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ひで坊な日々

主に私の仕事と信条に関わるメディアからの備忘録と私の日常生活から少し・・・                             
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:2009:01/06/12:51  ++  「柔軟な雇用」に逆風、製造業派遣見直し浮上、規制強化、採用減も(雇用)

派遣労働者など非正規雇用を巡る論点が広がってきた。舛添要一厚生労働相は五日、製造業への労働者派遣について将来の禁止を示唆。民主党は業種規制などを盛った労働者派遣法改正の対案を用意する検討に入った。柔軟な雇用制度を目指した規制緩和には逆行する動きで、景気悪化が深刻になる中での規制強化が中長期的に働く人への利益になるか慎重な議論が必要になる。
 政府はプログラマーや通訳など専門的な業種に限定していた労働者派遣を二〇〇四年に製造業にも解禁。多様な働き方を製造現場にも認めることで就職しやすい環境をつくる狙いがあった。大企業はこれをきっかけに工場労働者などへの派遣活用を積極的に進めた。
 この規制緩和は労使双方に恩恵をもたらした。企業は人件費を抑制しながら迅速に労働力を確保できるようになった。労働者を雇いやすくなった分、雇用の受け皿が拡大。〇五―〇七年の完全失業率は世界的に低い四%台で推移している。
 足元の景気後退でそんな景色が一変した。労働者に占める非正規比率が三分の一強まで増え、その失業増は大きな社会問題になっている。舛添厚労相は記者団に「製造業にまで派遣労働を適用するのはいかがなものか。それを含めて考えなければいけない」と規制強化に踏み込んだ。
 政府はすでに昨秋の臨時国会に日雇い派遣を原則禁止とする労働者派遣法改正案を提出し継続審議中だが、業種規制は盛り込んでいない。民主党は今通常国会で製造業への派遣禁止などを盛った対案づくりに着手する構え。かねて製造業派遣禁止を求めている社民、国民新、共産党などを含め、派遣規制の強化を巡る議論が激しくなる情勢だ。
 ただ、規制強化は中長期的に企業の採用意欲を損なう懸念がある。欧州など一部の国の高失業率の背景には硬直的な雇用システムがある。とりわけ業績が悪化した製造業への規制強化は先行きの雇用機会を減らす恐れが否めず、政府内でも「すでに広がっている製造業派遣を禁止すれば雇用の場が失われる」との反対論は根強い。短期間の働き方を選択している人が働くチャンスを失う可能性もある。
 派遣を禁止しても現在の雇用問題が解決するわけではなく、さらに幅広い対応策が欠かせない。派遣に代表される非正規労働者には職業訓練の機会が少ない。これを整えないと非正規労働を続けるしかないという悪循環に陥りがちだ。また、失業した非正規労働者が住居まで失って職探しがままならなくなる例も多く、社会保障の観点などからセーフティーネットづくりが必要になる。
 危機の際に一人当たりの労働時間を減らして全体の雇用を守るワークシェアリングも、正社員と非正規社員が痛みを分かち合う仕組みとして重要な検討課題になる。目先の問題だけではなく、働き方を巡る本質的な議論に踏み込まなければ、問題解消の道のりは遠い。
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:2009:01/06/12:13  ++  国内新車販売、508万台、ピークの65%、軽含む昨年、28年ぶり低水準に。

自動車業界団体が五日まとめた二〇〇八年の国内新車総販売台数(速報値、軽自動車含む)は前年比五・一%減の五百八万二千二百三十五台だった。四年連続のマイナスで一九八〇年以来二十八年ぶりの低水準。ピークだった九〇年(七百七十八万台)の六五%に減少した。ガソリン高などによる販売低迷に、昨年秋以降の世界同時不況による消費者心理の冷え込みが追い打ちをかけ、需要減に歯止めがかからない。(関連記事13面に)
 日本自動車販売協会連合会(自販連)によると、登録車(排気量六六〇cc超)は六・五%減の三百二十一万二千三百四十二台。五年連続の減少で、石油危機直後の七四年以来三十四年ぶりの水準に落ち込んだ。ハイブリッド車など一部車種を除き、株安による「逆資産効果」などで消費者が買い控えた。
 比較的好調だった軽自動車にも陰りが出ている。全国軽自動車協会連合会(全軽自協)によると、軽自動車の販売は二・六%減の百八十六万九千八百九十三台と、二年連続のマイナス。ガソリン価格高騰などの影響で登録車からの需要シフトが進んだため、登録車に比べれば落ち込み幅は少ない。しかし〇八年十二月単月の販売が六・七%減になるなど、秋以降、減速傾向が顕著だ。

:2009:01/06/08:59  ++  「おそらくShare」 IPA職員が情報流出に使ったファイル交換ソフト

独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の職員が私物のPCでファイル交換ソフトを使用し、PC内の情報を流出させたことが明らかとなった。

 IPAが情報流出の事実を確認したのは1月4日午後。一般のインターネットユーザーからの通報で明らかになったという。

 流出したデータは当該職員に関わる個人情報や一部の公開画像だという。IPAに問い合わせたところ、具体的には同機構が2007年秋に開催したイベントの写真と、職員本人のプライベートな写真が含まれていたとのことだ。なお、イベントの写真はすでにIPA発行の雑誌「SEC journal」に掲載されたものだという。

 またIPA広報によれば、当該職員が使用していたファイル交換ソフトについては、「まだ直接確認できていないが、おそらくShareではないか」としている。

 IPAはこれまで、「ソフトウェア及び情報処理システムの健全な発展を支える戦略的なインフラ機能を提供するプロフェッショナル集団」(IPAサイトより)として、たびたび「Share」や「Winny」といったファイル交換ソフトによる情報ろう洩の危険性を注意喚起してきた。

 2008年12月15日にも、「漏れたら大変!個人情報」というコンテンツを公開し、一般のインターネットユーザーに向けて、「ファイル交換ソフトを利用していませんか?」と改めてチェックを勧めたばかりだ。

 よりによって、そのような組織の一員がなぜファイル交換ソフトを使って情報を流出させたのだろうか。ファイル交換ソフトの利用目的などは現在、確認中とのことだ。再発防止策についても検討中だという。

IPAによるリリース 「IPA職員の私物パソコンによる情報流出について」IPAによるリリース 「IPA職員の私物パソコンによる情報流出について」

:2008:12/24/12:48  ++  09戦略そこが知りたい(1)新日本石油会長渡文明氏―世界同時不況どう勝ち抜く。

世界経済がかつて例を見ない景気変動に見舞われている。企業にとって厳しい経営環境は二〇〇九年も続きそうだ。突破口はどこにあるのか。シリーズで経営者に勝ち残りの戦略を聞く。初回は業界首位の座に安住せず、新日鉱ホールディングス(HD)との経営統合に動いた新日本石油の渡文明会長。世界不況による石油需要急減への対応策を聞いた。
 ――景気低迷が深刻さを増している。
 「世界で同時かつ急速に不況が進行している点でインパクトが大きい。世界の金融システムの連動性が高まり、米国経済が急激に沈没したことが欧州や新興国などへ広く影響している。過去の経済危機より深刻だ」
 「石油需要も急速に減少しており、業界内の競争はより厳しくなる。生き残りには経営統合の決断が必要だった。これからも石油業界の再編は避けられない。長期的に見ても、国内では人口減や環境問題で自動車の保有台数は減少傾向をたどるだろう。しかも燃費効率はよくなる。石油需要が増えるということはもうないだろう」
 ――具体的な統合の成果をどう引き出すか。
 「需要が急減するなかではまず、設備過剰の解消を急ぐのが業界の一番大きなテーマ。国内の原油精製能力から需要を差し引くと全体の約二割分の設備が余っている。一定量を輸出でまかなっても、余剰は大きい。設備の統廃合は一社では難しい。だが、二社が協力することで加速でき、低迷する国内事業を立て直せる」
 ――拡大戦略はどう描いているのか。
 「まず、経営統合で国内の石油事業の経営基盤を強固にし、その一方で、海外の資源事業を拡大する戦略だ。原油・天然ガスの生産量は将来的に現在の三倍強となる日量五十万バレルと世界の準メジャー級を目指す」
 ――環境志向の高まりも旧来型の資源事業には逆風となりそうだ。
 「化石燃料だけを扱う企業から『総合エネルギー企業』への脱皮を進める。これまでの石油依存の経営では成長に限界がある。いずれ社名から『石油』がなくなるかもしれない。新しいエネルギーで新市場を開拓するのも統合の大きな狙いだ」
 「経常利益は海外の資源開発で三千億円、国内石油事業で千億円、新エネルギー事業で千億円、合計五千億円を目標にする」
 ――どのような新エネルギーに注力するのか。
 「燃料電池、太陽電池、蓄電池の三つの電池事業を強化する。新日石の水素生産量は国内最多。燃料電池車向け水素供給も将来大きなビジネスになる。世界景気の回復を見据え、前向きな投資を積極的に進める」
 「太陽電池では新日鉱グループと互いの技術ノウハウを持ち寄ることでシナジー効果が見込める。新日鉱には太陽電池の原料になるシリコンの製造会社がある。当社はシリコンウエハーの生産会社に資本参加しているほか、三洋電機と共同で薄膜型太陽電池の生産会社も立ち上げる計画。経営統合で他社にはない一貫体制が構築でき、競争力を高められる」
 ――提携する三洋電機はパナソニックが買収する。今後の関係は。
 「当社は産油国など海外で家電メーカーにはないネットワークを持っている。今後も協力関係に変わりはなく、ウィン・ウィンの関係を作っていきたい」
 低炭素社会の実現に世界経済が大きくかじを切るなか、国内の石油業界が直面するのは需要減少という厳しい現実だ。新日本石油と新日鉱HDが経営統合を決めたのも、企業存続への強い危機感が背景にある。
 統合を機に実質赤字に陥っている国内事業をテコ入れし、経営基盤を固めた上で新エネルギー事業で世界に打って出るのが新日石が描く青写真。「総合エネルギー企業」への脱皮に向け、経営統合はスタートラインにすぎない。中期的な景気回復期を見据え、規模拡大だけでなく、いかに有効な先手を打てるかが試される。(西岡貴司)

