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:2010:11/30/11:17 ++ インタビュー(上)拓殖大大学院教授森本敏氏(どこへ行く日本の安保)
――今回の半島危機は日本の安全保障にどんな影響を及ぼしますか。
「東アジアの状況を考えると、日本人はかなりリスクが高い環境に住んでいるという意識を持つ必要がある。これほどの核と弾道ミサイル、通常戦力の脅威にさらされている民主主義国家は日本と韓国くらいだ。その脅威への盾となるのは日米と米韓の同盟しかない」
――どんな脅威に備えるべきですか。
「北朝鮮は日米韓の抑止力に取り囲まれている。この包囲網を破るために軍事力を蓄え、それを誇示する機会をいつもうかがっている。韓国だけでなく、日本にも軍事的な挑発行動が向けられる危険がいつもある」
――北朝鮮のそうした行動を封じ込めるには何が必要ですか。
「これは中国問題だ。北朝鮮は何をやっても中国がかばってくれると信じている。米国が北朝鮮を攻撃できないとタカをくくっている面もある」
――長い目で見れば、中国軍の増強のほうが大きな変数です。
「中国が軍事力を強めるにつれ、これからアジアを舞台にした米中の攻防が激しくなる。日本は地政学的に米中の中間にいるので、真っ先に中国軍の脅威にさらされる」
――アフガニスタン戦争や不況で疲弊する米国はいつまで現在のような軍事関与をアジアで続けられるでしょうか。
「米国は基本的にこの40年間、ソマリアやイラク、アフガンなどいたるところで戦争を続けてきた。海空軍は一度も負けていないが、陸上兵力は傷つき、疲弊している。その傷を癒やすため、今後、容易には陸上兵力を伴う軍事介入はしなくなるのではないか」
――そうなれば、日米安保体制の将来像にも影響が及びます。
「日本は日米同盟を強化するだけでは足りない。中国軍の増強などに懸念を持つ韓国や東南アジア諸国、インド、オーストラリアとも連携しなければならない。そうした国々との多国間協力を強めることで、日米同盟を補完するしかない」
――米国は日米安保条約で日本を防衛する義務を負っているはずです。
「安保条約といえども、大勢の米兵の命を犠牲にしてでも日本を守りきるとは書いていない。どんな国だって自分の国益になると思うから、相手国を守ろうとする。だからこそ、米国の国益にとって、日本はいつも守るべき存在だと思わせなければならない。そういう状態を維持できなければ、同盟関係も尻すぼみになってしまう」
「東アジアの状況を考えると、日本人はかなりリスクが高い環境に住んでいるという意識を持つ必要がある。これほどの核と弾道ミサイル、通常戦力の脅威にさらされている民主主義国家は日本と韓国くらいだ。その脅威への盾となるのは日米と米韓の同盟しかない」
――どんな脅威に備えるべきですか。
「北朝鮮は日米韓の抑止力に取り囲まれている。この包囲網を破るために軍事力を蓄え、それを誇示する機会をいつもうかがっている。韓国だけでなく、日本にも軍事的な挑発行動が向けられる危険がいつもある」
――北朝鮮のそうした行動を封じ込めるには何が必要ですか。
「これは中国問題だ。北朝鮮は何をやっても中国がかばってくれると信じている。米国が北朝鮮を攻撃できないとタカをくくっている面もある」
――長い目で見れば、中国軍の増強のほうが大きな変数です。
「中国が軍事力を強めるにつれ、これからアジアを舞台にした米中の攻防が激しくなる。日本は地政学的に米中の中間にいるので、真っ先に中国軍の脅威にさらされる」
――アフガニスタン戦争や不況で疲弊する米国はいつまで現在のような軍事関与をアジアで続けられるでしょうか。
「米国は基本的にこの40年間、ソマリアやイラク、アフガンなどいたるところで戦争を続けてきた。海空軍は一度も負けていないが、陸上兵力は傷つき、疲弊している。その傷を癒やすため、今後、容易には陸上兵力を伴う軍事介入はしなくなるのではないか」
――そうなれば、日米安保体制の将来像にも影響が及びます。
「日本は日米同盟を強化するだけでは足りない。中国軍の増強などに懸念を持つ韓国や東南アジア諸国、インド、オーストラリアとも連携しなければならない。そうした国々との多国間協力を強めることで、日米同盟を補完するしかない」
――米国は日米安保条約で日本を防衛する義務を負っているはずです。
「安保条約といえども、大勢の米兵の命を犠牲にしてでも日本を守りきるとは書いていない。どんな国だって自分の国益になると思うから、相手国を守ろうとする。だからこそ、米国の国益にとって、日本はいつも守るべき存在だと思わせなければならない。そういう状態を維持できなければ、同盟関係も尻すぼみになってしまう」
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