(2007/08/28 08:05)
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:2007:08/28/10:06 ++ 【内閣改造 土俵際の再出発】(上)意中の候補、次々断念
27日午後9時すぎ。首相官邸で記者会見した首相、安倍晋三は格差問題などに応えるために重厚な布陣を敷いたことに理解を求めたが、疲労の色がにじみ、声は張りを失っていた。参院選敗北により参院で少数与党となり、与党にも退陣要求がくすぶる中での内閣改造・党役員人事が、いかに苦悶(くもん)に満ちたものだったか。順風満帆で政権を発足させた11カ月前にこのような事態を誰が想像しただろうか。
内閣支持率を回復させるには新鮮で特色ある顔ぶれ、党をまとめるには重厚でバランスの取れた布陣が必要だ。野党の攻勢を考えると「政治とカネ」疑惑やスキャンダルは禁物となる。
安倍は内閣情報調査室などに閣僚候補者の入念な「身体検査」を指示したが、これが予想外の事態を招いた。政治資金などで「不法とはいえない不適切」という事案が続出、意中の閣僚候補を次々に断念せざるを得なくなった。加えて、防衛相の小池百合子が突如辞任を表明。安倍の「右腕」の総務相、菅義偉も事務所費問題に関する一部の報道で矢面に立たされた。
人事構想の見直しを迫られた安倍はインド・東南アジア外遊中も公式日程を終えると1人ホテルの部屋にこもり、生みの苦しみは改造前夜まで続いた。熟考中の安倍は「野武士」のような形相だったという。
だが、どんなに「配慮」に満ちた人事も全員が納得できるものにはならない。
安倍は、元首相、森喜朗が推した元官房長官の福田康夫、元財務相の谷垣禎一の入閣は見送った。森は27日夜、神戸市内で講演し、「非常に堅実な実務型内閣だ」とほめながらも「やっぱり安倍さんも理想は残したいんだろうな。相変わらず、石原(伸晃政調会長)や渡辺(喜美行革担当相)らを残した。前は年少組だったが、今度は年中組という感じか…」と皮肉った。
内閣改造で安倍がもっとも執着したのは外相、麻生太郎の幹事長起用だった。安倍は参院選後、麻生の外相続投方針を百八十度転換する。
最大の転機は、臨時国会召集日の8月7日に訪れた。国会内で開かれた代議士会で、元文科相の小坂憲次らが相次いで安倍の面前で退陣を要求。党の大勢が「安倍降ろし」で雪崩を打ちかねない空気が広がった。
衆院本会議終了後、参院での開会式に天皇陛下をお迎えするため、モーニング姿に着替えた麻生は、国会内の一室で安倍と向き合った。
「事態は深刻だ。内閣改造は早めた方がいい。国会最終日の10日に電撃改造をやるべきじゃないですかね…」
麻生は、祖父である元首相の吉田茂が昭和29年に欧米7カ国を外遊中に反吉田連合が結成され、帰国後内閣総辞職に追い込まれた事例を挙げて、このまま月末まで内閣改造を先延ばしして、19~25日にインド・東南アジアに歴訪すれば、その間に安倍包囲網が構築される恐れがあることをとうとうと説き、最後にこう念を押した。
「今は保守勢力の最大の危機であり、国家の危機でもある。でも筋を通せば必ず道は開けるものですよ」
消えた「電撃改造」
麻生の言葉は安倍に重く響いた。麻生の指摘通り、党内の不満をそのまま放置していれば、反安倍の火は一気に燃え広がりかねない。だが、閣僚候補者の身辺調査は間に合わない上、だまし討ちに近い改造を失敗すれば不満は増幅しかねない。麻生のアイデアはリスクが大きかった。
ただ、幸運にも7日を境に安倍降ろしの動きは一気に鎮火に向かった。党内で「これ以上の混乱は見苦しいし、民主党に利するだけ」(中堅)との雰囲気が広がったからだ。国対委員長の二階俊博や元防衛庁長官の額賀福志郎ら派閥領袖級らも相次いで「続投支持」を打ち出した。
思いを巡らせた末、安倍は最終的に「電撃改造」を断念したが、安倍はこの時点で「安倍-麻生」体制を政権の軸とすることを決断した。
安倍の祖父は元首相の岸信介、父は元外相の安倍晋太郎。一方の麻生は、祖父が吉田茂、先祖は明治の元勲、大久保利通にさかのぼる。共通する「毛並みの良さ」もあり、安倍政権発足以来ぴったりと息を合わせてきたが、元々は疎遠だった。両者が親しくなったのは安倍が官房長官、麻生が外相に就任した2年前からだ。
安倍が親友の塩崎恭久(前官房長官)を外務副大臣に押し込んだことに麻生が激怒。その「手打ち式」として銀座のラウンジに繰り出したことがきっかけだった。ここで14歳の年の差を超えて意気投合し、昨年秋の総裁選では2人は対抗馬となるが、友情は続いた。
安倍は1年前、首相就任にあたり、麻生を幹事長に起用しようと考えた。しかし、このときは森らの説得で断念。だが、外相に迎え入れ、二人三脚で「主張する外交」路線を進めてきた。
「ライバル同士なのになぜ馬が合うのか」と周囲がいぶかしむと、麻生はこう説明した。
「おれと安倍の政治信条や国家観はほとんど一緒だ。ついでに敵も一緒だ。ケンカしようがないじゃないか」
麻生のいう「敵」が、元幹事長の加藤紘一や元副総裁の山崎拓らを指すことは明白だ。つまり、安倍が「安倍-麻生」体制を選んだということは、政権の求心力が低下しているこの時期に、あえて「敵に対して妥協しない」という意思を示したともいえる。(敬称略)
:2007:08/27/13:08 ++ ソフトブレーン創業者宋文洲氏―「弱者こそ正義」脱却を(インタビュー領空侵犯)
「格差の議論は戦後の成長時代に定着した一億総中流意識との対比で語られていると思うんです。頑張れば皆、同じ結果が得られる。復興政策で皆が豊かになったから、平等は普遍的と考えがちですが、資本主義経済は本来そういうものではありません」
――格差の議論がおかしいと感じるのはなぜですか。
「テレビのお茶の間番組はホリエモンや村上世彰被告らをヤリ玉に挙げ、格差社会の悪い象徴のように取り上げます。違法行為はもちろん許せませんが、ベンチャーで成功した人へのやっかみも半分あるのではないでしょうか」
