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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2009:07/10/09:07  ++  「Chrome OS」でマイクロソフトに真っ向対決を挑むグーグル

GoogleがMicrosoftの帝国に狙いを定めていることに、疑いの余地はほとんどなかった。しかし、「Google Chrome OS」の発表によって、両社の対決は新しい段階に入った。

 知らなかった人のために説明しておくと。Googleは米国時間7月7日夜、2010年後半にオペレーティングシステム(OS)分野に参入することを発表した。従来PC向けに使われてきたx86プロセッサ、および携帯電話で一般的なARMベースのプロセッサのどちらでも作動する、LinuxベースのOSをリリースするという。立ち上げると即座にブラウザが表示され、ブラウザ内ですべてのアプリケーションが動く、非常に軽量なOSというのがChrome OSの発想だ。

 Googleは公式ブログで、このようなアプローチの利点を列挙している。

 製品管理担当バイスプレジデントのSundar Pichai氏とエンジニアリングディレクターのLinus Upson氏によるこのブログ投稿には、次のように書かれている。「ユーザーは、コンピュータが起動してブラウザが立ち上がるのを待つのに時間を無駄に費やすことなく、すぐに電子メールを見たいと思っている。また、使っているコンピュータが常に購入した直後と変わらぬ速さで動いてほしいと望んでいる。自分のデータは居場所を問わずアクセス可能なのがよく、コンピュータの紛失やファイルのバックアップ忘れを心配することがなくなればよいと考えている。さらに重要なのは、新しいハードウェアを加えるたびにコンピュータのシステム設定に何時間も費やしたり、絶え間ないソフトウェアアップデートの心配を強いられたりすることを、ユーザーは求めていないという点だ」

 こうした機能の魅力は否定しがたいが、今までも複数の超有名企業が同じアプローチをとって失敗してきたことは、指摘しておくべきだろう。

 特筆すべきは、これはAppleが「iPhone」について当初語っていた売り文句と同じだということだ。Appleは最初、iPhoneのOSへの直接アクセスは必要なく、開発者はウェブアプリを書くだけでよいと説明していた。

 しかしiPhoneにさえ、開発者やユーザーはそれ以上のことを求めた。

 とはいうものの、今回はGoogleだ。GoogleにはAppleと比較してもかなりの蓄積がある。ローカル処理やストレージをフル活用できないなど、ブラウザには多くの短所があるが、Googleは「Google Gears」や「Native Client」をはじめとする数多くのプロジェクトで、こうした欠点の改善に取り組んでいる。

 この取り組みに時間がかかることは、Google自身も認めている。とにかく、Windowsに対するGoogleの全面攻撃が、今や公然のものになったことは間違いない。

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:2009:07/09/14:00  ++  企業倒産、上半期8%増 6年ぶり高水準に

民間調査会社の東京商工リサーチが8日発表した2009年上半期(1~6月)の全国企業倒産集計によると、倒産件数は8169件と前年同期比8%増えた。上半期としては4年連続の増加で、6年ぶりの高水準となった。昨年秋以降の金融危機が響き、企業の倒産はなお高水準で推移している。

 今年上半期の負債総額は4兆6853億円で、47%増加した。上半期としては5年ぶりに4兆円を上回った。ただ08年下半期(7~12月)の9兆円超よりは減少した。

 業種別では最も多い建設業の倒産件数が1%減った。これに対して製造業は31%、不動産業は25%増えた。

 地域別では北海道の7%減、東北の13%減、九州の16%減など、公共事業の依存度が高い地域で倒産件数が減少した。製造業などが多い関東と近畿はそれぞれ18%、12%増加した。(08日 23:07)

:2009:07/09/10:21  ++  グーグルOS、パソコン勢力図に変化、マイクロソフト、新OS「7」戦略影響も。

【シリコンバレー=村山恵一】米グーグルのパソコン用基本ソフト(OS)参入はマイクロソフト(MS)を頂点とするパソコン産業の勢力図を塗り替える契機となる可能性がある。低収益に苦しむパソコンメーカーにとって無償OSは有力な選択肢。MSは10月に新OS「ウィンドウズ7(セブン)」の世界発売を控えるが、販売戦略の練り直しなどを迫られる恐れもありそうだ。(1面参照)
 MSの1~3月期のOS事業売上高は前年同期比16%減り、営業利益は19%落ち込んだ。機能を絞り込んだ低価格のネットブックが台頭、現行の「ウィンドウズ・ビスタ」のような高機能OSが敬遠されたためだ。
 MSはネットブックでも快適に動作するようセブンのプログラムを軽量化。割引制度などの販促策を練り上げた直後、無償OSを武器にグーグルが立ちはだかった。
 パソコンメーカーにとってネットブックは採算確保が課題。グーグルの無償OSの採用が広がっても不思議はない。
 MSはOSで9割超の高シェアを土台に高収益経営を継続。ネット閲覧ソフト(ブラウザー)や携帯電話用OSなどにも影響力を発揮する事業モデルをとってきた。だが、ここ数年はMSの牙城だった領域にグーグルが進出して、MSが劣勢に立たされる場面も目立つ。パソコン用OSを巡る両社の対決は、IT(情報技術)業界の盟主の座をかけた戦いともなる。
 グーグル参入で競争が激しくなればパソコンの性能向上や商品の選択肢の増加、価格のもう一段の引き下げなど、消費者にもメリットがもたらされる公算が大きい。

:2009:07/09/10:19  ++  日本の軸を問い直す(下)市場テコに成長描く。

編集委員 藤井彰夫
 衆院選が近づき与野党は対立色を強めているが、今国会では与野党の修正協議を経て成立した法律も少なくない。共通するキーワードは「政府介入・規制の強化」だ。
 ▼企業支援を強化するため日本政策投資銀行に政府が追加出資できるようにする改正政投銀法。民主党の求めで「政府が3分の1超の株を保有し続ける」という完全民営化撤回とも読める付則をつけることで成立した。
 ▼タクシー事業への新規参入や台数の規制を強化する特別措置法。2002年の規制緩和路線を転換するこの法律も、低運賃を設定しにくくする修正を経て成立した。
異例の政府介入
 「100年に一度の危機への対応」という名目で、異例の政府介入措置が次々と動き出す。「100年に一度の危機」と同様によく使われるのが「欧米でもやっている」というフレーズだ。
 金融機関への公的資金注入、米ゼネラル・モーターズ(GM)への支援など米欧の危機対応策に負けじと、日本政府は政投銀などを使った企業支援策の知恵を絞った。その新たな枠組みで、政投銀は半導体大手エルピーダメモリに出資、日本航空も政府保証付きの融資を受けることになった。
 政府の一般企業への出資は欧米でも例はあるが、米国のGM、フランスの政府ファンドなど一部に限られる。GMの場合は日本の民事再生法に相当する連邦破産法を適用し、株主や債権者にも負担を求めている。欧米を追っかけていたつもりが、いつの間にか、日本の公的関与は欧米に勝る水準になってしまう恐れがある。
 高度成長期の日本の産業政策を支えた旧通産官僚たちの奮闘を描いた城山三郎氏の小説「官僚たちの夏」。最近テレビドラマ化され再び話題になっているが、今の経済産業省の「産業支援」での活躍ぶりをみると昔話とも片づけられなくなる。
 「市場の失敗」に政府の緊急対応が必要な場合もある。だが、市場に代わって国が「どの企業が消え、どの企業が残るべきか」という正しい判断をできるだろうか。本来は淘汰されるべき企業に支援を続ければ、過剰な雇用や設備、産業構造の調整が遅れる恐れもある。
 世界的な金融危機をきっかけに漠然とした「反市場」ムードが広がっているが、市場の代役を政府がすべてこなせるわけではない。松井彰彦東大教授は「政府の役割は市場に代わって資源配分をすることではなく、市場が機能するようサポートすることだ」と指摘する。
悲観論を超えて
 人口減少、少子・高齢化で、将来への悲観論が漂う日本。日本経済はこれから何を糧に成長していくのだろう。日本の成長を考えるうえでも「市場」の視点は欠かせない。
 国内市場が縮小するなかで日本企業の多くは、高成長を続けるアジア市場に期待をかける。アジアの成長力を生かすには、域内の自由な貿易・金融を支える市場が要る。経済連携協定(EPA)や通貨安定への協調など市場整備に日本が果たすべき役割は大きい。
 日本の個人が抱える1400兆円にものぼる金融資産。この資産の投資収益をどう高めるかが課題だが、それを可能にするのも「市場」の力だ。
 今、政治に求められるのは「市場への不信」をあおり立てることではない。市場を生かす成長戦略を描き直すことだ。