:2008:12/24/12:12  ++  この機会に新卒一括採用を見直したら(社説)

来春、大学などを卒業する学生の採用内定を取り消す企業が相次ぎ、大学三年生らにも動揺が広がっている。企業にとっても、イメージ悪化や信用失墜につながりかねない内定取り消しは苦渋の決断だろう。
 仮に今年の内定取り消しを厳しく禁じても、企業は来年以降の内定者数を減らすかもしれない。問題の根は、目先の内定取り消しではなく、新卒一括採用という雇用慣行にあるのではないか。
 厚生労働省の調べでは、大企業が新規採用した二十代前半の若者のうち、新卒者の割合はここ二十年、六割前後で高止まっている。中小企業でも一九九一年の一七%から二〇〇四年の四七%へと大幅に上昇した。
 内閣府の調査でも企業が正社員採用で増やしたいのは「新卒」が首位だ。正社員に限れば、採用者が新卒にこだわる姿勢は年々、強まっていることがわかる。
 社会に出る時期がたまたま好況か不況かで人生設計が大きくぶれるのは若者にとって納得しづらい。企業も能力や適性に優れた人材を採用し損なう可能性は高い。
 とりわけ就職氷河期と呼ばれた九〇年代に卒業した学生には、不本意な非正規雇用を続けざるを得なかった人も多く、今回の雇用減の影響を正面から受けた。
 採用活動が年々前倒しになり、四年制大学なら三年生の半ばから学生が就職活動に気を取られ、授業や研究に弊害が出ている。内々定から入社までの期間が離れたことは、今回、経済情勢の急変による内定取り消しの一因になった。
 労働政策研究・研修機構によれば英国やドイツで大学在学中に求職活動を行う人は五〇%前後。米国の学生も就職活動の時期はまちまちだ。卒業後に語学留学やボランティアなどの経験を積み、職業生活に備える人も珍しくない。採用側も「卒業後三年以内」など、柔軟な基準で若者を採る。視野が広く、創造性の高い社員の確保にもつながるという。
 新卒採用は高度成長期に年功序列や終身雇用とセットで広がった。右肩上がりの時代にはうまく機能したが、今では若者が適職に巡り合ううえでのマイナス面が目立ち始めているのではないか。
 景気回復時に企業の門戸が再び開かれると思えば、資格取得、起業、さまざまな職業経験を積むなど、過ごし方もいろいろ出てくる。自分の適性を知る機会も増え、入社後すぐ辞めることも減ろう。
 政府、企業、学校がみんなで知恵を出し合うべき時だろう。

:2008:12/24/12:06  ++  自動車クライシス(上)逆回転するクルマ経済――外需依存の日本に打撃。

金融で始まった「危機(クライシス)」が自動車産業に飛び火してきた。米国では世界最大の自動車会社ゼネラル・モーターズ(GM)が百年の歴史で初めて政府に救済される事態となり、国内でも日本経済をけん引してきたトヨタ自動車が初の連結営業赤字になる見通し。製造業の屋台骨をなす自動車産業の危機は世界同時不況を一段と深刻にしかねない情勢だ。
 「自動車会社の倒産回避に介入したくはない。でも今は普通の状態ではないのです」。ブッシュ米大統領がこう語りGMとクライスラーへの政府融資を決めた三日後。今度は日本に激震が走った。
市場収縮の津波
 トヨタが二〇〇九年三月期の連結業績予想を下方修正、千五百億円の営業赤字になると発表した。前期に二兆二千七百億円と日本企業で最大の営業利益を稼いだ同社の急転直下の赤字。渡辺捷昭社長は「かつてない緊急事態」と訴えた。
 世界の自動車産業が前例のない市場収縮の“津波”に襲われている。新車販売が前年同月比三―四割減に落ち込んだ米国では販売在庫が急増中。米紙オートモーティブ・ニュースによると通常七十―八十日分の業界全体の在庫が今月初めには百十日分に膨らんだ。すでにクライスラーが北米の約三十工場を最低一カ月にわたって休止。今後、在庫削減のため日米各社が一斉に大幅減産を迫られる。
 一台買えば二台目はタダ――。ベルギーの販売店がこんな販促策を掲げるなど欧州でも「投げ売り」のような値下げ競争が起きている。
 ガソリン高で需要が陰り始めたところを金融危機が直撃。消費者心理の悪化に加え、信用収縮で自動車ローンが出にくくなったことで販売が大幅に減っている。欧米より金融危機の影響は小さいとされる日本だが、グローバル化が進んだ自動車では打撃を免れない。
 日本の自動車会社は世界需要の三分の一に相当する二千三百四十五万台を〇七年に内外で生産、その八割弱を日本以外で販売した。千百五十九万台の国内生産分も半分強を輸出に回し外需依存度が極めて高い。その足元を円高が襲った。
 一国の経済への影響が最も大きいのも日本かもしれない。国内総生産(GDP)は米国の半分なのに自動車生産台数では千万台強の米国をしのぐ。しかもここ数年、日本経済のクルマ依存は加速。国内製造業の総出荷額に占める自動車・同部品の比率は〇〇年の一三・三%から一七・二%に上昇し、一九・八%から一六・三%に低下した電機業界と主役交代した。
 雇用規模も〇〇年比で一六%増の約八十五万人となり、製造業全体の一割を超えた。
車シフトの誤算
 素材や機械、電機業界なども一斉に自動車シフトを強化。需要が一増えたときに関連産業を含めた生産がどれだけ増えるかを示す「生産波及力」で「乗用車」は〇五年で三・二二と「民生用電子・電気機器」(二・四四)などに比べ突出して高い。トヨタの営業赤字転落で直面するのはそんなクルマ依存経済の逆回転だ。
 十月までフル生産が続いた鉄鋼業界では先月から状況が一変。粗鋼生産は九年八カ月ぶりの二ケタ減に転じた。このまま需要低迷が続けば国内の一割強に相当する高炉三基分の能力が余るとの見方が出てきた。
 工作機械業界の受注額も十一月は前年同月比六二%の大幅減。「自動車関連業界からの受注はほとんど凍結状態」(西嶋尚生ツガミ社長)という。
 金融危機が収まっても自動車産業には地球温暖化問題や中長期的なエネルギー枯渇の懸念といった難題が待ち受ける。米国などがIT(情報技術)産業などへのシフトを進めたなか、クルマ経済への道をひた走った日本は大きな試練に直面しようとしている。

