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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2010:11/30/11:12  ++  どこへ行く日本の安保(上)迫る危機、弱る日米同盟。

朝鮮半島での砲声はアジアの安定の危うさを映し出した。これは日本の安全保障にとっての危機でもある。
 米韓による黄海での合同軍事演習を横目に、日本の自衛隊や在日米軍の基地でも緊張が漂っている。3日から米空母ジョージ・ワシントンが加わり、日本近海などで日米の大がかりな合同演習が実施されるからだ。
 北朝鮮が反発を強めるのはまちがいない。「北朝鮮は日本にも挑発を仕掛けてくるかもしれない」。自衛隊の関係者は身構える。
 米国と違い、日本は北朝鮮の弾道ミサイルの射程にすっぽり入る。情勢が緊迫すれば、韓国にいる約3万人の邦人にも危険が迫る。日本はどう対応するのか。
協議の翌日に…
 北朝鮮が韓国を砲撃する前日の22日朝。ポトマック川ほとりの米国防総省ビルに、日米の外交・安全保障当局者が静かに集まった。同盟強化の作業の一環としてアジア情勢の分析を持ち寄り、認識を共有するためだ。
 今回の会合は3回目。すでに中国や朝鮮半島情勢についてひそかに分析し、この日はロシアも取り上げた。とりわけ白熱したのが、北朝鮮をめぐる7月の協議だった。
 ▽内部崩壊する。
 ▽権力闘争やクーデターが起き、混乱する。
 ▽円滑な権力の継承に成功する。
 北朝鮮の3つのシナリオを分析し、米韓と日本の連携策を探ったという。日米が半島情勢についてここまで本格的な議論を交わすのは昨秋の政権交代後、初めてだ。
 日本は1990年代の半島危機を教訓に、韓国からの邦人救出のためのマニュアルを作成した。内容は極秘だが、まずは民間機や自衛隊機で対応し、「それが難しいときには最終的に米軍に頼らざるを得ない」(政府の安保当局者)。日米ではこんな事態も話し合われているもようだ。
 半島での紛争に即応するうえでも、日米同盟の役割は大きい。米軍が韓国を支援する際には日本が後方の拠点になる。沖縄の米海兵隊も大切な任務を担う。米安保当局者は「韓国の援軍に駆けつけるほか、港湾を確保して韓国から民間人を救出することも在沖海兵隊の役目だ」と語る。
 ところが、日本の歯車は同盟を弱める方向に回っている。米軍普天間基地の県内移設は宙に浮いたままだ。28日の沖縄県知事選で再選された仲井真弘多氏も県外移設を求める。
 長い目でみれば、最大の変数は中国軍の台頭だ。「台湾海峡で危機が再発しても、米空母は近づけないかもしれない」。今春の日米協議で、米側からこんな声がもれた。
米軍優位揺らぐ
 中国軍は96年、台湾を威嚇しようと同海峡で大規模演習を展開した。米軍は空母2隻を急派し、圧倒的な力の差を見せつけてねじ伏せた。だが、米海軍といえども、もはや同じことはできないというのだ。
 中国軍が空母を完成させ、潜水艦をさらに増強すれば、アジアの海での米軍優位も脅かされかねない。尖閣諸島問題などで中国と対立する日本には深刻な事態だ。米国には日本の自助努力に期待する空気が広がる。
 「尖閣をめぐる日中の対立は、日本が防衛費を増やすきっかけになるだろうか」。米軍関係者は最近、日本側との会食の席で、こんな話題を口にするようになった。
 日本の防衛費は2003年から減額が続いている。国内総生産(GDP)に占める比率は0・8%で、米中央情報局(CIA)によると世界のほぼ150位。例えば、これを2・7%の韓国並みに高めるとすれば、防衛費を毎年11兆円強、上積みしなればならない。
 防衛の自助努力のコストをどこまで負担するのか。半島から吹く北風は、日本の有権者にそんな問いを突きつけているのかもしれない。
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