:2009:07/09/10:15  ++  グーグル、ChromeベースのウェブOSを計画--ついに公式ブログで明らかに

Google OSのうわさが現実になろうとしている。Googleのブラウザである「Google Chrome」がベースになるようだ。

 Googleは米国時間7月7日夜、同社ブログで「Google Chrome OS」を発表した。同社によると、2010年後半にはある製造会社のネットブックと呼ばれるローエンド向けPCに搭載される予定だという。どこの製造会社かは明らかにされていない。このオープンソースプロジェクトの内部ではLinuxが稼働するが、アプリケーションはウェブ上で稼働する計画となっている。

 製品管理担当バイスプレジデントのSundar Pichai氏とエンジニアリング担当ディレクターであるLinus Upson氏はブログ投稿で、「Google Chrome OSは多くの時間をウェブに費やしている人々に向けて開発されている。そして、小型ネットブックからフルサイズのデスクトップシステムに至るまで幅広いコンピュータで稼働するよう設計されている」と述べた。

 この動きは、これまでも広範にわたって言われてきた数多くの話を匂わせている。

 その1つとして、これは、Googleがウェブを静的なページだけでなく、特に同社のGoogle DocsやGmailなどのように動的なアプリケーションの基礎とすることに対していかに本気であるかを端的に示していると捉えることができる。またその一方で、これにより、Microsoftとの新たな競争が始まるかもしれないし、独占禁止当局にとっては、Googleの動きに細心の注意を払うための新しい口実となるかもしれない。

:2009:07/09/10:12  ++  パソコンOS、グーグルが参入、低価格ノート用無償提供、来年後半に搭載品。

【シリコンバレー=田中暁人】インターネット検索最大手の米グーグルは7日、パソコン用の基本ソフト(OS)を開発、パソコンメーカーに無償提供すると発表した。新OSを搭載する新端末は2010年後半に発売される見通し。パソコン用OSではマイクロソフト(MS)が圧倒的なシェアを握る。グーグルの参入で競争が加速、パソコンの低価格化につながる公算が大きい。(関連記事9面に)
 新OSの名称は「グーグル・クロームOS」。数秒で起動しネットに接続可能にするなど、従来のOSに比べて使い勝手を高める。まず「ネットブック」と呼ばれる小型・低価格ノートパソコンに搭載される。グーグルは新興国などを含めてネットを手軽に利用できる環境を整え、ネット広告事業の拡大を狙う。
 MSは10月に新OS「ウィンドウズ7(セブン)」を投入する。市販価格は119・99ドルから。パソコンに組み込んで販売する場合の収入は明らかにしていないが、グーグルの無償OS登場で「セブン」の販売が打撃を受ける可能性もある。

:2009:07/08/09:21  ++  日本の軸を問い直す(中)「人気取り」に踊らず。

 「郵政民営化こそ、すべての改革の本丸」。小泉純一郎首相の顔の下にこう大書された4年前の自民党の衆院選マニフェスト(政権公約)を眺めていると、隔世の感がある。民主党の表紙は岡田克也代表だった。
短命党首の弊害
 小泉氏以降の首相(党総裁)は安倍晋三、福田康夫、麻生太郎各氏の3代にわたる。選挙大敗で引責辞任した岡田氏の後の民主党代表も前原誠司、小沢一郎、鳩山由紀夫の3氏が務めた。あまりに短い党首の賞味期限が、日本の政党政治を劣化させている一因だ。
 衆院選の大勝負が迫っているのに、自民党内では首相退陣論が公然と語られる。鳩山氏にも個人献金の虚偽記載問題というトゲが突き刺さる。いまだに二大政党の政権公約は発表されず、「表紙の顔」も定まらない。
 頻繁な党首の交代は政策のぶれを増幅させた。党内での徹底的な政策論争を経ずに、人気優先で党首が選ばれがちな仕組みが、政策を磨く力を弱めているともいえる。
 自民党内では、小泉改革の最大の実績として誇るべき郵政民営化を巡って深刻な路線対立が再燃し、総括することもままならない。
 岡田民主党は消費税を財源とする最低保障年金の創設を訴え、消費税率を3%上げる方針を示していた。だが小沢氏は2007年の参院選で消費税増税を封印した。鳩山氏はこれを引き継ぎ今後4年間は議論の必要もないという。有権者の反発を恐れて消費税から逃げているとしか思えない、無責任な姿勢である。
 選挙が近づき、世論に迎合的な政治の風潮が一段と強まっている。自民党が東国原英夫宮崎県知事に衆院選出馬を要請したことはその象徴的な出来事だろう。もうひとりの人気者、橋下徹大阪府知事は政党支持を表明することをてこに地方分権で政党を揺さぶる。
 自民党は東国原知事が求める国直轄事業の地方負担金廃止などの地方分権改革を、政権公約に反映させる方針だ。民主党は不評だった小沢代表当時の300基礎自治体構想などを撤回し、地方に秋波を送る。地方分権ひとつとっても、にわかづくりの政策に本当に魂が入るのか心もとない。
 東国原、橋下両知事らの存在感を高めているのは、情報系番組を中心とするテレビの力だ。テレビは短い言葉のやりとりで、ことの善しあしを画然と分けてショー仕立てにするのがうまい。そこで誇張された世論が現実の政治を動かす。
 政治コミュニケーションなどを専門とする逢坂巌立教大学助教は「無駄の削減は大切だが、テレビで予算の無駄遣いが受けると、自民党も民主党も官僚をたたき、議員定数削減で自分たちをたたくことにも熱をあげる。それだけでは政治がやせ細る」と指摘する。
 07年参院選で民主党は明確な財源の裏づけを示さぬまま、月額2万6000円の子ども手当創設や高速道路無料化などの公約を掲げて大勝した。衆院選もこの路線を踏襲する。野党転落を恐れる自民党も高速道路料金の引き下げなどの対抗策を打ち出すのに躍起だ。
問われる「眼力」
 来る衆院選は二大政党の「ばらまき合戦」に堕(だ)する危険を秘めている。その陰に隠れ、北朝鮮の核の脅威への対応や、台頭する中国とどう向き合うか、日米関係をどう考えるのか。外交・安全保障分野の政策論争が置き去りにされる恐れもある。
 政党の人気取りで国が沈む愚を避けるには、政策の真贋(しんがん)を見抜く有権者の眼力が何よりも必要になる。