:2008:12/24/11:59  ++  自動車クライシス(上)逆回転するクルマ経済――外需依存の日本に打撃。

金融で始まった「危機(クライシス)」が自動車産業に飛び火してきた。米国では世界最大の自動車会社ゼネラル・モーターズ(GM)が百年の歴史で初めて政府に救済される事態となり、国内でも日本経済をけん引してきたトヨタ自動車が初の連結営業赤字になる見通し。製造業の屋台骨をなす自動車産業の危機は世界同時不況を一段と深刻にしかねない情勢だ。
 「自動車会社の倒産回避に介入したくはない。でも今は普通の状態ではないのです」。ブッシュ米大統領がこう語りGMとクライスラーへの政府融資を決めた三日後。今度は日本に激震が走った。
市場収縮の津波
 トヨタが二〇〇九年三月期の連結業績予想を下方修正、千五百億円の営業赤字になると発表した。前期に二兆二千七百億円と日本企業で最大の営業利益を稼いだ同社の急転直下の赤字。渡辺捷昭社長は「かつてない緊急事態」と訴えた。
 世界の自動車産業が前例のない市場収縮の“津波”に襲われている。新車販売が前年同月比三―四割減に落ち込んだ米国では販売在庫が急増中。米紙オートモーティブ・ニュースによると通常七十―八十日分の業界全体の在庫が今月初めには百十日分に膨らんだ。すでにクライスラーが北米の約三十工場を最低一カ月にわたって休止。今後、在庫削減のため日米各社が一斉に大幅減産を迫られる。
 一台買えば二台目はタダ――。ベルギーの販売店がこんな販促策を掲げるなど欧州でも「投げ売り」のような値下げ競争が起きている。
 ガソリン高で需要が陰り始めたところを金融危機が直撃。消費者心理の悪化に加え、信用収縮で自動車ローンが出にくくなったことで販売が大幅に減っている。欧米より金融危機の影響は小さいとされる日本だが、グローバル化が進んだ自動車では打撃を免れない。
 日本の自動車会社は世界需要の三分の一に相当する二千三百四十五万台を〇七年に内外で生産、その八割弱を日本以外で販売した。千百五十九万台の国内生産分も半分強を輸出に回し外需依存度が極めて高い。その足元を円高が襲った。
 一国の経済への影響が最も大きいのも日本かもしれない。国内総生産(GDP)は米国の半分なのに自動車生産台数では千万台強の米国をしのぐ。しかもここ数年、日本経済のクルマ依存は加速。国内製造業の総出荷額に占める自動車・同部品の比率は〇〇年の一三・三%から一七・二%に上昇し、一九・八%から一六・三%に低下した電機業界と主役交代した。
 雇用規模も〇〇年比で一六%増の約八十五万人となり、製造業全体の一割を超えた。
車シフトの誤算
 素材や機械、電機業界なども一斉に自動車シフトを強化。需要が一増えたときに関連産業を含めた生産がどれだけ増えるかを示す「生産波及力」で「乗用車」は〇五年で三・二二と「民生用電子・電気機器」(二・四四)などに比べ突出して高い。トヨタの営業赤字転落で直面するのはそんなクルマ依存経済の逆回転だ。
 十月までフル生産が続いた鉄鋼業界では先月から状況が一変。粗鋼生産は九年八カ月ぶりの二ケタ減に転じた。このまま需要低迷が続けば国内の一割強に相当する高炉三基分の能力が余るとの見方が出てきた。
 工作機械業界の受注額も十一月は前年同月比六二%の大幅減。「自動車関連業界からの受注はほとんど凍結状態」(西嶋尚生ツガミ社長)という。
 金融危機が収まっても自動車産業には地球温暖化問題や中長期的なエネルギー枯渇の懸念といった難題が待ち受ける。米国などがIT(情報技術)産業などへのシフトを進めたなか、クルマ経済への道をひた走った日本は大きな試練に直面しようとしている。

:2008:12/24/10:18  ++  【正論】慶応大学教授・阿川尚之 米新政権への日本の意思表示

≪「変化」は実現できるか≫

 次期アメリカ大統領に決まったバラック・オバマ氏はアメリカだけでなく世界中で、ブームのような現象を引き起こした。ブッシュ政権8年間で強まった閉塞(へいそく)感のなか登場した、この比較的若く雄弁な政治家は「変化」を約束し、一つのアメリカを訴え国内外の融和を説いて、当選した。

 最大の変化は、史上初の黒人大統領誕生だろう。南北戦争を機に奴隷の身分から解放されても、黒人は差別を受け続けた。1963年キング牧師が「私には夢がある。黒人と白人の子供たちが手をつないで歩く日を」と語ったとき、それは夢に過ぎない。68年大統領候補のロバート・ケネディが30~40年後の黒人大統領の可能性を語ったとき、信じたものは少ない。ある評者の述懐どおり、オバマ当選によって「初めて南北戦争が終わる」のかもしれない。

 ただ変化を掲げて選挙戦を戦い、黒人の当選という大きな変化をもたらした次期大統領が、就任後に望み通り変化を実現できるかは別の話である。前政権との決別を唱えても、引き継ぐ課題は変わらない。金融経済問題はもちろん、アフガニスタン、パキスタンなど外交安全保障をめぐる情勢はむしろ厳しさを増している。国民皆保険など公約を実現しようとしても、手はしばられざるをえない。

 それでも新しい大統領は新しいことをやりたがる。「変化」を掲げていれば、なおさらだ。しかし政策の継続性が欠かせない分野もある。特に東アジアの安全保障、日米同盟の視点からは、変えてほしくないことがある。

 ≪「世界への関与」継続を≫

 第1に、アジア太平洋地域へのアメリカのコミットメント(関与)継続である。この5日、慶応大学で講演したアーミテージ元国務副長官は「アメリカは今やアジア太平洋地域に居を構える国(Resident Power)」というゲイツ国防長官の言葉を引き、従来の姿勢に変化はないと断言した。政権交代期には特に、そのことを強調してほしい。地域の諸勢力に誤解を与えると、思わぬ事態が生起しかねない。

 第2は、言うまでもなく日米同盟の維持強化への強い意思表示だ。アメリカがアジアに利益を有する限り、同盟は必要不可欠である。オバマ政権で東アジア政策を担当する人たちはよく理解しているといわれるが、折に触れて何度も確認してほしい。

 第3に、自由貿易へのコミットメントである。国内経済が苦境にある今、民主党の大統領には保護貿易を求める圧力がかかる。しかし、前世紀の大恐慌が世界に大打撃を与えたのは、アメリカが保護主義に走り、市場を閉じたためである。世界的にも保護主義への誘惑が強まる中で、アメリカの確固たる自由貿易維持の姿勢が最も重要である。

 総括すれば、経済面でも安全保障面でも世界への力強く一貫したコミットメントを見せることだ。世界は一極構造から多極構造となり、アメリカの力が相対的に低下するとしても、平和と繁栄を確保するうえでアメリカに代わりうる国家・システムはまだ存在しない。自身の国益に照らしても、アメリカは世界の問題に関与し続ける以外ない。その認識を持ち続けてほしい。

 ≪何ができるかを自問せよ≫

 以上は日本だけでなく、アメリカの同盟国、友好国共通の願いだろう。しかし私がオバマ政権の政策担当者なら、次のように言う。よくわかった。それで日本は、ヨーロッパは、何をしてくれるのか。

 実際日本では、新政権の焦点が日本から中国へシフトするのでは、といった心配ばかり目立つ。新政権とともに何をすべきか、何ができるかという議論はほとんどない。それどころか、民主党の前原誠司前代表のように「日米同盟はできればもっとゆるやかなものにしたいが、現実的に他の選択肢がないから当面はアメリカと一緒に」といった消極的な態度が目立つ。それが、わが国次期政権の安保政策だとしたら、オバマ政権は真剣に日本と組んでこの地域や世界の繁栄と安全に寄与しようと考えるだろうか。

 アーミテージ氏は講演の中で、西ヨーロッパと日本の先進民主主義諸国家が人口を減らし活力を失って指導的役割を果たさなくなる可能性を、世界が直面する大きな不確定要素の一つに挙げた。日本の意志の欠如は、同盟の実効性を損ないかねない。

 アメリカの政権が代わると、日本はまず何ができないかを説明してきたが、今回は新大統領に、できることのリストを出したらどうかと、同氏は助言する。ケネディ大統領の言葉をもじれば、新政権の発足にあたって日本は、「アメリカが何をしてくれるかでなく、日本が何をできるか」を自らに問い、積極的に伝えるべきなのである。(あがわ なおゆき)

:2008:12/22/16:21  ++  トヨタ、1500億円の営業赤字に…09年3月期連結決算

トヨタ自動車は22日、2009年3月期連結決算(米国会計基準)の業績予想を下方修正し、本業のもうけを示す営業利益が1500億円の赤字になると発表した。

 トヨタは11月の中間決算発表時に、連結営業利益の見通しを当初予想から1兆円減額して6000億円に下方修正していたが、世界的な新車販売の落ち込みや円高の進行を受け、再度の下方修正を余儀なくされた。

 トヨタの前期の営業利益は2兆2703億円で過去最高だった。トヨタが最終的に営業赤字に陥れば、データが公表されている1941年3月期以降では初めてとなる。

 09年3月期の予想については、売上高を前回の予想より1兆5000億円下げて21兆5000億円、税引き後利益を5000億円引き下げて500億円とした。

:2008:12/19/09:01  ++  東芝、512GバイトSSDをCESで披露へ

東芝は米国時間12月17日、512Gバイトの2.5インチソリッドステートドライブ(SSD)を2009年1月に開催の2009 International Consumer Electronics Show(CES)で披露し、2009年第2四半期に出荷を開始する予定だと発表した。

 現時点では、これはノートPCに使用されるソリッドステートドライブとしては最大容量となる予定。

 サムスン電子は、256GバイトSSDの量産をすでに開始しており、Micron Technologyは、256Gバイトドライブの2009月3月の出荷に向けて準備を整えている。