「資本主義の原動力は成長です。ベンチャーやイノベーションは欠かせません。そこで格差が生じるのは自然なことです。マルクスが富の再配分が必要と言ったのは、資本主義には格差がつきものだと見ていたからです。リスクをとった人をたたき過ぎれば、誰もとらなくなります」
――不祥事での役員報酬返上も変だと言っています。
「経営者が頭を下げる様子が連日報道される国は珍しい。報酬返上も紋切り型で、返金すれば放免されるというのも変な話です。経営責任が昔より厳しく問われる今、自覚を求める意味でも報酬はもっと増やすべきでしょう」
――なぜ日本では格差が問題になるのでしょうか。
「日本の平等は与えられたものだからです。努力しない人まで平等を主張する。さらに日本に根強い清貧の発想。正しい人は貧しくても清く生きるというのが、いつの間にか貧しい方が清く、弱者の方が正義になってしまった。役所もマスコミもそうした論調には逆らえず、まるで中国の文化大革命のようです」
「だから大事故が起きれば全国の回転ドアや遊園地が止まってしまう。過剰反応です。経営者も小心になり、無難を求めた結果、日本経済の活力が失われてしまった」
「中国が社会主義をとったのは経済を底上げするのによかったから。ロシアもそう。しかし途中から修正しました。中国政府だって気付いたのに、日本はいまだに復興型経済を貫こうとしています」
――では日本はどうすればよいと考えますか。
「清貧でなく、“清豊”を称賛すべきです。成果が報われる社会をつくらないと優秀な人は海外へ行ってしまい、海外からも有能な人材を起用できません。格差を前向きに受けとめ、弊害は福祉など別な方法で解決すべきです」
:2007:08/27/13:06 ++ ソフト導入、中小を支援、会計や生産管理――専業20社超、費用安く。
国内中小企業のサーバーや業務ソフトの導入率は欧米の半分以下とされる。中小のIT整備を促すことで日本の生産性を底上げできるとみて、経済産業省も支援する方針。来年度予算で二十億円弱を確保し、共用サーバー開発などのための費用を拠出する。
新事業を手がけるのはサイボウズなどのほかソフトブレーンや構造計画研究所など二十三社が参加する事業連合「メイド・イン・ジャパン・ソフトウェア・コンソーシアム(MIJS)」。各社がそれぞれ開発した会計、営業支援、生産管理などのソフトを共用サーバーに登録して貸し出し、売り上げ拡大を狙う。
中小企業は利用者数と期間に応じて料金を支払うため過大な投資を避けられるうえ、ソフトの切り替えも簡単なので常に最新のIT環境を備えられる。データは共用サーバーに保存、必要に応じて呼び出す仕組みで顧客は自社でサーバーを持たなくてすむ。
:2007:08/27/13:04 ++ インタビュー編(1)漫画家弘兼憲史氏―崩れた終身雇用(サラリーマン)
■
――サラリーマンの働き方はどう変わったか。
決定的な変化は終身雇用制度がなくなったこと。僕らは親から、良い会社に入ると良い人生になるから勉強して良い大学に入れと言われて育った。大企業で安定した生活を送ることが人生の目標だった。今は良い大学を出て良い会社に入っても、いつリストラされるか、会社がつぶれるか、M&A(合併・買収)で乗っ取られるか分からない。
若い人の中には、最初に就職した会社で定年まで働くと思っている人はそんなにいないのではないか。サラリーマンといえども、いつ自分が放り出されて一人になるか分からない。外国語の能力を身につけるなど、転職先に自分を売り込むスキルを身につける必要が出てきた。
僕らのころの会社は、いわば王国であり家庭のようなものでもあり、よって立つところだったが、今は違う。労働力を提供しておカネをもらうだけの手段。一九八三年に「週刊モーニング」で連載を始めた「課長 島耕作」も、今だったら“フリーのサラリーマン”として会社を渡り歩く「事務屋 島耕作」にでもなるのだろうか。
――時代も大きく変わった。
島耕作は私と同い年で、大学卒業後の一九七〇年に社会に出た団塊世代の設定。連載を始めたころは、日本が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」として世界に君臨していた。我々の人生は日本経済と同じ曲線を描いていったような気がする。
青年期には日本経済も右肩上がりの成長を享受し、下り坂など想像もしていなかった。その後、バブル経済を迎えて、すぐに崩壊。自分たちの体にガタがきたころ、経済も右肩下がりになった。気が付いたら、かつては日本の金看板だった製造業も韓国に抜かれてしまった。我々は天国から地獄まで、バブルからリストラまで味わった貴重な世代かもしれない。
■
――順調に昇進していくサクセスストーリーはサラリーマンの究極の夢でもある。
島耕作もこれから社長になり、相談役にもなる。余談だが、リタイアしたら「ボランティア 島耕作」や「そば打ち 島耕作」もあるかもしれない。ただ、社長の実態をリアルに描きすぎると、昼間は会議、夜はパーティーばかりで、全く漫画にならない。やはり現場の指揮官の課長が一番描きやすい。舞台が変わるし、上下に人もいる。
しかし、今の若い人に、会社での出世はどう映るのだろう。「オレはオレでいいんだ」と自分の幸せ、目の前の風景以外に興味がないということになれば、「出世なんてしなくてもいいよ」となってしまう。向上心がないと人間は偉くなれない。現状満足型だったらもう終わってしまう。それが豊かさの中で育ったことの怖さだ。
(聞き手は
社会部 窪田淳)
:2007:08/24/09:40 ++ 【やばいぞ日本】第2部 資源ウオーズ(6)温暖化が生んだ新たな競争
忍び寄る温暖化の陰で、かつては存在さえ意識されたことがなかった権利が、新たな“資産”として日増しに存在感を増している。
