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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2009:06/16/08:49  ++  新聞 有料配信の将来性 日米で新たな収益源模索

景気後退による広告の激減や無料インターネットサイトでのニュース閲覧の普及による部数減などを背景に、米国と日本の新聞業界が揺れている。頼みのネット事業の飛躍を目指し、携帯電話や専用端末への配信など有料サービスの構築を模索する動きが本格化しそうだ。

 ◆厳しい経営環境

 フィラデルフィア州を中心に20の新聞を発行するジャーナル・レジスター、イリノイ州で59紙を発行するサンタイムズ・メディア・グループなど今年に入り、米国では地方紙の経営破綻(はたん)が相次いでいる。

 大手紙も例外ではなく、ニューヨーク・タイムズは今年1~3月期決算で7446万ドル(約72億円)の最終赤字に陥った。今月上旬、傘下のボストン・グローブ紙の廃刊を見送る一方、社員の給与カットなどさらなる経費削減に乗り出す方針を決めるなど、業績悪化の流れに歯止めがかからない。

 国内では全国紙5社のうち、朝日新聞社と毎日新聞社が単体業績で営業赤字に転落、毎日新聞は最終損益でも15年ぶりの赤字となった。日本経済新聞社の場合、景気悪化で経済情報を求める読者が増え、「部数は堅調」(広報グループ)だったものの、広告収入の落ち込みで利益を減らした。産業経済新聞社も、夕刊フジやサンケイスポーツの販売部数減少が響いた。

 業績悪化の理由は、広告収入の激減にある。電通によると国内の新聞広告市場は2000年の1兆2474億円をピークに減少。昨年秋の金融危機をきっかけに、企業が広告出稿を抑制したことで08年には前年比12.5%減の8276億円に落ち込んだ。

 新たな広告収入を見込んだネットのニュース配信も広告単価が下がり、着実に収益をあげるには至っていない。

 “起死回生”を目指す各社が力を注ぐのは、有料の記事配信が簡単な携帯電話向けの記事配信だ。朝日新聞はテレビ朝日、KDDI(au)と共同でニュース配信サービス「EZニュースEX」を11日に開始。自社サイトで約70万人の会員数を2~3年後をめどに1000万人まで増やす計画だ。

 日経新聞は1月、日経産業新聞の携帯サイトを月額利用料2100円で立ち上げたほか、産経新聞も米アップルの「アイフォーン」向けに新聞全体の電子データを配信するサービスの有料化を検討している。

 ◆米で安く端末提供

 米国での報道によると、ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなどは、長期の購読契約を前提にアマゾン社の開発した「キンドル」と呼ばれる電子端末を廉価に提供するサービスを今夏にも始めるという。

 こうした取り組みについて、野村総合研究所情報・通信コンサルティング部の阿波村聡主任コンサルタントは「単に紙媒体をネットに置き換える意識では小さなパイを奪い合う」と指摘。専門性の高い情報に、別途情報料を徴収することや、記事に対応した携帯広告の配信など複合的な収益モデルが不可欠としている。

新聞全国紙5社の2009年3月期の業績

記事提供 : FujiSankei Business i. http://www.business-i.jp/

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:2009:06/09/09:44  ++  次世代高速無線、来月から、対応パソコン、各社投入へ―家電量販もサービス参入。

KDDI系のUQコミュニケーションズ(東京・港)は8日、次世代高速無線「WiMAX(ワイマックス)」の商用サービスを7月に始めると発表した。商用化に合わせ、国内外の大手パソコンメーカーはWiMAX対応パソコンを7月以降に順次投入する。家電量販大手などもUQコムから無線設備を借りてサービス提供に乗り出す。
 UQコムはメーカーなどの異なる業種と組むことで、契約数の拡大を狙う。2010年3月末までに数十万件、13年3月末までに約500万件の契約獲得を目指す。
 同日、都内で開催した記者会見=写真=にはNECやソニー、東芝、パナソニック、富士通など国内外のパソコンメーカー13社の幹部が出席し、WiMAX対応のパソコンを投入する意向を表明した。各メーカーは対応パソコンを7月以降に順次出荷する。当初は高機能機種が中心になる見通しだ。
 ユーザーはネット経由で契約を結べば、受信最大毎秒40メガ(メガは100万)ビットでインターネットに接続できる。料金は使い放題のプランで月額4480円など。600円で24時間だけ使い放題となるプランも10月から提供する。
 家電量販大手のビックカメラとヤマダ電機、システム会社のダイワボウ情報システム(大阪市)も独自ブランドでWiMAXのサービス提供に乗り出す。
 UQコムは自社の無線設備をインターネット接続事業者など他のサービス提供事業者に貸し出し、WiMAXの利用拡大を狙う。田中孝司社長は「(WiMAXという)標準規格に合わせてサービスや製品が自由に流通するビジネスチャンスにあふれる市場をつくっていきたい」と語った。
 ▼WiMAX 次世代の高速無線技術。出先でもADSL(電話線を使ったデジタル高速通信)並みの速度でインターネットに接続できる。通信速度は受信で毎秒最大40メガ(メガは100万)ビット、送信で同10メガビット。半導体世界最大手の米インテルがWiMAXの普及・拡大に力を入れている。無線LAN(構内情報通信網)と同様に、WiMAXの通信機能を搭載したノートパソコンが一般的になるとみられている。

:2009:06/08/17:17  ++  第3部揺らぐCEO神話(4)グーグル創業者の覚悟(大転換)終

「全員満足」より理念貫徹
 5月7日、ネット検索最大手の米グーグルがカリフォルニア州の本社で開いた株主総会に、2人の創業者社長の姿がなかった。今年から「技術や製品開発に集中することにした」という。
市場との間合い
 ラリー・ペイジ氏とセルゲイ・ブリン氏。2人の創業者は四半期ごとの決算発表にも時々しか出席しない。株主や市場との対話はエリック・シュミット最高経営責任者(CEO)が一手に引き受ける。上場企業のトップにあるまじき態度にも見えるが、2人の天才は常に用心深く市場との間合いを保ってきた。
 会社設立3年目には外部から招いたシュミット氏にCEOを任せ、2004年に株式を公開したときは特殊な株式を使って上場後もシュミット氏を含む3人が経営権を握れるようにした。
 このとき2人は株主への手紙にこう書いている。「多くの企業はアナリストの意に沿うよう利益を出し続けるプレッシャーにさらされ、目先の利益にとらわれる。これは有害だ」
 「世界中の情報を整理する」という壮大な目標を実現するには巨額の資金が必要だが、市場に翻弄(ほんろう)されたくはない。2人は市場からの批判を覚悟の上で、自分たちが技術革新に全力投球する環境を守ってきた。
 過去1年間でグーグルが検索に加えた改良は359件。ほぼ1日1件のハイペースで進むカイゼンを支えるのは、世界から集まる優秀な人材。彼らは伝説のエンジニアである2人の創業者とともに「ネットで世界を変える」ことに熱中する。
 グーグルの技術発表会で部外者が「その技術でどう稼ぐのか」と質問すると、ときどきエンジニアは「まだ考えていない」と平気な顔で答える。創業者と同様、社員も株価には無頓着。彼らを動機づけるのはストックオプション(株式購入権)ではなく、天才とともに「革新に参加する権利」だ。
 グーグルが上場した04年、当時の日本で最も有名だったIT(情報技術)ベンチャーは、プロ野球チームの買収に名乗りを上げた。堀江貴文元社長率いるライブドア(現LDH)である。
 00年の上場後、株式交換でM&A(合併・買収)を繰り返し、ニッポン放送に買収を仕掛けた。ライブドア事件の渦中で同社の代表取締役を務めた山崎徳之氏は、世間を騒がせていた時期の堀江元社長らが「とにかく(世の中や市場に)ウケることをやりたがっていた」と言う。
 今振り返れば堀江元社長らは、できないことまで「できる」と言い、市場を使って身の丈を超えた経営に踏み込もうとした。再び起業し、上場を目指す山崎氏は「できることと、できないことを投資家にきちんと伝えていきたい」と言う。
 「鉄鋼業界の暴れん坊」と呼ばれる電炉大手の東京製鉄。高炉が独占する自動車や家電用の薄板市場への参入を狙い、今秋にも愛知県田原市に新工場を造る。
 東鉄は02年3月期まで9期連続で最終赤字(単独)を続けた。市場の評価は低かったが、目先の黒字化のために設備投資を削ることはしなかった。一方で機を見て大胆に投資する「東鉄流」(西本利一社長)を貫くために、無借金経営にはこだわった。今回の1620億円の設備投資も手元資金で賄う。
同志呼ぶ求心力
 CEOは株主、社員、退職者など多くの利害関係者を満足させる責務を負う。だが、今回の経済危機では、CEOが1人ですべてを抱え込み「何でもできる」と見せる経営が、破綻に向かうリスクをはらむことが明らかになった。「できないことはできない」と伝え、それでも賛同してくれる投資家や社員を集めた企業は強い。
 鉄鋼王アンドリュー・カーネギー。慈善活動に私財を投じ1919年に没した偉大な経営者は、自らの墓碑にこう記している。「ここに自分より優れた人々を集めるすべを知っていた男が眠る」=関連記事9面に
(第3部おわり)