:2009:07/07/09:37  ++  中国・新疆暴動、ウイグル族根深い不満、「漢民族が富を独占」、封じ込め、反発増幅も

【北京=尾崎実】中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで5日に起きた暴動の死傷者は6日までに900人を超えた。住民と制圧部隊の衝突の激しさは、地域間、民族間の経済格差など、ウイグル族が抱えた不満の根深さを物語る。10月に建国60周年を控え、社会安定を最優先に掲げる中国指導部は武装警察を大量投入。しかし、力ずくでの封じ込めは、少数民族の反発を一層増幅させる危うさもはらんでいる。(1面参照)
 「警官隊が群衆に向かって突然発砲し、人びとがバタバタと倒れた。道ばたには漢民族もウイグル族も関係なく、血だらけの男女が横たわっていた」。ウイグル族の男性住民(32)が発生当時の様子を振り返る。6日までに日本経済新聞記者が現地に電話取材したところ、衝突の実態や背景が明らかになってきた。
 5日午後7時半(日本時間同8時半)ごろ、ウルムチ市中心部に住民らが続々と集まり出し、デモ隊は数千人規模にまで膨らんだ。「ウイグルに自由を」などと叫んだ民衆は、制圧に向かった警官らにレンガや石を投げつけ始めた。街中に発砲音が響いたのは、その直後だった。
 慌てて近くのホテルに逃げ込んだある男性は、夜中まで断続的な発砲音や爆発音を聞き、窓からは発光弾も見えたという。一夜明けた市内は隊列を組んだ武装警察官や装甲車ばかりが目立ち、通行人の姿はない。「事態は沈静化したが、住民の間には『500人以上が死亡した』といううわさが流れている」と語った。
 今回の暴動の引き金となったのは6月下旬、広東省韶関市の玩具工場で起きた漢民族とウイグル族の衝突。ウイグル族2人が死亡した。インターネットの画像配信などで内陸まで事件の様子が伝わった結果、ウルムチに飛び火した。
 不満の通底にあるのは中国内で多数派の漢民族と少数派のウイグル族、発展が進む沿岸部と遅れる内陸部という、民族と地域の「二重の経済格差」だ。ウイグル族のある男性(35)は「漢民族が新疆の富を独占し、ウイグル族への支配を強めている」と反発する。
 中国政府は自治区に積極投資し域内総生産(GDP)は拡大したが、男性は「投資の多くは鉄道や資源開発で、沿海部のエネルギー供給源として利用されているだけ」と指摘する。自治区の都市住民の2008年の平均可処分所得は上海市の4割強。自治区内でも漢民族が多数を占める国有石油会社などに利益が集まり、多くのウイグル族の生活は依然厳しい。
 胡錦濤国家主席は、暴動が発生した5日、イタリアで開かれる主要国(G8)首脳会議(サミット)への出席のため、北京を出発。公安当局者は「少数民族への抑圧を国際社会にアピールするため、外遊中の暴動を計画した可能性が高い」と指摘する。
微妙なかじ取り
 一方、亡命ウイグル人組織「世界ウイグル会議」は平和的なデモだったと強調。同会議が扇動したという指摘を否定するとともに、中国当局の対応を非難した。当局内には、ウイグル独立派の「東トルキスタン・イスラム運動(ETIM)」を米国がテロ組織とみなしていることなどから「強硬姿勢をとっても昨年3月のチベット騒乱ほど海外の反発を招かないとの読みもあった」(北京の警備関係者)という。
 ただ、今回暴動が起きたウルムチのウイグル族の人口は約1割にすぎない。一方昨年、襲撃事件が起きた自治区内のカシュガルやクチャは約9割を占める。格差の是正を放置したまま弾圧を続ければ、ウイグル族の反発が増幅し多数を占める地域で新たな暴動を生み出しかねない。AP通信によると6日午後にはカシュガルでも300人以上が集まるデモがあった。中国指導部は微妙なかじ取りを迫られている。
【図・写真】6日午後、暴動が起きた中国新疆ウイグル自治区ウルムチの市場を警戒する装甲車=共同

:2009:07/07/09:29  ++  米ロ核不拡散へ歩み寄り、弾頭削減、抑止力と両立難問、MD配備など火種残る

【モスクワ=大石格】オバマ米大統領が提唱した「核のない世界」は実現するのか――。6日の米ロ首脳会談は保有する核弾頭などの大幅削減で合意。核の二大保有国が軍縮に向け、最初の一歩を踏み出した。北朝鮮が核実験を繰り返すなど核拡散の危機が高まっているなか、理想と現実をどう調和させるのか。具体的な道筋はまだ不透明だ。(1面参照)
 「マンデラとガンジーだ」。オバマ氏は5日、ロシア・メディアのインタビューで尊敬する人を聞かれ、南アフリカ民主化とインド独立を勝ち得た二人を挙げた。「人々の心に訴えることで変革を実現した指導者に関心を抱いてきた」。自らもその方向を目指す。
 手始めが4月にプラハで表明した「核のない世界」だ。持論の対話外交を進めるには「恐怖の均衡」に頼らない世界平和の姿を示すしかない、との思いがあったという。
経済危機が契機
 ブッシュ前政権は旧ソ連時代に締結した弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を脱退。ミサイル防衛(MD)システムの東欧配備によりロシアを力で抑え込む戦略に出た。昨年、グルジア紛争が起きると、米政界には「新冷戦」との言い方まで飛び交った。
 変わり目は昨年秋に起きた世界的な経済危機だ。両国とも財政が悪化し、新たな軍拡競争は避けたいところ。一方、イランや北朝鮮が核開発の動きを活発化し、核拡散を抑え込むには世界の9割の核弾頭を持つ米ロが率先して削減する必要が高まった。オバマ政権誕生を契機に、米ロは関係改善へと動いた。
 ただ今後のハードルはまだ高い。ウクライナやグルジアなど旧ソ連諸国への影響力を強める米外交をロシアは快く思っていない。MD配備に反対する背景には、自国の核を無力化されることへの懸念と同時に、なお勢力圏とみる東欧に米国が入り込むことへの感情的な反発がある。核弾頭削減で米側が目指した1500以下への削減に至らなかったのもMD問題が影響したのは間違いない。
中国がカギ握る
 年内に最終合意にたどり着けたとしても、それだけでは世界の核廃絶にはつながらない。
 米ロ合意をてこに核廃絶への国際世論を喚起し、他の核保有国に圧力をかける――。オバマ氏の描くシナリオには核を保有する五大国(米ロ英仏中)の連携が欠かせない。8日からの主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)で主要8カ国の合意とし軍事力増強に走る中国をけん制する戦略だが、米ロ主導を警戒する中国が次のカギを握る。
 五大国以外への拡散阻止も難題だ。1998年にインドとパキスタンが核保有を宣言した際、米国や日本は経済制裁を科したが、米同時テロが起きると、アフガニスタンでのテロ掃討戦への協力を条件に解除。核保有を事実上、容認した。
 五大国だけに核保有を認める核拡散防止条約(NPT)という枠組みが揺らいだことが、北朝鮮やイランを核へと走らせる一因になったことは間違いない。NPT体制の再構築につなげられるかが重要な課題となる。
 米ロが核弾頭削減で合意しても、なお圧倒的な核兵器を保有する。北朝鮮の脅威に対し、オバマ大統領は6月の米韓首脳会談で「核の傘」を保証した。核の持つ紛争抑止力は手放せない状況だ。「核なき世界」という理想を訴えるオバマ氏の挑戦は始まったばかりだ。

:2009:07/07/09:24  ++  日本の軸を問い直す(上)今こそ「賢い政府」に。

最悪期は脱したものの、日本経済の視界は開けない。世界経済危機は日本に最も深刻な打撃を与えた。輸出立国に傾斜したためだが、それだけではない。政治の劣化が経済の足を引っ張り、大衆迎合主義が政策のブレを大きくしている。「日本の軸」とは何かを想起し、それを立て直すことから危機打開は始まる。
 リーマン・ショック後の危機のなかで「世界の軸」も動いた。オバマ米政権は市場本位から政府介入にカジを切った。主要金融機関の公的管理に続いて、ゼネラル・モーターズ(GM)まで国有化した。保護主義と紙一重の選択だった。
 経済政策の基調も百八十度変わった。レーガン米大統領、サッチャー英首相以来の「小さな政府」から大胆な財政刺激への転換である。一度は死んだケインズ主義が世界中でよみがえった。
 戦後最悪の危機に緊急避難のための政府介入や財政出動は避けられない。麻生太郎政権がグローバル・ケインズ主義による協調の一翼を担い、財政出動に踏み切ったのは当然である。ケインズのいう「賢い支出」とは思えぬ支出が含まれるのは問題だが、麻生政権が歴史的危機に一定の使命を果たしたのはたしかだ。
ぶれない政策を
 麻生政権の致命的な誤りは「構造改革」の4文字を政策メニューから消し去ったことだ。財政出動と構造改革は相反しない。不況脱出には財政出動と構造改革の結合こそ重要だ。それに企業家精神をかみ合わせた三位一体で「需要創出型イノベーション」(吉川洋東大教授)は生まれる。
 麻生政権は脱小泉改革をめざしたが、小泉改革の負の遺産は改革の行きすぎではない。郵政民営化の一点豪華主義で規制改革も地方分権も不十分だった点にある。消費税率引き上げに手をつけず、肝心の社会保障改革も置き去りにした。冷戦後の改革大競争で日本は出遅れた。それが失われた時代の背景にある。
 郵政民営化まで逆行させる動きを、麻生政権は抑え切れず、大衆迎合主義のもとで揺れに揺れた。成熟国家の首相として内外の信頼を失ったのはこのためである。
 総選挙で問われるのは、日本の将来を決める出口戦略と成長戦略である。日本は先進国最悪の累積債務を抱え超高齢社会に突入する。冷厳な現実から逃れられない。口当たりはよくても整合性のない政策ではなく、苦くてもビジョンある政策こそ選択すべきだ。
 まず超高齢社会に備えて公的年金など社会保障制度を抜本的に改革することだ。社会保障目的の消費税率引き上げなら国民の理解を得やすい。超党派で安心社会を築くのは政治の責務である。
 社会保障改革とあわせて税制改革に取り組む必要がある。世界最高水準の法人税率を引き下げ、日本経済を活性化するテコにすることだ。
人口と人材カギ
 成長戦略のカギを握るのは「人口と人材」だ。出生率目標を掲げ、安心して子育てできる社会をつくる総合的な少子化戦略が必要になる。人材開国もめざすことだ。企業家精神を育てる教育投資の拡充も欠かせない。
 地球温暖化を防ぐ低炭素革命は21世紀の産業革命である。新エネルギーから電気自動車まで技術革新の芽はあちこちにある。ハードルが高いほど環境技術を蓄積してきた日本の好機になる。
 危機にあっても力強い東アジアの活力を取り込むことも肝心だ。東アジア経済統合の工程表を提案する段階である。
 大不況の時代が終わったあと、行きすぎた振り子はかならず戻る。「小さな政府」か「大きな政府」かではなく「賢い政府」こそ求められる。「市場の失敗」に政府の介入は避けられないが、「経営の失敗」を政府が救済しては資本主義の倫理が破綻する。市場メカニズムが資本主義の核であることに変わりはない。必要なのは市場を生かす「賢い規制」である。
 政治経済の連鎖危機は日本の信認を低下させた。G8やG20では毎年変わる首相は固有名詞ではなく「日本の首相」としてしかとらえられない。20年先、30年先を見据え「日本の軸」を立て直すため有権者は政治を鍛え直すときである。