温室効果ガスの排出権。文字通り二酸化炭素(CO2)を排出できる権利だ。すでに排出権は欧州を中心に活発に取引されており、新たな資源とでもいうような存在になりつつある。
「いい排出権があるけど、購入しないか」。ある日本の商社マンは今年に入り、旧知の欧州企業ビジネスマンからこう持ちかけられた。驚いたことに欧州企業の提示した排出権は、ライバルの日本商社が中国での温室効果ガスの排出削減事業にかかわって得たものだった。その際の獲得価格は1トン当たり900円程度。にもかかわらず欧州企業の提示価格は1トン当たり15ユーロ(約2400円)。わずか1年半ほどの間に3倍近くにも値上がりしていた。
排出権がなぜそこまでの価値を持つのか。それは排出権が、エネルギーを消費する権利でもあるからだ。より鮮明にするのは、温室効果ガスの排出量上限を定め、上限に満たなければ排出権を売却でき、上限を超えれば排出権を購入する必要がある「キャップ・アンド・トレード」という仕組みだ。これは身近なゴミ問題に置き換えると理解しやすい。
一般家庭は年間100キロまでゴミを捨てることが認められているとしよう。無駄を極力省いて暮らしているAさんの家は90キロしかゴミが出ない。Bさんの家は110キロのゴミが出る。上限に満たないAさんは10キロ分のゴミの排出権をBさんに売ることができ、排出権を購入したBさんは認められている以上のゴミを捨てることができる。
一見、理にかなった仕組みと思えるが、誰がどのようにして割り当ての上限を決めるかが問題だ。当初の割り当てで上限の排出量を多く獲得できれば、より多くのエネルギーを消費でき、経済活動を活発に行える。
だが、排出量を思うように獲得できなければ、本来は設備投資や研究開発投資に回るべき資金が排出権購入に費やされる。最悪の場合、企業は生産を停止して排出上限を守る必要さえある。
他方、ここ数年の景気回復で日本のCO2排出量は増える一方だ。2005年度には1990年比で、逆に7.8%も増えてしまった。しかも世界屈指のエネルギー利用効率を誇る日本企業はすでに国内での削減余地は乏しい。このため、排出権をこれまで以上に購入する以外に有力な手段は見当たらない。
例えば鉄鋼業界では2800万トンもの排出権の購入を決めている。産業界への削減量上乗せは企業に過大な負担を強い、国際競争力の低下につながりかねない。中国などでの排出権獲得事業では日本の省エネ技術の流出も懸念される。
2005年に日本政府が策定した目標達成計画でも、6%のうちの1.6%分は排出権1億トンを購入することを盛り込んだ。そのために3000億円程度の税金が投入される計算だ。最新の見通しでは、排出権の購入費用はさらに1000億円規模で拡大する可能性さえある。日本が払う代償は膨れ上がる一方だ。
押しつけられた不利なルール
CO2排出権は国の経済成長力を大きく左右する力を持つ。国益にも大きな影響を与える。それだけに自国に有利な制度にしようと大国は、虚々実々のパワーゲームを繰り広げる。
97年12月に開かれた地球温暖化防止京都会議で採択された京都議定書は、まさに大国間のパワーゲームの末に生まれた。京都議定書で、日本は2008~12年の温室効果ガス排出量を90年に比べて6%削減することを義務付けられた。
だが、2度にわたる石油危機を経験して省エネを進めてきた日本にとって、そもそもCO2排出量を削減できる余地は乏しかった。なのに議長国の日本は1%上乗せをのんだ。「途上国を温室効果ガス削減の枠組みに取り込むため」と、米国などが説得したからだ。
ところが、日本に譲歩を促した米国は、自国経済への影響が大きいといって途中で京都議定書から離脱した。
米国と並ぶ2大排出国である中国も途上国を理由に削減目標は課されていない。
その結果、いま、日本企業は最新の省エネ技術や、環境技術を中国などの途上国に導入し、それによって削減したCO2を排出権として獲得することに躍起になっている。古い設備でエネルギーを大量に消費している中国は、何もしなくてもCO2を削減できる技術を得られる。
「あまりに理不尽」。日本企業の多くは強い不満を抱いている。
当時、通産省(現・経済産業省)審議官として温室効果ガス削減の目標策定の責任者だった住友商事の岡本巌専務は「あそこまで譲歩しながら、途上国を枠組みに取り込めなかったのは大きな取りこぼし」と悔やむ。
京都議定書の採択から約10年。いま、2013年以降の「ポスト京都議定書」をにらんだ動きが世界に一気に広がっている。その最初の表舞台が、6月にドイツ東部ハイリゲンダムで開かれた主要国首脳会議(サミット)だった。
議長総括には「2050年までに温室効果ガスを少なくとも半減させることを真剣に検討する」との文言を盛り込むことでブッシュ米大統領も合意した。合意内容は、安倍晋三首相が5月に公表した「美しい星へのいざない」のなかで示した長期目標に合致する。
首相は議長総括が発表された後、記者団に「日本の主張が受け入れられた」と自賛したが、喜ぶのはまだ早い。サミットでの合意は、ポスト京都のルールづくりに向けたスタートラインにすぎない。日本の課題は、京都議定書のような不利なルールや義務を回避することにあるからだ。
日本とは対照的にサミット後、米国はポスト京都の主導権を握ろうと急ピッチで動き始めている。7月11日には、米上院に、米国内で排出される温室効果ガスを2030年までに20%削減させる超党派法案が提出された。
「環境技術を後押ししながら、温室効果ガスを劇的に削減できる」。法案作成を主導した民主党のジェフ・ビンガーマン議員は胸を張った。
法案の柱は、「キャップ・アンド・トレード」。欧米が本気になって手を組めば、「キャップ・アンド・トレード」導入に消極的な日本だけが取り残されかねない。受け身のままの日本では大国のパワーゲームの結果をまた押しつけられてしまう.

