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:2009:04/08/10:47 ++ マイナス景気試される復元力(2)「賢い支出」3段構え―消費者、見極め厳しく。
「冷蔵庫と洗濯機だけ買う。掃除機はいい」
「テレビもいらない。ワンセグ携帯で十分」
東京・新宿のヨドバシカメラ新宿西口本店。今春の「新生活商戦」は例年より動きが鈍い。五、六種類の家電製品をセットで売り出しても、サラリーマンや学生になったばかりの若者はまとめ買いに慎重だ。
百円ショップ大手のワッツでは昨秋以降、来店客が約一%増えたのに、既存店の売上高が約三%減った。平岡史生社長は「一人あたりの買い上げ点数が少なくなった。必要なものしか買っていない」と話す。
まず「在庫処分」
二〇〇八年十―十二月期の国内総生産(GDP)統計をみると、個人消費は実質ベースで前期比〇・四%減少した。輸出や設備投資が大きく縮んだ企業部門に比べれば、家計部門の落ち込みはまだ小さかった。だが足元の消費は一段と厳しさを増している。
最大の理由は雇用・所得環境の悪化だ。二月は失業率が四・四%に上昇し、一人あたりの現金給与総額が前年同月比二・七%減少した。金融危機の打撃が企業部門から家計部門に波及している。将来不安を抱える消費者は三段構えで支出を選別し始めた。
▼第一ステップ「買い物の量をまず絞る」
化粧水・美容液の二月の出荷量は前年同月比一七%減った。女性は化粧品を使い切らず、買い足していくことが多い。マンダムの西村元延社長は「日用品への支出を節約するため、家庭内に残る在庫の処分を優先している」と話す。
▼第二ステップ「必要な品物は安く買う」
西友の格安スーツが好調だ。親会社の米ウォルマート・ストアーズが世界で展開するプライベートブランド(PB=自主企画)商品。七千九百円の紳士向けは前年の三倍、五千八百円の婦人向けは計画の三倍のペースで売れている。
▼第三ステップ「安くて価値もあるものを選ぶ」
ウィラー・トラベル(大阪市)が運行する夜行バスの「エグゼクティブシート」。東京―大阪間の座席は五月上旬まで予約でいっぱいだ。全身を伸ばせるリクライニングシートや専用のテレビが売り物で、片道料金は九千八百円から。通常の座席のほぼ二倍の値段になるが、新幹線に乗るよりは二―三割安い。
大和総研の熊谷亮丸氏は「〇八年度の消費は前年度比〇・二%減、〇九年度は一・七%減」と予測する。〇九年度の失業率が過去最高の五・五%まで上昇するというのが前提だ。年間の消費が減ったのは一九九七年度の一度だけ。戦後初めての二年連続マイナスが現実味を帯びる。
エアコンと冷蔵庫は九・〇年、乗用車は八・〇年、パソコンは四・九年……。日経産業地域研究所の〇八年調査では、家電などの耐久財を買い替えるまでの平均期間が総じて伸びた。消費者の生活防衛行動が強まれば、こうした傾向も顕著になるだろう。
債務少なく余力
だが歯止めがないわけではない。名目GDPに対する家計部門の金融負債の比率(〇八年の平均)をみると、日本は七五%と米国の一〇〇%より低い。過剰な債務の圧縮に追われる米国の消費者に比べ、モノを買う余力はある。
消費の五割を超えるサービスの踏ん張りもある程度は期待できそうだ。JTBの予想によれば、今年のゴールデンウイークの海外旅行者は前年比一〇%増の約五十万人、国内旅行者は三%増の約二千百四十万人に持ち直すという。
東大の伊藤元重教授が指摘する。「デフレを一度経験した日本の消費者は賢くなった。値段が安ければ飛びつくというのではなく、価格と価値のバランスを見極めようとしている」
いまの家計部門はガードを固めている。消費が底割れするようなら、景気後退と物価下落が連鎖する「デフレスパイラル」のリスクは高まる。それでも「賢い支出」は確実に残る。GDPの六割近くを占める消費の地力が問われよう。