:2009:07/07/08:40  ++  グーグル、「Google Apps」で機能強化--グローバルアドレスリスト機能の追加など

Googleが、同社の企業向けアプリケーションスイートにグローバルアドレスリスト機能を追加するとともに、利用企業が社内でテンプレートを共有できるようにした。

 Googleは米国時間7月1日、「Premier Edition of Google Apps」への機能強化を発表した。グローバルアドレスリスト機能が、ユーザープロファイル用APIの公開という形で追加された。

 ソフトウェアエンジニアのValerie Blechar氏は、Google Enterpriseブログへの投稿で、ユーザープロファイルAPIを、Googleが2008年12月に公開した共有連絡先APIと組み合わせれば、IT管理者は「最新かつ詳細なグローバルアドレスリストを『Google Apps』で保持できるようになる」と書いた。

 Google Apps全体の連絡先インターフェースにも変更が加えられ、社員はグローバルアドレスリストを通して同僚を見つけられるようになった。これまでは、例えば、個々のユーザーが追加したり、過去に電子メールを送信したりした連絡先のみが、「Gmail」に表示されていた。

 ドキュメントやプレゼンテーション、フォーム、スプレッドシートのテンプレートは、これまでも広い範囲では共有することが可能だった。しかし、Googleは1日、Google AppsのPremier Editionおよび「Education Edition」のユーザーを対象に、組織内でそうしたテンプレートを共有できる機能を追加した。これにより、共有範囲を組織のドメイン内に限定することができる。

 テンプレートを組織内で共有するように設定すると、内部の人間はそのテンプレートのプレビューや使用、評価などを行えるようになる。

 Microsoftなどからの顧客の奪取を狙うGoogleは、ここ数カ月、頻繁にGoogle Appsのアップデートを実施している。

:2009:07/03/12:02  ++  太陽電池新素材で安く、JFEや三菱化学、鋼板や樹脂活用、発電コスト半減めざす。

CO2削減後押し
 鉄鋼・化学大手が相次ぎ太陽電池向け新素材に参入する。JFEスチールは低価格の電池の基板に使うステンレス鋼板を開発。三菱化学などは自動車などに使う折り曲げ可能な電池向けに樹脂などの実用化を急ぐ。素材メーカーの支援で太陽電池の新技術開発が加速すれば、発電コストを現在の約半分の家庭用電力並みに下げるという政府の目標達成が近付く。市場拡大を通じ二酸化炭素(CO2)など温暖化ガス削減にも貢献しそうだ。(太陽電池の新技術は3面「きょうのことば」参照)
 現在主流の太陽電池には発電材料にシリコン、基板にガラスをそれぞれ使う。JFEが開発した鋼板は高価なシリコンを使わない新型電池向け。太陽エネルギーを電気に換える割合を示す発電効率が10%程度とシリコンを使う電池の15%に比べ低いが、発電コストは4割程度安いとされる。連続加工ができる鋼板を使えばさらにコストが下がる。米企業にサンプル出荷を始めており、年内にも量産に入る。
 日新製鋼もシリコン使用量を減らした新型電池の基板に使うステンレス鋼板を開発中。鋼板上にシリコンの薄い層を形成する。太陽電池メーカーなどの評価を待って2011年にも量産化する考え。
 化学大手の三菱化学、住友化学や東レは樹脂を基板に使う軽量で折り曲げ可能な太陽電池の材料を開発している。自動車の車体やビルの外壁に張ることができるうえ、シリコンを使わないためコストも安い。住友化学は現在、同電池としては世界最高水準の6・5%の発電効率を実現しており、年内に10%まで高める計画。11~12年の実用化を目指す。
 政府は20年の温暖化ガスの削減目標を05年比15%とする方針をこのほど公表。実現には太陽電池の導入量を現在の20倍に高める必要があるとしている。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が6月に策定したロードマップでは、太陽光発電のコストを、10年代に家庭用電力並みの1キロワット時当たり23円に下げることを目指している。
 シャープなど国内の太陽電池各社は設置場所が限られる住宅での利用を見込んで発電効率の向上を競ってきた。一方で大規模な太陽光発電所などは低コスト発電を最優先する。こうした用途の多様化により、素材も含めた電池技術の開発が加速しそうだ。

:2009:07/02/10:08  ++  新生・あおぞら銀合併発表、来年10月国内6位、公的資金の再活用視野。

新生銀行とあおぞら銀行は1日、来年10月に合併すると正式に発表した。合計の総資産は18兆円強になり、国内6位の大手銀が誕生する。両行は地方銀行との連携強化を新銀行の成長戦略の柱に据える方針。財務の健全性を高めるため、公的資金を再び活用することも含めた資本増強も検討する。ただ過去に注入を受けた公的資金の返済は終わっておらず、収益力の向上が課題になる。
 両行の合併比率は1対1で対等。新生銀が存続会社となり、あおぞら株1株につき1株の新生株を割り当てる。両行社長を共同委員長とする統合委員会を設け、重複する業務・部門の統廃合などの合理化策や経営体制の構築、具体的な戦略づくりなどを進める。合併銀行の初代社長に足利銀行前頭取の池田憲人氏(61)を招く人事も正式に発表した。
 1日に記者会見した新生銀の八城政基社長は「国内の事業環境が厳しくなるなかで、一定レベルの規模の確保が必要と判断した」と合併の理由を説明。あおぞら銀のブライアン・プリンス社長も「(ともに旧長期信用銀行という)歴史を共有しており、合併により競争力を発揮できる分野も多い」と意義を強調した。
 新生銀とあおぞら銀は2009年3月期、金融危機の影響によって海外投資で多額の損失を計上。ともに大幅な赤字に転落した。金融危機で傷んだ財務基盤の強化が合併銀行がまず取り組む課題となる。
 同日の会見に出席した池田氏は、資本増強の手段について「ビジネスモデルをつくるなかで必要があれば公的資金を申請する」と述べ、新しい金融機能強化法に基づく公的資金の活用も視野に、財務基盤の拡充を急ぐ方針を表明した。
 合併銀行は成長戦略として、資本・業務提携を絡めた地銀との連携強化を掲げる。新生銀とあおぞら銀は前身の旧長期信用銀行時代から、金融債の販売などを通じて地銀と親密な関係にある。
 池田氏は「資金運用などで我々の出番がある」と強調。メガバンク系列に属さない中立性を訴えながら、地域経済の地盤沈下で運用難に陥っている地銀に高度な運用サービスを提供することなどに活路を見いだす考えだ。
 歴史的に同じようなビジネスモデルを展開してきた両行は店舗や業務の重複が多く、合併に伴う合理化効果は大きいとみられる。ただ貸し出しなど本業は国内経済の低迷や競争激化で、合併による規模の拡大がそのまま競争力の強化につながるとは限らない。頼みとする資金運用サービスも、金融・証券市場の回復がどこまで進むかは不透明だ。
 両行合わせて4千億円残っている既存の公的資金の返済も大きな課題だ。合併を合理化以上の効果につなげられるか。経営陣の手腕や行員の力量が問われることになる。

:2009:07/02/10:05  ++  日銀短観2年半ぶり改善、企業景況なお水面下、先行き不安投資に慎重(景気がわかる)