:2009:06/03/13:43  ++  GM国有と世界(中)多極化時代、勝者どこに。

米ゼネラル・モーターズ(GM)の法的整理・解体で世界一の座を固めるトヨタ自動車。だが今月下旬に社長に就く豊田章男副社長は「2、3年後にはトヨタだってGMになる恐れはある」と危機感を募らせる。
「小さなトヨタ」
 足元で日産自動車1社分(約350万台)の余剰生産能力を抱え、今期の連結営業赤字予想は8500億円――。肥大化の影が忍び寄るトヨタが出した解は地域ごとの「小さなトヨタ」の実現だ。4人の副社長には専門領域に加え、北米やアジアなど各地域を担当させ権限も強める。
 北米の大型車市場に依存し「米国自動車会社」から抜け出せなかったGM。対するトヨタは「1人の社長が本社から動きの激しい世界全体を見渡すのは無理」(幹部)とグローバル戦略の見直しに動く。危機感の背後にあるのは世界市場の急速な「多極化」だ。
 「もはや一つの視点を持つだけでは通用しない。GM破綻はその象徴。先進国や新興国の中でも細かなニーズに応えねばならない」。野村総合研究所の北川史和グローバル戦略コンサルティング1部長は指摘する。
 この2年で3割の新車需要が消えた先進国。自動車検査登録情報協会によると昨年末の日本の自動車保有台数は7923万台と2年連続の減少。乗用車の平均使用年数は11年を超え最長を更新し続ける。欧米でも市場の収縮が止まらず、クルマ社会の米国で1台を複数の会員が利用する「カーシェアリング」が静かに広がる。
 それでも、ホンダの福井威夫社長は「工夫次第で先進国はまだまだ開拓の余地がある」と意気込む。快走を続けるハイブリッド車「インサイト」を上回る安さと燃費性能を併せ持つエコカーの開発に全力をあげる。
 その先にはこんな構想もある。太陽電池で得た電気で水を分解、発生した水素で燃料電池車を走らせる。二酸化炭素(CO2)を発生せず、ガソリンスタンドも送電網もない交通システムへの挑戦だ。巨費を投じて太陽電池を量産し開発人員をつぎ込む。丸ごと環境企業に生まれ変わる覚悟がないと、先進国で競争に勝つのは難しい。
 一方で世界需要の3台に1台を占めるまでに成長した新興国。世界の自動車メーカーはここで従来とは異なる次元のコスト競争を迫られる。
 タタ自動車がインドで発売した小型車「ナノ」の価格は20万円強。スズキが現地で販売する小型車のほぼ半値に抑えた。スズキの鈴木修会長兼社長は「1部品1ルピー(約2円)のコスト削減」を指示するとともに、現地のものづくりをがらりと変える。日本で開発した車を持ち込む手法を改め、日本と同水準の開発拠点に抱える技術者1000人がインド市場に適した商品を生み出す。
 消費者ニーズもコスト構造も大きく異なる先進国と新興国。投資余力が細る中、両方に軸足を置けるメーカーは世界にどれだけあるか。地域や技術を補完し合うための合従連衡を含め、各社に厳しい選択を迫る。国有化で再生を目指すGMが直面する現実でもある。
台頭する新勢力
 多極化するのは地域だけではない。1984年の米AT&T分割は通信事業への参入の垣根を壊し、90年代初めのIBMの経営危機はパソコンの時代到来を決定づけた。巨人の弱体化が生む新興勢力の台頭。今回の激変期もその芽が見える。
 GM傘下の独オペルを買収するのはカナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナル。複数の自動車大手からの車両の受託生産で成長してきた異色の企業だ。携帯電話のリチウムイオン電池最大手、中国の比亜迪汽車は電気自動車開発で独フォルクスワーゲン(VW)と提携。完成車を頂点としてきた産業構造が一気に流動化する。
 ひたすら規模を追い求めてきたGMの破綻は自動車産業の成長モデルそのものの多極化を意味する。世界300兆円規模の市場争奪戦。勝者の姿はまだ見えない。

:2009:06/03/13:42  ++  景気判断「悪化」削除へ、6月の月例報告、事実上の底打ち宣言。

政府は6月の月例経済報告で、景気の基調判断を2カ月連続で上方修正する検討に入った。5月は「悪化のテンポが緩やかになっている」だったが、「悪化」の表現を7カ月ぶりに削除する案を軸に調整する。昨年秋以降の景気急減速の主因だった生産と輸出の指標が2カ月連続で改善したことなどを評価。事実上の景気「底打ち宣言」となる。ただ本格回復に向けた動きは鈍く、失業率の悪化が続く雇用情勢など不安定要素もなお多い。
 6月の月例報告は与謝野馨財務・金融・経済財政相が今月中旬に開く関係閣僚会議に提出する。政府は昨年10月から2月の月例報告まで5カ月連続で基調判断を下方修正。3月、4月は判断を据え置き5月に3年3カ月ぶりに上方修正していた。
 5月の月例報告では判断は引き上げたものの、景気が「悪化」しているとの認識は継続した。その後発表された4月の鉱工業生産は在庫調整の進展などで前月比で56年ぶりの上昇率を記録。輸出も4月の数量指数(季節調整済み)が前月比で1年8カ月ぶりの高い伸び率となったことなどから、「悪化」との認識を見直す必要があると判断した。
 与謝野経財相は2日の記者会見で、景気は1~3月期が「底打ちの時期だと思う」と指摘。そのうえで「4~6月期以降はカーブは上向きで行き年末か来春には元通りになる」と述べた。今回の景気後退局面で「底打ち」の表現を使ったのは初めて。

:2009:06/03/13:37  ++  景気判断「悪化」削除へ、6月の月例報告、事実上の底打ち宣言。

政府は6月の月例経済報告で、景気の基調判断を2カ月連続で上方修正する検討に入った。5月は「悪化のテンポが緩やかになっている」だったが、「悪化」の表現を7カ月ぶりに削除する案を軸に調整する。昨年秋以降の景気急減速の主因だった生産と輸出の指標が2カ月連続で改善したことなどを評価。事実上の景気「底打ち宣言」となる。ただ本格回復に向けた動きは鈍く、失業率の悪化が続く雇用情勢など不安定要素もなお多い。
 6月の月例報告は与謝野馨財務・金融・経済財政相が今月中旬に開く関係閣僚会議に提出する。政府は昨年10月から2月の月例報告まで5カ月連続で基調判断を下方修正。3月、4月は判断を据え置き5月に3年3カ月ぶりに上方修正していた。
 5月の月例報告では判断は引き上げたものの、景気が「悪化」しているとの認識は継続した。その後発表された4月の鉱工業生産は在庫調整の進展などで前月比で56年ぶりの上昇率を記録。輸出も4月の数量指数(季節調整済み)が前月比で1年8カ月ぶりの高い伸び率となったことなどから、「悪化」との認識を見直す必要があると判断した。
 与謝野経財相は2日の記者会見で、景気は1~3月期が「底打ちの時期だと思う」と指摘。そのうえで「4~6月期以降はカーブは上向きで行き年末か来春には元通りになる」と述べた。今回の景気後退局面で「底打ち」の表現を使ったのは初めて。

:2009:06/02/16:36  ++  特集――GM、栄光が阻んだ変革、米20世紀産業の象徴、77年連続で販売世界一。

出遅れた「選択と集中」
 米ゼネラル・モーターズ(GM)が1日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。1908年設立の巨大企業はかつては豊かな米国経済と先進の企業経営モデルの象徴だった。創業100年余りの道のりと、昨年11月に米政府に救済を要請してから約200日の動きを追った。=敬称略(1面参照)
 作業ロボットが車ではなく、互いに塗料を吹きつける――。1980年代のGM工場は混乱を極めていた。机上で生まれた「動かない未来工場」づくりに1兆円単位の巨費を投じ、IT(情報技術)など本業と関係が薄い企業の買収にも走った。しかし、すべて無駄。GMが猛スピードで転がり落ちる兆候だった。
▼強い販売力
 日米の自動車産業に詳しいペンシルベニア大ウォートン校の准教授、ジョン・ポール・マクダフィは「80年代に改革のチャンスがあったのに、学びきれなかった」と指摘する。当時はライバルでもあったトヨタ自動車と提携し、米国で小型車の合弁生産事業を立ち上げたばかり。トヨタ流の生産管理などをいち早く学べたはずだったが、ロジャー・スミス会長下のGMは地道な「カイゼン」より派手な大規模投資、企業買収による経営の多角化を好んだ。
 周りを見渡せば、米ゼネラル・エレクトリック(GE)などは余裕があるうちに労務コストを見直し、事業の「選択と集中」に取り組んでいた。GMが鈍重だった理由は過去の成功体験があまりに大きかったためだ。
 GMは1908年、デトロイト郊外の馬車製造の街フリントで創業された。創業者のウィリアム・デュラントは馬車工場で成功した実業家。自動車の将来性に注目し、04年にビュイック社の経営を受け継いだ。
 08年にGMを設立すると、高級車の「キャデラック」などを次々買収。18年には大衆車「シボレー」も吸収した。19年には他社に先駆けて自動車ローンを提供する販売金融会社GMACを設立した。
 GMは31年に「T型フォード」の米フォード・モーターを抜き去ると、2007年まで77年連続で販売台数世界一に立ち続けた。フォードが「大量生産ライン」を生んで成長したのなら、GMは「大量販売」の仕組みづくりがうまかった。
 自動車ローンばかりでない。「キャデラック」から「シボレー」まで様々なブランドをそろえ、幅広い客層を引きつけた。トヨタでいう「いつかはクラウン」のフルライン戦略の原型をつくりあげると、大量消費社会の波に乗った。
 巨大な企業組織の動かし方も、中興の祖アルフレッド・スローンがつくり上げた「事業部制」で解決。そのタイミングは、日本の「経営の神様」のパナソニック創業者、松下幸之助の事業部制導入より早かった。
 スローンは23年にGMの初代CEOに就任。56年に会長を退くまで30年以上もGMのトップの座にあった。事業部制や実績評価などスローンが打ち出した経営手法は産業界に影響を与え、63年に出版された「GMとともに」は経営書としてベストセラーになった。
▼おごりの芽
 全盛期は50~60年代。新車販売の国内シェアがしばしば50%を超え、世界最大の製造業として君臨。モータリゼーションと巨大企業がぼっ興した20世紀の象徴として輝いた。
 「我が国にとって良いことはGMにも良いこと。逆も真なり」。53年にGM社長からアイゼンハワー政権の国防長官に転じたチャールズ・ウィルソンは議会でこう言い放ったことすらある。「GM=米国」だった。
 しかし、栄華におごりはつきものだ。鳴り物入りで発売した新型乗用車で横転事故が頻発すると、対応が後手に回り続け、消費者運動家らの標的にされた。65年には社会運動家のラルフ・ネーダーが著書でGM車の安全性を批判。「GM車」と「巨大企業GM」への信頼は薄れていった。
▼大型車頼み
 70年代には2度の石油ショックが襲う。「環境の時代」のにおいをかぎ取っても、利幅の大きな大型車頼みをやめられなかった。かつて先進企業として導入した年金や退職者向け医療給付の負担が膨大な「レガシーコスト」として積み上がり、経営を圧迫した。
 80年代から始まる大量人員削減は記録映画「ロジャー&ミー」の題材となり、GMはリストラ企業の代名詞と化した。
 90年代に他社に先駆けて商用化した電気自動車「EV1」は採算が合わないとみるとさっさと打ち切った。ハイブリッド車や小型車では後手に回りっぱなし。いすゞ自動車やスズキなどとも提携していたが、2005年から巨額赤字が続くと、保有株を次々と売った。
 昨年末には資金ショート寸前に陥り、米政府の融資で延命した。トヨタに「世界一の自動車会社」の座を譲っても誰も驚かなかった。業界のリーダーの面影はもはや消え去っていた。甘い経営のツケを払いきれなくなり、出直しを迫られた。