:2007:08/24/09:32 ++ 【正論】帝京大学教授 志方俊之 小沢氏の安易な反米パフォーマンス
≪限界ある国連の安保機能≫
さきの参議院選挙で与党を過半数割れに追い込んだ民主党は、その勢いに乗じて次の衆議院選挙でも勝利し政権奪取を目指す戦いを開始した。まず11月1日に期限切れとなる「テロ対策特別措置法」の派遣期間を延長する法改正に反対し、インド洋で行ってきた洋上給油活動から海上自衛隊を撤収させる方針だ。
これまで民主党は国連平和維持活動(PKO)には積極的に自衛隊を参加させるが、一定の「歯止め」として、国連安保理が決議した「直接のお墨付き」がある場合に限るとしてきた。
しかし、現在の安保理の機能は未だ不十分で、常任理事国の利害が交錯する複雑な国際情勢下での対処は極めて限定されている。常任理事国の利害が一致しない場合の安保理決議は、曖昧(あいまい)な表現を使うため同床異夢を許すことになる。現に、アフガニスタンの再興支援活動の継続を要請する安保理決議1746号で十分とする考え方で多くの国々がテロ掃討作戦などに参加している。
したがって、民主党の考えている「歯止め」を厳密に適用すれば、国際社会で起きる重要な問題(わが国の死活的な国益に直接絡む問題)解決のため、自衛隊を派遣して国際的責務を果たさせることがほとんどできない。
≪テロ国際活動の代案2つ≫
民主党が政治戦術としてテロ対策特措法の改正に反対するのは自由だが、海上自衛隊を撤収させるのなら、アフガニスタンでの対テロ国際活動に、わが国はどのような形で参画するのか、民主党なりの「代案」があるのか。
筆者は、現在海上自衛隊が行っている洋上給油活動は、わが国にとってギリギリの選択だと考えている。それを行わないとするなら、代案として次の2つが考えられる。
現地アフガニスタンで活躍中の北大西洋条約機構(NATO)軍とは別に(1)とりあえずは多額の資金援助だけで済ませる(2)自衛隊ではなくてもやはり「人」でというなら、有能な民主党青年部の中から数十人単位の奉仕団を編成して現地に派遣する-。
現地アフガニスタンの治安は、韓国の宗教奉仕団体が拉致され、その一部が殺害されたように厳しい状況に変わってきており、いま現地に民間人を送り込むことは最も難しく危険なこととなっている。
≪対米自主性強化5課題≫
民主党は、小泉政権や安倍政権は政治的にも軍事的にも「米国ベッタリ」だとして、もっと「自主性」を持つべきだと批判してきた。では民主党は安全保障に関し、米国と距離を取り自主性を強化するため何をするか。
わが国が安全保障で米国ベッタリなことは大きく5つある。第1は、全面的に「核の傘」の提供を受けていること。もし核の面で自主性を強めるというのなら、それは一体どんなことか、民主党は国民に具体的に説明する必要がある。第2は「戦略的な攻撃力」は米国に全面的に依存していること。この面でわが国が自主性を強めるのは、わが国も戦略爆撃機や中距離弾道ミサイルを持つことなのか。第3は「軍事情報」の大部分を米国に依存している現状。自主性を発揮するため、米露中のように、わが国も中央情報局(CIA)のような国家情報組織を持つのか。第4は「軍事技術」の多くを米国に依存している体質である。米国からの軍事技術導入を減らして独自の開発努力をするとなると、わが国の防衛産業をかなり膨大なものにしなければならない。あるいは、わが国も武器輸出に踏み切って、その利益によって防衛予算を補填(ほてん)するのか。第5は「シーレーン防衛」の大部分を米国の第7艦隊に依存しているわが国が、自主性を強化するため、どこまで海上自衛隊を大きくしようというのか。
民主党が政権奪取に至るまでには、少なくともこれら5つの「自主性強化策」を国民の前に示さねばならない。
国連中心主義と言うのなら、どのような現実的プロセスで、わが国を安保理の常任理事国にするのか、これまで国民は民主党からの説明を受けたことがない。
整斉とした2大政党システムの誕生を望んでいる多くの国民は民主党の納得できる「応え」を待っている。民主党は今回示された国民の期待に応えるため、現実的な安全保障政策を国民に示す必要がある。
大衆受けする身近な国内問題だけを論じ、在日米国大使を一蹴して米国に「ノー」と言える小沢民主党を見せつけても政権奪取には繋がらない。国民は民主党が考えているより賢いことを忘れてはならない。(しかた としゆき)
(2007/08/24 05:07)
:2007:08/22/15:43 ++ ディー・エヌ・エー社長南場智子氏――新サービス、現場に権限(創るベンチャー経営)
二〇〇八年三月期の連結業績は経常利益が前期比九四%増の九十億円、売上高は七九%増の二百五十五億円を見込む。けん引役は携帯電話向けサイト「モバゲータウン」。人脈づくりやゲームを楽しめ、会員数はサイト開設から一年余りで六百万人を超える大手に成長。閲覧数の増加で広告収入が急増した。
「ゲームを楽しめる携帯サイトを作りたい」。現場から提案があったのは〇五年夏。パソコン用の競売サイトに次ぐ柱を模索していた南場は「新たな利用者が期待できる」と判断し、自らスカウトした技術者の一人にシステム作りを全面的に任せた。当初は一億円の損を出したら撤退するつもりだった事業が、今では売上高の四五%を占める。
同社は社員全員に年二回、新規事業の提案を求め、可能性があれば事業化を試みる。前期は決済業務や保険事業など五つの事業に進出。モバゲータウンでは二十以上の新サービスを立ち上げた。発案から一カ月で事業化することもある。
「若者がのびのび働けば新しい事業が芽吹く」。南場は事業化の可否と収益管理に徹し、現場に口を挟むことはまずない。柔軟な事業化とリスクのバランスをとることに腐心する。
南場は大学卒業後、経営コンサルタントのマッキンゼーに入社した。情報通信やハイテク業界を担当し「がむしゃらに働いた」。米国留学を経て一九九六年には役員にあたるパートナーコンサルタントに就任したが、米国でのネット競売の普及に触発され、起業を決意。コンサルタント経験者五人と独立した。
創業当時は外部委託した競売システムの開発が進まず、別会社に発注し直すなどトラブルの連続。月一億円以上の赤字を出して厳しい状況に陥ったこともある。コンサルタント出身のせいかプランが先行し、開発や営業など現場の重要性が分かっていなかった。
南場は「自分には強いリーダーシップがあるわけではない」と語るが、ボトムアップ重視には創業時の苦労も無縁でない。社員を昼食に誘ったり、月に一度は自宅に招いて歓待するなど気配りも欠かさない。
創業直後から南場を知るエキサイト社長の山村幸広(43)は「コンサルタント出身だが、頭でっかちではない。行動力とずぶとさを併せ持つ」と話す。現場の意欲を引き出す経営が、変化の激しいネット業界でディー・エヌ・エーを勝ち組に押し上げた。