日銀が1日発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)で、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業製造業で2年半ぶりに改善した。過去最悪だった前回の3月調査よりも10ポイント改善したが、水準はマイナス48と金融システム不安が強かった1999年3月(マイナス47)並みの低さ。自動車や電機などを中心に景況感が改善に転じているものの、設備や雇用の過剰感はなお高く、回復の道筋は描きにくい。
 ハイブリッド車「プリウス」の受注が好調なトヨタ自動車は堤工場(愛知県豊田市)などで11日、土曜日出勤を再開する。2月に低価格ハイブリッド車「インサイト」を発売したホンダも主力の鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)などで休日出勤を7月に再開する。過剰な在庫が順調に減少。低燃費車を対象にした「エコカー減税」も追い風だ。
車・電機は改善
 電子情報技術産業協会によると、5月の薄型テレビの出荷台数は前年同月比23・5%増。海外では中国のほか「米欧でも4月以降の販売台数が予想を上回っている」(ソニー)。完成品の復調でパネルや電子部品の生産も回復基調にある。
 大企業のDIを業種別にみると、自動車はマイナス79で前回から13ポイント改善。3カ月後の「先行き」はさらに28ポイントの改善見通し。電機は足元17ポイント、先行き24ポイントの改善を見込む。先行きの上向き期待はとりわけ輸出産業で際立つ。需要急減を受けた減産が実を結び、これを景気対策や中国向け輸出などが後押しする。
 それでも底入れ後の回復の道筋がはっきりしたとは言い難い。製鉄所の稼働率を55%から7~9月には60~70%まで引き上げる新日本製鉄。「底割れはないが2009年の粗鋼生産量が9000万トン(08年は1億1873万トン)を超えるのは難しい」(宗岡正二社長)。東芝はNAND型フラッシュメモリーの減産を緩和するが、「ブレーキとアクセルを踏み分けながら稼働率を段階的に戻していく」(小林清志執行役常務)。
 先行きに自信を持てない企業の不安は投資姿勢に表れている。大企業製造業の09年度の設備投資計画は減少幅が前年度比24・3%減と過去最大。復調する自動車や電機を取引先に持つ日本精工などベアリング大手も、設備投資をそろって半減させる。中国向けが好調な三菱ケミカルホールディングスも10年度までの3年間の設備投資を当初計画比で36%減の3800億円に圧縮した。
二番底のリスク
 企業の設備や雇用に対する過剰感は強い。「生産・営業用設備判断DI」「雇用人員判断DI」は大企業製造業でわずかに改善したが、非製造業や中小企業では悪化。全産業でみた過剰感はむしろ高まっている。
 「エコポイント制度は当初の熱気がもう落ち着いてきた。家電製品の需要急増はない」(ヤマダ電機の山田昇会長)。頼みの経済対策の息切れを指摘する声も出ている。輸出企業で芽生えた景況感の改善が非製造業や中小企業に広がるシナリオは描けない。ようやく底入れした日本の景気。二番底に向かうリスクもぬぐいきれない。

:2009:07/02/10:00  ++  ハイブリッド車向け電池、日立、70万台分に増強、GMなどに供給。

日立製作所は2015年をメドにハイブリッド車向けリチウムイオン電池の生産能力を現在の約70倍にあたる年70万台分に引き上げる。東海事業所(茨城県ひたちなか市)で出力を高めた新型電池を量産、米ゼネラル・モーターズ(GM)などに供給する。投資額は200億~300億円になる見通し。環境車向けリチウムイオン電池は自動車・電機各社が量産を計画しており、競争が激化しそうだ。
 日立が量産するのは自動車メーカーが次世代のハイブリッド車に採用する計画のリチウムイオン電池。現在主流のニッケル水素電池に比べ、サイズや重さを半分に抑えられ車の燃費など性能向上につながる。一般にハイブリッド車1台に30~50個のリチウムイオン電池が搭載される。
 日立は出力密度(重量1キログラムあたりの出力)が現在の自社の電池に比べ2~7割高い2種類の新型電池を開発済みで、来年秋から順次量産する。生産は子会社の日立ビークルエナジー(ひたちなか市)が手掛ける。
 日立はGMが10年以降に発売予定のハイブリッド車10万台分のリチウムイオン電池を受注しており、まず来秋までに年産能力を現在の7倍超に増強。国内外のメーカーからの受注も目指し、15年に70万台体制を整える。JPモルガン証券は15年の車載用電池の世界市場がハイブリッド車向けだけで6000億円弱と予測。日立は15年度に1000億円の売り上げを目指す。
 日立は00年に世界で初めて商用車向けの大容量リチウムイオン電池の量産を開始。いすゞ自動車や三菱ふそうトラック・バスなどに計数千台分の電池を供給している。

:2009:06/30/10:41  ++  広告費1割削減も、モバイル広告への出稿意欲は高い--D2C調べ

日経BP社「日経ネットマーケティング」およびディーツー コミュニケーションズ(D2C)は6月25日、携帯電話を利用したモバイル広告について、企業の利用動向を調査した結果を発表した。

 日本国内の上場企業および有力未上場企業の計4126社を対象に、4月から5月にかけて郵送とウェブでアンケートを実施したもの。444社が回答し、回収率は10.8%。調査には日本経済新聞社「日経メディアラボ」の協力を得ている。

 調査結果によると、2009年度に企業の広告費が減っている中、モバイル広告費は「変わらない」もしくは「増やす」と答えた企業は回答企業全体の90.3%を占めたという。なお、2008年度の広告費を「100」としたときの2009年度の広告費は、回答企業全体平均で「86」にとどまり、1割以上削減される見通しだ。

2009年度の媒体別予算配分予定 2009年度の媒体別予算配分予定(※画像をクリックすると拡大表示します)

 企業のモバイル常設サイト保有率は、回答企業全体では26.4%。BtoC事業の企業に絞ると、48.7%となった。常設サイトを開設している企業の58.1%がモバイルサイトを「今後さらに強化・投資する」と回答している。

 2008年度にモバイル広告を出稿したと回答した企業の割合は11.9%で、PCインターネット広告の42.1%に比べるとまだまだ少ない。利用企業からみたモバイル広告の魅力としては、「ターゲットを絞り込みやすい」(37.7%)、「自社商品のターゲットにマッチしている」(32.1%)、「費用が手ごろ(32.1%)」を挙げた企業が多かった。

 現在モバイル広告を出稿している企業に聞いたところ、出稿サイトは「一般ポータル・検索サイト」が66.0%と最も多く、次いで「SNS・ブログ・掲示板などのCGM」(37.7%)、「携帯電話キャリアの公式ポータル」(35.8%)となった。今後出稿したいサイトについては、一般ポータル・検索サイトの割合が下がり、商品・サービスの専門サイト、アドネットワーク、動画投稿共有サイトなどの割合が上がっていた。

2008年度に企業がモバイル広告を出稿したサイト、今後出稿したいサイト 2008年度に企業がモバイル広告を出稿したサイト、今後出稿したいサイト(※画像をクリックすると拡大表示します)

 モバイル広告で使っている広告指標としては、「クリック数」(52.8%)、「顧客獲得単価(CPA)」(50.9%)、「掲載広告のインプレッション数」(47.2%)、「クリック率(CTR)」(47.2%)、 「クリック単価(CPC)」(45.3%)、「応募者数・会員登録数」(43.4%)などが挙げられた。PCインターネット広告と傾向は同じだが、「CPA」「応募者者・会員登録者数」など販促的な効果指標を求める声がPCインターネット広告よりも多く、販売促進への期待が高いことがうかがえるとしている。

出稿企業によるモバイル広告とPC広告の効果指標の比較 出稿企業によるモバイル広告とPC広告の効果指標の比較(※画像をクリックすると拡大表示します)

:2009:06/30/10:38  ++  グーグル、「Android」用のネイティブコード開発キットをリリース

Googleの携帯電話プラットフォーム「Android」の開発者向けに、ネイティブなアプリケーションを開発するためのキットがリリースされ、Android端末で稼働する高性能のアプリケーションを作成する手段が提供された。

 Android用のアプリケーションは、Java仮想マシンをエミュレートする「Dalvik」と呼ばれる仮想マシンを介して稼働する。米国時間6月25日にリリースされた「Android Native Development Kit(NDK)」により、開発者らはCやC++のネイティブコード言語を使って、「Android 1.5」アプリケーションのDalvik以外の部分を作成できるようになった。

 こうしたアプローチにより、一般的にパフォーマンスが大幅に向上するわけではないが、開発者がCやC++で書いた既存のコードをAndroid用のアプリケーションに再利用することが可能になる。

 AndroidエンジニアのDavid Turner氏は、Android開発者向けサイト内のブログに、Androidのソフトウェア開発キット(SDK)に付属するNDKはより高性能なアプリケーションを開発するのに使えるが、欠点もあると書いた。