:2009:06/02/16:29  ++  自己変革怠った巨大企業GMの破綻(社説)

米ゼネラル・モーターズ(GM)が連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)を1日に申請し、裁判所の監督下で再建に乗り出す。米カナダ両政府はGMショックを最小限に抑えるため、4兆円近い追加支援を実施する。米経済やひいては世界経済にとってリスク要因だったGM問題はひとまず決着するが、再建が順調に進むかどうか予断を許さない。
 1908年創業のGMは、単なる一企業の域をこえて、「米国のシンボル」ともいえる存在だ。同業のフォード・モーターと並んでモータリゼーション(自動車の本格普及)を推し進めただけではない。
石油ショックが転機
 経営面でも次々に新機軸を打ち出し、「近代経営のお手本」とされた。GMの中興の祖であるアルフレッド・スローン氏は早くも1920年代に「事業部制」を導入し、巨大企業を効率的に運営するモデルを示した。企業年金や株式連動報酬などGMがいち早く整備し、他の企業に広がった経営の仕組みも多い。
 だが、どんな優良企業も自己変革を怠れば、没落する。GMなど米国車の弱みがあらわになったのは1970年代の2度の石油ショックだ。燃費のいい小型車の人気が高まったが、「小さいクルマは利益も小さい」として小型車を軽視してきた米国車メーカーは対応が遅れた。
 これを機に、世界の自動車産業は攻守ところを変えた。日欧メーカーにとって、圧倒的な規模を誇るGMなど米ビッグスリー(大手自動車3社)は長らく脅威だったが、石油危機以降は一転して日本車などが米市場でシェアを伸ばした。80年代、90年代には日米間で貿易摩擦も発生したが、政治の介入によっても、大きな流れは変わらなかった。
 GMの破産法申請は、歴史的にみれば、70年代に始まったデトロイトの競争力喪失の終着点ともいえる。もともと高コスト体質や小型車シフトの遅れなど内なる構造問題を抱えていたところに、金融危機という外的ショックが追い打ちをかけた。すでに破産法を申請済みのクライスラーに続き、ビッグスリーのうち2社までが「法的整理」を選択した。
 こうなった理由の一つは「強すぎる労組」だろう。全米自動車労組はグローバル競争の現実を直視せず、譲歩を拒み、退職者向け年金負担などレガシーコスト(負の遺産)は膨らんだ。新車1台当たりの同コストは1000ドルを超えるとされ、これが米国車の価格競争力を縛った。
 労使一体でコスト削減する日本的慣行があれば、事態はここまで悪化しなかったに違いない。
 だが、労組だけの責任ではない。小型車や環境技術の重要性はたびたび指摘されたが、米メーカーがどこまで本気だったか議論の余地がある。例えばGMのワゴナー前会長は2003年に「4年後にハイブリッド車を100万台売る」と宣言したが、現実の新車開発は大幅に遅れ、構想は絵に描いたモチに終わった。
 この間トヨタ自動車やホンダが技術に磨きをかけたのに対し、GMは真剣さに欠けたのではないか。ビジョンが壮大でも、実際のクルマが出てこなければ、消費者がそっぽを向くのは当然だ。地道な技術開発よりも、派手なM&A(合併・買収)戦略を優先してきたフシもある。
 米政府などが示したGM再建計画によると、新生GMは政府の支援を受けつつ、負債や過剰設備を整理し、縮小均衡をめざすという。独オペルなど経営不振に陥った海外子会社も切り離し、いわば「スモールGM」として再出発する。
「売れるクルマ」がカギ
 だが、リストラだけでどこまで競争力を取り戻せるかは不透明だ。コスト構造は以前に比べて身軽になるだろうが、自動車会社の復活は「売れるクルマ」があってこそ可能になる。時代に対応した魅力的な新車の開発が、再建には欠かせない。
 新生GMの首脳人事にも注目したい。従来の企業文化を打破し、「GMは変わった」と社内外に示すためにも、実績ある経営者をスカウトするのも一案ではないか。
 一方、米政府は部品メーカーの支援制度などを活用し、GMショックの余波を最小限に抑えてほしい。GMの法的整理で、日系を含む部品メーカーの資金繰りや生産計画に混乱をきたせば、フォードや日本車メーカーにも波及し、自動車産業全体が混乱する。社債など金融市場への影響も注視する必要がある。
 逆にGMショックをうまく乗り切れば、米経済の当面の懸案が一つ片づいたことになり、マクロ経済にも好影響があるだろう。
 新生GMは米政府が60%の株式を持つ国有会社になるが、GMの特別扱いは許されない。「危機対応」を保護主義の口実にしてはならない。一日も早くGMが再建に成功し、政府が株を手放すのが、望ましい姿である。

:2009:06/02/16:24  ++  GM国有と世界(上)100年企業倒した「大転換」。

創業から100年と257日が過ぎた6月1日。米ゼネラル・モーターズ(GM)は自力再建を断念し、将来を政府と連邦破産裁判所の手に委ねた。かつて「GMに良いことは米国にも良いこと」と自称した巨大企業の落日は20世紀の製造業をけん引した米国型モデルの幕引きを意味する。「規模の経済」を追求したGMの解体は自動車産業の構造変化の象徴でもある。
規模拡大で君臨
 「本当はGM再建に全く関与したくない」。オバマ大統領は5月30日、米テレビのインタビューで胸の内を語った。だが実際にはGMに総額500億ドルもの公的資金をつぎ込み、60%のGM株を取得する。「(放置すれば)GMは清算され、経済全体にひどい影響が出る」。「実質一時国有化」は、不況脱却の時期を探る米経済への影響を最小限に抑えるための窮余の策ともいえる。
 企業買収による規模拡大、先進的な退職者向け年金・医療保険システム――。GMは20世紀型の企業経営のお手本とされた。だがこれらの経営モデルは右肩上がりの成長が前提。「仮にGMが重い年金負担を1932年(の大恐慌時代)に抱えていたら、破綻していただろう」。1950年、40歳だった経営学者ピーター・ドラッカーは既に論文で警告していた。
 GM創業の地、ミシガン州フリント。相次ぐ工場閉鎖で約5000人の現役従業員に対し、年金生活者は約6万人にのぼる。全米では9万人弱の現役に対し、OBと家族は数十万人にのぼる。退職者向けの年金や医療費など「レガシーコスト(負の遺産)」は年1兆円規模に膨らんだ。
 GMの世界販売台数のピークは1978年。日本車の攻勢を受け、衰退は80年代から始まっていた。ガソリン高が進むなかでの小型車シフトが課題だったが、利幅が大きい大型車の投入や金融事業に頼り変化の芽を自ら摘んだ。「競争力を取り戻す機会はいくらでもあったがGMは動かなかった」。米インディアナ大ケリー・ビジネス校のガルシア准教授は語る。
 自動車産業の競争の軸も大転換した。カギは規模でなく新エネルギー車などの技術力。米クライスラーとの「世紀の合併」を解消した独ダイムラーは、シリコンバレーの電気自動車ベンチャー、テスラ・モーターズに出資。GMは90年代に電気自動車の商用化で先行したが、採算が合わないといったん打ち切った。
改革拒んだツケ
 同じ米老舗製造業でもIBMはサービス化、ゼネラル・エレクトリック(GE)は事業の入れ替えなどで変容を遂げた。変化を拒み、耐用年数を過ぎた制度を維持したGMの経営破綻は、時間の問題だったといえる。「(政府やGM首脳は)これ以上、責任回避を続けるわけにはいかない」。オバマ大統領はGMの「課題先送り」を許さなかった。
 日本ではどうか。日立製作所は前期に国内製造業で過去最大となる約7873億円の連結最終赤字を計上。トヨタ自動車も今年1~3月期でGMを上回る最終赤字を計上した。いずれも変化に対応が遅れたのが主因。GMの危機は日本企業にも人ごとではない。
 かつてフリントの「シボレー」工場の組み立てラインで働く1人の男がいた。その息子はミシガン州で大学教授となり、孫は98年、グーグルを共同創業した。ラリー・ペイジ氏だ。GMが豊かな中流階級を生み、米国の新たな原動力の担い手を育てたのは確か。だが当のGMは次世代にどんな役割を担うのか。創業から100年余りで迎えた第2の創業の課題だ。

