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:2010:10/20/10:05 ++ 第1部噴き出す矛盾(5)増税政変のジンクス、覚悟と準備突破口に(民主主義を考える
米国で今年、爆発的に売り上げが伸びた商品がある。判事が法廷でかぶる白髪のかつらだ。「反オバマ」のデモなどを繰り広げる保守派の間で、自助自立という建国の精神への回帰を求めて初代大統領ワシントンの仮装で練り歩くのが流行した。かつらはその必須アイテムだ。
11月の中間選挙の話題を席巻する保守派の草の根運動「茶会党」は「大きな政府」に反対する急先鋒(せんぽう)。主張はただ一つだ。「増税につながりかねない歳出増は認めない」。景気低迷や不法移民の増加で将来に不安を抱く白人層の心を揺さぶり、一気に支持を広げた。
パーティー(党)を名乗るが、目立った指導者はいないし、組織もない。誰かがネットに「××は歳出増を後押しした」と書き込むと、全米からその選挙区に押し寄せ、対抗馬を応援する。予備選段階で本命候補を次々と敗退に追い込んだ。
新たな課税には貴族らの会議の承認を必要とすることを国王に認めさせた13世紀英国のマグナ・カルタ(大憲章)、重税に苦しむ植民地が英国に反旗を翻した米独立戦争……。税は民主主義のあり方と切っても切れない。
□ □
戦後日本でも税はしばしば政変を呼んできた。1970年代に大平内閣が一般消費税を、80年代に中曽根内閣が売上税を打ち出して失敗。故竹下登は89年に消費税導入を実現したが、リクルート事件もあって短命内閣に終わった。
4カ月前もそうだった。参院選マニフェスト(政権公約)を発表する記者会見で首相、菅直人(64)は消費増税に言及。参院選大敗の一因となった。税率は自民党の10%を参考にするなどと「唐突で強引な印象を与えてしまった」(民主党幹部)。
記者会見の前日、菅は側近議員にまくしたてた。「10%と言えば、自民党はそれじゃ足りないと言ってくるかもしれない。そうすればこっちの流れだ」。自民党が主張する「当面、10%」は少子化対策など政策項目を一応、積み上げた数字だ。「民主党に抱きつかれて足りないなどと言うはずがない」(自民党幹部)
「消費税に手をつけた政権はつぶれる」。そんなジンクスが覆る直前までいったことがある。2007年秋。「ねじれ国会」のもとで自民党が、野党第1党だった民主党と話し合い、頓挫した大連立構想だ。
□ □
当時、首相だった福田康夫(74)との会談の直前。当時の民主党代表、小沢一郎(68)は元首相、森喜朗(73)と都内にあるホテルの一室で向かい合った。
森「大連立って、君、何をテーマにするんだ」
小沢「例えば消費税。急いでやらなきゃいけない」
どうしてそんなに急ぐんだ、と聞く森に小沢は言った。「時間をかければ、うちの党はまとまらない」
ドイツのメルケル政権はかつて大連立のもとで付加価値税(消費税に相当)の税率を引き上げた。しかし、菅は「選挙が終わってから『いや実は』というのはおかしい」と言う。民主党政権は「衆院選を経たうえでの消費税率上げ」にこだわる。
それには覚悟と準備が必要だ。竹下内閣当時、小売業界で反対の先頭に立ったライフコーポレーション会長の清水信次(84)は「水面下でじわじわ業界団体を説得していった。竹下さんはまるで忍者のようだった」と振り返る。
英国やポルトガル、ギリシャなど金融危機に見舞われた欧州各国の政権は緊縮財政とともに増税策を迫られている。歯止めがかからない日本の財政悪化。市場がいつまでも待ってくれるとは限らない。
11月の中間選挙の話題を席巻する保守派の草の根運動「茶会党」は「大きな政府」に反対する急先鋒(せんぽう)。主張はただ一つだ。「増税につながりかねない歳出増は認めない」。景気低迷や不法移民の増加で将来に不安を抱く白人層の心を揺さぶり、一気に支持を広げた。
パーティー(党)を名乗るが、目立った指導者はいないし、組織もない。誰かがネットに「××は歳出増を後押しした」と書き込むと、全米からその選挙区に押し寄せ、対抗馬を応援する。予備選段階で本命候補を次々と敗退に追い込んだ。
新たな課税には貴族らの会議の承認を必要とすることを国王に認めさせた13世紀英国のマグナ・カルタ(大憲章)、重税に苦しむ植民地が英国に反旗を翻した米独立戦争……。税は民主主義のあり方と切っても切れない。
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戦後日本でも税はしばしば政変を呼んできた。1970年代に大平内閣が一般消費税を、80年代に中曽根内閣が売上税を打ち出して失敗。故竹下登は89年に消費税導入を実現したが、リクルート事件もあって短命内閣に終わった。
4カ月前もそうだった。参院選マニフェスト(政権公約)を発表する記者会見で首相、菅直人(64)は消費増税に言及。参院選大敗の一因となった。税率は自民党の10%を参考にするなどと「唐突で強引な印象を与えてしまった」(民主党幹部)。
記者会見の前日、菅は側近議員にまくしたてた。「10%と言えば、自民党はそれじゃ足りないと言ってくるかもしれない。そうすればこっちの流れだ」。自民党が主張する「当面、10%」は少子化対策など政策項目を一応、積み上げた数字だ。「民主党に抱きつかれて足りないなどと言うはずがない」(自民党幹部)
「消費税に手をつけた政権はつぶれる」。そんなジンクスが覆る直前までいったことがある。2007年秋。「ねじれ国会」のもとで自民党が、野党第1党だった民主党と話し合い、頓挫した大連立構想だ。
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当時、首相だった福田康夫(74)との会談の直前。当時の民主党代表、小沢一郎(68)は元首相、森喜朗(73)と都内にあるホテルの一室で向かい合った。
森「大連立って、君、何をテーマにするんだ」
小沢「例えば消費税。急いでやらなきゃいけない」
どうしてそんなに急ぐんだ、と聞く森に小沢は言った。「時間をかければ、うちの党はまとまらない」
ドイツのメルケル政権はかつて大連立のもとで付加価値税(消費税に相当)の税率を引き上げた。しかし、菅は「選挙が終わってから『いや実は』というのはおかしい」と言う。民主党政権は「衆院選を経たうえでの消費税率上げ」にこだわる。
それには覚悟と準備が必要だ。竹下内閣当時、小売業界で反対の先頭に立ったライフコーポレーション会長の清水信次(84)は「水面下でじわじわ業界団体を説得していった。竹下さんはまるで忍者のようだった」と振り返る。
英国やポルトガル、ギリシャなど金融危機に見舞われた欧州各国の政権は緊縮財政とともに増税策を迫られている。歯止めがかからない日本の財政悪化。市場がいつまでも待ってくれるとは限らない。
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