 「アプリケーションはさらに複雑になるだろう。互換性が低くなり、フレームワークAPIの利用もできない。デバッグもより困難になるだろう。とはいえ、多くのメモリ割り当てを必要とせずCPU集約型で自己完結的な演算を行うアプリケーションの場合、パフォーマンスの向上と既存コードの再利用から恩恵を受けられる可能性がある。いくつか例を挙げると、信号処理、集中的な物理シミュレーション、ある種のデータ処理などだ」(Turner氏)

:2009:06/29/09:30  ++  特集―世界ICTサミット、「クラウド」への対応急務。

今年の「世界ICTサミット」は、米国のテレビ放送がアナログからデジタルへと変わる歴史的タイミングに開かれた。米連邦通信委員会(FCC)のジョナサン・アデルステイン委員は「景気回復の担い手としても情報通信技術への期待は大きい」と強調した。
 放送のデジタル化開始は1998年秋。英国、米国が先陣を切り、米国は移行までに約10年を費やした。パソコンや携帯電話などデジタル機器の登場を受け、それらと親和性の高いテレビ放送を実現する狙いだった。
 デジタル技術の広がりは新聞や放送など既存のメディアにも激震をもたらした。マスコミやジャーナリズムはコンテンツ(情報の中身)と紙や電波などの伝達手段が一体化して力を持つ。しかしデジタル化の進展により、その伝達手段をアップルやグーグルなどに奪われてしまった。
 特に今回話題となったのがクラウドコンピューティングだ。企業も個人も、もはやソフトウエアやデータを自分で持っておく必要はない。いつでもどこでもネット上のサーバーから情報を取り出せばよくなった。放送のデジタル化はその傾向をさらに加速するだろう。
 自前主義を好む日本の課題は世界のクラウド化の流れに十分対応できていないことだ。携帯電話の「ガラパゴス現象」も日本の縦割り構造が背後にある。クラウド時代に成功するには垂直統合モデルを排し、情報共有などオープンな経営モデルを築く必要がある。
 「情報消費社会」とは情報が円滑に流通し、個人も企業もそれを自由に操れる時代を表す。日本も地デジ移行まであと2年1カ月。真の情報社会の実現まで我々に残された時間は多くない。

:2009:06/29/09:26  ++  リコー、フレックス制休止、コスト減・生産性向上狙う。

リコーは7月1日からフレックスタイム勤務制度を休止する。残業を原則認めない「ノー残業デー」も従来の週1日から週2日に増やす。職場のすべての社員が一緒に集中して仕事に取り組む時間を増やすことで生産性を高めるほか、業績の改善に向けてコスト削減や社員の緊張感を高める効果も狙う。
 リコーはフレックス制度を1993年に導入。事業所や職場ごとに3~6時間程度のコアタイムを設け、出社や退社の時間は基本的に社員に委ねるようにした。しかしコアタイム以外に職場会議が開けなかったり管理職が部下の勤務時間を管理するのが難しかったりと、効率の悪さが目立つようになってきていた。
 このため7月から午前8時55分~午後5時半(本社など)といった標準勤務時間を設け、社員が一斉に同じ時間で働くようにする。育児や介護などでフレックス勤務を希望する社員には、特例として引き続き認める。
 ノー残業デーはこれまで毎週水曜日に設定しているが、6月29日から毎週月曜日も含め週2日制にする。定時に帰る日を増やして不要な残業をなくし、勤務時間内の業務効率を引き上げる。
 併せて経営会議への報告を簡素化するなどトップダウンで業務プロセスの効率化も進める。年間15億円程度の残業代削減につながるほか、光熱費も年間1千万円以上抑えられるとみている。

:2009:06/25/13:18  ++  インターネットの利用時間、20代男性でテレビを抜く--博報堂DYメディア調査

博報堂DYメディアパートナーズの調査から、東京都内に住む20代男性では、PCインターネットの利用時間がテレビ視聴時間を抜いたことが明らかになった。ほかの世代でも、インターネットはテレビに次ぐ第2のメディアとして定着しているという。

 これは博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所が6月23日に公表したレポート「メディア定点調査2009」の中で明らかになったもの。同社は、東京都、大阪府、高知県に在住する15歳から69歳の男女個人を対象に、郵送調査法でメディアの接触状況を調べた。サンプル数は3地区合計で1919人となっている。

 東京地区の調査結果をみると、生活者のマス4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)とインターネット2媒体(PC、携帯電話)を合わせた1日のメディア接触総時間は、週平均で5時間24分となった。ここ数年は微減傾向にあったが、2009年は前年に比べ全体で若干増加した。不景気の影響から自宅で過ごす時間が増え、PCインターネットの利用時間が増えたためとみている。

 媒体別の内訳を見ると、テレビが163.5分、ラジオが31.1分、新聞が26.0分、雑誌が17.6分、PCインターネットが67.6分、携帯電話からのインターネットが18.1分となっている。性世代別に見ると、男性20代ではテレビ接触時間が110.9分であるのに対し、PCインターネットの利用時間は116.1分となり、過去の調査を通じて初めてインターネットがテレビを抜いた。また、女性10代の携帯電話からのインターネット利用が98.4分であるのに対し、女性20代では26.2分と、携帯電話の利用時間は10代とそれ以上の世代で大きく異なる。

090624_hakuhodo_s.jpg マス4媒体からインターネットまでを合わせた1日のメディア接触総時間(性年齢別比較)
(※画像をクリックすると拡大表示します)

 このほか、動画投稿サイトの利用経験率が、2008年の38.8%から2009年には52.9%と大幅に増加している。特に20代男性では利用経験率が90.0%と高い。なお、地上デジタル放送の利用経験率は2008年の40.4%から2009年は57.1%、ワンセグ放送は2008年の28.5%から2009年は41.6%と、いずれも増加している。

:2009:06/25/13:15  ++  電気自動車のバッテリをスマートグリッドの一部に--自動車と電力の新たな関係

 ワシントン発--われわれには電気自動車に見えるものが、電力会社には車輪の付いたバッテリに見えるようだ。

 先進的な電力会社は、スマートグリッドテクノロジを使用して、プラグイン電気自動車から得られる貯蔵電力を利用する準備を始めつつある、と業界の幹部たちは先週、コンサルティング会社KEMAがワシントンで開催したカンファレンスUtility of the Futureで語った。

 自動車のバッテリは、ピーク時間帯に電力網の負荷を軽減するバッファとして利用することが可能で、また自宅所有者がバックアップ電源としても利用できる可能性がある。将来は、古いプラグインハイブリッド型電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle:PHEV)のバッテリを電力貯蔵装置としてリサイクルすることもできるかもしれない、と同幹部たちは述べた。

 Duke Energyの最高技術責任者(CTO)であるDavid Mohler氏は「PHEVはスマートグリッドのキラーアプリケーションになると思う。PHEVは、他のどのデバイスにもできない方法で、エネルギーの消費と供給の両方を行うことができ、電力貯蔵を劇的に変える可能性がある」と述べる。

 今後2年で、主流購買層を対象とした多数のプラグイン電気自動車が販売されるようになるだろう。標準の電力貯蔵能力というものはないが、プラグイン電気自動車が4台あれば家1軒に必要な電力を、少なくとも短期間であればまかなうことができるだろう、とMohler氏は見積もっている。

 近い将来、電力網と自動車バッテリを最も前途有望な方法で融合させることによって、電力業界で「周波数調整」と呼ばれているものが提供されようとしている。周波数調整とは、その提唱者によると、電力会社のコストを削減し、環境汚染を軽減するもので、コンシューマーのコストまで削減できる可能性もあるという。

 電力会社は周波数調整サービスに対して定期的に料金を支払って、電力の供給と需要の一致を確保する。供給と需要のバランスが崩れて信号周波数に変動が生じると、発電機が始動して電力の流れを調整する。

 しかし、プラグイン電気自動車のネットワークがあれば、バッテリの充電をたとえ数分でも一時休止することにより、実質的にこれと同じ機能を果たすことができる。ドライバーが自動車を必要としたときには満量まで充電された状態にできるようにしつつ、休止をはさんで断続的に充電する。これを膨大な数の自動車について行うことができる、とGoogleの再生可能エネルギーエンジニアであるAlec Brooks氏は語った。

