信販売を開始した。反響は大きく、扱う部品点数は当初の三十から五百へ急増した。
 日経産業地域研究所の二〇〇八年調査では、携帯電話(二・七年↓三年)、DVDレコーダー(五・二年↓五・六年)など主なデジタル家電の買い替え年数が前年より長くなった。節約に目覚めた消費者は新品を買わず、使い続けることに価値を見いだしている。
 買わないどころか、持たなかったり、他人と共有したりする消費が台頭してきた。
 「IKEAで家具を買ってきます」。週末、都内の情報サービス会社に勤める中村成寿さん(30)は友人とドライブを楽しんだ。実はこの車、中村さんのものではない。三井物産系のカーシェアリング・ジャパン(東京・渋谷)の車だ。
 中村さんの勤め先は福利厚生の一環として、社員が私用で車を使える。この日、中村さんが払った料金は六時間利用で三千円程度。安さに引かれ、全国のカーシェアリング会員は過去一年で倍増。一月に三井物産、三月に東日本旅客鉄道が同事業に参入するなど一気に市場が活気づき始めた。
 中村さんがドライブを楽しんだ同じ週末。米大手小売業コストコ・ホールセール日本法人の幕張店(千葉市)に駐車場待ちの行列ができた。
 コストコは会員制安売り店で、ペットボトルの飲料水(五百ミリリットル)三十五本を六百円強で売るなど米国型大量販売が特徴。日本に登場した一九九〇年代は、家が狭くこまごまと買い物する日本の消費行動に合わないとされた。だが最近、近所同士で食品や日用品を分け合う「シェア」がジワジワ普及。会員は約二百万人を突破し売上高は前年比二ケタ増の勢いだ。
「捨てない」商機
 東京都品川区にあるブランド品買い取りのデファクトスタンダードには連日、全国から数十の段ボール箱が届く。中身はバッグ、宝飾品などブランド品。若い女性らが捨てるに捨てられずタンスに放置した品々だ。
 同社は受け取ったブランド品を査定し、見積価格を通知してくれる。買い取ったブランド品は競売サイトに出品して高値で転売。もったいないという消費者心理を巧みに突き、二月の買い取り実績は前年同月の倍の約一万点に達した。
 大量消費に慣れた日本人は欧米に比べサービスよりモノを重視しがち。だが家計消費に占めるサービス支出比率は八〇年代の四〇%台から〇七年に五七%へ上昇。日戸浩之・野村総合研究所上席コンサルタントは「持つことをリスクと見なす消費者が増え、新たなサービスが日本にも根付きだした」と分析する。
 買わない、持たない、捨てない――。「三ない」消費の受け皿となる新サービスをどう提供するかに、売れ筋発掘のヒントが隠れている。

:2009:03/26/18:08  ++  中小企業の約3割、2010年春は採用なし 東商調べ

東京商工会議所が10日まとめた中堅・中小企業の採用動向調査によると、2010年春入社の採用予定が「ない」とした企業は29.2%となり、前年比10.6ポイント上昇した。「未定」とする企業も3割近くにのぼり、景気の悪化による採用意欲の減退が中小にも顕著に現れた。

 09年春の新卒についても、採用人数を前年より減らした企業が36.6%と同5.3ポイント増えた。学生の内定辞退があった企業の比率も大きく減り、就職戦線が厳しくなっていることを裏付けた。

 調査は1月に、資本金が1000万円から1億円の中小企業と、合同会社説明会などで東商の人材関連サービスを利用した企業を対象に実施。860社から回答を得た。(10日 18:54)

