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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2010:11/09/08:55  ++  環太平洋協定TPP日本の選択(上)強い製造業岐路に―大経済圏、中国もにらむ。

政府は環太平洋経済連携協定(TPP)に関する基本方針を9日に閣議決定する。だが、原則としてすべての関税を撤廃する協定に農業団体などの反発は強く、実際の交渉入りには時間がかかる可能性が高い。国の生き残りをかけ、菅政権の「日本をひらく姿勢」が問われている。
海外へ雇用流出
 「インドでは年100万台も売る最大手だが、ハンディを感じる」。スズキの鈴木修会長兼社長は2日の記者会見でこう訴えた。インドとの自由貿易協定(FTA)が発効した韓国の現代自動車は部品輸入の関税が1~5%で済むのに対し、スズキには12・5%の関税がかかる。日印は10月に経済連携協定(EPA)の締結で合意したが、関税撤廃までは不利な状況が続く。
 「反TPP」の動きが民主党内で強まり、堂々巡りの議論が続いたこの1カ月余の間、海外事業の拡大を決断した企業が相次いだ。
 スズキや三菱自動車はインドやタイに新しい工場を建設する。ホンダはタイ、インドで生産した二輪車を日本や欧米、南米などに輸出し、三菱電機はタイなどで海外向けのエレベーターの集中生産を始める。
 FTAに積極的な国々への投資ラッシュだ。円高の加速で生産拠点の再配置を迫られる日本企業。多くの政治家は就業人口260万人の農業を「守れ」と叫びながら、日本の屋台骨であり1100万人が働く製造業の雇用が流出していくことに何の危機感も抱いていないように見える。
 TPPが避けて通れない理由は主に2つある。1つは韓国。すでに欧州連合(EU)、米国とのFTAが発効待ちで、中国との協定も1年以内に合意する可能性がある。日本はこの3カ国・地域とFTAがない。
 自動車や電機に軸足を置く日韓は貿易のスタイルが似ている。韓国製の乗用車、薄型テレビの関税だけが米欧中の大消費地でゼロになると、日本は厳しい。
効果10兆円以上
 もう1つは中国だ。中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)+日中韓など、自ら主導権を握り時間をかけて緩やかな枠組みをつくりたいとみられるが、日本が入ればEUをしのぐ巨大経済圏になるTPPにも関心を強めている。これから米国主導で自由貿易ルールが作られていくTPPに日米が手を組んで中国を巻き込めば、中国の一段の市場開放にもつながる。
 国内では今、エコカー補助金の終了と円高で自動車各社が生産を大幅に減らしている。だが、そんな中でも増産しているのは中国向けの乗用車だ。今年1~9月の対中輸出は16万3000台となり、05年1年間の3倍に膨らんだ。大半はトヨタ自動車の「レクサス」など高級車だという。
 中国の関税率は25%。米国の2・5%と比べると飛び抜けて高い。それでも売れるのは、富裕層が急速に増えているからだ。関税が下がれば、高級車の市場は一気に膨らむ。
 経済産業省はTPPの国内総生産(GDP)への波及効果を10兆円と試算したが、自動車メーカー首脳は「中国などを入れれば、10兆円どころの話ではない」と期待する。
 自動車や電機の国内生産額は現在、約100兆円ある。その6割強は外需向けだ。一方、農業総産出額は8兆5千億円にとどまる。日本が国内にものづくりの機能を残し、雇用を増やせるか。TPP参加の意義はそこにある。
 戦後の日本ほど自由貿易体制の恩恵を受けた国はない。しかし内向きの政策に終始した結果、雇用は海外に流出し、外資も入ってこない状況を招いた。TPP反対の国会議員はこの国の雇用をどうしようとしているのだろうか。
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