 Googleは、電力供給を監視し自動車が充電されるタイミングを正確に管理するアルゴリズムを使用した「スマート充電」の概念実証ソフトウェアを開発した、とBrooks氏はプレゼンテーション中にシミュレーションデータを見せながら説明した。「自動車から満タンにする必要があることを伝達されると、どの車に配電して満タンにする必要があるかが分かる」(Brooks氏)

 周波数調整(すでに莫大な金額が動く市場となっている)に自動車のバッテリを使用すると、コストパフォーマンスが高まり、変動の大きい風力や太陽光を電力会社がより効果的に活用できるようになる可能性がある、とBrooks氏は述べた。Googleは開発したソフトウェアを、プラグインハイブリッド車に転換された8台の「プリウス」でテスト中であるという。

 「1日の中でも大きく変動することがある再生可能エネルギーに合わせて、負荷を調整することができる。つまり、発電するのではなく負荷を移動させるシステムということだ」(Brooks氏)

Chevrolet Voltでコスト削減

 PHEVと周波数調整に関するツール開発に取り組んでいるのは、Googleのソフトウェアエンジニアだけではない。2010年末に発売予定の「Chevrolet Volt」には、「OnStar」サービスを使用したスマート充電機能が組み込まれる予定だ。

 General Motors(GM)は、米エネルギー省の研究プロジェクトにおいて、50の電力会社と協力し、Chevrolet Voltを電力会社と連携させる可能性を探る取り組みを行っている。周波数調整のようなグリッドサービスを提供することにより、Chevrolet Voltの所有コストが下がるだろう、とGMの先進自動車戦略および法務担当ディレクターであるKeith Cole氏は述べた。

 「契約した顧客が、充電が140秒ずつ中断されることに同意した場合、電力会社は電気料金から差し引く形でその対価を支払う。これにより、Chevrolet Voltの充電コストを削減できる。1kW時につき7~10セントのコストが、このサービスによって5セントか3セントに下がる可能性がある」(Cole氏)

 このような契約は、技術的にはChevrolet Voltの発売当初から可能であるが、すぐに利用できるようになるとは期待できない。この種のサービスのビジネスモデルはまだ、さらなる検討が必要な段階だ。

 それでも、波数調整のために電力会社が購入する電力は比較的高価なため、電力需要を削減して周波数調整に役立てることは、電力会社にとって十分意味のあることだ、とCole氏は指摘している。また、電力会社は、多数の自動車を管理できる場合にのみ、そのような契約に関心を持つだろう、と付け加えている。

 さらに、電力会社は、ピーク時にコストが高く環境を汚染する予備発電所を始動させるのではなく、自動車バッテリの貯蔵電力を利用して電力網の負荷を軽減することができるかもしれない。しかし、「ビークルツーグリッド(vehicle-to-grid:V2G)」と呼ばれる、電力を双方向に流すシステムは、技術的な課題を抱えており、バッテリにさらなる負荷をもたらす。

自動車と電力のマッシュアップ

 自動車業界と電力業界がどのように手を結ぼうとしているのかを示している例がある。Chryslerが1年間に生み出す電力容量を2015年ごろまでに1gW超とすることを見込んでいる、とChryslerのENVI電気自動車部門のポートフォリオエグゼクティブTom Sacoman氏が述べたことだ。この数字は、原子力または石炭火力の発電所1基が発電できる容量と同程度だ。

 顧客は、電気自動車を購入する際に、携帯電話の料金プランのように多様なオプションを提示されることになる、とSacoman氏は予測している。電力会社がバッテリ充電速度を管理することを許可する代わりに割引を受けるケースもあれば、管理権を一切譲り渡さずに料金表どおりの全額を支払う料金プランもある、というようになるだろう。

 実現は数年先のことになるが、電力会社はすでに、使用済みのプラグイン電気自動車の貯蔵装置(大半がリチウムイオンバッテリとなる見込み)に関する構想を持っている。例えば、Chevrolet Voltのバッテリ寿命は、10年間、15万マイル(約24万km)まで保証されるという。

 しかし、グリッドエネルギー貯蔵装置業界の幹部の中には、顧客は自動車のバッテリの性能が低下してきたら、保証期間が切れる前に、より高性能の新しいものと交換するだろう、と考える人もいる。この古い方のバッテリをリサイクルして、例えば太陽光パネルを取り付けた家庭用のバックアップ電源とするか、あるいは相互に接続して電力会社用の大容量貯蔵装置として利用することも考えられる。

 「バッテリを自動車から取り出して、家庭で据え付け型の電力貯蔵装置に転用し、その後何年も使用できる可能性がある。しかしバッテリを誰が所有するかという問題がある。PHEVを本格的に普及させるには、コンシューマーが自動車を購入しバッテリをリースするようにする必要がある」とEnergy Storage Associationの会長Brad Roberts氏は述べた。

 バッテリのリースは、もともとBetter Placeが開発したビジネスモデルだ。Better Placeは自動車のバッテリを所有して自宅や公共の場所に充電ステーションを設置している会社だ。自動車ができるだけ長い時間コンセントに接続されているようにすれば、周波数調整のようなグリッドサービスの実現可能性が大いに高まる、と言う幹部もいる。

 自分の電気自動車でグリッドサービスを提供するコンシューマーが割引を受けるのと同じように、古い電気自動車バッテリをリサイクルして貯蔵装置とするには、実現可能なビジネスモデルが必要だ。誰かがバッテリを回収して電力会社用に再パッケージ化する必要があるだろう、と電力会社American Electric Power(AEP)の分散エネルギーリソース担当マネージャーAli Nourai氏は述べた。

 「自動車業界がバッテリの価格を下げることは分かっている」とNourai氏は語った。同氏は、そのような自動車バッテリが提供されるようになるまでには、およそ10年かかるだろうと予測している。「真新しいバッテリは必要ない」(Nourai氏)

:2009:06/25/09:56  ++  雇用情勢なお険しく、非正規社員1~3月97万人減、企業、人件費の圧縮続く。

国内の景気は底入れしたとの見方が広がるものの、雇用情勢は依然厳しい。総務省の労働力調査によると、1~3月期平均の非正規社員数は1699万人と昨年10~12月期に比べて97万人減った。最近は政府の雇用維持策などで、急激な人員削減にはやや歯止めがかかっているが、人件費の圧縮に向けた賃金調整は続く。世界景気の回復が遅れれば再び雇用を減らす懸念もあり、視界は晴れない。
正社員も減る
 JR富山駅から歩いて5分。雑居ビルの一室にある「雇用調整助成金センター」には終日人の出入りが絶えない。同センターは富山労働局が雇用調整助成金の申請が大量に押し寄せたのを受け、6月1日に開設した。社会保険労務士などが相談に応じている。
 企業が従業員に支払う休業手当の一部を国が補てんする雇調金制度。2月に支給条件を生産量の減少度合いから売上高の減少度合いに変えるなど利用しやすくしたこともあり、4月の申請件数(人数ベース)は全国で253万人と、わずか1カ月で2008年度通年実績の半数に達した。
 総務省の調査では1~3月期に派遣社員が前期よりも30万人減、パート・アルバイトは21万人減、契約・嘱託社員は22万人減った。この間、正規社員も4万人減少した。ただ厚生労働省が毎月発表しているハローワークや労働局を通じた任意の聞き取り調査では昨年10月から今年6月までの間に、職を失ったり失う予定の非正規労働者数は5月調査で21万6千人。前月調査より9千人増えたが、3万~4万人ペースで膨らんでいた年末年始に比べると増加幅はやや縮小してきている。
 雇調金が雇用維持に役立っているとの指摘は多い。その裏側で企業が生産水準に見合わない雇用を抱え込んでいるのも現在の姿だ。厚労省の5月の労働経済動向調査によれば、正社員が「不足」と答える事業所の割合から「過剰」と答えた割合を引いた指数(DI)はマイナス15。過剰超が続く。多くの企業は賃金の調整を進めている。
高い労働分配率
 「高額品の売れ行きが回復してこない」。21日午後、東京・銀座にある百貨店、松坂屋の宝飾品・時計の販売担当者が嘆いていた。ボーナス支給期にあたる7月は、百貨店のかき入れ時。だが足元の予約・販売状況は想定よりも厳しいという。
 4月の毎月勤労統計(確報)によれば、残業代にあたる所定外給与は前年同月比18・2%減、基本給にあたる所定内給与も1・3%減った。企業が生んだ付加価値のうち人件費にまわった比率を示す労働分配率は1~3月期に70%を超え、過去最高水準にある。収益の悪化ペースが人件費の圧縮分を上回っていることを示す厳しい内容だ。ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎主任研究員は「給与を引き上げるという名分も立ちにくく、当面は人件費の削減が続く可能性がある」と指摘する。
 消費が落ち込んで企業収益が悪化すれば、人件費が削られ、さらなる消費低迷を招く。負の連鎖を断ち切れるかどうかはなお予断を許さない

