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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2009:04/24/14:55  ++  第10部今変えなければ(1)現場発――危機下の求心力(働くニホン)

痛み分け合う配分ルール
 「どう算定すべきか」。今春の一時金交渉で、トヨタ自動車の労使は戸惑いを隠せなかった。賞与の算定方式が成長を前提にしていて、「赤字」を想定していなかったからだ。同社は二〇〇八年度に三千五百億円の最終赤字を見込む。
 「賃上げは無理でも、一時金は満額回答してほしい」(二十代の男性社員)。そんな期待を背に組合は交渉に臨んだが、社長の渡辺捷昭(67)は「皆で痛みを分かち合わなければ働く場を守れない」と繰り返した。結局、会社の回答は組合員平均で百八十六万円。要求を十二万円下回った。
 「賞与のあり方を改めて検討してほしい」。渡辺は三月十八日、組合幹部にこう要請して交渉を締めくくった。トヨタは今年度も赤字となる見通し。労使で分かち合うのは利益ではなく「痛み」。そのルールづくりが手探りで始まった。
「星に願いを」
 厚生労働省によると今年二月まで平均実質賃金は十三カ月連続で前年同月割れ。二月の失業率は四・四%と前月比〇・三ポイント悪化、さらに高まるのは必至だ。連合は春の交渉で「雇用も賃金も」と迫ったが、空振りに終わった。日本電産社長の永守重信(64)は「雇用は天守閣。絶対に守る。当面、賃金は辛抱してほしい」と訴える。非常時の賃金抑制策は職場の風景も変えつつある。
 四月十七日の金曜日。不夜城のように明かりがともる東京・丸の内のオフィス街にあって、日立製作所の本社が入居するビルの上層階は闇に溶け込んだようだった。人けがないのは、この日が初めての「無給の休日」だったから。
 〇八年度に七千億円の最終赤字となる日立は四月から月一回、無給の休日を導入することで労使が合意した。実質三%の賃金カットだ。本社に勤務する二十代の女性社員は「平日の夜も残業する社員の姿は大幅に減った」と話す。午後八時には「星に願いを」、同十時には「明日があるさ」のメロディーが流れ、人影はまばらになる。
 IT(情報技術)バブル崩壊後の〇二年にも同じようなことが起きた。定昇は凍結され、賃金は年功型から成果型へ。その後、日本企業は増収増益を続けたが、課題も抱え込んだ。
 「ものすごくがんばっているうちに、駅の階段を踏み外すほど疲れていた」。ソフト開発のサイボウズに勤める安藤浩二(30)は振り返る。成長企業では週末の出勤も当たり前。「精神的にも参っていた」。職場にきしみが広がり離職率は一時、二割を超えた。
 有能な人材を失い人事担当の副社長、山田理(42)は気付いた。成果だけを目標にすべての社員を駆り立てていいのかと。それまでの「成果型」に「年功型」の報酬体系を用意し、選択制にしたら離職率は半分になった。安藤もいったん年功型に切り替えて気力を取り戻した。
報酬体系も見直し
 業績悪化で賃金のパイは小さくなるばかり。報酬のあり方を含め配分ルールを誤ると、職場は求心力を失って崩壊しかねない。ヘイコンサルティンググループプリンシパルの浅川港(61)は「『全社横断』の人事改革は成功しない。いろんな選択肢を用意すべきだ」と指摘する。
 グループ社員の一割に相当する二千五百人を対象に、営業職への配置転換や早期退職を募る富士ゼロックス。システム要素技術研究所の研究チーム長、川本浩史(49)は「キャリア相談員」として週に半日は同僚の悩みに耳を傾ける。リストラ策が決まった昨年末から、新しい職場や処遇への不安を訴える声が出ている。「引き出しを増やすと思って前向きに考えて」。カウンセラーの資格を持つ川本はこう励まし続ける。

 職場にリストラの波が押し寄せる。働き方に矛盾を抱えたままでは、日本経済は低空飛行から抜け出せない。逆境の今、何を変えるべきか、働く現場に探る。=敬称略
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