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:2010:11/10/10:01 ++ TPP閣議決定、「開国」へ一歩踏み出す、対米輸出に追い風。
政府は9日、環太平洋経済連携協定(TPP)について「関係国との協議を開始」する基本方針を閣議決定した。産業界は対米輸出の拡大などにつながるTPP参加を支持している。自動車や鉄鋼業界には、すでに欧米と自由貿易協定(FTA)を結んだ韓国の企業との競争上、一刻も早い参加を望む声が多い。「平成の開国」(菅直人首相)に向け、農業の強化策が待ったなしとなる。(1面参照)
「世界で同じ条件じゃないと競争できない」(スズキの鈴木修会長兼社長)。自動車業界が危機感を強めるのは、FTAの遅れで韓国に敗れた苦い経験があるからだ。
「同じ土俵なら」
日本自動車工業会によると、2004年4月に韓国とチリのFTAが発効し、韓国からチリへの自動車輸出が急増した。6%の関税が撤廃されたからだ。07年には7万5千台と、日本の輸出台数を初めて上回った。
日本とチリの経済連携協定(EPA)が発効したのは07年9月。すると08年に日本からの輸出台数は韓国を上回った。「同じ土俵なら日本車の競争力はまだまだ発揮できる」と、日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)は指摘する。
TPP参加の影響の大きさは、チリとのEPAの比ではない。米国の乗用車輸入の関税は2・5%。米国が交渉に参加しているTPPに日本も加われば、この関税がゼロになる。ホンダの場合、1年間に20万台弱を米国に輸出しており「利点は大きい」(同社)。
一方、韓国は米国とのFTAが発効待ちの状態。日本がTPPに参加するか米国とFTAを結ぶかしなければ、韓国車のみ関税ゼロとなり日本車との競争で優位に立つ。
発電プラントなどを輸出する三菱重工業は「円高に加え関税でも日本企業が不利になれば、競争力に差がついてしまう」と話す。稼ぎ頭の発電用ガスタービンは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が最大手。日本が参加する形でTPPが発効すれば、GEの牙城である米国で関税がかからなくなる公算が大きい。
柔軟に戦略構築
鉄鋼業界もTPPへの早期参加を求める。新日本製鉄など大手の輸出比率(金額ベース)は数年前の3割前後から、今や4~5割に拡大した。国内生産の多くをアジア向け輸出が支える構図だ。そのアジア市場でも韓国の鉄鋼大手ポスコの攻勢が目立つ。日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)は輸出競争力を左右するTPPに参加しなければ「重大な損失を招く」と訴える。
FTAやTPPなどの取り組みが進めば、企業はグローバル戦略をより柔軟に構築できる。
ソニーは10年4~6月にインドの薄型テレビ市場でシェア1位を獲得した。そのテレビはマレーシアの工場で生産している。インドと東南アジア諸国連合(ASEAN)の間では今年、FTAが発効し、テレビのインドへの輸出関税は10%から7・5%に減少。今後も段階的に下がる予定だ。
テレビをインドで現地生産している韓国勢との競争でも「大きな不利にはならない」(ソニー)という。
日本がTPPに参加すればドル安を生かし米国工場を輸出拠点として活用する道も開ける。「豪州へ大型車を輸出するなど、効率的な生産体制をつくりやすくなる」(日産自動車幹部)とみる。
▼環太平洋経済連携協定(TPP) シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が2006年に締結した。貿易や投資、人の移動など幅広い分野で、例外の少ない自由化を目指す。通常の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)より参加のハードルが高い。米国や豪州など5カ国も参加を表明し、9カ国で新たな枠組みづくりに向けた交渉を進めている。
○TPPは情報収集を進めながら対応し、関係国との協議を開始
○「アジア太平洋自由貿易圏実現に向けた閣僚会合」を開催
○「農業構造改革推進本部」(仮称、議長・菅直人首相)を設置
○関税措置のあり方を見直し、透明性の高い納税者負担制度への移行を検討
○非関税障壁撤廃に向け、行政刷新会議で11年3月までに規制改革の具体的方針を決定
「世界で同じ条件じゃないと競争できない」(スズキの鈴木修会長兼社長)。自動車業界が危機感を強めるのは、FTAの遅れで韓国に敗れた苦い経験があるからだ。
「同じ土俵なら」
日本自動車工業会によると、2004年4月に韓国とチリのFTAが発効し、韓国からチリへの自動車輸出が急増した。6%の関税が撤廃されたからだ。07年には7万5千台と、日本の輸出台数を初めて上回った。
日本とチリの経済連携協定(EPA)が発効したのは07年9月。すると08年に日本からの輸出台数は韓国を上回った。「同じ土俵なら日本車の競争力はまだまだ発揮できる」と、日産自動車の志賀俊之最高執行責任者(COO)は指摘する。
TPP参加の影響の大きさは、チリとのEPAの比ではない。米国の乗用車輸入の関税は2・5%。米国が交渉に参加しているTPPに日本も加われば、この関税がゼロになる。ホンダの場合、1年間に20万台弱を米国に輸出しており「利点は大きい」(同社)。
一方、韓国は米国とのFTAが発効待ちの状態。日本がTPPに参加するか米国とFTAを結ぶかしなければ、韓国車のみ関税ゼロとなり日本車との競争で優位に立つ。
発電プラントなどを輸出する三菱重工業は「円高に加え関税でも日本企業が不利になれば、競争力に差がついてしまう」と話す。稼ぎ頭の発電用ガスタービンは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が最大手。日本が参加する形でTPPが発効すれば、GEの牙城である米国で関税がかからなくなる公算が大きい。
柔軟に戦略構築
鉄鋼業界もTPPへの早期参加を求める。新日本製鉄など大手の輸出比率(金額ベース)は数年前の3割前後から、今や4~5割に拡大した。国内生産の多くをアジア向け輸出が支える構図だ。そのアジア市場でも韓国の鉄鋼大手ポスコの攻勢が目立つ。日本鉄鋼連盟の林田英治会長(JFEスチール社長)は輸出競争力を左右するTPPに参加しなければ「重大な損失を招く」と訴える。
FTAやTPPなどの取り組みが進めば、企業はグローバル戦略をより柔軟に構築できる。
ソニーは10年4~6月にインドの薄型テレビ市場でシェア1位を獲得した。そのテレビはマレーシアの工場で生産している。インドと東南アジア諸国連合(ASEAN)の間では今年、FTAが発効し、テレビのインドへの輸出関税は10%から7・5%に減少。今後も段階的に下がる予定だ。
テレビをインドで現地生産している韓国勢との競争でも「大きな不利にはならない」(ソニー)という。
日本がTPPに参加すればドル安を生かし米国工場を輸出拠点として活用する道も開ける。「豪州へ大型車を輸出するなど、効率的な生産体制をつくりやすくなる」(日産自動車幹部)とみる。
▼環太平洋経済連携協定(TPP) シンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの4カ国が2006年に締結した。貿易や投資、人の移動など幅広い分野で、例外の少ない自由化を目指す。通常の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)より参加のハードルが高い。米国や豪州など5カ国も参加を表明し、9カ国で新たな枠組みづくりに向けた交渉を進めている。
○TPPは情報収集を進めながら対応し、関係国との協議を開始
○「アジア太平洋自由貿易圏実現に向けた閣僚会合」を開催
○「農業構造改革推進本部」(仮称、議長・菅直人首相)を設置
○関税措置のあり方を見直し、透明性の高い納税者負担制度への移行を検討
○非関税障壁撤廃に向け、行政刷新会議で11年3月までに規制改革の具体的方針を決定
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