ただ急成長で社員数は三百人を超え、南場が社員と緊密に接することは難しくなりつつある。規模拡大の中でどれだけ自由闊達(かったつ)な経営を続けていけるのか。「携帯電話のポータル(玄関)サイトを目指す」という南場にとって、組織づくりや人材育成など難しいかじ取りが待ち受けている。(敬称略)
なんば・ともこ 86年津田塾大学芸卒、マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。99年にディー・エヌ・エーを設立し、社長就任。05年東証マザーズ上場。新潟県出身。趣味のドラム演奏が気分転換という。
:2007:08/22/15:39 ++ マイクロソフト、アップル、ソフトのネット提供拡大――店頭販売モデルを修正。
MSは個人向けネットサービス「ウィンドウズ・ライブ」の機能を拡張する。基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」などを搭載したパソコンで写真を編集し、他者と共有できるサービスを米欧アジアで開始。米国やインドでは、音楽なら百曲、写真なら三千枚をネットを使って保存できるサービスを始めた。
情報処理量の急増に備え、データセンターを増強する。米ワシントン州で同社最大のセンターを稼働させたほか、テキサス州でも五億五千万ドルを投じるセンター建設に着手した。二〇〇八年七月の稼働をめざす。MSのセンターは世界で約二十カ所となる。
アップルは会員制のネットサービス「ドットマック」の機能を強化した。写真や動画をネットを通じてデータセンターに保存。場所や機器を問わず好きなときに呼び出せるサービスを世界の主要市場で始めた。データ保管サービスの容量もこれまでの十倍の十ギガ(ギガは十億)バイトとした。
六月末に米国で発売した携帯電話機「iフォン」では、ネット経由で業務用ソフトやゲームソフトを利用できる仕組みを導入した。
ネットサービス普及をけん引したのはグーグルだ。電子メールや表計算などのソフトを無料で提供し、ネット化の流れを定着させた。
IT業界の競争の主戦場がネットに移行するなか、MSとアップルは、サービス強化でネットを収益源に育てる。一方でネットを「OSや応用ソフトの機能を拡張するもの」(アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者=CEO)と位置づけ、既存のソフトや機器販売との相乗効果もねらっている。
ソフトをインターネットサービスとして提供する手法は「クラウド(雲)・コンピューティング」などと呼ばれる。ネットに接続すれば世界のどこにいても、雲の上から各種機能を引き出すように利用できるからだ。米調査会社によると市場規模は一一年に百九十三億ドル(約二兆二千億円)と〇六年の三倍以上になる見通し。急成長する一方、情報管理の安全性やデータセンターの運営コスト増など課題も出てきた。
(シリコンバレー
:2007:08/22/15:23 ++ 【正論】日本教育文化研究所所長・森隆夫 人材立国は「米百俵」と教育的良心で
≪きわめて低い公教育費≫
参院選挙で政局台風が発生し、教育への熱気は一気に吹き飛ばされた感がある。教育再生会議がせっかく「社会総がかりで」(第1次報告)「あらゆる手だてで」(第2次報告)と教育改革への意気込みを示していた矢先である。これでは第3次報告の行方が気になる。
台風の目は年金問題だったが、それは確かに国民一人一人の老後の生活にかかわる重要な問題である。しかし、教育も国家百年の大計といわれるように国全体の将来にかかわり、年金に匹敵するといってもよい。そんなとき「教育の将来を考える会」(代表、有馬朗人元東大総長)が緊急メッセージを公表した(8月9日)。題して「学力を伸ばし志ある若者を育てるために」。その意図は人材立国を目指すわが国の将来の人材確保のために公教育予算の増額を訴えることにある。
近年先進国では公教育費を増加させているのにわが国だけが財政支出削減を理由に、教育予算を減らそうとしている。わが国の国内総生産(GDP)一人当たりの教育費は初等中等教育では2・7%で先進諸国の中で下から3番目、高等教育では0・5%で最下位なのである。
たしかにわが国は少ない予算の中でよくがんばってきたからこそ、戦後の疲弊した状態から復興し、成長して今日に至ることができた。そのことに気づいたユネスコは、かつて日本の「成長と教育」の関係の謎を解くために調査を行ったことがある。調査に加わった西ドイツ(当時)のF・エディング教授(教育経済学、ドイツ国際教育研究所)は筆者が若いころ、同じ研究所にいて旧知であった。そこで来日した折に、直接調査結果を尋ねたところ、日本人の伝統的に教育を大切にする心、つまり「教育的良心」が背景にある、との結論だった。
教育的良心といえば、確かに響きはよい。しかし、こうした精神主義は竹槍精神に通じるもので、現代のように複雑で高度に発達した社会では通用しない。いや、教育的良心に頼るだけでは限界があるというべきだろう。それに加え、公教育費の増額が必要なのである。
≪教育的良心を見える形に≫
本当に今もわれわれ日本人に教育的良心があるなら、当然公教育費は増加されるはずである。教育的良心という心は目に見える形で表されなければ、単なる建前に終わる。一般に心は目に見えないが、心の動きは目に見える。公教育費増額が目に見えるかどうか、来年度予算の編成の時期を迎え、願うのはそのことである。
財政支出削減に聖域はないという名目で教育支出も減額されるなら、必ずや将来は人材不足(量)、人材劣化(質)に悩み、反省することになるだろう。反省といえば、個人的なことだが、7月22日付本欄で鬱病(うつびょう)に関して誤解を招くような表現があったと、読者から指摘を受けた。本意ではなかったが、結果的に読者に不快な思いをさせてしまい残念だ。
≪百年の大計といわれ百年≫
教育は国家百年の大計であるとよくいわれる。明治以来、歴代首相や文相(文科相)は機会あるごとにこれを口にしてきた。つまり百年の大計といわれてから百年はたつのである。その結果はどうか。百年の大計ということで、問題を先送りする方便として、この言葉を使っていたようにも思える。本当に百年の大計だというのなら、五十年の中計、一年ごとの小計が描かれていなければならないはずである。
百年の大計は一年一年の積み重ねの上にあるのだから、まず来年の一年をどうするか、今まさに正念場を迎えている。財政窮乏の中、贈られた米百俵を食糧にせず、学校設立費用にあてた長岡藩の故事「米百俵」を語った首相もいたが、それなら毎年一俵ずつ予算を増加してこそ、百俵になる。
その意味では、先の「教育の将来を考える会」の緊急メッセージは、米百俵を訴えているのだ。具体的な増加策として9つの提案をしているが、筆者は、初年度の重点項目として(1)先進国並みの小人数クラス(2)大学の研究関連の人的物的予算(3)学校の耐震対策-の増強を提案したい。