:2009:06/02/08:41  ++  クアルコムとフリースケール、ネットブックに対抗する「スマートブック」を提唱

UPDATE カリフォルニア州カールズバッド発--QualcommとFreescale Semiconductorは、両社がIntelベースのネットブックよりも低価格かつ軽量で、接続性にも優れているとするデバイスのカテゴリを提唱しようとしているようだ。

 ネットブックとの違いを明確にするため、両社はこのカテゴリを「スマートブック」と呼んでいる。

 「私たちは、『スマートブック』という呼び名を用いている。ほかの人にも、是非この名称を使ってほしい」とFreescaleのグローバル・コンシューマー・セグメント・マーケティング担当ディレクターであるGlen Burchers氏は米国時間5月28日、電話インタビューで述べた。「ARMベースのデバイスを使っているメーカーは、この名称の使用に協力してくれている」(Burchers氏)

 QualcommのCDMAテクノロジ部門でマーケティング担当バイスプレジデントを務めるLuis Pineda氏は、28日のテレビ会議で、「スマートブックとは、より大きなフォームファクタでのスマートフォン体験のことだ」と述べた。

 それでは、DellやHewlett-Packard(HP)などが販売するネットブックと比較して、スマートブックはどこが異なるのだろうか?ネットブックには、Intelの「Atom」プロセッサが搭載されており、多くの場合、OSにはMicrosoftの「Windows XP」が採用されている。スマートブックは、ARMの設計をベースにしたプロセッサとLinux OSを使用する。さらに、多くのスマートフォンと同様に、3G接続にも標準で対応する。

 ARMのチップは、Atomプロセッサよりも電力効率に優れており、ARMベースのデバイスは、OSに全くといっていいほど費用がかからない。「(スマートブック)と既存のネットブックの主な相違点は、スマートブックの方がバッテリ持続時間(8時間)に優れているうえに、フォームファクタが小さく、価格も安いことだ」(Burchers氏)

 Burchers氏によれば、スマートブックには、ほかにも「インスタントオン」や「持続的な接続性」などの顕著な特徴があるという。Burchers氏は、「私たちの狙いは、スマートブックを電子メールやメッセージを自動的に取りに行けるだけのインテリジェンスを備えたデバイスにすることだ。これは、まさに人々がスマートフォンに期待することだ」と述べ、スマートブックの動作はいくつかの点でネットブックよりもスマートフォンに近い、ということを強調した。

タブレットタイプのプロトタイプ 「Snapdragon」を搭載したプロトタイプの1つ。タブレットタイプになっている。QualcommとFreescaleは、スマートフォンは複数の構想を包含していると述べている。標準である3G接続が鍵となっている。
提供:Qualcomm

 

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

 

 Qualcommは、スマートブックの試作品やコンセプトデバイスを掲載した専用ウェブサイトを設置しており、3GモバイルブロードバンドやBluetooth、Wi-Fi、GPS、HD動画などの標準機能をリストアップしている。同社は、Wall Street Journalの「D7: All Things Digital」カンファレンスにおいてディナーパーティーを主催し、企業の幹部陣はそこでスマートブック戦略について話し合った。

 Qualcommのスマートブックには、同社の「Snapdragon」プロセッサが搭載される。一方で、Freescaleのチップは、「i.MX51」という覚えにくい名称を使用している。両社とも、基本的なチップ設計については、英国に拠点を置くARMからライセンス許可を受けている。Qualcommの場合は、同社が基本的なチップ設計に大幅な変更を加えることを認める、ARMアーキテクチャライセンスを取得している。

 最初のスマートブックデバイス群は、いわゆるODM(相手先ブランド設計製造業者)から登場する予定だ。ODMは通常、自社ブランドで製品を販売する代わりに、大手のPCメーカーにデバイスを提供し、提供先のブランドでそれを販売してもらう。Burchers氏によると、ともにODMであるWistronとPegatronが、「Computex」カンファレンスにおいて、Freescaleベースの10インチクラムシェル型デバイスを披露するという。Computexは今週、台北で開幕する。

 「これらは製造段階に近づいた最初のデバイス群だ。わたしたちは、2009年のクリスマス時期までには、これらのデバイスがOEM(相手先ブランド製造業者)のもとに届くと考えている。私たちは、間違いなく199ドルという小売価格を実現できるはずだ」(Burchers氏)

 スマートブックという名称からは距離を置いているNvidiaも、ARMをベースにした「Tegra」プロセッサ搭載デバイスを、Computexで発表する予定だ。Nvidiaは、電気通信事業者が加入プランと合わせて提供できる99ドルの「HDモバイルインターネットデバイス」を声高に宣伝している。加入プランといっしょに販売する手法は、QualcommおよびFreescaleのチップをベースにしたデバイスも採用するものと思われる。

 これとは対照的に、ネットブックの価格は通常、300~500ドルだ。

 ARMベースのデバイスメーカーが一様に直面している問題の1つに、「Windows」OSが利用できないことが挙げられる。これは、「XP」、そして将来的には「Windows 7」ベースのネットブックでは起きない問題だ。Freescaleを初めとする企業は、影響力のあるWindowsブランドへの対抗策として、搭載デバイスが2010年市販される予定のGoogleの「Android OS」に期待を寄せている。

:2009:05/28/10:00  ++  クラウド、市場創出の起爆剤に、人気のネットブック、心臓部を担う。

【シリコンバレー=村山恵一】米国ではクラウドコンピューティングが新たなIT(情報技術)市場の創出や企業再編の起爆剤になっている。
 「ネットブック市場は人気ゲーム機や携帯電話をしのぐ成長をしている」。インテルのポール・オッテリーニ最高経営責任者は二十日、本社での株主総会で述べた。
 ネットブックは小型・低価格のノートパソコン。クラウドでは各種ソフトがネット経由で使え、端末自体は高機能である必要がないため需要が急増中だ。インテルはネットブックに適した省電力MPU(超小型演算処理装置)「アトム」の販売に注力し、三月には台湾積体電路製造(TSMC)と生産提携した。
 アップルの携帯電話「iPhone」の快走を支えるのはクラウド型の応用ソフト販売サービス「アップ・ストア」だ。サービス開始から九カ月でダウンロードは十億件に達した。個人の開発者でも自作ソフトを世界に販売できる新たな基盤に育った。ネット小売り最大手アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「キンドル」も小説や雑誌、新聞が無線で届く手軽さが受けている。
 端末がスリム化する一方、コンピューターを一元管理し端末にソフトを送り出す心臓の役目を果たす「データセンター」の重要性は増す。クラウド時代のインフラとなるデータセンターの構築ビジネスは拡大が見込まれるが、市場で主導権を握るには電力管理や安全確保など高度な技術力が不可欠。そのための再編も加速してきた。
 ネットワーク機器最大手のシスコシステムズは三月にデータセンターの核となる高性能コンピューター「サーバー」市場に新規参入した。

:2009:05/28/09:58  ++  クラウド、市場創出の起爆剤に、人気のネットブック、心臓部を担う。

【シリコンバレー=村山恵一】米国ではクラウドコンピューティングが新たなIT(情報技術)市場の創出や企業再編の起爆剤になっている。
 「ネットブック市場は人気ゲーム機や携帯電話をしのぐ成長をしている」。インテルのポール・オッテリーニ最高経営責任者は二十日、本社での株主総会で述べた。
 ネットブックは小型・低価格のノートパソコン。クラウドでは各種ソフトがネット経由で使え、端末自体は高機能である必要がないため需要が急増中だ。インテルはネットブックに適した省電力MPU(超小型演算処理装置)「アトム」の販売に注力し、三月には台湾積体電路製造(TSMC)と生産提携した。
 アップルの携帯電話「iPhone」の快走を支えるのはクラウド型の応用ソフト販売サービス「アップ・ストア」だ。サービス開始から九カ月でダウンロードは十億件に達した。個人の開発者でも自作ソフトを世界に販売できる新たな基盤に育った。ネット小売り最大手アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「キンドル」も小説や雑誌、新聞が無線で届く手軽さが受けている。
 端末がスリム化する一方、コンピューターを一元管理し端末にソフトを送り出す心臓の役目を果たす「データセンター」の重要性は増す。クラウド時代のインフラとなるデータセンターの構築ビジネスは拡大が見込まれるが、市場で主導権を握るには電力管理や安全確保など高度な技術力が不可欠。そのための再編も加速してきた。
 ネットワーク機器最大手のシスコシステムズは三月にデータセンターの核となる高性能コンピューター「サーバー」市場に新規参入した。