 東芝は、43ナノメートルプロセスを用いたのマルチレベルセル(MLC)NANDフラッシュ技術をベースとする「高速読み書きに対応したSSD」の製品ファミリをリリースする予定だと述べた。この製品ファミリはCESで披露されるという。MLCは、より大容量のソリッドステートドライブをより低価格で提供することを可能とする技術。

 東芝は声明において、2.5インチの512Gバイトドライブに加え、東芝の新しいドライブシリーズには、64Gバイト、128Gバイト、256Gバイトの容量を持つ、1.8インチまたは2.5インチのドライブやSSDフラッシュモジュールが含まれていると述べた。

 同社によると、新しいドライブのサンプル出荷は2009年の第1四半期、量産は4月~6月の第2四半期に開始予定であるという。

 価格に関する情報を入手することはできなかった。

 これらのドライブは、240MB/秒(MBps)のシーケンシャルリード速度、200MBpsのシーケンシャルライト速度を実現する。これはサムスン電子の256GバイトSSDが提供する読み書き速度とほぼ同等である。

 東芝は、SSDが2012年までにノートPC市場の約25%にまで成長すると述べている。

:2008:12/18/17:35  ++  【雇用崩壊~非正規の師走~】(3)あこがれの客室乗務員だったが…

航空会社の客室乗務員。国際的で華やかなイメージを持つ職業にも「非正規切り」の嵐は吹きすさぶ。

 「来年2月26日をもって契約を打ち切ることになった」

 トルコ航空で働く客室乗務員、森山恵子さん(34)=仮名=ら18人に契約解除の通告が来たのは12月2日。それもメールでの一方的な通告だった。

 メールを出したのは観光産業に強い派遣・請負会社「TEI」(東京都港区)。直接雇用が一般的な中、トルコ航空は18人の日本人客室乗務員を「派遣」で採用してきた。経営の合理化が目的とみられる。

 こうなる予感はあった。9月に客室乗務員のシフトから外され『機内通訳』に業務内容が変わった。さらに、「11月からは勤務シフトが半減した」。

 当時、TEIは「トルコ航空局の指摘ですべての外国人は客室乗務員として勤務ができなくなった」と説明した。しかし、トルコ本国に確認すると、「そんな指摘はなかった」と回答があった。不信が増すとともに、会社のいい加減さにあきれた。

 トルコ航空側は「申し訳ないが理解願いたい」と話し、TEIは「対象の乗務員らと話し合いの最中であり、コメントは控えたい」。

 賃金は1回のフライト(日本~イスタンブール往復、拘束4日間)ごとに計算されてきた。仕事内容は、正社員であるトルコ人乗務員とまったく同じ。勤務を始めた7年前にはフライトごとに約10万円が支払われたが、「派遣会社はトルコ航空に言われるがまま。徐々に下がっていった」という。

 現在は1回のフライトで6万7000円。月に3~4回あったフライトは、現在は1~2回しかないから、月収6万7000円のときもある。

 「それも成田空港までの交通費込み。空港には更衣室もなく、着替えはトイレ。フライトの2時間前集合で、到着地でも1時間は拘束される。その間はサービス労働です」

 森山さんがこの2年間の未払い残業代を計算したところ、約120万円にも上っていた。厚生年金、雇用保険、社会保険もない。

 「多くの同僚が『給料が安く、社会保険や雇用保険がないのはおかしい』と言い残して去っていった」

 この師走、森山さんらは自分たちの置かれてきた状況が、「法律で定める3年を超えて派遣や請負が違法に継続されてきた」といった点などを挙げて、トルコ航空とTEIに、待遇改善をした上での正社員雇用を求める交渉をしている。

 競争激しい航空業界にあって世界中の客室乗務員の雇用形態は、ここ数年、絶えず合理化の対象になってきた。日本でも平成6年に日本航空が、正規社員に比べて待遇が劣る有期雇用の契約制客室乗務員制度を導入。国内他社が追随した経緯がある。

 加えて米国の金融危機だ。世界中の航空会社が加盟する国際航空運送協会IATA)は今月9日、「景気後退で人や物の動きが鈍ることで、来年の航空業界の収入予想は今年比7%減になる」とはじいた。森山さんらにとっては厳しい交渉が続きそうだ。

 森山さんは自らの雇用を心配するとともに、安全性に触れてこう話す。

 「日本人に人気のトルコ便には高齢者のツアーなども多い。機内での日本人である私たちが間に入らないと解決できないケースが多い。それ以前に、緊急時の誘導で日本人乗務員は必要です」
              ◇
【用語解説】賃金格差
 第一生命経済研究所の試算によると、正規社員の時給が50代前半で2996円。非正規社員では、フルタイム労働者が1213円、パートなど短時間労働者では1018円と、いずれも正規社員の半額以下となった。格差は年齢を重ねるほど拡大。正社員は勤続年数が1年延びるごとに時給が113円上がるのに、非正社員は50円しか上がらない。

:2008:12/18/17:30  ++  【雇用崩壊~非正規の師走~】(2)雇用安く、解雇早く…自転車、バイク便

「稼働停止です。来月から来ないでください」

 呼び出されたわけでも、担当者が来たわけでもない。通告は突然、携帯電話にかかってきた。

 バイクや自転車による書類配送の最大手「ソクハイ」(東京都品川区)の自転車便スタッフ、上山(うえやま)大輔さん(31)が、通告を受けたのは9月18日だった。

 業務課の担当者は「受注が落ち込み会社も大変。人減らしの対象になった」と話すだけだった。30人ほどが対象になったようだが、携帯電話で最終通告を受けたのは1人だけ。

 米国生まれの小型自転車競技(BMX)で全国大会出場歴もある上山さん。都心のオフィス街を大好きな自転車で走り回る自転車便スタッフは天職だった。

 ソクハイで働き始めたのは20歳の時。会社も上山さんの熱心さは知っていたはずだ。平成17年には、20人ほどのスタッフを束ねる営業所長に就任。18年には10の営業所を総括する主幹所長にも抜擢(ばってき)された。

 「新スタッフの採用面接、勤務管理、伝票整理などが仕事。年収は250万ほどだが充実していた」

 会社は認めないが、上山さんは稼働停止になった理由を「業績悪化に加えて、労働組合を立ち上げたから」とみている。

 ソクハイにはバイクや自転車スタッフが約700人いる。大半が「運送請負契約」を交わして、それぞれが配達の仕事を請け負う「個人事業主」となっている。収入は完全歩合制。自転車、バイク(ガソリン代も)は自己負担だ。主幹所長となった上山さんのところには、「もう少し労働条件を改善してもらえないか」といった現場の声が多く寄せられていた。

 労働組合の結成を決意した。19年1月、業界では初となる組合「ソクハイユニオン」を結成し委員長に就任した。スタッフの半分近くが組合に加入した。

 会社も団体交渉に応じるなど関係は悪くはなかったが、労使の争点が具体化するにつれ険悪になっていった。

 安く、短時間で荷物を届けるバイク・自転車便は、バブル崩壊後、企業が業務をアウトソーシング(外部委託)するなかで急成長していった。同業社は全国に200以上という。

 そこで働く配送スタッフに正社員はまれで、多くが「運送請負契約」を交わして働いている。景気後退を受け、受注は確実に減っており、今後、請負契約が切られるケースが増えてくるとみられている。

 厚生労働省は昨年9月、全国の労働局に通知を出し、(1)仕事の進め方を会社が指示している(2)勤務時間を会社が管理している-といったケースの場合は、「労働者性があり、請負の形で契約するのは労働実態に合っていない」と判断している。

 にもかかわらず、現場の勤務態勢が大きく変わったという話はない。厚労省も実態調査に乗り出す気は全くない。同業他社からは「請負契約がダメとなれば、会社が持たないどころか、業界全体のビジネスモデルが成り立たない」という本音も漏れる。

 「法にのっとった経営をすべきだ」と訴える上山さんは、解雇撤回と原職復帰を求め東京地裁に提訴した。会社は「係争中でありコメントを控えたい」とだけいう。

 「圧倒的な早さと安さ」をキャッチフレーズに成長してきたバイク、自転車便。上山さんには、そのフレーズがスタッフの雇用状況を比喩(ひゆ)しているかのように思える。

:2008:12/18/17:25  ++  【雇用崩壊~非正規の師走】(1)自動車産業、契約切りの嵐 「頭が真っ白」「住む場所は…」

誰がこの事態を予測しただろうか。12月に入り、景気悪化で私たちの雇用を取り巻く環境が一気に厳しさを増してきた。借り上げマンションや会社の寮から退去させられるなど、とりわけ、派遣や契約社員、期間従業員といった「非正規雇用」の人たちが直面している問題は深刻だ。それは男女に関係ない。彼ら、彼女たちの師走を追う。

