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:2010:11/17/16:27 ++ 「イトカワ」での採取確認、宇宙の謎秘める砂粒、太陽系の解明に期待。
日本の探査機「はやぶさ」が地球から約3億キロメートル離れた小惑星「イトカワ」から小さな砂粒を持ち帰ることに成功した。宇宙のこれだけ離れた天体から物質を持ち帰ったのは人類初だ。回収した微粒子は地球や火星を含む太陽系が46億年前に誕生した当時の状態をとどめていると考えられる。成り立ちを詳しく調べれば、地球や生命がどのように誕生したかという人類にとって根源的な謎を解くカギが得られる。
小惑星は地球に落ちてくる隕石(いんせき)のもとにもなる小さな天体だ。イトカワはラッコがあおむけになっているような形をしており、地球と同じように太陽の周りを回っている。軌道は地球と火星の間を通る。太陽系誕生のきっかけになった星の爆発が起きた時に、散らばった大量のがれきが集まってできたとされる。
火山活動がなく、内部で化学反応なども起きていないため現在まで46億年間、できた当時の状態を保っている。いわば太陽系の「化石」だ。はやぶさが地球に持ち帰った微粒子は、その化石の一部にあたる。
隕石にない価値
イトカワの微粒子の分析からは、南極などで見つかっている隕石を調べても分からないことが判明するとの期待が大きい。「隕石は地球を覆う大気圏を突破する過程で高温にさらされる」(宇宙航空研究開発機構=JAXA=の藤村彰夫教授)ため、性質が変化してしまうことが多いからだ。隕石がどこからやってきたか分からず、研究材料としての価値が薄れてしまう場合もある。
はやぶさのカプセルに入っていた微粒子は大きさが0・01ミリメートル程度と極めて小さく、肉眼では見えない。フッ素樹脂の特殊なへらで丁寧に取り出して電子顕微鏡で観察した。今のところ「未知の物質」は見つかっていない。一般的な鉱物として知られる「かんらん石」と「輝石」の粒が際立って多かった。
これらは高温のマグマが冷え固まってでき、地球にも多く存在する。ただ、主要成分の鉄とマグネシウムの割合を調べると鉄の割合が地球の鉱物に比べ2倍以上と高く、隕石に近かった。
この割合は、はやぶさがイトカワの上を飛びながら観測した表面物質のデータともほぼ同じだった。カプセルから取り出せた1500個の微粒子を1つずつ調べ、すべて同様の傾向だったため、イトカワの粒子であると結論づけた。
特殊な光で分析
今後、微粒子の一部は理化学研究所の大型実験施設「SPring―8」(兵庫県佐用町)に運ぶ。ここで放射光と呼ばれる特殊な光を当てて詳しい分析をする。時間とともに起きる内部の変化を読み取れるので、微粒子がいつできたのかを判定できると期待される。
微粒子をスライスして結晶構造も調べ、生成時の温度など周辺環境も明らかにする。こうした分析の結果が出るのは来年1月以降の見通しだ。
JAXAの阪本成一教授は太陽系の起源解明に挑む理由について「地球がどのようにできたのか知ろうとするのは、まさに(高い知能を持つ)人間だからこそ」と強調する。地球を含む宇宙を知ろうとする知的探求心の中で様々な物理法則が発見され、現在のハイテク機器の誕生にもつながった。はやぶさはそうした科学探究の歴史に新たな一ページを加えた。
小惑星は地球に落ちてくる隕石(いんせき)のもとにもなる小さな天体だ。イトカワはラッコがあおむけになっているような形をしており、地球と同じように太陽の周りを回っている。軌道は地球と火星の間を通る。太陽系誕生のきっかけになった星の爆発が起きた時に、散らばった大量のがれきが集まってできたとされる。
火山活動がなく、内部で化学反応なども起きていないため現在まで46億年間、できた当時の状態を保っている。いわば太陽系の「化石」だ。はやぶさが地球に持ち帰った微粒子は、その化石の一部にあたる。
隕石にない価値
イトカワの微粒子の分析からは、南極などで見つかっている隕石を調べても分からないことが判明するとの期待が大きい。「隕石は地球を覆う大気圏を突破する過程で高温にさらされる」(宇宙航空研究開発機構=JAXA=の藤村彰夫教授)ため、性質が変化してしまうことが多いからだ。隕石がどこからやってきたか分からず、研究材料としての価値が薄れてしまう場合もある。
はやぶさのカプセルに入っていた微粒子は大きさが0・01ミリメートル程度と極めて小さく、肉眼では見えない。フッ素樹脂の特殊なへらで丁寧に取り出して電子顕微鏡で観察した。今のところ「未知の物質」は見つかっていない。一般的な鉱物として知られる「かんらん石」と「輝石」の粒が際立って多かった。
これらは高温のマグマが冷え固まってでき、地球にも多く存在する。ただ、主要成分の鉄とマグネシウムの割合を調べると鉄の割合が地球の鉱物に比べ2倍以上と高く、隕石に近かった。
この割合は、はやぶさがイトカワの上を飛びながら観測した表面物質のデータともほぼ同じだった。カプセルから取り出せた1500個の微粒子を1つずつ調べ、すべて同様の傾向だったため、イトカワの粒子であると結論づけた。
特殊な光で分析
今後、微粒子の一部は理化学研究所の大型実験施設「SPring―8」(兵庫県佐用町)に運ぶ。ここで放射光と呼ばれる特殊な光を当てて詳しい分析をする。時間とともに起きる内部の変化を読み取れるので、微粒子がいつできたのかを判定できると期待される。
微粒子をスライスして結晶構造も調べ、生成時の温度など周辺環境も明らかにする。こうした分析の結果が出るのは来年1月以降の見通しだ。
JAXAの阪本成一教授は太陽系の起源解明に挑む理由について「地球がどのようにできたのか知ろうとするのは、まさに(高い知能を持つ)人間だからこそ」と強調する。地球を含む宇宙を知ろうとする知的探求心の中で様々な物理法則が発見され、現在のハイテク機器の誕生にもつながった。はやぶさはそうした科学探究の歴史に新たな一ページを加えた。
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