:2009:03/26/10:22  ++  いまどきの売れ筋(上)「安さ」+α―「賢さ」くすぐる意外性。

「需要をつくり出せないなら、売れないのは当然」
(「ユニクロ」の柳井正会長兼社長)
 消費低迷のなか、逆風をものともせずにヒットを続ける商品やサービスがある。不況下の消費行動をいかに探り、固くなった財布のひもをどう解きほぐすか。いまどきの売れ筋を追った。
タマネギ「9円」
 「新鮮なのに安い。形など気にならない」。首都圏で出店攻勢をかける格安スーパー「ザ・プライス」を訪れた五十代の主婦は一尾七十七円のアジを購入した。通常の半分以下という値段は、しっぽが欠けたり大きさがまちまちだったりと普段、流通ルートに乗らない規格外の魚を一括仕入れして実現した。
 魚だけではない。タマネギ一個九円、ピーマン七円――。特定農家と契約して野菜も提供。鮮度が良ければ、形に対する主婦らの反発は予想外に小さく、スーパー業界の販売不振をよそに、店は連日ごった返している。
 iPhoneなどのソフトを取り込むアップルの「アップストア」で、ベンチャー企業パンカク(神奈川県藤沢市)が開発したゲーム「ライトバイク」が全米ダウンロード数一位を獲得した。iPhoneを傾けるだけでバイクが蛇行して他車を妨害するスピード感とともに、圧倒的安さが支持を集めた。他のゲーム専用機向けソフトが数千円するなか、当初〇・九九ドルとお試し感覚の値段が人気を呼んだ。
 「価格破壊」と呼ばれた一九九〇年代も百円ショップや家電、貴金属品の格安店が集客を競った。だが当時の値下げ対象は限られ、有名高級ブランド品を「一点豪華主義」で買い求める日本特有の現象が続いていた。今回の消費不況で、高額消費は冷え込んだ。富裕層から普通の主婦まで買い控えが広がり、食品、衣料品、高級ブランド品など幅広い商品に値下げが及んでいる。
 総務省の家計調査などを基にコメ、子供服など身近な百五十品目の二〇〇八年一月と十一月の価格を比べると、消費者が同じ商品で割安なモノへシフトした場合を含め、六割近くで購入価格が下がった。だが実質消費支出は〇九年一月まで十一カ月連続前年割れ。値下げは広がったが、財布のひもは締まったままだ。
 日本総合研究所の小方尚子主任研究員は「九〇年代と違い、日本も必要で価値あるものを厳選する合理的な消費行動に変わった」と指摘する。実際、日経BPコンサルティング調べで、割安なプライベートブランド(自主企画)品の購入頻度が一年前より増えた人は食品で四四%に上るが、雑貨で一九%、家電は四%。特に家電で「品質に不安」との声が多い。賢い消費者が増え、ヒットには「安さ」プラスαの味付けが欠かせない。
健康、便利、エコ
 ▼「麻婆(マーボー)もやしの素」が半年で売上高二億六千万円と調味料系商品で「驚異的売り上げ」(発売元の丸美屋食品工業)を記録した。豆腐一丁約百円に対し、モヤシは一袋三十円前後。三百円程度で家族のおかずができる上、いためるのではなく、ゆでる料理法を提案。油を使わない意外性が、健康志向にぴったり合った。
 ▼シャンプーなどの詰め替え用パックを容器へ移さずに済む「詰め替えそのまま」が人気だ。パックの注ぎ口にポンプを、反対側にタオル掛けにぶら下げるホルダーを付けるだけで利用可能。製造元の三輝(東京・大田)によると、詰め替えの手間がかからないのが受けて、月を追うごとに売り上げが伸びている。
 百万円台のエコカー人気で自動車会社は値下げを競い始めた。麻婆豆腐でなくモヤシ、詰め替え不要だから便利――。賢い消費との意識をくすぐる意外性があって初めてヒットを生み、健全な企業競争をもたらし、需要創造につながっていく。

:2009:03/25/10:18  ++  「燃える氷」10年後に商業化、政府が開発計画

 政府の総合海洋政策本部(本部長・麻生太郎首相)は24日、「燃える氷」といわれる新たな化石燃料「メタンハイドレート」を10年後に商業生産する目標を盛り込んだ「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」を決定した。メタンハイドレートは日本近海で埋蔵が確認され、国産資源として期待が高い。海洋での試掘を平成24年度に着手し、基本的な生産技術を27年度までに確立。資源の安定供給につなげるとしている。

