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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2011:07/19/09:28  ++  第1部危機脱出の針路(1)「脱原発」漂流する経済(エネルギーを問う)

 福島第1原子力発電所の事故をきっかけに、日本をエネルギー不安が覆っている。政治の迷走も危機に拍車をかけている。成長につながる基盤を再設計するために、現実に即した冷静な議論が必要だ。(関連記事3面に)
 福島第1原発から約50キロメートル北の新地町。町長の加藤憲郎(64)は事故後、朝7時15分から防災無線で町の放射線量を放送するのが日課となった。
 「国や県の大まかな情報だけでは小さな町の住民は安心しない」と言う。先の見えぬ事故処理、広がる放射性物質による汚染……。原発への国民の不安は高まるばかりだ。
 100%安全というあり得ない前提に立って重大な事故を招いてしまった東京電力の原発。国民の信頼を取り戻すには、不測の事態が起こり得ることを踏まえ、安全を“鍛え直す”ことが必要だ。
 首相の菅直人(64)は浜岡原発の停止要請や突然のストレステスト指示を打ち出したが、場当たり的な手法はかえって不安をかき立てた。産業界も政治の迷走に振り回され、電力不足や電気料金の上昇懸念から、事業の先行きを見通せない。
 神戸市にある理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」。来年の本格稼働へ準備を急ぐが、今は「能力を最大限使うプログラムは流さない」(同研究所)。ネックは3万世帯分を超える電力消費量。世界一の「頭脳」が宝の持ち腐れになりかねない。
15%値上げも
 企業の不安を見透かしたように、海外からの工場誘致も活発になっている。「電気料金は日本の3分の1です」。台湾の行政院(内閣)経済建設委員会主任委員の劉憶如は8月末から、東京と大阪で経営者に進出を訴える。
 みずほコーポレート銀行の試算では、日本の鉄鋼業界が払う電気料金は年6553億円、電子部品業界では3842億円。現状でも韓国、台湾の2~3倍の料金は、原発が停止すれば、火力の燃料費増加で15%上昇するという。円高、法人税の高さなどに加え、競争条件はますます不利になる。三菱ケミカルホールディングス社長の小林喜光(64)は「日本が駄目なら外で稼ぐと腹を固めるしかない」と話す。
 当面の電力危機を克服したうえで、将来にわたって安全で安定し、しかも環境負荷が小さく安価なエネルギーを確保する――。最優先課題のはずだが、実のある議論が進まないのは、政府さえ原子力と火力の正確な発電コストを持たないのが一因だ。「最新」の数値は7年前の試算だ。
 日本経済研究センターは電力各社の有価証券報告書などから独自に発電コストを算出した。原発は1キロワット時あたり5・4~6・4円で7年前とほぼ同水準。5・7兆~20兆円と推計される福島原発事故の処理費用や賠償額を上乗せすると7・4~13・3円になる。
 経済産業省が2009年度のデータを基に試算した再生可能エネルギーのコストと比較すると、風力や地熱は、燃料高の影響を受ける火力に近づいている。太陽光は40円程度と依然割高だ。
 菅の言うような「原発のない日本」はどんな姿になるのか。
 10年度の原発による発電量2882億キロワット時をガス火力、太陽光で半分ずつ賄うと仮定する。日経センターの試算を基にすると、日本の発電コストは1・8倍の約16兆円に膨らむ。
 川崎市の臨海工業地帯に国内有数のメガソーラーが姿を現しつつある。東京電力初の大規模太陽光発電所。東京ドーム6つ分の土地にパネルを敷き詰めているが、出力は2万キロワットにすぎない。すぐそばの火力発電所はほぼ同じ敷地で200万キロワット。その差は100倍だ。
 米民間研究機関のブレークスルー研究所の試算では、原発を太陽光で代替するには、千葉県の面積に当たる5260平方キロメートルの土地と80兆円の建設費用が要る。太陽光が脚光を浴びがちだが、風力、地熱を含め、普及に向けて中長期の現実的な戦略が欠かせない。
産業壊す危険性
 政治経済学者の故村上泰亮は第1次石油危機後に著した「産業社会の病理」で、エネルギー構造の転換について「過渡期を乗り切るためのタイミングを誤れば、産業社会の精妙なマシンが崩壊してしまう危険を決して無視できない」と警鐘を鳴らした。
 目先と中長期の課題を混同したままの性急な「原発是非論」は、日本経済や国民生活の基盤を根底から壊しかねない。原発の安全性を高めつつ、次代のエネルギーを育てていく。英知を集め、危機をバネに変える戦略を描くときだ。=敬称略
(エネルギー問題研究班)
 東日本の大口需要家に15%の節電を義務付ける電力使用制限令。前回の発令は、第1次石油危機の翌年の1974年だった。
 石油危機は資源の少ない日本に省エネルギー革命を促した。国内総生産(GDP)あたりのエネルギー消費は10年で3分の2に低下。世界で群を抜く省エネ社会を実現した。当時75%だった石油依存度は、2008年時点で42%まで落ちている。
 だが、日本経済が負った傷も深かった。74年の消費者物価指数は前年比23%も上昇し、家計を圧迫した。50年代半ば以降、年間平均で約9%成長を続けていた実質経済成長率は、戦後初めてのマイナスに落ち込んだ。
 その後の日本は平均4%ほどの成長率にとどまる安定成長期に入った。日本経済が転換期を迎えた時期に、大きな影響を及ぼしたのが石油危機だった。
 それから約40年。日本はバブル経済崩壊後に低成長に移行。人口減に伴う需要縮小などによる転換期を迎える中で、再びエネルギー制約に見舞われた。石油危機後は鉄鋼などの素材から自動車、電機といった機械へと産業の主力が移った。しかし、現時点では今後の成長を担う産業をまだ見いだせていない。今回の危機への対応を誤れば、衰退への道をたどる恐れもある。
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