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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2010:11/02/09:28  ++  原発輸出日本モデルの挑戦(上)ベトナムで逆転受注―包括支援、官民で正攻法。

10月31日、日本がベトナムから原子力発電所建設を受注することが固まった。新興国での受注レースで敗退が続いた後に一矢を報いたが、受注の決め手は何だったのか。ベトナムで編み出した受注の「日本モデル」は各地で進む他の商談にも通用するのか。ベトナムでの原発受注の成果と、今後の輸出のための課題を検証する。
大臣訪越が効果
 「原発建設でベトナムが示した優遇貸し付けや技術移転などの条件を満たすことを保証する」。31日、ベトナムのズン首相と会談した菅直人首相は、政治的な決断で原発受注を後押ししたことを明言した。数年に及ぶ日越の水面下の交渉が結実した瞬間だった。
 日本の原子力関係者に衝撃が走ったのは今年の初め。ベトナムの第1期工事(原発2基)の商談でロシアに敗退したことが伝わった。ベトナムは2030年までに10基以上の原発建設構想を持つ有力市場。ロシアは日本などより大幅な安値を示した上、潜水艦売却など軍事協力を申し出たとされる。日本勢は09年末にはアラブ首長国連邦(UAE)での受注も韓国にさらわれており、新興国勢に連敗した。
 ベトナム2期プロジェクトでのライバルは4カ国。軍事協力をちらつかせるロシア、燃料サイクルで強みを持つフランス、低価格と政府保証を売りものにする中国、韓国。先進国だけが手がけてきた原発ビジネスの構図は様変わりした。日本が苦手とする分野での競争だけに、一時は劣勢が伝えられた。
 「節目は5月だった」。経済産業省幹部は原発商談の流れを変えた最大の要因は「仙谷由人国家戦略相(現官房長官)の訪越だった」と振り返る。ベトナム政府や共産党幹部と会談した同相は帰国すると「最終目標は日越首脳会談を開催する10月末」(経産省)との期限を示し、一時は「死に体」(プロジェクト関係者)といわれた官民の「オールジャパン体制」を立て直した。
 その後の対応は早かった。日本の官民は8月までに初の包括支援策「越日原子力協力パッケージ」を策定。民間側には熱意に差があり、足並みはそろわなかったが、経済産業省に加えて首相官邸が後押しした。
 人材開発から資金の支援、核燃料の安定供給、放射性廃棄物の管理までベトナムの条件すべてを満たす案をまとめると、8月末に直嶋正行経産相(当時)と東京電力や東芝など各社首脳が訪越して提案した。
安値競争と一線
 ライバル対策にも目を配った。仏向けでは核燃料の安定調達を打ち出した。安値受注を狙う中国と韓国には事業費の85%を上限に低利融資する方針で対抗。軍事協力を武器にするロシアには、最新型の火力発電所や送電線網などインフラ構築をセットとすることで対処した。
 31日に受注が正式に固まると、日本の交渉担当者は「正攻法を貫いた」と胸を張った。日本の原発稼働の実績や安定性などが評価され、「安値競争などとは一線を画した」と強調する。原発輸出は自動車や電気製品の輸出とは異なる。相手国で長期間安全に稼働させるためのコストや体制整備をおろそかにできないことは間違いない。
 ただライバル国が安値や軍事協力で攻勢をかける中、今後の受注でこうした官民一体の「日本モデル」がどこまで通用するかは不透明だ。ベトナムでも主契約企業が決まるのはまだ先。企業側からは輸出ビジネスの「本番はこれから」との本音が漏れている。
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