 「業績が急激に悪化している。申し訳ないが12月26日で辞めてもらうことになった」

 「いすゞ自動車」栃木工場(栃木県大平町)の期間従業員、吉田喜代治さん(48)=仮名=が“契約切り”を宣告されたのは先月17日のこと。仕事中に突然、休憩室に呼び出された。製造工程責任者と労務課長から、A4判の解雇予告通知書を手渡された。9月末に、来年4月7日までの半年契約が結ばれていたはずだった。

 この日だけで6人が契約打ち切りを通告された。その光景を見ていた吉田さんの同僚、星野貞雄さん(60)は「部屋から出てくる仲間は目が血走り、顔色がなかった。声をかけられなかった」と話す。

 いすゞが打ち出した人員削減は、栃木、藤沢(神奈川県)工場の期間従業員や派遣社員の計1400人。

 トヨタ3000人▽日産1500人▽マツダ1400人▽三菱1100人▽富士重工業800人…。ほかの自動車メーカーでも削減が行われる。1年前まで、戦後最長を記録した日本の景気拡大を牽引(けんいん)してきた自動車産業を襲った雇用崩壊。その勢いは、まるで今年の流行語になった「ゲリラ豪雨」のようだ。

                  ■

 「信じられない。頭の中が真っ白になった」と吉田さん。次に浮かんだのが「住む場所はどうなるのか」。会社側は「12月26日から1週間は住んでも構わない」と言ってきた。「1週間後ってことは1月3日。そんな時に開いている不動産屋なんてあるのか…」。その後、3月末まで6畳一室の寮を利用できることにはなったが、雇用への不安を抱えたまま年末年始を迎えることに変わりはない。

 いすゞの広報部は「減産による会社の都合でやむを得ない。契約に沿った正当な措置」と話す。

 吉田さんは鹿児島市出身。高校卒業後、地元で自動車関係の会社にいた。「関東で働いてみたい」と6年前に単身上京。いすゞの川崎工場で、派遣社員として働き始めた。

 3年前に栃木工場に異動。平成18年10月には会社から直接雇用される期間従業員になった。「派遣に比べて、会社に直接雇用される分だけ、身分が安定した」と思っていたという。

 工場では組み立てラインに部品を運ぶ担当だった。

 「正社員に負けない自信もあった」

                  ■

 来年は、製造業を中心に派遣社員の多くが契約期限切れとなり、一斉に解雇される「2009年問題」が懸念されてきた。

 派遣社員、期間従業員などの非正規雇用に関しては、労働者派遣法や有期雇用法で、最長の契約期間が最長3年と定められている。会社はその後、契約を打ち切るか、正社員登用など別の雇用契約への切り替えを行う。吉田さんらの工場でもそれまでの好況を背景に、会社は期間従業員を、積極的に正社員として登用する制度を4月に導入。65人が正社員として採用されたという実績もあった。

 しかし、100年に1度ともいわれる景気悪化。2009年を迎える前に、各メーカーは「派遣切り」へと一斉にかじを切った。「いずれは正社員に…」。吉田さんの夢も、もろくも崩れた。

 仕事への愛着を捨てきれない吉田さんは、仲間4人と今月3日に労働組合を結成。契約期間内でされた解雇予告の効力停止を求める仮処分を申し立てた。

 期間従業員が労組を立ち上げたケースはめずらしい。多くのメディアが集まった組合結成会見で吉田さんは「泣き寝入りはしない」と語った。翌日から、仲間たちには支援を、会社には団交を求める工場正門前でのビラ配りが始まった。仲間は20人に迫る勢いだ。だれもが年の瀬にビラを配ることになるとは思っていなかった。

 そのなかの一人は「不動産屋は『いすゞ』と口にしただけで相手にしてくれない。住居探しもままならない」と漏らした。

:2008:12/17/15:41  ++  派遣全員解約、中途解雇も=国内で7万8000台追加減産-日産

日産自動車は17日、今年度内に国内4工場で7万8000台を追加減産すると発表した。同社は今期初めに国内で138万8000台を生産する計画だったが、これで約16%となる22万5000台を減産することになった。これに伴い、派遣社員約500人についても、中途解雇を含め、来年3月末までに削減する。
 対象は栃木工場(栃木県上三川町)、九州工場(福岡県苅田町)、追浜工場(神奈川県横須賀市)、生産子会社の日産車体(同平塚市)。非稼働日の設定や生産ラインの速度を落として対応する。これに伴い、エンジン工場の横浜工場(横浜市)、いわき工場(福島県いわき市)でも減産する。
 同社の派遣社員は期初時点で約2000人在籍していたが、これまでに削減を公表していた1500人と合わせ、これで全員を解約することになった

:2008:12/17/10:41  ++  円高騰、一時88円台=米大幅利下げ受け〔NY外為〕(16日)

【ニューヨーク16日時事】16日のニューヨーク外国為替市場の円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げを受けてドル売りが加速、一時1ドル=88円63銭まで急上昇し、当市場では1995年8月1日以来約13年4カ月ぶりの高値をつけた。午後5時現在は、89円00―10銭と、前日午後5時(90円59―69銭)比1円59銭の大幅円高・ドル安。
 この日の円相場は、FRBによる大幅利下げ観測が強まる中、海外市場での円買い・ドル売りの流れを引き継いで朝方から上昇。その後、実際にFRBがフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0―0.25%に引き下げたことを受けてドル売りに一段と拍車が掛かった。邦銀筋は「この日の為替相場の材料はFRBの金融政策に限られた」と話した。
 ユーロは同時刻現在、対円で1ユーロ=124円65―75銭(前日午後5時は124円08―18銭)、対ドルでは同1.3995―4005ドル(同1.3684―3694ドル)と、約2カ月半ぶりの高値。(了)

:2008:12/10/11:11  ++  ソニー、全世界で正社員・非正規1万6000人削減 工場も1割閉鎖へ

ソニーは9日、平成22年3月末までに、主力のエレクトロニクス(電子機器)部門の従業員を全世界で8000人削減することを柱とした構造改革策を発表した。派遣社員など非正規従業員も8000人規模で減らし、削減人数は合計1万6000人規模に達する。57拠点ある工場も約1割減らすなどし、今回のリストラによって合計で1000億円のコスト削減効果を見込む。ソニーは海外売上高比率が8割超に達しており、金融危機に端を発した世界規模の景気後退によって、過去最大規模の人員削減に追い込まれた。

 ソニーは人員だけでなく、投資計画についても見直す。今後3年間で合計1兆8000億円を投資する計画だったが、このうちエレクトロニクス部門の22年3月期分の投資額を3割削減する。液晶テレビは欧米で大幅に需要が減少しており、スロバキアで予定していた増産投資を延期する。今後の成長分野と見込んでいたデジタルカメラ向けの半導体センサーも、生産の一部を外部委託するなどの対策をとる。

 また、磁気テープを製造する仏工場など海外2拠点を閉鎖することを決めたほか、22年3月末までに最大6拠点を減らす予定。今後、国内を含めて閉鎖する拠点を決める。

 ソニーは、17年以降のリストラによってエレクトロニクス部門が復調し、20年3月期に過去最高の連結最終利益を計上した。だが、世界経済の後退に伴う需要減や、急速な円高の進行などを受けて、10月に入り、21年3月期業績を大幅に下方修正していた。本業のもうけを示す連結営業利益は7月時点の予想から57・4%減の2000億円に引き下げを余儀なくされ、経営体質強化が緊急の課題となっていた。
ソニーの全世界の従業員数は約18万5000人(9月末)でエレクトロニクス部門が全体の8割以上を占める。他の映画部門や金融部門などについても「同時並行的に削減プランを練っている」(原直史執行役員)としており、今後もグループ全体で構造改革を進める考えだ。

:2008:12/09/11:21  ++  中国船が領海侵犯、尖閣諸島沖に2隻、政府が抗議。

中国の海洋調査船二隻が八日午前八時十分ごろ、日本領海内の尖閣諸島・魚釣島の南東約六キロメートルで航行しているのを第十一管区海上保安本部の巡視船「くにがみ」が発見した。二隻は巡視船の警告を無視して九時間以上領海内にとどまり、夕方に順次、領海外に出た。日本政府は外交ルートを通じて中国側に抗議するなど対応に追われた。
 巡視船の目視確認によると、二隻は中国国家海洋局所属の「海監46号」(一、一〇〇トン)と「海監51号」(一、九〇〇トン)。
 麻生太郎首相は同日夜、「はなはだ遺憾。明らかな領海侵犯だ」と首相官邸で記者団に不快感をあらわにした。藪中三十二外務事務次官は崔天凱駐日中国大使に抗議を申し入れ、領海外への退去を要求。六カ国協議で北京訪問中の斎木昭隆外務省アジア大洋州局長も武大偉中国外務次官に抗議した。
 日中韓は十三日、初めて国際会議を切り離した形での首脳会談を日本で開催する。その直前の出来事に政府高官は「正直言って理解できない行為だ」と戸惑いを隠さない。一部では「軍部など強硬派の空気を反映した動きでは」などの観測も広がった。
 日中は六月、懸案の東シナ海のガス田開発問題を打開するため、日中中間線をまたぐ北部の海域での共同開発で合意した。ただ「中国内には合意内容になお不満がくすぶっている」(日中関係筋)とされ、具体的条件を詰める実務者協議は着手できていない。今回の事件が状況をさらにこじらせる可能性もある。