「テレビもいらない。ワンセグ携帯で十分」
東京・新宿のヨドバシカメラ新宿西口本店。今春の「新生活商戦」は例年より動きが鈍い。五、六種類の家電製品をセットで売り出しても、サラリーマンや学生になったばかりの若者はまとめ買いに慎重だ。
百円ショップ大手のワッツでは昨秋以降、来店客が約一%増えたのに、既存店の売上高が約三%減った。平岡史生社長は「一人あたりの買い上げ点数が少なくなった。必要なものしか買っていない」と話す。
まず「在庫処分」
二〇〇八年十―十二月期の国内総生産(GDP)統計をみると、個人消費は実質ベースで前期比〇・四%減少した。輸出や設備投資が大きく縮んだ企業部門に比べれば、家計部門の落ち込みはまだ小さかった。だが足元の消費は一段と厳しさを増している。
最大の理由は雇用・所得環境の悪化だ。二月は失業率が四・四%に上昇し、一人あたりの現金給与総額が前年同月比二・七%減少した。金融危機の打撃が企業部門から家計部門に波及している。将来不安を抱える消費者は三段構えで支出を選別し始めた。
▼第一ステップ「買い物の量をまず絞る」
化粧水・美容液の二月の出荷量は前年同月比一七%減った。女性は化粧品を使い切らず、買い足していくことが多い。マンダムの西村元延社長は「日用品への支出を節約するため、家庭内に残る在庫の処分を優先している」と話す。
▼第二ステップ「必要な品物は安く買う」
西友の格安スーツが好調だ。親会社の米ウォルマート・ストアーズが世界で展開するプライベートブランド(PB=自主企画)商品。七千九百円の紳士向けは前年の三倍、五千八百円の婦人向けは計画の三倍のペースで売れている。
▼第三ステップ「安くて価値もあるものを選ぶ」
ウィラー・トラベル(大阪市)が運行する夜行バスの「エグゼクティブシート」。東京―大阪間の座席は五月上旬まで予約でいっぱいだ。全身を伸ばせるリクライニングシートや専用のテレビが売り物で、片道料金は九千八百円から。通常の座席のほぼ二倍の値段になるが、新幹線に乗るよりは二―三割安い。
大和総研の熊谷亮丸氏は「〇八年度の消費は前年度比〇・二%減、〇九年度は一・七%減」と予測する。〇九年度の失業率が過去最高の五・五%まで上昇するというのが前提だ。年間の消費が減ったのは一九九七年度の一度だけ。戦後初めての二年連続マイナスが現実味を帯びる。
エアコンと冷蔵庫は九・〇年、乗用車は八・〇年、パソコンは四・九年……。日経産業地域研究所の〇八年調査では、家電などの耐久財を買い替えるまでの平均期間が総じて伸びた。消費者の生活防衛行動が強まれば、こうした傾向も顕著になるだろう。
債務少なく余力
だが歯止めがないわけではない。名目GDPに対する家計部門の金融負債の比率(〇八年の平均)をみると、日本は七五%と米国の一〇〇%より低い。過剰な債務の圧縮に追われる米国の消費者に比べ、モノを買う余力はある。
消費の五割を超えるサービスの踏ん張りもある程度は期待できそうだ。JTBの予想によれば、今年のゴールデンウイークの海外旅行者は前年比一〇%増の約五十万人、国内旅行者は三%増の約二千百四十万人に持ち直すという。
東大の伊藤元重教授が指摘する。「デフレを一度経験した日本の消費者は賢くなった。値段が安ければ飛びつくというのではなく、価格と価値のバランスを見極めようとしている」
いまの家計部門はガードを固めている。消費が底割れするようなら、景気後退と物価下落が連鎖する「デフレスパイラル」のリスクは高まる。それでも「賢い支出」は確実に残る。GDPの六割近くを占める消費の地力が問われよう。
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