:2009:05/28/09:32  ++  ネット介しソフト・サービス利用、「クラウド」研究、NTT本格化。

NTTはインターネットを使って業務効率を大幅に高める手法である「クラウドコンピューティング」の研究開発に今後三年間で約四百五十億円を投じる。クラウドは外部の高性能コンピューターをネット経由で利用することでコスト削減を可能にするが、企業や官公庁の間には情報の漏洩(ろうえい)を不安視する声が根強い。NTTは信頼性を高める基盤技術を開発してクラウドの普及を後押しする。
 クラウドは米グーグルなど海外のネット大手が旗振り役となり、個人を中心に利用が広がっている。手元に高機能パソコンが無くてもネット経由で電子メールやワープロ、表計算などのソフトを使ったり、大容量データを保存したりできるサービスが始まっている。
 日本でも企業の業績が悪化するなか、業務システム構築や運用のコストを削減できるクラウドの活用を探る動きが広がる見通し。NTTは(1)情報セキュリティー(2)サービス品質(3)災害対策――といった課題が法人市場でのクラウド普及の障害になっていると判断。これら三つの分野に研究開発費や人員を重点的に振り向け、三年後をめどに課題解決を目指す。
 クラウドの信頼性のカギを握る情報セキュリティー分野では、NTTが持つ暗号化技術や個人認証機能を使ってネット上に保存した情報を外部に漏らさないデータ運用の仕組みを開発する。サービス品質分野では需要に応じてコンピューターの処理能力を柔軟に割り当てる制御技術などを実用化、企業の繁忙期に業務効率が低下するといった事態を回避する。
 さらに、高速通信網を介して数千カ所のデータセンターを一体的に運用する技術も確立する考えだ。大規模災害などで特定の拠点に処理データが集中した場合に、ほかの拠点で即座に代替できる仕組みにする。
 NTTは今回の研究開発をグループ内のクラウド型サービスで利用し、電子政府の実現や法人市場の開拓を技術面でリードしたい考えだ。クラウドでは利用者と外部のデータセンターとの間で大量の情報のやりとりが必要になるため、光ファイバー通信回線などの需要拡大にもつながると期待している。
 NTTの単体ベースの研究開発費は年千五百億円前後で推移しており、二〇〇八年度はクラウド関連で二十億―三十億円を投じたもよう。〇九―一一年度の三年間は予算額を年百五十億円前後に引き上げる。約三千人の研究員のうち二百人近くをクラウド関連の研究開発に従事させる。
 矢野経済研究所の推計では、クラウドを使って企業向けにソフトを提供するサービスの市場規模は〇八年で二百十三億円。一六年には八倍強の千七百七十億円に膨らむと予測している。
 ▼クラウドコンピューティング インターネット経由でソフトウエアやサービスを利用する仕組み。インターネットを図示する際に雲(クラウド)の絵で表現することから生まれた用語だ。複雑な情報処理はデータセンターなどに設置したサーバー側で行うため、一般の利用者はネットに接続していれば端末の性能をあまり気にせずに様々なソフトやサービスを使える。
 個人情報のデータベースなど大規模な業務システムを運用する企業や官公庁でも、クラウドの技術を使えば高性能のコンピューターや大容量の記憶装置を自前で所有する必要がなくなる。複数の企業や官公庁の共同利用で運用コストの大幅な低減も期待できる。
 例えば甲府市は三月、クラウド技術を使った定額給付金の支給管理システムを稼働させた。システム開発に要した期間は約二週間で、同市は「コストは従来手法の半分以下に抑えられた」と説明している。

:2009:05/28/09:25  ++  米朝、互いに強硬姿勢、安保理議論にらみ応酬―北朝鮮「戦時」を宣言。

二度目の核実験を強行した北朝鮮に対し国連安全保障理事会が制裁を含む非難決議採択を検討する中、北朝鮮と米国が互いに強硬姿勢を強めている。北朝鮮が米主導の「大量破壊兵器の拡散防止構想(PSI)」に反発して「戦時対応」を宣言する一方、米国では金融制裁強化論が浮上。オバマ米大統領は「挑発には行動で応える」としている。安保理の議論をにらみ米朝二国間の応酬もさらに激化しそうだ。
 【ソウル=山口真典】北朝鮮は二十七日、PSIに全面参加を表明した韓国政府に「戦時に相応する行動措置で対応する」と強硬姿勢を打ち出した。核実験後も短距離ミサイルを連日発射するなど国際社会への揺さぶりをやめず、使用済み核燃料棒の再処理を再び本格化したことも判明。朝鮮半島の緊張を最大限に高め、安保理の議論が米国主導で制裁強化の方向に進むことを強くけん制する狙いだ。
 北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会は、PSIに基づく北朝鮮船舶への取り締まりが始まる事態を強く警戒し「我々の船舶の臨検などは重大な挑発と受け止め、無慈悲に報復する」と言明した。朝鮮人民軍板門店代表部も二十七日、PSI参加を「宣戦布告と受けとめる」「米韓が朝鮮半島を戦争状態に陥れた」などと非難。朝鮮中央通信の報道を朝鮮通信(東京)が伝えた。
 朝鮮戦争は一九五三年以降、休戦状態にあるが、北朝鮮は「法的に直ちに戦争状態に戻る」と言及。休戦協定が「国連軍の支配下に置く」という表現で韓国の領土と確認した白〓島(ペクリョンド)など黄海上の五つの島について「必要ならば一瞬で占領する」とも言い切った。
 韓国統一研究院の朴〓重(パク・ヒョンジュン)研究員は「武力挑発するつもりならば効果的な奇襲攻撃を選ぶはずだ」と指摘。韓国がPSI参加で緊張を高めたことに応じた揺さぶりに出ていると分析する。
 北朝鮮は安保理の議論をけん制するとともに、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の死去で進歩勢力と保守勢力の対立がくすぶる韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権を圧迫する思惑とみられる。李大統領は二十七日、必要な措置は断固としてとる半面、過敏な反応は避けるよう指示した。
 一方、北朝鮮は船舶検査の強化も視野に入れる安保理の制裁協議を意識し、二十五日から二日間で計五発の短距離ミサイルを日本海へ連発。使用済み核燃料棒の再処理も本格化したとみられ、六カ国協議で合意した核放棄プロセスも実質的に白紙に戻している。
 ▼大量破壊兵器の拡散防止構想(PSI) 核兵器や生物兵器などの大量破壊兵器や関連物質の船舶などによる輸送や移転を阻止するための複数の国による共同取り組み。参加国は国際法や各国の国内法に基づき、軍隊や治安機関を動員して共同で活動にあたる。二〇〇三年に米政府がPSIの創設を提唱した。

:2009:05/28/09:18  ++  党首討論を毎週開き衆院選の争点競え(社説)

麻生太郎首相と民主党の鳩山由紀夫代表による初の党首討論が開催された。小沢一郎前代表の時には民主党側が拒んでいたので、今国会で初めての党首討論となった。
 秋までには必ず衆院選が実施されるため、互いに選挙を意識して、言いっ放しのまま終わったという印象が強い。消化不良の中身である。今後は毎週、党首討論を開催して、衆院選の争点を明確にするよう首相と鳩山氏に求めたい。
 鳩山氏は持論の友愛社会の建設を訴えるとともに、天下りの実態などを紹介しながら「麻生政権は官僚主導」という批判に力点を置いた。首相は鳩山氏の政策の具体像がわからないと切り返し、官僚主導との批判には「公務員が誇りをもって国家に尽くせるようにするのが基本だ」などと反論した。
 一方、首相は西松建設の巨額献金事件で小沢氏の公設秘書が逮捕、起訴された事件を取り上げた。首相は「鳩山代表は十分な説明責任を果たされたのか。(小沢氏が)代表代行になったのが責任の取り方なのか」と述べ、小沢氏の進退問題を巡る民主党の対応を厳しく批判した。
 鳩山氏は党の第三者委員会が小沢氏からヒアリングしたことを明らかにし「やがて報告書が出るからよく読んでもらいたい」と語った。
 小沢氏と同じように西松建設のダミーの政治団体から資金提供を受けている自民党議員に捜査が及んでいないことを指摘し「これが検察官僚のやることなのか。我々は官僚国家に歯止めをかけねばならない」と、検察を批判する場面もあった。
 鳩山氏は三年後に企業・団体献金を全面的に禁止する考えを示し、法改正への協力を求めたが、首相は「秘書の違反を契機に、制度が悪いというのは、論理のすり替えだと思う」と応酬した。
 最後に鳩山氏は参院で審議中の二〇〇九年度補正予算案を話題にし、「国営マンガ喫茶」と揶揄(やゆ)した「メディア芸術総合センター」に百十七億円の費用が盛り込まれたことなどを追及した。ただ時間が少なかったこともあり、緊急経済対策の議論は深まらなかった。
 党首討論を実りある中身にするためには、回数を増やすだけではなく、例えば安全保障や社会保障などに各回のテーマを絞るなどの運営の工夫が必要だろう。
 互いに言いたいことだけを主張するのでは、討論が成り立たない。有権者が聞きたいのは、未曽有の経済・金融危機のなかで国の将来像をどう描くかという骨太の討論だ。