:2008:12/09/11:15  ++  倒産5年ぶり高水準、今年見通し、1―11月、既に1万4000件超。

上場企業 最悪の30件 資金繰り難、運輸・ITなども
 民間調査機関の東京商工リサーチが八日発表した二〇〇八年一―十一月の企業倒産件数は一万四千二百八十四件となった。〇七年暦年の実績を十一カ月間で超え、〇八年暦年で五年ぶりの高水準を記録することが確実になった。上場企業の倒産は三十件で、暦年の戦後最大を更新した。世界的な金融危機と景気悪化が日本企業に打撃を与え、業種や規模を問わず倒産が増えている。
 十一月の倒産件数は前年同月比五・三%増の千二百七十七件、負債総額は一六・九%増の五千七百六十億五千二百万円となった。全十業種のうち七業種の倒産件数が増加。運輸が二・四倍に膨らんだほか、金融・保険(五〇・〇%増)や情報通信(三七・五%増)などの伸びが高かった。
 原因別にみると「運転資金の欠乏」(三七・二%増)の増加が目立つ。金融機関から融資を受けにくくなり、資金繰りが悪化する企業が増えているようだ。
 この結果、〇八年一―十一月の累計倒産件数は、〇三年暦年以来の多さとなった。累計の負債総額は十一兆六千五百九十二億円で、〇二年暦年以来、六年ぶりの高水準を記録することが確実になった。
 このうち上場企業の累計倒産件数(上場廃止後の倒産を除く)は〇二年暦年の二十九件を超え、年間の戦後最大を更新した。直近の十一月にはマンション分譲のモリモトや建設業のオリエンタル白石など上場企業三社が相次いで倒産した。
 〇八年は米大手証券リーマン・ブラザーズが破綻した九月を境に、倒産件数や負債総額が一段と拡大した。リーマンの日本法人の負債額は約三兆四千億円と年間で最も大きく、関連の三社を含めると約四兆七千億円に膨らんだ。
 資金繰りの悪化などによる倒産件数は、年末をはさんで一段と増える公算が大きい。日銀が八日発表した全国銀行の十一月の貸出残高は前年同月比三・六%増と、十六年七カ月ぶりの高い伸びとなった。市場で資金を調達しにくい大企業が借り入れを増やしている面が大きく、中小企業の資金繰りに支障が出ているとの見方もある。
 政府は金融機関の中小企業向け融資に対し、一〇〇%の保証をつける六兆円の緊急保証制度を十月末から実施。今月二日時点で三万七千件、九千二百億円の融資を保証した。金融機関の貸し出し余力を増やすため、金融機関への予防的な資本注入を可能にする金融機能強化法改正案も十二日に成立する見通しだ。
 ただ東京商工リサーチは「一時的な対症療法にとどまりかねない」と指摘。〇八年暦年の倒産件数は一万五千五百件まで増えると予測している。

:2008:12/09/11:09  ++  中小企業の事業承継時、相続株の8割、課税せず――政府案、後継者の負担軽く。

中小企業の後継者の相続税負担を軽減する「事業承継税制」について、政府が二〇〇九年度税制改正で導入を目指す拡充案の内容が八日、明らかになった。租税特別措置法を改正し、事業の後継者に限って相続する株式の課税対象額を八割減額する。自民党税制調査会などで最終調整し、来年度の税制改正大綱に盛り込む。中小企業の廃業を食い止め、雇用確保や技術の継承につなげる。
 事業承継税制の導入に向けて、自社株をすべて後継者が相続できるようにする「中小企業経営承継円滑化法」は五月に成立した。ただ相続税額の軽減などを定める税法の内容はまだ決まっておらず、政府が詳細を検討していた。
 政府案では税制優遇がないものとして、いったん後継者以外の相続人の税額を確定。その後に後継者の相続する株式の課税対象額を八割減額したうえで、後継者の相続税額を計算する。これにより、事業を引き継ぐ人だけが相続税額の八割程度を猶予される。後継者以外の相続人には税優遇が及ばず、不公平な税制にならなくてすむ。
 優遇対象は、製造業では資本金三億円以下または従業員三百人以下、サービス業では同五千万円以下または百人以下の企業になる見通し。五年間の事業継続や従業員の八割以上の雇用維持、会社を継がせる時期などを明記した承継計画を提出して政府の承認を得ることなども必要だ。
 現行制度では、経営者から後継者の子に資産を相続する場合、工場などがある事業用地は課税価格を八割減額できるが、非上場株は一割しか減額できない。相続税を支払うために事業用資産の売却を迫られるケースもあり、中小企業の廃業の一因となっていた。
 中小企業白書によると、後継者難などを理由に廃業する企業は年間で二十九万社程度にのぼる。世界的な経済悪化や原材料高などを背景に、大企業に比べて経営基盤が弱い中小企業の廃業がさらに増える可能性もある。政府は事業承継税制の創設や投資減税などを通じて中小企業を優遇。廃業を食い止めることで日本経済の底上げや雇用の確保を図る考えだ。

:2008:12/05/11:53  ++  残業代割増率引き上げへ 改正労働基準法が成立

残業時間の長さに応じて残業代割増率を引き上げる改正労働基準法が5日の参院本会議で可決、成立した。2010年4月の施行。企業が労働者を残業させるコストが増え、過労死などの一因となっている長時間労働の抑制が期待される。

 これまで残業代割増率は月の残業時間の長さによらず一律で25%以上だった。改正法は残業時間ごとに3段階で割増率を設定。月45時間までは25%以上、月45時間超-60時間までは25%より引き上げるよう労使で協議、月60時間超は50%以上とした。

 月60時間超50%以上の割増率は、経営体力を考慮して中小企業には当分適用せず、施行から3年後に適用を検討する。

 また年次有給休暇の取得を促進するため、労使協定を結べば、5日以内の有休を複数の日に分けて時間単位で取得できるようになった。

 厚生労働省は、一部労働者に残業代を支給しないホワイトカラー・エグゼンプション(労働時間の規制除外制度)と併せて導入しようとしたが、世論の反発を受け2007年2月に見送った。

 同年3月、残業代割増率の引き上げだけを盛り込んだ改正法案を国会に提出。50%以上の割増率を適用する残業時間は当初、月80時間超だったが、「過労死が認定される基準」として労組などが反対し、自民、公明、民主各党が月60時間超への修正に合意した。

:2008:12/05/09:31  ++  オンライン匿名性の終焉--単一IDが与える影響を考える

今、われわれはインターネットの新しい時代を迎えようとしているようだ。匿名で顔のないIPアドレスの代わりに、ソーシャルコンピューティングや変化し続けるテクノロジによって、「現実」世界と「仮想」世界の境界が不鮮明になってきている。Web 2.0は、あるサイトでは写真を投稿し、別のサイトではStumbleUponでブックマークを登録し、さらにTwitterやDiggに参加するなど、自分の生活の断片をネット上で共有することで、自分のアイデンティティが部分的に少しずつ公開されて行く世界を造り出した。しかし、ソーシャルメディアの登場は、新しいウェブを急速に形作る変化の1つにすぎない。

 近い将来のウェブでは、もはや匿名性は存在しない。匿名性はすでに存在しないという主張も成り立つかもしれないが、それは完全に正しいわけではない。今でも、例えばTwitterなどのソーシャルネットワークサイトで、他人の名前やブランドを騙っている者たちの噂は絶えないし、有名人についてMySpaceで検索すると、その人物の「公式」ページだと称する何百というページが結果として返ってくる。しかしそうした「なりすまし」の時代は急速に終わりを迎えるだろう。

「なりすまし」は今や犯罪

 このことに関する判例となった「Lori DrewのMySpace」裁判が先ごろ終了した。ご存じない方のために説明すると、これは過保護の母親がネット上で架空の人物になりすまし、自分の娘のライバルだった少女にいじめをはたらいた事件である。判決では、ネット上で架空の人物になりすました行為が犯罪とみなされた。この事件については、多くの人が被告は判決で言いわたされた罰に値すると考えるだろう。しかしこの事件がもたらした衝撃は、判決が覆されない限り、今後数年にわたりネット上で人格を作り上げるという行為に対して極めて大きな影響を与えることになるだろう。