:2009:06/25/09:48  ++  中国人観光客にビザ効果?―企業や自治体、準備着々、がん発見ツアー。

国内の旅行・レジャー業界は個人ビザ(査証)の解禁をにらみ、中国観光客向けの様々なサービスを準備している。訪日外国人が減少するなかで、中国からの集客を増やそうと、自治体も地域の魅力を訴えようと懸命だ。
 富裕層向けに、最新の医療機器を使った「がん早期発見検診ツアー」を売り出したのは日本旅行。陽電子放射断層撮影装置(PET)で診断してもらえる。3泊4日で1人107万円と高額だが、4月時点で15人の予約が入っており、年内に合計70人の利用を見込んでいる。
 JTBは7月から日本で申し込むオプショナルツアーについて、代金を中国の銀行が発行するキャッシュカード「銀聯カード」で支払えるようにする。個人客は自由時間に好きな場所に行ける。サンリオ傘下のサンリオピューロランド(東京都多摩市)は5月から、館内の主なレストランやキャラクター商品売り場で、銀聯カード対応の決済システムを導入した。
 個人客は団体客と異なり、インターネットで直接、ホテルを予約するケースが増える可能性がある。プリンスホテルと京王プラザホテル(東京・新宿)はそれぞれホームページを刷新し、中国語表記を加えた。
 中国人観光客の取り込みに必死なのは自治体も一緒。富良野市などで構成する富良野・美瑛広域観光推進協議会は11月末から12月にかけて、上海で現地の旅行会社向け説明会を開く。
 北海道東部は中国でヒットしたコメディー映画のロケ地だったことで、中国人観光客が急増している。釧路市はロケ地を巡る観光マップをすでに作製し、富裕層の個人客を待ち構えている。
 一方、沖縄県も20日、観光担当の職員らが北京に出向いて、企業家グループ約50人に沖縄の魅力を訴えた。「富裕層の口コミの力は大きい。日本にも暖かい海洋リゾート地があるということを知ってもらいたい」(沖縄観光コンベンションビューロー)と、代表的なリゾート地の映像を流した。泡盛をふるまい、オペラ風にしたてた民謡も披露した。

:2009:06/25/09:47  ++  中国人観光客にビザ効果?、訪日の個人に来月解禁、対象は富裕層、15万人増目標。

日本を訪れる中国人観光客へのビザ(査証)が、7月から個人にも解禁される。現在は団体客だけが対象だが、個人旅行にもビザを発行することで中国人の観光客を年15万人増やすのが目標だ。新型インフルエンザの影響で最近、外国から来日する観光客数は減っているが、企業や自治体は増加につなげようと受け入れ態勢づくりを急いでいる。
 「個人ビザには相当な期待があると受け止めている」。観光庁の本保芳明長官は24日の定例記者会見でこう述べた。17日に北京で開いた個人ビザに関する記者会見には約40人が集まり、関心の高さをうかがわせた。
 中国人は現在、原則として添乗員が付く4人以上の団体客にしかビザを認めていない。不法滞在の恐れなどが指摘されるからだが、これを富裕な個人にも認める。年収では300万~400万円をひとつの目安とする。
 昨年、日本を訪れた外国人観光客は約605万人。このうち中国人観光客はビザ規制が厳しいことなどから、1割以下の約46万人にとどまっている。中国の海外渡航者の総数(年間約4000万人)からみても、日本のシェアは小さい。
 観光庁は中国からの訪日が広がる余地は大きいとみており、個人ビザの解禁で中国人観光客を年15万人ほど増やすことをめざす。一足早く個人ビザを解禁した韓国では中国人観光客が増加し、個人旅行がその半数を占めるとされる。
 政府が中国人へのビザ発給を緩和する背景には、外国からの観光客の誘致が低迷していることもある。日本政府観光局によると、世界的な景気停滞で韓国や台湾からの訪日客が急減している。
 中国は3月、4月と前年同月比でプラスを維持したが、5月は同18・8%減の6万人になった。「新型インフルエンザの影響が相当にある」(本保長官)。街中でマスクをした人の姿が中国で盛んに報道され、訪日ツアーのキャンセルが相次いだという。
 訪日外国人全体も5月は同34%減の48万6000人に落ち込み、減少幅は4月の同19%から拡大した。観光庁は月内にも、観光分野に限定して新型インフルエンザの安全宣言を出す方向で調整している。
 中国人の個人観光客を呼び込むことで、訪日客数を反転させる起爆剤にしたい考えだが、不法滞在防止などの課題も残る。政府は宿や移動を手配する日本の旅行会社が保証人となって、観光客の出国に責任を持つ仕組みを想定している。

:2009:06/25/09:43  ++  景気底入れ回復へのハードル(4)強まる低価格志向―増えぬ所得、消費に重し。

電子商取引大手のネットプライスドットコム。2日に開設した期間限定サイトが消費者の心をつかんだ。「MOTTAINAI(もったいない)ギャザリング」。形がふぞろいの食品や賞味期限が近い飲料など、格安の「ワケあり商品」をさらに安く買える。
 購入希望者を募り、申込者が増えるほど商品の値段が下がる。関西の飲料メーカーの「うれしい烏龍茶」は1本92円(500ミリリットル、希望小売価格は147円)で売り出した。消費者がタッグを組んで174本申し込み、購入単価を71円まで引き下げたという。
「底値で買う」
 このサイトだけではない。ネットプライスが扱う「ギャザリング」全体の売上高は前年比2ケタのペースで伸びる。「底値でしか買ったことがないわ」。東京都内に住む森本尚美さん(45)も愛好者の一人。月1万~1万5000円を使って食品や化粧品を買う。
 強まる消費者の低価格志向。背景にあるのは雇用・所得環境の悪化だ。4月の失業率は5年5カ月ぶりに5%台に乗せた。大手企業の夏のボーナスは昨年より2割減る。景気が底入れしても反発力が弱く、雇用や所得が増えそうにない。
 「消費者は所得の減少が一時的なものではなく、恒常的なものだと認識し始めている」。BNPパリバ証券の河野龍太郎氏は語る。2008年の勤労者世帯(2人以上)の税込み月収は、ピークの1997年に比べて1割減少した。最近の消費者は将来の所得の増加をあきらめ、支出を切り下げているようにみえる。
 美容室大手の田谷。消費者の節約はカットやパーマにも及び、4~5月の来店客数が前年同期より3%減った。一方、1000円カットで知られる「QBハウス」の5月の来店客数は前年同月を6%上回り、過去最高となった。
 通販サイト「アスクルインターネットショップ」では、詰め替え商品が売れている。5月はシャープペンシルの替え芯が前年同月より5%増えた。油性マーカーの詰め替え用インクなども人気だ。
 「今春は中学1、2年生の入塾が少なかった」。大手学習塾の幹部は話す。2年間は通信教育や自宅学習で我慢させ、受験間近の3年生になってから入塾させる親が目立つという。
 ニッセイ基礎研究所の予測では、09年度の個人消費は実質ベースで前年度比0・4%減少する。08年度実績は0・5%減。2年連続のマイナスならば戦後初めての経験となる。
 「ラチェット効果」――。消費者は所得が減っても、簡単に支出を落とせないといわれてきた。だが「生涯所得」の減少を意識し始めた消費者には、過去の常識が通用しにくい。定額給付金や省エネ家電のエコポイント制度などの効果も限られるだろう。
PBの品質向上
 イトーヨーカ堂は22日、新たな格安プライベートブランド(PB=自主企画)商品を発売した。傘下のディスカウント店向けで、メーカー品より3~5割安い。15枚入り197円のせんべいや10枚177円の焼きのりなどが売れる。
 大手小売業は90年代にも安売り店を出し、PB商品を強化した。ただ当時の消費者には「所得は増える」という希望が残っていた。業界は思うような成果をあげられなかった。
 いまの消費者は低価格品を日常的に受け入れる。セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長は「顧客が消費を合理化している」とみる。もっとも消費者が憂うつな窮乏生活を強いられているだけではなさそうだ。低価格品の品質が向上し、一定の満足感を得られる点も見逃せない。
 国内総生産(GDP)の約6割を占める個人消費の足取りが重ければ、景気の本格回復は難しくなる。底入れ後の日本経済には厳しい試練が待ち受ける。
(景気動向研究班)