人材立国の途しかないわが国において、伝統的に教育を大切にする心、つまり「教育的良心」を今後も堅持しつつ、それに心のこもった公教育費がプラスされてこそ、優秀なそして志ある人材が量質ともに確保されるのだと思う。「教育の将来を考える会」に参加した一人として、それを希求して止まない。(もり たかお)
(2007/08/21 05:04)
:2007:08/20/11:23 ++ 【正論】日本財団会長・笹川陽平 能力こそ誰もが納得する評価基準
≪目立つ留学生の活躍≫
久しぶりにテレビでウィンブルドン選手権の中継を見た。テニスの最高峰に位置するこの大会は久しく英国選手の優勝がなく、外国人選手が席巻する現状を「ウィンブルドン現象」と揶揄(やゆ)する向きもあるが、権威と人気にいささかの陰りもないようだ。
スポーツの世界は能力が唯一の評価の基準である。ウィンブルドン大会も、それ以外に一切の垣根を設けず、力ある選手に門戸を開放し、いち早くグローバル化を実現してきた点に成功の秘訣(ひけつ)がある。
これに対し日本の高体連(全国高等学校体育連盟)は来年から、全国高校駅伝の最長区間である1区で外国人留学生を走らせないという。似たような制限は、全日本実業団対抗駅伝や正月の風物詩・箱根駅伝にもある。
留学を認めるということは、海外の優秀な若者に学問、スポーツの門戸を開くということである。海外に留学した日本人学生が能力とは別の制限の壁で競技会に出場できなかったケースなど聞いたことがない。まして「外国人枠」なる奇妙な考えは日本だけであろう。
確かに駅伝や長距離でのアフリカ系黒人選手の強さは際立っている。彼らにとって日本留学はオリンピック選手、国際的ランナーに飛躍するチャンスであり、留学生上位の現状は彼らに門戸を開いた時点で、予想された姿である。
一部高校が彼らを切り札に上位進出を目指し、知名度と志願者増を図るのも彼らの強さを前提とした話であり、駅伝に限らずラグビーや卓球、サッカー、バスケットボールでも同様の留学生の活躍が目立つ。
にもかかわらず彼らが強すぎるから日本選手が無力感にとらわれ成長しないとか、早々と勝負が決まるため面白味を欠き視聴率が伸びないといった理由で、外国人枠を設け制限・排除するのは、日本側が積極的に留学生を招いてきた経過からみてあまりに身勝手。人種差別以外のなにものでもなく、国際的にも到底受け入れられる議論ではない。
近年のスポーツ界は、多くの人がアマチュアの顔をしながら、さまざまな援助を受けるのが世界的な常識である。「アマチュアの祭典」といわれたオリンピックも1974年には憲章から「アマチュア」の言葉を消した。
≪美化されるアマチュア≫
しかし、日本ではアマチュアリズムを美化し尊ぶ傾向が現在も強い。実態は死語に近いのに、なおアマチュアの言葉が持つ美しさにこだわるのは、過度の建前論を生むだけでなく、スポーツで身を立てようとする青年の夢を、大人のメンツで踏みにじる結果ともなる。
特待生制度をめぐって迷走する高校野球はその典型である。特待生制度は他の競技と同様、高校野球の現場に広く浸透しており、高野連(日本高校野球連盟)が厳格なアマチュアリズムを謳った日本学生野球憲章にこだわるあまり、こうした実態を無視すれば一層、混乱が増すことになろう。
スポーツの世界には、現実を冷静に見据えた分かりやすい基準と誰もが納得する単純で明快な論理が何よりも必要である。アマチュアの世界もプロ同様、能力を唯一の評価基準として確立することが望ましい。米・大リーグに世界の有能な選手が集まるのも「移民の国」というより、能力がすべてという分かりやすさが各国の選手を引き付けるからだ。
≪「井の中の蛙」的議論≫
アマチュアの世界だからといって、外国人の参加は1人だとか、走る区間も指定するとかは誠に理不尽で姑息(こそく)である。彼らと競い合って自らのレベルアップを目指すことこそスポーツ本来の姿である。
グローバリゼーションの時代の中で、日本のスポーツ界だけが、強い者が勝つという単純な論理を機能できないのなら、もはやファンはついてこない。
政府の教育再生会議は日本の大学、大学院で学ぶ留学生数を現在の約10万人から2025年には100万人に増やす目標を掲げた。外国人留学生とともに学び競い合うことで、日本人学生に国際化時代にふさわしい力を身に付けさせるのが狙いだ。
日本は2016年オリンピックの東京招致を目指し、「駅伝」はいまや国際語になっている。そうした中で国内の事情だけを踏まえた「井の中の蛙」的議論で外国人留学生の出場を制限することが、差別に鋭敏な国際社会にどのような誤解とマイナス効果を生むか、世界のスポーツの現状と方向性を見極め、あらためて議論する必要があるのではないか-。(ささかわ ようへい)
(2007/08/20 05:17)
:2007:08/20/11:22 ++ 【正論】青山学院大学教授・袴田茂樹 マスコミと電力会社は悪循環断て
≪冷静さ欠いた対応ぶり≫
新潟県中越沖地震の震源地は柏崎刈羽原発の至近距離だったが、幸い原子炉本体に深刻なダメージはなかった。しかし関連設備のトラブルは地元住民に大きな不安を与え、深刻な風評被害も生んだ。新潟県内の旅館、ホテルのキャンセルは地震後5万件にもなるという。イタリアの有名サッカーチームも、放射能漏れを理由に訪日を中止した。今回の事故で海水、空中に放出された放射能は自然界から人が浴びる量の12億分の1、胸部レントゲンの25万分の1。国際原子力機関(IAEA)や新潟県の調査でも、放出量は微量で健康への影響はまったくないとした。何か冷静さを欠いた異常さがある。
1986年にチェルノブイリ原発事故が起きる前、ソ連科学アカデミー総裁A・アレクサンドロフは原発の絶対安全性を強調した。一方ノーベル物理学賞を受けたソ連のP・カピツァは、ソ連での原発に慎重論を唱え、原発を安心して任せられるのは几帳面(きちょうめん)な日本人とドイツ人だけだと述べた。事故の後、ソ連の原発のずさんな建設や管理が明らかにされた。日本では考えられないひどさで、当時私もそれを新聞で伝えた。
チェルノブイリの事故と1979年の米国スリーマイル原発事故の後、米カーター政権や独、英、北欧諸国は脱原発の方向に向かった。しかし、2、3年前から流れは変わり、昨年のG8首脳会議で、先進国は核エネルギーの積極利用に方向転換した。地球温暖化への対策、また中国などの工業発展で逼迫(ひっぱく)する世界のエネルギー危機に対応するためだ。米政権は昨年2月、高速増殖炉と核燃料リサイクル(使用済み核燃料の再利用)計画を打ち出した。その事業に日本とフランスの企業が連携して応募し、採用が有望視されている。この分野では、フランスと日本が世界で最高の技術を保有しているのである。意外かもしれないが原発の安全性でも、日本は世界最高技術を有しており、各国から引き合いがある。
≪過剰な反応と隠蔽体質≫