:2009:05/28/09:13  ++  新日鉄、減産緩和へ、7月にも、自動車の在庫調整進む。

新日本製鉄は七月にも製鉄所の稼働率を現在の平均五割から同六―七割に引き上げる。自動車大手などからの受注に回復の兆しが出てきたため、約十カ月ぶりに減産を緩和する。素材業界では化学メーカーが先行して減産緩和に動いている。鉄鋼にも底入れ感が見えてきたことで、素材景気が転換期を迎える可能性がある。
 新日鉄は今年に入り、大分製鉄所(大分県)と君津製鉄所(千葉県)で高炉を一基ずつ休止している。その他の計七基の高炉は、稼働率を安定操業が可能なギリギリの水準といわれる六―七割前後へ落としている。
 七月以降は自動車向け需要が多い名古屋製鉄所(愛知県)や八幡製鉄所(福岡県)などで、稼働率を七―八割に高める見込み。これにより休止中の高炉を含めた平均稼働率は現在の五割から上昇する。一方、休止中の二基は、稼働中の高炉でフル生産できる見通しが立った段階で再稼働する可能性が高い。主要顧客の自動車の在庫調整は今夏に完了する見込み。トヨタ自動車などは減産緩和に動いており、鉄鋼大手への鋼材発注を一時より増やす傾向にある。
 産業界では自動車のほか電機でも在庫調整が進んでいる。素材では、石油化学製品の基礎原料であるエチレンのプラント平均稼働率が四月、五カ月ぶりに八〇%を超えた。一方、鉄鋼は中国内で約三割の過剰能力があるとされ、輸出環境は好転していなかった。
 鉄鋼業界ではJFEスチールも高炉二基を休止中。神戸製鋼所は休止せず減産を続けている。ただ「生産が昨年夏以前の水準へ戻るには三―五年はかかる」(高炉大手首脳)との指摘もある。国内の粗鋼生産は二〇〇八年度の約一億五百五十万トンから〇九年度は九千万トン前後へ落ちるとの試算もあり、厳しい収益環境は当面続くとみられる。

:2009:05/28/09:08  ++  GM、債務削減に失敗、週内に対応協議、法的整理濃厚に。

【ニューヨーク=小高航】米ゼネラル・モーターズ(GM)は二十七日、経営再建策の柱である債務削減計画で目標を大幅に下回る債権者の同意しか得られなかったと発表した。週内に取締役会を開いて今後の対応を協議するとしているが、法的整理による経営再建を目指して連邦破産法一一条(日本の民事再生法に相当)を申請する可能性が強まっている。(関連記事3、7面に)
 GMは約二百七十億ドル(約二兆六千億円)の無担保債務の大幅な削減を計画。債権者に見返りとして再建後のGM株の一〇%を割り振る株式化案について二十六日深夜を回答期限に同意を求めていた。金額ベースで九割以上の同意が必要だったが「応募は目標を大幅に下回った」という。削減案は失効したとしており、期間延長などには言及していない。
 GMの広報担当者は二十七日、日本経済新聞に対し、「今週後半に取締役会を開いて、今後の対応を協議する」と述べた。GMはかねて六月一日までに債務削減で合意できなければ破産法を申請すると言明していた。
 債務削減交渉不調の発表を受け、二十七日午前のニューヨーク株式市場ではGM株が下落。正午(日本時間二十八日午前一時)現在、前日比一九セント(一三・二%)安の一ドル二五セント。
 米メディアによれば再建後のGMでは米政府が約七割、全米自動車労組(UAW)が最大二〇%の株式を保有する見込み。米政府はGMに既に百九十四億ドル(約一兆八千億円)の金融支援をしている。米紙ニューヨーク・タイムズなどは破産法申請後の再建資金として政府が五百億ドルの追加支援を検討中と報じており、政府の関与や資金援助が大幅に膨らむ見通しだ。
 米政府は三月末、GMに追加支援の条件として労働組合から労務費削減などで譲歩を得ることと、大幅な債務削減の達成を要求。GMは先週、UAWとの間で医療保険債務の半分以上の削減などで基本合意していた。

:2009:05/28/08:56  ++  「Androidは革命」--グーグルの担当ディレクターが語る「オープン性」の意味

コンピューティングにおいて最も輝ける星、スマートフォンのかけらをつかもうと格闘している企業すべての中で、その戦利品を手に入れることに最も興味を持っていないのはGoogleのようだ。

 GoogleのモバイルOS「Android」は、少なくとも直接的な意味では、同社に売り上げをもたらしておらず、おそらく今後も売り上げをもたらすことは決してないだろう。しかし、Googleのモバイルプラットフォーム担当ディレクターのAndy Rubin氏は、インターネットを使用する人々を増やす目的でつくられたあらゆるデバイスから、Googleと世界は利益を得るだろうと考えている。そして、なぜAndroidのために選ばれたオープンソースのアプローチが、その目標を達成する見込みが最も高いのかを説明するのをためらわない。

 Androidは2007年に登場した。それは、電話におけるインターネットエクスペリエンスを向上させることを目的に設計された、もう1つのコンピュータ「iPhone」が発売された数カ月後のことだった。iPhoneはおそらくこれまでで最も大きな注目を集めたガジェットだろう。AndroidはiPhoneよりもゆっくりと話題になってきた。しかしそれも、新たな電話の登場で変わり始めるかもしれない。これらの新しい電話は、2008年10月に発売された世界初のAndroidフォン「T-Mobile G1」よりも少し見栄えが良い。

 今週開催の「Google I/O Developer Conference」において、Rubin氏は今後のAndroidフォンとこのソフトウェアの目標について話す予定だ。これに先駆けて、同氏は米CNET Newsに対し、Googleのこれまでの進行状況およびAndroidを独自の存在にしているものについて、考えを語ってくれた。

--オープン性を維持するという目標と、キャリアに各社独自のエクスペリエンスを提供する必要性、またその一部として生じる可能性のある互換性の問題について、どのように折り合いをつけていますか。

Rubin氏:以前から、携帯電話メーカーがシステムインテグレーターとしての責任を負ってきました。ソフトウェアは実際には複数の関係者によって開発され、全体的なユーザーエクスペリエンスについて真剣に考える人がいなかったため、ユーザーが手にするのは、機能性とユーザビリティの「最小公分母」のようなものです。

 重要なのは、これらの製品がどのように動作すると人々が期待しているか、コンシューマーがどれぐらいでこうした製品を使いこなせるようになるかといったことです。どの企業もこれについて考えていませんでした。

 またこのオープンプラットフォームの大きな長所は、これが完全なものであり、基本的に電話を開発するために必要なものがすべてそろっているということです。物事が断片的になってしまうことがあるのは、プラットフォームが不完全で、人々がその断片を埋める必要があるからです。そして断片を埋めるときに、必然的に互換性がなくなります。

 全く異なるルックアンドフィールを持つ全く異なるユーザーインターフェースが互換性を保つことは可能です。今後そのことが証明されるでしょう。

 いくつか発表するものがあり、われわれは中国で多くの関心を集めています。中国での利用方法は米国と少し異なります。一般的に、中国ではアジア言語入力のため、ペンベースのインターフェースの方が静電式タッチベースのインターフェースよりも好まれています。それは、スタイラスで複雑な文字を書くことができると期待されているからです。このように利用方法は完全に変わりますが、互換性は維持しています。

--Googleに買収された後、Androidの目標はどのように変わりましたか

Rubin氏:目標はほとんど変わっていませんが、ビジネスモデルは明らかに変わりました。Googleのビジネスモデルは広告に深く依存しており、このためGoogleにとって広告が完全にビジネスの基準になっています。われわれはただ、より多くの人々に到達したいと望んでいるだけで、願わくはGoogleを利用してもらって、広告売り上げが増えればと思っています。

 ところで、われわれは、自社の広告ビジネス、そして、人々が情報を見つけるのを手伝う能力に大きな自信を持っているので、人々にGoogleを利用することを求めずにすむと思います。誰かがAndroidを使って「Yahooフォン」を開発するとしたら、素晴らしいことです。

--「Googleフォン」と言われているような、電話機自体を開発することを考えたことがありますか。

Rubin氏:そうですね、携帯電話をつくるとしたら楽しいことですが、わたしはどちらかというと、1つの製品に集中するよりも、複数の企業の携帯電話で動作可能なプラットフォームをつくりたいと思います。

 1つの製品ではいずれ限界がやってきます。製品が2つだったとしても限界はきます。しかし100の製品なら、新たな段階に到達するでしょう。人々はそのようなスケールで情報にアクセスすることを望んでいるとGoogleは考えています。

 ビジネスモデルに話を戻すと、Googleは広告に関して素晴らしいビジネスモデルを持っています。そしてオープンソースとこの広告ビジネスモデルの間には自然なつながりがあります。オープンソースは基本的に流通戦略であり、それを採用するための障壁は一切ありません。

 Androidが新興企業だったときのビジネスは「かみそりとかみそりの刃」でしかありませんでした。「かみそり」はオープンソースOSで、これは無料です。「かみそりの刃」は、Androidの元々のビジネスモデルでは基本的にオープンソースOSを利用したシステムのプロビジョニングで、ワイヤレスキャリアに販売していました。このビジネスモデルは実証されていないと言ってよいでしょう。確かにベンチャー資金を調達しようとしたときにも、実証されていないビジネスモデルだと言われました。

 わたしは挑戦してみる気がありましたが、そのときLarry、Sergey、Ericがやってきてこう言いました。「GoogleのコアビジネスとGoogleのビジネスモデルはこれにもっと合っている。それにGoogleの中でやった方がかなり楽になるだろう」。今考えると、その通りだと思います。