 「この判決が有効だとしたら、インターネット上のサイトすべては刑法を制定することになる」と、ヘリテージ財団のシニア・リーガル・ポリシー・アナリストであるAndrew Grossman氏は述べている。「これは過激な変化だ。これまで小さな契約だったものが、重大な犯罪的禁止措置になる」

「本物」の自分の認証

 「偽者」を排除しようというサイトのニーズに応じるには、ユーザーは新しい方法で認証を受けることが必要になる。例えば、FacebookやGoogleなどの企業は、ユーザーが申請通りの人間であるか、身元を確認するためのソリューションを提供する準備を整えている。「Facebook Connect」、「Google Friend Connect」、それにYahooの「Open Strategy」では、ID管理という新しい分野に進出するため急いで準備を進めている。これらの企業は、オンラインIDに関する事実上のプロバイダーとなることを目指している。

 しかしこの競争でどこが勝者になろうと、失われるのは匿名性である。この種の認証方法を採用するサイトでは、ユーザーは他人に嫌がらせをしたり、子どもじみたコメントを残したりするための、使い捨てのユーザー名やパスワードを作ることができなくなる。オンライン上でも利用者は利用者自身であり、現実の公共の場で出会ったときと同じ基準に従い行動することになる。

単一のIDが持つ心理的な影響

 MySpaceがサポートを約束した理想主義的な計画「OpenID」については、GoogleやMicrosoft、Yahooといった企業のみならず、米国のObama次期大統領も歓迎している。IDが統一されることにより、インターネット上のいたるところで一式の信用証明書を使用でき、数百件ものサイトにアクセスすることができる。一般のコンピュータユーザーがOpenIDの専門的な側面を知らなくとも、その心理的な影響は次第に現れてくるだろう。

 技術的なことが分からない人でも、自分は多数のサイトにわたって一式の信用証明書と1つのユーザー名を使用する、1人の人間であるというコンセプトに触れれば、自分たちの行動が追跡可能となり、それが真実であるかどうかにかわりなく、これまでのように匿名の存在ではなくなるのではないかと考え始めるはずだ。

ユーザーデータの支配者

 最後にGoogleだが、われわれは同社が「新しい支配者」であるというジョークを紹介してきた。現実には、気の利いたテーマの無料ウェブメールやさくさく動くウェブ検索サービス、無料の分析ツールなどと交換する形で、人々は自分のアイデンティティを大量にGoogleに送ってきた。先週末にAllen Stern氏が述べたように、「 Googleは私の居場所も、何をやっているかもすべて知っている」のだ(この「ウサギの穴」の奥まで知りたいなら、「Google’s User Data Empire」を詳細に見ることをお勧めする)。

 George Orwellが著書の「1984年」で描いた恐るべき未来像はとっくに超えてしまった。テレビ画面からわれわれを見つめる「ビッグブラザー」など問題ではない。自分たちは信頼に値する企業だと約束するだけの株式公開企業に、個人データやアイデンティティを盲目的に喜んで差し出すような世界になったのだ。また、H.G. Wellsの「タイム・マシン」に出てくるエロイ族のように、われわれは必要とするものをすべて与えられながら、やがては地下にひそむ邪悪な種族の餌食にされるのである。

適応のための戦い

 この社会は、匿名性の欠落によってもたらされる変化に適応するため、さまざまな方法で努力することになるだろう。週末にFacebookに怪しげな写真を掲載されることで仕事を失い、再就職もできなくなるようになるかもしれない。だが、(承諾も得ずに)他人の顔の前にカメラやビデオレコーダーを近づけて撮影し、そうして得た画像を直ちにインターネットで公開することが社会的に許されていると多くの人が考えるような状況で、パブリックとプライベートの線引きをどのようにしたらよいというのだろう。

 評判に傷がつかないようにするには、「人前では常に最善の行動をとる」以外にない。率直に言って、それは楽しいものではない。悪童たちはもはや夜遊びをしないのだろうか。友だちと馬鹿げた遊びに打ち興じることはできないのだろうか。その通り。その様子を翌朝にインターネットで公開されても気にしないという人以外は、そんな遊びはできなくなる。

 ネット上での匿名性がなくなった場合、自分たちが常に記録され、写真を撮られ、トラッキングされ、トレースされているという事実を十分に認識していることで、本来の自分であろうとするのではなく、若干異なる人格を作り出すことになるのではないだろうか。例えばリアリティ番組の出演者の行動に、見られているという事実により変化が生じるようなものである。自分の「ブランドイメージ」が公共の場におけるアイデンティティとなり、つまりは自分のアイデンティティとなる。

すべてが悪いのではなく、単に違っているだけだ

 現実には、オンラインでの匿名性を失うことは悪いことばかりではないはずで、例えば便利で持ち運び可能なソーシャルグラフが手に入る。ユーザー名やパスワードがびっしりと書かれたノートは処分しても構わない。検索データには1カ所から簡単にアクセスすることができる。ただし、簡単なログイン、検索可能な個人データやウェブ履歴、さらには大勢の友人がいるソーシャルネットワークといった利便性は、その過程で自分自身の一部と引き換えということになるだろう。新しいインターネットでは、自分のアイデンティティと個人情報がサービスの対価となる。われわれが個人データを売った企業が自社の利益のためにそのデータを使ったとしたら、いくら怒っても後の祭りである。われわれにできるのは自分を責めることしかない。

:2008:12/04/16:24  ++  「業績悪ければ転職ご検討を」 人員削減の波、正社員に

世界的な景気悪化に伴う雇用調整の波が、正社員にも及び始めた。人員削減はこれまで、販売不振に悩む自動車産業などの派遣社員や期間従業員が中心だったが、正社員の希望退職に踏み切る企業が増えている。

 「業績が低く改善が見られない社員は、社外でキャリアを求めることを含め、将来について真剣にご検討いただきたい」

 コンピューター大手の日本IBM。11月上旬、社内向けのネットに人事担当役員名でこんな文書が載り、社員に波紋を呼んだ。コンピューターのサーバーなどの販売低迷で、売上高は3四半期続けて前年割れ。1万6千人の正社員のうち、年内をめどに1千人規模の早期退職を募る計画だ。

 会社側は「競争力強化と社員のキャリアの選択を広げるため」と説明する。だが、全日本金属情報機器労働組合日本アイビーエム支部によると、5段階の人事評価のうち下から2段階までの人を対象に、会社側が繰り返し退職の意思確認をしている例もあるという。労組側は「『残ってもあなたの仕事はない』と言われている人もいる。事実上の退職勧奨だ」と強く反発する。

 正社員削減の動きは、業種を問わず広がりつつある。

 金型加工機械の中堅メーカー、ソディック(横浜市)は26日、約330人の全社員を対象に年内に希望退職を募集すると発表。応募者数は不透明だが、退職金のほかに一時金を支給する。部品メーカーなどの設備投資抑制の影響で09年3月期決算が赤字に転落する見通しとなり、「合理化が不可欠と判断した」(経営企画部)。希望退職に応じなかった社員も、12月から給与を最大2割カットする。

 中堅電機メーカーの沖電気工業も、50歳以上または勤続25年以上の管理職1200人程度を対象に、来年初めに300人の早期退職を募る。半導体事業から撤退し、管理職が余っているためという。
不動産不況に直面するマンション・建設業界。マンション大手の大京は事業縮小にともない、40歳以上を対象に、社員の1割強にあたる450人の希望退職を募る。中堅ゼネコンの若築建設も、不動産開発会社ゼファーの破綻(はたん)などに伴う特別損失の計上で経営が悪化。マンション事業から撤退し、社員の1割強にあたる100人の希望退職に踏み切る。

 個人消費の落ち込みは、小売りやアパレル業界も揺るがす。大手アパレルのレナウンが300人の希望退職を募るほか、中堅のルックも27日から、正社員の3分の1にあたる約150人の希望退職の募集を始める。両社とも1年契約の嘱託社員のデザイナーも減らす。

 健康食品の製造・販売を手がけるキリンヤクルトネクストステージは、市場の縮小で苦戦が続く。栃木県内の工場を閉鎖し、正社員143人の7割にあたる100人の人員を削減する計画だ。

:2008:12/04/16:09  ++  【正論】中国軍事専門家・平松茂雄 与那国島を第二の対馬にするな

≪ようやく政治家が動く≫

 韓国との国境の島・対馬が過疎化と小泉改革による公共事業削減、石油高騰などの影響で深刻な経済困難に陥り、そのスキをつくように、韓国資本が島の土地を買い占めている。地理的に近いことから、韓国の観光客がドッと入るようになり、その数は島民の3倍にも達する。観光地にはハングルがあふれ、さながら韓国国内のような景観を呈している。しかも彼らは、竹島ばかりか対馬までが「韓国の領土」と主張しているというのだ。