問題は、マスコミや世論の過剰反応と電力会社の隠蔽(いんぺい)体質が、悪循環に陥っていることだ。高速増殖炉「もんじゅ」の事故、東海村の臨界事故その他さまざまな原子力関連の事故が発生した。マスコミや世論の過剰反応を恐れて電力会社はデータを改竄(かいざん)し事故を隠蔽してきた。国の原子力政策や電力業界への不信感を強めたマスコミは、原発の些細(ささい)な事故もしばしばセンセーショナルに報じた。一部のマスコミは事故を反原発キャンペーンに利用し、これがさらに隠蔽体質を強めるという悪循環が生じた。風評被害は「マスコミ被害」でもある。今最も必要なことは、問題の直視と冷静かつ客観的な報道であり、悪循環を断って風評被害を防ぐこと、今回の事故を生かし、今後の事故防止のため最善を尽くすことだ。
≪事故評価する2つの立場≫
原発の間近でマグニチュード6・8の大地震が起きたのは、世界で初めての経験だ。今回の柏崎原発の揺れは205から680ガルで(ガル=建物に加わる力。原子炉や、揺れの方向で異なる)、これは想定の最高3・6倍(2号機)である。事故は、重要度As、A、Bに指定されている原子炉格納容器や制御棒と駆動装置、タービン建屋などには生じておらず、すべて重要度C、つまり一般の建築基準法に基づいて建設された施設、機器である。
これをどう評価するか、2つの立場がある。ひとつは、想定を大幅に超える地震にもかかわらず、原子炉本体に深刻なダメージがなかったのは、日本の原発安全技術の優秀さを示す、というもの。もうひとつは、揺れの想定や断層調査の甘さを深刻に受け止め、この面を抜本的に再検討して、今後安全性を高めるため真剣な対策を講ずべきだ、というもの。前者にも一理あるが、今とるべきアプローチは当然後者だ。すでに中部電力は1000ガル対応の耐震補強工事を自主的に実施しているが、今回の事故は世界に貴重な経験を与えた。
安全性に関しては、原発関連の設備すべてに完全を求めるのは非現実的だ。自動車や航空機も、絶対の安全性を求めるとしたら、使用を禁止する以外にない。地球温暖化対策や世界のエネルギー戦略の動向を見ると、わが国でも風力、太陽熱、バイオなど新エネルギー開発と並んで、核エネルギーの利用は不可欠だ。今後は、原発に対する冷静かつ客観的な報道と、電力会社の公開性向上の好循環により、また原発の安全性向上の努力により、国のエネルギー政策や電力業界への国民の信頼を高めることが緊要だ。(はかまだ しげき)
(2007/08/19 05:01)
:2007:08/20/11:18 ++ 米国流「従業員持ち株制度」 日本でも導入拡大
やる気引き出す
「ESOP」とは従業員持ち株制度の英語の頭文字を取った呼び方で、例えば三菱UFJ信託銀行は、3月に日本版ESOPの「ストック・リタイアメント・トラスト」のサービスを開始した。
その仕組みは、まず企業が三菱UFJ信託を通じて自己株式を対象とした信託を設定、三菱UFJ信託は従業員が退職するまでといった一定の年数にわたって管理・運用した後、従業員に株式を支給するというもの。
既存の持ち株会が比較的短期間でも株を引き出せる財形貯蓄的な性格が強いのに対し、「ESOPは長期にわたり、株価上昇を期待した従業員の労働意欲が継続する」(星治・フロンティア戦略企画部統括マネジャー)とされる。さらに、福利厚生としても退職年金の補完などの活用法がある。
野村証券も今月からESOPサービスを始めたが、こちらは自己株式の信託に持ち株会を組み合わせ、拠出額に応じて企業が持ち株会に株式を配分する。株価下落のリスクは企業がかぶる仕組みになっており、広島ガスが導入を決めた。
会社側が対象となる従業員を特定するストックオプション(自社株購入権)とも違って、広範な従業員が加入しやすいのも魅力だ。
買収防衛にも
持ち株会は企業側にはメリットが乏しいが、ESOPなら金庫株(自己株式の取得)に似た効果が期待でき、安定株主を増やす狙いにも資するとされる。信託された株式については議決権が発生するが、星氏は「ガイドラインを設けて粛々と対応するので、企業に脅威となるような存在にはならない」と話す。
米国では、確定拠出年金などとともに普及が進んでおり、加入者数が2006年に1000万人を超えた。日本も昨今のM&A(企業の合併・買収)機運の高まりを受けて、買収防衛もにらんだ安定株主づくりを急ぐ動きが広がっている。
経済産業省は企業の競争力を高める観点から、ESOPを通じた従業員のステークホルダー(利害関係者)の側面に注目。「今後検討を進めるべきテーマ」(産業組織課)として、金融機関からヒアリングを始めるなど研究に着手した。
ただ、長い歴史を持つ持ち株会に比べて認知度が低く、実際の制度設計にあたっては法律、運営面の特別な注意が必要となるなど、ESOPが日本企業に定着するかどうかはなお未知数だ。
(2007/08/20 07:26)
:2007:08/19/13:22 ++ 【やばいぞ日本】第2部 資源ウオーズ(2)揺らぐレアメタル超大国
銀灰色に輝くチタンは軽くて強く、さびにくいという、すぐれた性質を備えた金属だ。岡部氏は続ける。「白金やタンタル、ニオブなどで、記念コインをつくって発行するのはどうでしょう」「オールチタンのビッグなクリスマスツリーを建てれば、冬の観光名所ができあがる」
いずれも新しい提案だ。しかし、岡部氏は観光振興や記念事業に力を入れようとしているのではない。レアメタル資源の効果的な備蓄策のアイデアを示しているのだ。
レアメタルの日本語は「希少金属」。地上の資源量が少なかったり、精錬が難しい金属の総称だ。チタン、白金、タンタル、ニオブはいずれもレアメタルの仲間である。厳密な定義はないが、17種類の希土類元素を1鉱種として数え、全部で約30鉱種とされることが多い。
どうして岡部氏は、レアメタルの重要性を叫ぶのか。
「ハイテクの名で呼ばれる機器類は、ほとんどそのすべてに多種多様なレアメタルが使われているからです」
液晶パネルの透明電極にはインジウムが、リチウムイオン電池にはコバルトが、パソコンのハードディスク用の小型精密モーターにはネオジムがそれぞれ使われている。
これらは、ほんのわずかな一例。枚挙にいとまがないという表現がふさわしいのがレアメタルとハイテクの関係だ。
「レアメタルなしに、現代文明社会は成り立ち得ません」
そして日本は、世界のレアメタルの25%を使う世界一の消費国。同時にレアメタルの研究開発に関する超大国なのだ。
電子技術情報産業をはじめ、発光ダイオードやディスプレーを生産する光産業、車の排ガスを触媒で処理する環境産業が今の日本経済を支える。
だが、その日本の足元が揺らぎかけている。
レアメタルの価格高騰と入手難が原因だ。レアメタルは、地球上に均等分布していない。産出地域は、中国やロシア、南アフリカなど一部の国に限られている。こうした資源国が、自国の需要を優先するとともにレアメタル輸出を控えだした。従来の輸出奨励策を打ち切り、昨年11月以降、逆に輸出税を増やし始めた中国がその代表だ。