--これは市場シェア争いですか。モバイル業界を征服したいというような考えを持っていますか。

Rubin氏:われわれはこれをまず規模の観点から見ています。ここでの使命は世界の情報を体系化し、どこからでもアクセス可能で関連性のあるものにすることです。そこでアクセス可能ということに関して、どういうわけか欲しい情報へのアクセスが阻まれている状況を想像してみてください。ホテルに泊まり、部屋でインターネットを利用するために19.95ドルを払ったのに、ホテルのファイアウォールのせいで自分の「Exchange Server」にアクセスできないとしたら、頭に来るでしょう。

 わたしは、そしてGoogleも、どうしてGoogleのサービスにアクセスしたいコンシューマーがこれをできないような形に状況が変わってしまったのか、という点から物事を見ています。

 コンシューマーがブロックされずに情報にアクセスできるようにするというこの正当な目標は、われわれの競争相手を助けることにもなります。われわれがやりたくないのは、独占することで他者に不利益を与えることです。つまり、Googleにしかアクセスできないようなほかから切り離された構造は、どんなものであれつくりたくないと考えています。そしてこれがオープン性の定義です。単なるオープンソースではなく、本当に求めている情報を得られる自由のことを言うのです。

--AppleやPalmが行っているデバイス全体のコントロールよりも、このアプローチの方が優れている理由は何ですか。

Rubin氏:デバイス全体をコントロールすることは素晴らしいことです。(しかし)われわれは40億台の携帯電話機の話をしています。デバイス全体をコントロールする場合、それが単一のベンダーのものであれば、イノベーションを迅速に行う能力はかなり限定されます。

 イノベーションを一気に高めることはできます。法人向けに集中したり、特定のインターフェース技術に集中したりすることもできます。ですが、何もかもやることはできません。必ず何らかのニッチにいることになります。

 今話しているのは、ニッチから抜け出して、人々が期待するやり方でインターネットにアクセスできるようにするということです。インターネットの派生品をつくりたいのではなく、また単にインターネットの一部を手に入れたいとも思いません。簡易版のインターネットのようなものと一緒にどこか隅の方にいたくはないのです。インターネットの中にいたいのです。

--たとえ互換性やユーザーインターフェースの進歩を犠牲にしても、それを実現しますか。誰もが使える携帯電話にするには、ある程度犠牲にしなければならない点も出てくるのではないでしょうか。

Rubin氏:それはまだ分からないと思います。われわれはかなりうまくやってきていると思っています。もう一度言いますが、今話しているのは数年前には存在していなかった白紙状態のテクノロジについてです。だから実際、これは革命になるかもしれないと考えています。

 人々が「write once, run everywhere(一度プログラムを書けば、どこでも動作する)」と声高に宣伝していたことを覚えていますか。われわれは実際そこに到達したと考えています。ネットブックやカーナビゲーションシステムのようなものを探究する可能性について話し始めた場合、おそらく異なるタイプのプロセッサアーキテクチャを扱う必要があるでしょう。Intelもあれば、ARMもあり、セットトップボックスにはMIPSもあります。

 あらゆる種類のさまざまなプロセッサアーキテクチャがあり、過去の遺物にとらわれている人たちはたった1つのソリューションでこれらの市場に対処しようとして苦労しています。実際のところ、Androidはこれらすべての市場に対処できる可能性を持つ、たった1つのソリューションであると考えています。新しく、革命的なものです。Androidが競争を変えることでしょう。

--Androidが革命ならば、これまでもっと多くのAndroidフォンが出てこなかったのはなぜでしょうか。

Rubin氏:携帯電話を隅々まで開発するには約18カ月かかります。市場参入においてわれわれが求めたのは、信頼でき堅固で実用的だと認められるような、成功する模範製品を確実に手にすることでした。このためのパートナーとしてHTCを選びました。

 (2007年)11月7日にわれわれがオープンソース化したとき、こうした人々の多くがこれを手にしました。まだ製品開発期間の18カ月の途中であり、これから、さまざまな製品が次々に登場するでしょう。

--Android 1.0から1.5で、何を学びましたか。

Rubin氏:1.5は、これが1.0だったらと思う製品だということを学びました。その理由は、これがGoogleにとって異なるビジネスだからです。このビジネスは業界が自社の携帯電話のためのOSを構築する手助けをするものです。

 ウェブ上では非常に素早くリリースを繰り返すことができ、ベータ版で公開することも、バグを文字通り1時間ごとに修正することも可能です。携帯電話では、製造中のデバイスのROMに、一度に吹き込みます。そこでは、全部品がジャストインタイムで発注され、在庫やその他もろもろのリスクがあります。製品は文字通り製造ラインを流れてきており、ラインの終点に行き着くまでにソフトウェアが用意できていなければ、床に落ちて積み重ねられていきます。そうすれば結局、多くの人々、多くのお金が無駄になります。きちんとやらなければ、痛い目にあいます。

--この市場における勝者と敗者を決めるのは何でしょうか。電話に望むことは人それぞれです。どうやって、誰でも使える携帯電話を実現しようとしていますか。また、どうやって進行中の出来事に遅れずについていこうとしていますか。

Rubin氏:われわれは本当にユニークなものを実現しようとしています。ほかの誰もこれを提供していないと思います。われわれはオープン性に特別に焦点を絞っています。そしてオープン性は、人々が望む製品を手に入れる手段です。

--人々は(オープン性について)気にしているでしょうか。つまり、業界は気にしているかもしれませんし、「Open Handset Alliance」のパートナーも気にしているでしょう。でもコンシューマーはどうでしょうか。

Rubin氏:それは余計なおせっかいというものです。わたしは何かマーケティングキャンペーンを実施して、オープン性が意味するものをコンシューマーに啓発しているわけではありません。実際、街でオープン性について人々に尋ねたとしたら、10通りの定義が返ってくるでしょう。Symbianの人々は「わたしはオープンです」と言うでしょうし、LiMo Foundationの人々は「わたしはオープンです」と言うでしょう。

 おそらくオープン性のロイヤルフラッシュのようなものが存在するのでしょう。持ち札をテーブルに広げて、(指さしながら)「オープン、オープン、オープン、オープン、オープン」と言います。オープンを最も多く持っている人の勝ちです。

 われわれはこの状態にいると考えています。われわれにはオープンエコシステムがありますし、オープンソースプラットフォームもあります。正しいライセンスを選んでおり、バイラルマーケティングの側面もなく、無条件で100%無料です。Androidは完全なもので、電話を開発するのに必要なあらゆるものがそろっています。まだ結論は出ていませんが、そういったすべてのものを加えたとき、このすべての構成要素によって、本当に成功する製品をつくることができる可能性があります。

:2009:05/12/09:26  ++  小沢民主代表が辞任―小沢神話に決別を

過去二十年近くにわたり、日本の政治は善きにつけあしきにつけ「小沢か、反小沢か」の二者択一によって決まってきた。今回の民主党代表辞任で、小沢一郎氏の時代が本当に終わるのかどうかは分からない。が、もう潮時だ。民主党の次期代表は「小沢後」の理念、理想を世に示し、来るべき衆院選に臨む責任がある。
 三月初めに小沢氏の公設第一秘書が逮捕されて以降、政界の時間はいらだたしいほど緩やかに流れた。責任を問う民主党内の声も散発的なら、本来、小沢氏を追及する側の自民党も喜々として敵失を傍観した。
 秘書逮捕の理由が政治資金規正法違反というスローボールだったことも一因だろう。類似の疑いがもたれた他の議員に比べ、確かに金額はけた外れに大きく、何よりも献金システムそのものが「小沢事務所製」とみられた。
 ただ、贈収賄や談合あっせんといった政治家絡みの定番事案ではないこともあって、小沢氏本人にまで波及するのかどうか、与野党ともにかたずを飲んで見守っていたのが実情だ。
 民主党の党内事情もある。様々な理由で「自民党ではない」ことを選んだ議員の集団は、よくいえば多様性に富むが、一歩誤ればバラバラになりかねない。これをひとまず束ね、政権交代が視野に入る場所までもってきたのは、選挙にも政局にもすご腕をもつとする小沢神話にほかならない。
 実際、一九五五年体制時代の有力政治家が次々と世を去り、あるいは引退する中で、小沢氏ひとりがいまだにパワーゲームの中心にいる。自民党幹事長として衆院選を勝利に導いたころ、オバマ米大統領はまだ大学院の学生だった。
 小沢氏への反発に端を発して自民党は分裂し、政界は再編期に突入する。与党にいても野党にいても、誰もが小沢氏の動静に注目した。衆院の小選挙区制も、国連中心の集団的安全保障も、地方分権も、税制改革も、小沢氏の手法は政策提起型権力闘争のモデルだったといっていい。
 それでも、もう二十年である。この間、日本はバブル経済崩壊後の「失われた十年」を経験し、いままた世界同時不況の荒波に翻弄(ほんろう)されている。九〇年代初め、いち早く日本の構造改革を唱えたのは小沢氏だったが、すでに改革すべき社会・政治構造は疲弊しきってしまった。
 にもかかわらず、小沢氏に代わる政局の軸がなかなか表れないのは、政治がふがいないからだ。民主党の新代表が誰になっても、なかなか小沢氏の影響力を払拭(ふっしょく)できそうにない。それでは有権者も納得しないだろう。たとえ、小沢氏を否定する言動であっても、恐れず独自色を出さなければ、世間は信用しない。
 小沢氏が、なぜ代表辞任に追い込まれたのか、じっくりと考えてみる必要がある。与党が追い込んだわけではない。民主党自身が人心一新を実行したのでもない。世論の大半が小沢氏の続投に拒否反応を示したからである。
 小沢氏には世論は移ろいやすいものだと映るだけかもしれない。そうではあるまい。危機にあたっても遅々として進まない昔ながらの政治が、まるごと拒まれているのである。

