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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2011:05/25/08:54  ++  東北、供給網回復着実に、部品の中小、地域で連帯、福島、風評被害の懸念も。

東日本大震災で寸断されたサプライチェーン(供給網)が急速な勢いで復旧してきた。優れた技術で日本のものづくりを支えてきた東北地方の中小企業も生産態勢を立て直しつつある。原発事故による風評被害など不安を抱えながら、新たな一歩を踏み出している。
ライバルに金型
 津波で人口の5%、約750人が死亡・行方不明となった宮城県山元町。同町では自動車エンジンのアルミニウム部品を手がける岩機ダイカスト工業の本社工場も損傷。生産停止を余儀なくされ、ノウハウの詰まった金型と設計図の一部を、身を切るような思いで関東のライバルメーカーに渡した。
 斎藤吉雄社長は「日本の自動車生産を止めるわけにはいかなかった。部品の供給責任は何より重い」と苦渋の決断を振り返る。工場は4月半ばに操業を再開。現在の稼働率は震災前の5割程度だが、取引先からの信用は守った。生産に余裕がある分、品質の「カイゼン」活動に力を入れ、注文が戻るのを待つ。
 自動車や電機産業は完成品メーカーを頂点に1次、2次、3次と続く下請け企業群が生産を支える。東北は電子部品の集積度が高く、震災の被害が大きい岩手、宮城、福島、茨城4県の出荷額合計は全国の約1割を占める。寸断された部品供給の鎖が、予想を上回る速さでつながり始めた背景には地域の連帯がある。
 録画再生機などの信号読み取り部品で世界シェア30%を持つ堀尾製作所(宮城県石巻市)。震災で1000分の1ミリメートルの精度が必要な金型の設備が一時機能を失った。自らの操業も苦しい中、津波で工場を流された地元の下請け企業、雄勝無線に工場の空きスペースを提供。部品の検査装置を二人三脚でつくり上げた。
 震災後2カ月が過ぎ、雄勝無線は市内で空き工場を見つけ、独り立ちした。検査などに携わる従業員10人余りの解雇は避けられた。
 はからずも大震災が浮き彫りにした東北の底力。経済産業省がかつて表彰した「元気なモノ作り中小企業300社」でも、70社近くが被害の大きかった4県にある。
金融支援が急務
 工場の再稼働にこぎつけても試練は続く。一つは福島第1原発の事故による風評被害だ。
 トヨタ自動車の「プリウス」などハイブリッド車に使われる蓄電池。その検査装置をつくる東洋システムは福島県いわき市の本社工場が、唯一の生産拠点。中国、韓国の顧客からは「フクシマでつくっているのか」との問い合わせが増えてきた。リスク分散と業容拡大を兼ねて相模原市に新工場を確保し、6月に稼働させることを決めた。
 被災企業にとって新たな設備の導入は震災前の借入金と合わせ、二重の債務になるケースも多い。七十七銀行の氏家照彦頭取は「銀行が貸し出しを維持できるよう、国が債権を買い上げる支援が必要」と訴える。
 もう一つの試練はグローバル化の波だ。自動車・電機大手はコストの安い中国などへの生産シフトを進めている。震災を機に部品調達先を海外に変更する可能性もある。
 電子回路をつなぐコネクターを、世界の電機大手に供給するエフビー(岩手県山田町)。6億円を投じて1月に稼働させた金型加工の建屋は、室温も一定に保つクリーンルーム仕様。半導体工場を手本にした厳しい品質管理で不良品を抑える。
 免震工法を施した建屋は震災でもほとんど無傷だった。田鎖巌社長は「価格を含めて中国製品より圧倒的な優位性がなければ、こんなところまで買いに来てくれない」と話す。危機感をバネに懸命の自助努力を続ける企業の復興を、後押しする政策が必要だ。
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