 本紙は3回にわたる特別企画「対馬が危ない!!」で島の現状を報じた。すると、にわかに自民党の真・保守政策研究会と超党派の国会議員による「日本の領土を守るため行動する議員連盟」が動き出した。近く対馬を現地視察し、「防人の島新法制定の推進議員連盟」を結成して、法整備に向けて具体的に検討することになった。

 わが国周辺海域が隣国からの「脅威」にさらされている。その現実を直視せよと早くから論じてきた筆者には「いままで何をしていたのか」と問いたい思いである。ともあれ政治家がこの問題に関心を向けたことを評価したい。

 しかし筆者が恐れるのは、関心が対馬だけに局限化されることだ。そもそもわが国には、特定の島嶼(とうしょ)に関する振興策はあっても、離島およびその周辺海域の防衛・振興を含めたトータルな施策がない。対馬だけでなく、約6800に及ぶ離島全体、特に「最前線」の島、海、空を重点的に防衛する施策が、今こそ必要なのではないか。

 ≪返還前からの特殊事情≫

 なかでも筆者が竹島や対馬の二の舞いになっては困ると危惧(きぐ)しているのが、日本の最西端の島・与那国島だ。この島は台湾までわずかに110キロである(ちなみに石垣島までは120キロ)。県都の那覇までは400キロも離れている。この島には、他の国境地域の島にはない特異な問題がある。それは、わが国の領土であるにもかかわらず、島の上空に日本と台湾との防空識別圏を区切るラインが通っていることである。

 防空識別圏とは、国の防空上の必要から設定された空域である。国際法によるものではない。だが、異国の航空機が領海上空を侵犯して領土上空に到達するまで、旅客機でも1分程度、超音速軍用機であれば数十秒である。領空侵犯されて対応するのでは手遅れだ。そこで領空の外周の空域に防空識別圏を設け、事前に届け出のない航空機が防空識別圏に進入した時点で、空軍機により強制退去させる措置をとっている。

 スクランブルといわれ、一般には航空機が防空識別圏に進入する恐れがある時点で発動される。それでないと、軍用機の場合には攻撃されてしまう恐れがあるからだ。

 ところが与那国島では、台湾との間の防空識別圏のラインが島の上空に引かれているのだ。厳密に言えば、島の東側3分の1は日本、西側3分の2は台湾である。沖縄占領中に米軍が便宜的に東経123度で線引きしたのを、返還の際、日本政府がそのまま引き継いでしまったからだ。

 当時としては、台湾(中華民国)が友好国だからとの単純な理由からであろうか。しかし、日本政府、防衛庁・自衛隊が自国の防衛にいかに無責任であるかは、現在でも自衛隊の航空機が台湾との防空識別圏に近づくことを意図的に避けていることにはっきり表れている。

 ≪自衛隊ですら関心なく≫

 筆者は中国の東シナ海石油開発を取材する中で初めてこの事実を知り、航空自衛隊に問い合わせた。すると「何も問題ありません。あなたは何を心配しているのですか」と相手にしてもらえなかったことがある。

 台湾はれっきとした主権のもとに存在している。わが国の領土である尖閣諸島の領有権を主張して譲らないばかりか、沖縄返還時には、台湾に無断で沖縄を日本に渡したと米国にクレームをつけたことがある。さらにいえば、中国は台湾を自国の領土と主張している。もし台湾が中国に統一されたら、どういう事態になるか、防衛関係者ですら考えたことがないのだろうか。

 馬英九氏が総統に就任し、中国は経済関係の緊密化による台湾との「平和統一」を意図している。与那国島も、対馬と同じように、過疎化と経済的低迷に苦しみ、台湾との経済交流、観光客の受け入れに期待している。

 筆者は先ごろ、与那国島に初めて行く機会を得て、町議会、防衛協会の方々と話をした。島の人たちは、国境の島に対する国家の特別措置と自衛隊の駐屯を強く希望していた。与那国島が「第二の対馬」にならないうちに、手を打たなければならない。(ひらまつ しげお)

:2008:12/04/10:12  ++  主要ネット12社、最終損益7社が悪化、広告減速、宿泊予約も鈍化。

主要インターネット企業十二社の二〇〇八年七―九月期業績(二社は六―八月期)は七社の最終損益が悪化し、五社が改善した。世界的な金融不安による企業業績の低迷などを受けてネット広告分野で減速傾向が出てきたほか、高級ホテルなどの宿泊予約なども成長が鈍化している。
 企業業績の悪化などを受け、特にネット広告代理店の業績が厳しい。サイバー・コミュニケーションズ(CCI)は広告配信の連結子会社が苦戦したため減損処理を実施し、最終赤字に転落。デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)は利益率の低い検索連動型広告の比率が高まったほか、バナー広告などの価格競争激化が響いた。
 広告掲載が主力の各社も伸び悩む。ディー・エヌ・エーは二ケタ成長を維持したが、無料で交流機能を利用できる携帯サイト「モバゲータウン」で成果報酬型広告が三・四半期連続で落ち込んだ。
 また、高級ホテル・旅館のネット宿泊予約に強い一休は、景況感の悪化で同社が扱う高価格帯の宿泊利用が伸び悩み、最終減益となった。楽天は仮想商店街などが堅調だったが、前期に中国の旅行サイト運営会社株を売却し特別利益を計上した反動で最終減益だった。
 米調査会社によると、〇九年に米ネット広告の市場規模は従来予想を大きく下回り一ケタ成長にとどまる見込み。日本でも当面、成長鈍化が続きそうだ。

:2008:12/04/10:07  ++  寒風産業景気(2)素材一斉減産―値下げ圧力なお強く。

鉄鋼大手が抜本的な減産計画の練り直しを始めた。すでに新日本製鉄、JFEスチール、神戸製鋼所の三社計で今年度下期に当初計画比四百十万トン強の減産を決めている。前年同期比では一一・四%の減産で下期としては二〇〇三年以来の水準だが、さらに減産を上積みする。住友金属工業も減産拡大を検討する。
 JFEと神戸鋼は高炉への熱風の吹き込みや原燃料の投入をやめ、粗鋼生産を一時的にストップする「休風」の検討にも着手。生産調整のための「休風」はほぼ七年ぶり。それ以上の減産をしいられれば、高炉が長期停止した「鉄冷え」再来の懸念も出てくる。
消費不振が直撃
 金融危機後、自動車などの消費不振が顕著になり、その影響が早くも素材産業に広がっている。〇七年には国内の粗鋼生産量や石油化学製品の基礎原料であるエチレン生産量は過去最高を記録したが、状況は一変。十月の国内エチレンプラントの稼働率はアジア通貨危機以来十年二カ月ぶりに九〇%割れ。紙・板紙の十月の国内出荷量も過去二十年で最大の減少幅となった。
 三井化学や三菱化学が北米で自動車用樹脂の減産を強化。さらに住友化学は日米欧中の世界五拠点合計の十―十二月の同樹脂生産を前年同期比五―一〇%減とする。旭硝子も米国のケンタッキー州にある生産拠点で、自動車用ガラスの減産幅を一〇%から二五%に拡大した。
 昭和電工は大分市のコンビナートでエチレンプラントの稼働率を八〇%に引き下げた。宇部興産はナイロン繊維・樹脂原料の減産幅を四四%に拡大した。
 素材産業は一斉に減産を進めるが、需要減には追い付かず、ユーザーの値引き要請は強まるばかり。〇九年の焦点は「値下げ」がどこまで広がるかだ。すでに食品の包装材に使うポリスチレンなどについては値下げに動いている。化学メーカー側は「〇八年上期の原燃料高騰分を取り戻すために緩やかな値下げへの理解を求めたい」(三菱化学)と防戦一方だ。
 鉄鋼も今期四割近い鋼材値上げをしており、「これ以上の値上げはないと期待している」(新美篤志トヨタ自動車専務)とけん制球が飛ぶ。電炉大手の建築向け鋼材価格は下落し始めており、〇三年度から上昇が続く鋼材平均価格が〇九年度は下落に転じる可能性が出ている。
 底が見えない需要減少に価格下落が加われば、来年の素材各社の収益環境は加速度を増して悪化することになる。野村証券の西村修一素材産業調査室長は「〇九年前半に最悪期を迎え、回復は一〇年までずれ込むのではないか」とみる。
設備過剰が露呈
 化学や鉄鋼業界では業界再編問題が再燃し始めている。旭化成の伊藤一郎副社長は「国内のエチレンプラントすべてが生き残れるか、そろそろ検討を始めなければならない」と話す。鉄鋼も「成長が続いている間はないといわれてきた再編も起こりうる」(鉄鋼大手首脳)。
 中国など新興国市場の成長を取り込んできた国内素材産業だが、世界経済の急減速とともに再び供給過剰体質があらわになり始めた。新設備の稼働延期など投資抑制に動く素材各社だが、需要回復の出口が遠のけば、過剰設備の解消に向けた再編が現実味を帯びてくる。