:2009:05/07/18:07  ++  日立の赤字7880億円に拡大、税金資産取り崩しで

日立製作所<6501.T>は7日、2009年3月期の当期赤字(米国会計基準)が2月3日時点予想の7000億円から7880億円に拡大すると発表した。
 2010年3月も厳しい経営環境が続く見込みのため、将来の税金還付を見込んで計上していた繰り延べ税金資産の取り崩しが増えることが赤字拡大の理由。
 営業利益予想は従来の400億円から1270億円に上方修正した。高機能材料部門や電力・産業システムを中心に各部門で改善があった。ただ、連結納税グループに係る繰延税金資産全額を一括評価減することにより法人税等が1750億円増えるため、差し引き880億円当期赤字幅が拡大する。7880億円の当期赤字は日本の製造業としては過去最大となる。 
 <繰り延べ税金資産リスクは09年3月期まで> 
 繰り延べ税金資産の取り崩しは従来2500億円を予定していた。ただ、2010年3月期の見通しは「現状の足元の状況をみると厳しい数字になる」(三好崇司副社長)ため、10年3月期に十分な課税所得を得られない場合のリスクを考慮して、繰り延べ資産の取り崩しを09年3月期に1400億円追加計上することにした。
 09年3月期の繰り延べ税金資産取り崩し額は合計3900億円。ただ、日立本体と100%子会社が対象の連結納税に係る同税金資産を全額取り崩したため、10年3月期以降はこの要因による業績の下振れリスクは収束するとの認識だ。 
 <公的資金は半導体分野で検討> 
 三好副社長は、巨額の当期赤字計上により「自己資本がかなり痛んでいるのは事実」と認めたが、一般企業向けの公的資金による資本注入制度については「日立本体で使うことはない」と述べた。ただ、55%出資する半導体会社のルネサステクノロジがNECエレクトロニクス<6723.T>との統合を予定していることから「半導体分野では公的資金を視野に検討している」と語った。

:2009:05/07/17:45  ++  繰り延べ税金資産とは

繰り延べ税金資産とは、将来戻ってくると見込まれる税金の還付を見込んで資産計上したもの。

銀行は不良債権について、有税で貸倒引当金を積んでいるが、この際に支払った税金は、融資先企業が実際に倒産して損失が確定した段階で、銀行に課税所得があれば、その税金分が控除または還付される形になる。しかし、そのときに銀行が赤字状態であれば、税金分は還付されない。つまり、繰り延べ税金資産とは、かなり不確定要素の強い資産である。2002年当時は、大手銀行の資産に秘める繰り延べ税金資産の割合が大きいことが問題となり、同年に発表された金融再生プログラムでは、その問題への対策が盛り込まれている。

:2009:05/07/17:38  ++  繰り延べ税金資産 取り崩し企業拡大

前払いした税金が将来戻ることを前提にした「繰り延べ税金資産」を取り崩す企業が相次いでいる。急激な業績の悪化で、想定した利益が見込めない状況に追い込まれるためだ。これから本格化する平成21年3月期の決算発表では、業績悪化に加えて繰り延べ税金資産の取り崩で赤字の拡大や資本の減少に直面する企業が続出しそうだ。

関連記事

記事本文の続き 会計上の繰り延べ税金資産は実体のない資産だが、損益計算では費用が増加し、取り崩し額が大きい場合は最終赤字に転落したり、自己資本の減少につながる恐れがある。日興シティグループ証券の調査によると、繰り延べ税金資産の取り崩しリスクが高まっている企業の代表格が業績不振が続く総合電機だ。

 すでに日立製作所とNECは、昨年12月に繰り延べ税金資産を取り崩している。非正規社員3900人の追加削減などのリストラ策をまとめた東芝も繰り延べ税金資産を21年3月期で850億円取り崩し、赤字幅も従来予想より700億円拡大する見通しだ。

 このほか、今3月期決算で赤字転落する見通しの三井住友フィナンシャルグループのほか、三井化学、長谷工コーポレーションなどでも取り崩す予定だ。将来の収益見通しを甘く見積もれば取り崩す必要はないが、最近では金融庁の指導などにもとづいて監査法人が厳格監査を打ち出しており、「監査法人も将来の収益見通しを厳しくみている」(証券系エコノミスト)とされており、今回の決算の焦点の一つとなっている。

 世界的な景気悪化は今年も続く見通し。このため、当面は企業が繰り延べ税金資産を取り崩す動きが相次ぎそうだ。

:2009:04/30/09:35  ++  主要企業今年のトップ交代、危機即応異例の布陣、トヨタ、求心力向上へ創業家。

主要企業のトップ交代がほぼ出そろった。急速に悪化する業績を立て直すために、企業は異例ともいえる危機対応型の布陣を敷き始めた。トヨタ自動車で創業家出身者が社長に就いたり、日立製作所やソニー、スズキで「会長兼社長」が登場したりしたのは危機克服へ求心力を高めるのが狙いだ。事業構造の抜本見直しや業界再編に備え、M&A(合併・買収)で高い実績を残した人材の登用も目立っている。
 「自動車業界が二十一世紀も必要とされるのか、今が瀬戸際だ」。六月下旬にトヨタ自動車の社長に就任する豊田章男副社長(52)は危機感を隠さない。
 同社は二〇〇九年三月期に戦後初の営業赤字に転落、今期も赤字が続く見通し。創業家の求心力で販売会社や部品会社などグループ全体で業績回復を急ぐ。
 同時に中部国際空港社長の稲葉良〓氏(63)ら有力OB三人を取締役に復帰させる。即戦力となるベテランで脇を固め、販売を中心に改革のスピードを上げる。
 日立製作所のトップ人事も異例ずくめだ。古川一夫前社長(62)はいったんは続投を決めていたが、巨額赤字の計上を受け就任後三年と歴代最短で事実上の引責辞任。庄山悦彦前会長(73)も退任し、日立本体の副社長を経て子会社会長に転出していた川村隆氏(69)を会長兼社長に急きょ呼び戻した。グループ会社に出ていたOB二人も副社長に戻す。川村氏は「従来の慣行とは違うことをし、経験を重視した」と説明する。
 ソニーはハワード・ストリンガー会長兼CEO(最高経営責任者、67)が社長を兼務、権限の集中を進めた。構造改革の加速には「官僚的な階層をはさまず、直接部門トップと対話する必要がある」との判断だ。ストリンガー氏は収益立て直しに専念、新事業の絵を描く役割を担わせるために四十歳代の幹部の抜てきも並行して実施した。
 スズキは前社長が健康上の理由で相談役に退き、昨年十二月に鈴木修会長(79)が社長を兼務。「本来なら若返って、私が居座ることもなかった」と非常事態を宣言。もともと求心力は強く「危機を乗り切るまで、私が先頭に立ってやるしかない」と話す。
 ベテラン重用の裏で、若手の抜てきはほとんど見られなかった。日本総合研究所ビジネス戦略研究センター所長の山田久氏は「異例の経済状況ではベテランの起用や前社長の再登板はあり得る選択。新しい人材に託して失敗するリスクを避けようとしているのかもしれない」とみている。
【図・写真】トヨタでは14年ぶりに創業家出身の豊田章男副社長(中)が社長に就任する(1月の就任会見)

:2009:04/30/09:31  ++  中国のIT強制開示、政府調達限定、1年延期―技術流出、懸念消えず。

【広州=阿部将樹】中国政府がIT(情報技術)セキュリティー製品の技術情報の開示を義務付ける制度の導入を来年五月に一年延期したのは、知的財産の流出を懸念して急速に反発が広がっている国際世論を考慮したためとみられる。今回、適用の範囲を政府調達に限定する方針も決めたが、日米欧など外資系メーカーの経営に大きな影響を与える可能性があることには変わりない。(1面参照)
 中国政府は五月までに制度の詳細を公開する計画だった。延期を決めたことで、日米欧に一定の譲歩をした格好だ。
 一方で、政府調達に絞るとする新たな方針を打ち出すことで事態の沈静化を図り、各国の今後の反応などを探りながら一年後の導入にこぎ着けたいようだ。ただ、企業の間では「単に問題を先送りしただけ。技術の流出につながる恐れにまったく変化はない」(日系メーカー首脳)と冷めた見方が支配的だ。
 中国側が国際社会の激しい反発を浴びながらも、世界的に例のない強制的な開示制度の導入に執着するのは「IT強国」を目指すためには地場企業の底上げが欠かせない、と判断しているためとみられる。表向きは「情報の安全の確保」を制度導入の理由としているが、開発力でリードする外資系企業の競争力をそぎ、国内企業の育成を狙う保護主義的な側面が色濃くにじみ出ている。

:2009:04/30/09:27  ++  中国の強制認証制度(きょうのことば)

▽…中国で製品の安全を確保するために実施されている独自の強制認証制度。英語名「China Compulsory Certification」の頭文字をとって通常は「CCC」の略称で呼ばれている。中国の世界貿易機関(WTO)加盟に伴い、それまで存在していた2つの制度を統合。2002年5月から実施されている。
▽…対象となった製品はCCC認証を取得しなければ中国国内での販売ができない。認証を取得した製品には「CCC」マークが表示される。対象は当初は家電製品やパソコンなど132品目だったが、その後品目が拡大。海外からの輸入品も対象となるため海外の工場も中国の試験機関による審査などを受ける必要がある。