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:2009:03/26/10:22 ++ いまどきの売れ筋(上)「安さ」+α―「賢さ」くすぐる意外性。
「需要をつくり出せないなら、売れないのは当然」
(「ユニクロ」の柳井正会長兼社長)
消費低迷のなか、逆風をものともせずにヒットを続ける商品やサービスがある。不況下の消費行動をいかに探り、固くなった財布のひもをどう解きほぐすか。いまどきの売れ筋を追った。
タマネギ「9円」
「新鮮なのに安い。形など気にならない」。首都圏で出店攻勢をかける格安スーパー「ザ・プライス」を訪れた五十代の主婦は一尾七十七円のアジを購入した。通常の半分以下という値段は、しっぽが欠けたり大きさがまちまちだったりと普段、流通ルートに乗らない規格外の魚を一括仕入れして実現した。
魚だけではない。タマネギ一個九円、ピーマン七円――。特定農家と契約して野菜も提供。鮮度が良ければ、形に対する主婦らの反発は予想外に小さく、スーパー業界の販売不振をよそに、店は連日ごった返している。
iPhoneなどのソフトを取り込むアップルの「アップストア」で、ベンチャー企業パンカク(神奈川県藤沢市)が開発したゲーム「ライトバイク」が全米ダウンロード数一位を獲得した。iPhoneを傾けるだけでバイクが蛇行して他車を妨害するスピード感とともに、圧倒的安さが支持を集めた。他のゲーム専用機向けソフトが数千円するなか、当初〇・九九ドルとお試し感覚の値段が人気を呼んだ。
「価格破壊」と呼ばれた一九九〇年代も百円ショップや家電、貴金属品の格安店が集客を競った。だが当時の値下げ対象は限られ、有名高級ブランド品を「一点豪華主義」で買い求める日本特有の現象が続いていた。今回の消費不況で、高額消費は冷え込んだ。富裕層から普通の主婦まで買い控えが広がり、食品、衣料品、高級ブランド品など幅広い商品に値下げが及んでいる。
総務省の家計調査などを基にコメ、子供服など身近な百五十品目の二〇〇八年一月と十一月の価格を比べると、消費者が同じ商品で割安なモノへシフトした場合を含め、六割近くで購入価格が下がった。だが実質消費支出は〇九年一月まで十一カ月連続前年割れ。値下げは広がったが、財布のひもは締まったままだ。
日本総合研究所の小方尚子主任研究員は「九〇年代と違い、日本も必要で価値あるものを厳選する合理的な消費行動に変わった」と指摘する。実際、日経BPコンサルティング調べで、割安なプライベートブランド(自主企画)品の購入頻度が一年前より増えた人は食品で四四%に上るが、雑貨で一九%、家電は四%。特に家電で「品質に不安」との声が多い。賢い消費者が増え、ヒットには「安さ」プラスαの味付けが欠かせない。
健康、便利、エコ
▼「麻婆(マーボー)もやしの素」が半年で売上高二億六千万円と調味料系商品で「驚異的売り上げ」(発売元の丸美屋食品工業)を記録した。豆腐一丁約百円に対し、モヤシは一袋三十円前後。三百円程度で家族のおかずができる上、いためるのではなく、ゆでる料理法を提案。油を使わない意外性が、健康志向にぴったり合った。
▼シャンプーなどの詰め替え用パックを容器へ移さずに済む「詰め替えそのまま」が人気だ。パックの注ぎ口にポンプを、反対側にタオル掛けにぶら下げるホルダーを付けるだけで利用可能。製造元の三輝(東京・大田)によると、詰め替えの手間がかからないのが受けて、月を追うごとに売り上げが伸びている。
百万円台のエコカー人気で自動車会社は値下げを競い始めた。麻婆豆腐でなくモヤシ、詰め替え不要だから便利――。賢い消費との意識をくすぐる意外性があって初めてヒットを生み、健全な企業競争をもたらし、需要創造につながっていく。
(「ユニクロ」の柳井正会長兼社長)
消費低迷のなか、逆風をものともせずにヒットを続ける商品やサービスがある。不況下の消費行動をいかに探り、固くなった財布のひもをどう解きほぐすか。いまどきの売れ筋を追った。
タマネギ「9円」
「新鮮なのに安い。形など気にならない」。首都圏で出店攻勢をかける格安スーパー「ザ・プライス」を訪れた五十代の主婦は一尾七十七円のアジを購入した。通常の半分以下という値段は、しっぽが欠けたり大きさがまちまちだったりと普段、流通ルートに乗らない規格外の魚を一括仕入れして実現した。
魚だけではない。タマネギ一個九円、ピーマン七円――。特定農家と契約して野菜も提供。鮮度が良ければ、形に対する主婦らの反発は予想外に小さく、スーパー業界の販売不振をよそに、店は連日ごった返している。
iPhoneなどのソフトを取り込むアップルの「アップストア」で、ベンチャー企業パンカク(神奈川県藤沢市)が開発したゲーム「ライトバイク」が全米ダウンロード数一位を獲得した。iPhoneを傾けるだけでバイクが蛇行して他車を妨害するスピード感とともに、圧倒的安さが支持を集めた。他のゲーム専用機向けソフトが数千円するなか、当初〇・九九ドルとお試し感覚の値段が人気を呼んだ。
「価格破壊」と呼ばれた一九九〇年代も百円ショップや家電、貴金属品の格安店が集客を競った。だが当時の値下げ対象は限られ、有名高級ブランド品を「一点豪華主義」で買い求める日本特有の現象が続いていた。今回の消費不況で、高額消費は冷え込んだ。富裕層から普通の主婦まで買い控えが広がり、食品、衣料品、高級ブランド品など幅広い商品に値下げが及んでいる。
総務省の家計調査などを基にコメ、子供服など身近な百五十品目の二〇〇八年一月と十一月の価格を比べると、消費者が同じ商品で割安なモノへシフトした場合を含め、六割近くで購入価格が下がった。だが実質消費支出は〇九年一月まで十一カ月連続前年割れ。値下げは広がったが、財布のひもは締まったままだ。
日本総合研究所の小方尚子主任研究員は「九〇年代と違い、日本も必要で価値あるものを厳選する合理的な消費行動に変わった」と指摘する。実際、日経BPコンサルティング調べで、割安なプライベートブランド(自主企画)品の購入頻度が一年前より増えた人は食品で四四%に上るが、雑貨で一九%、家電は四%。特に家電で「品質に不安」との声が多い。賢い消費者が増え、ヒットには「安さ」プラスαの味付けが欠かせない。
健康、便利、エコ
▼「麻婆(マーボー)もやしの素」が半年で売上高二億六千万円と調味料系商品で「驚異的売り上げ」(発売元の丸美屋食品工業)を記録した。豆腐一丁約百円に対し、モヤシは一袋三十円前後。三百円程度で家族のおかずができる上、いためるのではなく、ゆでる料理法を提案。油を使わない意外性が、健康志向にぴったり合った。
▼シャンプーなどの詰め替え用パックを容器へ移さずに済む「詰め替えそのまま」が人気だ。パックの注ぎ口にポンプを、反対側にタオル掛けにぶら下げるホルダーを付けるだけで利用可能。製造元の三輝(東京・大田)によると、詰め替えの手間がかからないのが受けて、月を追うごとに売り上げが伸びている。
百万円台のエコカー人気で自動車会社は値下げを競い始めた。麻婆豆腐でなくモヤシ、詰め替え不要だから便利――。賢い消費との意識をくすぐる意外性があって初めてヒットを生み、健全な企業競争をもたらし、需要創造につながっていく。
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