 メタンハイドレートは、メタンガスを含む資源で、水深1000メートル以深にシャーベット状で存在し、利用するには特別な生産技術が必要になる。

 開発計画では、23年度までに陸上での生産技術を確立し、24~27年度に海洋での産出試験を実施する。経済産業省は21年度予算案に45億円を関連費用として計上しており、官民合同で開発にあたる。二階俊博経産相は、「技術開発が進めば(商業化まで10年とした計画の)短縮化も可能になる」と述べた。

 計画ではこのほか、海底に吹き出た熱水が含む金属が沈殿した「海底熱水鉱床」▽排他的経済水域(EEZ)での石油・天然ガスの分布調査-なども掲げた。

:2009:03/25/10:16  ++  【イチから分かる】北ミサイル迎撃 技術・法制面からは撃墜可能

北朝鮮が「人工衛星」打ち上げを名目に長距離弾道ミサイルの発射準備を進めている。政府はミサイル本体やロケットなどの部品が日本領内に落下してくれば、ミサイル防衛(MD)システムで撃墜する方針だ。日本列島を飛び越える形で三陸沖に着弾した平成10年のテポドン1号発射以降配備が進んだ現行システムでの撃墜の可能性を探った。(赤地真志帆)

 MDシステムは、米国の早期警戒衛星などの情報でミサイル発射を探知し、着弾前に迎撃する仕組み。ロケット・エンジンの燃焼が終わり、安定軌道に入った大気圏外でイージス艦の海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が撃墜を行い、失敗すれば地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が大気圏再突入時に迎撃する。

 10年のテポドン1号発射や18年のテポドン2号を含む弾道ミサイル7発発射の際は、システム自体が未完備だった。今回、北朝鮮がミサイル発射に踏み切れば、初の実運用となる。

 SM3で迎撃可能な高度は約100キロ。北朝鮮がハワイ近くまで届く最大射程でテポドン2号を発射すれば、高度は1000キロにも達し、撃墜はできない



 

 ただ、政府はミサイルが不具合で日本領内に落下する事態も想定。高度100キロ以下の上空を通過する場合も日本の領空に引っかかるため、撃墜の可能性を検討している。

 北朝鮮は4月4~8日の間に「人工衛星」を打ち上げるとして、国際海事機関(IMO)などに危険区域を通告した。このうち、秋田県沖約130キロの海域は約9割が日本の排他的経済水域(EEZ)と重なる。

 同海域には1段目のロケットが落下する可能性が高いが、「発射時の微妙なずれで日本本土や領海に落下し、大きな被害が出る可能性もある」(防衛省幹部)。自然落下するロケットや部品などは降下速度も遅く、自衛隊では「撃墜は十分可能」とみている。

 SM3で撃ち漏らしたミサイルを着弾前に撃墜するPAC3についても関東の4カ所と浜松、岐阜に配備されている。射程が数十キロと短いため、落下の可能性が高い地点にあらかじめ移動させておく必要はあるが、「北朝鮮の通告で飛行ルートは判明しており、現在の配備数で十分カバーできる」(航空自衛隊幹部)と運用に支障はない。

 17年の自衛隊法改正で「弾道ミサイル等に対する破壊措置」(82条の2)が新設され、法制上の根拠も整備されている。日本に飛来するおそれがあると認められる場合は、防衛相が首相の承認を得て破壊措置を命令。明確な発射兆候がない場合でも防衛相があらかじめ「緊急対処要領」を作成し首相の承認を得ておけば、空自航空総隊司令官の判断で撃墜が可能だ。

                   ◇

【用語解説】海上配備型迎撃ミサイル(SM3) 

 イージス艦搭載の迎撃ミサイル。イージス艦のレーダーで標的を探知、追尾し、撃墜する。平成19年度に「こんごう」、20年度に「ちょうかい」に配備された。日本全土をカバーするには、日本海にイージス艦2隻を展開させることが必要だ。2度行われた発射試験では1回は成功し、2度目は迎撃に失敗している。迎撃可能高度は約100キロだが、より高高度での迎撃を可能とする「21インチミサイル」を26年度までの期間で日米共同開発中だ。