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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2010:12/06/08:54  ++  第2部岐路に立つ(1)いでよ「指導者」(民主主義を考える)

「中国やロシアに毅然と対応してくださいよ」
 「小沢さん一人どうにもならないのに、できるわけないだろう」
 社会風刺コントで人気を集めるザ・ニュースペーパー。埼玉県越谷市で1日、披露したネタの反応は悪くはなかったが、首相、菅直人(64)のまねをする松下アキラ(46)の表情はさえない。「菅さんは首相として何もやろうとしていない。だから演じにくい……」
 安倍晋三(56)以降、1年交代で登場した5人の首相と政治の混乱。笑いの裏に「冗談にしている場合じゃない」という空気が潜む。より深刻なのは、閉塞感を打破する指導者への期待感もしぼんでいる点だ。
□   □
 自民党政権時は派閥領袖が、閣僚や党幹事長などを経験しながら首相を目指した。だが「金権」「密室」の批判をうけた派閥政治には戻れない。何より「成長の果実を分配し日米安保を堅持していれば何とかなった55年体制下の首相と、低成長や新興国の台頭と向き合うこれからの首相は全然、違う」(キヤノングローバル戦略研究所の研究主幹、宮家邦彦=57)。
 「財政再建をしたいんじゃない。しなくてはならないのだ」
 11月25日の自民党本部。政調会長の石破茂(53)らが、英議会で激論を交わす英首相、キャメロン(44)のビデオに見入った。石破が企画したディベート能力開発講座。歳出削減や増税など過激ともいえる財政再建策を打ち出しながら、底堅い支持率のキャメロン政権の秘密を探ろうと、40人を超す議員が集まった。
 13年ぶりに政権を奪還したキャメロンは、いわば保守党の申し子だ。オックスフォード大を卒業後、党の貿易担当調査員として当時の首相、サッチャー(85)に仕えた。25歳で財務相特別顧問に抜てきされ、1992年の「ポンド危機」への対応などで頭角を現していった。
 英国では、議員になる前の若手有望株を調査員やスピーチライターに起用し、首相や大臣を補佐させる伝統がある。経験を積みながら官僚とのパイプもつくる。キャメロンは官僚組織の肥大化を批判する一方、5月の総選挙前から各省のトップと会談を重ね、政権発足に備えていた。
 政党が政治指導者を発掘し、育てる――。そんな考えが定着している英国に対し、米大統領選は「生き残り競争型」だ。二大政党が各州で開く予備選や党員集会を勝ち抜き、本選に臨む。オバマ(49)も2007年2月の出馬表明から1年9カ月の戦いに耐えて頂上にたどり着いた。
 この間、繰り返される討論会は指導者としての資質を徹底的に洗い出す。政策スタッフを集め、全米に集金網をつくるなかで、組織を束ねる能力も問われる。
□   □
 米英のやり方が最善というわけではない。オバマの支持率は低迷している。移ろいやすい民意を前にキャメロン政権もいつ失速するかは分からない。オックスフォード、ケンブリッジなどの有名大学が事実上のリーダー育成機関となっている英国では、階級社会とも密接に絡むエリート主義への不満がくすぶる。
 それでも、実力本位で指導者を選ぶ政治風土は日本の先を行く。キャメロンも、英労働党党首に就いたミリバンド(40)も、国会議員経験は10年に満たない。
 リーダー育成の研修事業などを手掛ける非営利組織(NPO)、ISLの理事長、野田智義(51)は言う。「日本でも優秀な人材が責任ある立場で競いあえば、指導者は育つ」(敬称略)
「民主主義国はおそらくほかのどの形態の政治よりも国民を指導し、鼓舞すべき卓越した人物を必要とする」
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