インジウムの価格は5年間で8倍を突破。高張力鋼に使うバナジウムは6倍を超えた。近年の高騰ぶりは、まさに新興国の経済発展と符合する。
このため国内企業は必要量の確保に躍起になっている。安定入手のためには、独自技術の公開もいとわないという企業も現れているほどである。日本の製造業は中国などの一部の国に首根っこを押さえられかねない危機に直面している。
中国頼みの怖さ思い知る
もしも、缶ビールが姿を消すと、日本の夏はどうなるだろう。
そんな空想に現実感を添える出来事が、国内のアルミ缶の3割を生産している神戸製鋼所で起きた。今春のことである。アルミの強度増加に欠かせないマンガンの必要量を調達できない可能性が生じたのだ。
神戸製鋼は長期契約によって南アフリカから使用するマンガンの半分の安定供給を受けてきた。残りを、中国からそのつど買っていたが、1トン約2000ドルであった年初の価格が、5、6月には7000ドルにまで急騰したのだ。
マンガン価格はその後4000ドル程度にまで下がったが、中国頼みの怖さを思い知らされた同社は、南アとの長期契約を増やし、中国からの輸入を10%以下に抑える方向に転換し始めた。
レアメタル確保のために、苦渋に満ちた決断を下した例もある。高性能磁石用合金を製造する昭和電工の場合である。
高性能磁石に欠かせないレアメタルがネオジムだ。高性能磁石用合金の性能は、結晶の出来具合に左右される。その結晶の作り方にこそ、昭和電工の競争力の源泉があった。
「だが、増大する需要をまかなうに足る資源確保のためには、ある程度の技術流出はやむを得ない」(海老沼彰電子材料事業部長)と判断した同社は、ネオジム鉱山を保有する中国企業と合弁会社を設立。2003年末、内モンゴル自治区に国内と同水準の工場を稼働させ、今年7月には中国に2カ所目の工場を設立した。
「レアメタルの急騰には、国際的な投機筋も関与しています」
レアメタル専門商社、アドバンスト・マテリアル・ジャパン(本社・東京都港区)の中村繁夫社長が舞台裏の一角を明かしてくれた。
「石油に比べると市場規模が小さいので、一部の思惑で相場の操作が可能なのです」
中村氏は資源国や投機筋に翻弄(ほんろう)されやすいレアメタル問題の解決に、資源外交の重要性を説く。
世界のデジタル革命で日本が先導的な役割を果たし、真の平和維持に貢献する。そのうえで、資源国と同一経済圏を構築し、安定供給の道を開くという長期対策だ。
「短期対策としては、レアメタル備蓄制度の拡充も必要でしょう」
国は茨城県高萩市に敷地面積3万7000平方メートルの国家備蓄倉庫を備えている。備蓄の対象はニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、マンガン、バナジウムの7鉱種だ。
国が備蓄している7鉱種は重要だが、金を出せば手に入る。その一方、インジウムなど、IT(情報技術)時代に不可欠な鉱種の備蓄がない。これらは現代の軍事技術にも不可欠だ。「元素政策の転換が必要です」と中村氏は語る。
日本政府は6月からレアメタルの安定供給対策に乗り出した。従来の備蓄一辺倒から、リサイクルや代替材料の開発、鉱山開発への公的支援の強化策などを盛り込んだことは評価されている。
しかし、代替材料の開発には時間がかかるうえ、実効性も不透明だ。
中村氏は「直面しているのは、かつてのオイルショックのエネルギー危機と異なるレアメタル危機だ。日本人はデジタル時代の新たな危機を実感していない」と警鐘を鳴らしている。
(長辻象平、飯塚隆志)
関連サイト

携帯電話やパソコンの電子基板から金、銀とともに貴重なレアメタルも取り出せる

(2007/08/19 08:27)

モスクワ市内に立つ「宇宙開発記念塔」。総チタン製で高さ110メートル。旧ソ連が1964年に建設した。250トンのチタン備蓄になっている(長辻象平撮影)
:2007:08/18/19:47 ++ 【やばいぞ日本】第2部 資源ウオーズ(1)対北投資ファンド暗躍
2006年9月、北朝鮮による核実験の1カ月前、ロンドンで「朝鮮開発投資ファンド(略称、朝鮮ファンド)」が創設された。欧州、中国などの大口投資家などから総額5000万ドル(約60億円)を集める。秘密厳守、一般投資家は相手にしない。「金、銀、亜鉛、マグネサイト、銅、ウラン、プラチナを採掘するための設備」(同ファンド幹部)を将軍様こと金正日総書記系の鉱山企業に提供する。代金代わりに鉱物を獲得し、国際市場で売りさばく。
北朝鮮のウラン埋蔵量は潜在的には世界最大との説も米中ロシアの専門家の間では有力だ。ウラン価格はこの4年間で12倍以上も上がった。
「金正日は狂っちゃいない。完璧(かんぺき)にまともだ」と公言するのは朝鮮ファンドを取り仕切るコリン・マクアスキル氏。北専門ビジネスの「高麗アジア」社(ロンドン)会長でもある。
冷戦の最中、1970年代末から北朝鮮ビジネスにかかわり、93年までの10年間、年間1トンの割合で北の金塊をロンドン市場で販売する仲介を行ったが、「北朝鮮は金取引でトラブルを起こしたことはない」と強調する。高麗アジア会長として、ロンドン、平壌を軸に香港、上海、ワシントンと人脈ネットワークを広げている。
朝鮮ファンドの資産管理はロンドンの金融監督局監督下の「アングロ中国キャピタル投資」が担当。アドバイザーには米国務省北朝鮮担当元高官のリン・ターク氏を誘い込んだ。
高麗アジアは朝鮮ファンド設立に合わせ、ロンドンの投資家グループから平壌の合弁外資銀行「大同信用銀行」の70%の保有株式を買収した。大同信用銀行はマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」に700万ドル預けていたが、米国の金融制裁により全額が凍結されていた。
マクアスキル氏は米財務省高官に対し「金融制裁は米国の国益にならない。解除しないと、朝鮮ファンドの取引通貨はドルをやめてユーロかポンドにするしかない」と再考を促した。
米国はその弱い腹を突かれた。ドル資金だと米銀が必ず金融取引に関与するので、テロ資金を規制する名目の米愛国者法を適用できる。ところが、欧州通貨にされると追跡は困難だ。
米紙クリスチャン・サイエンス・モニターは今年1月22日付で「鉱物資源が北朝鮮の金融制裁圧力を減らす展望を開く」と報じ、その通りになった。
米朝関係は今、変わり目にある。米国の穀物・金属商社カーギル、鉱山開発技術を持つエンジニアリング大手のベクテル、さらにゴールドマン・サックス、シティグループの金融大手は2002年10月の核疑惑再燃前には対北投資に意欲をみせていた。
「このまま米朝対話が進めば、米国で対北投資ファンド設立の機運が再燃するだろう」と、ワシントンのアジア投資コンサルタントはみる。
朝鮮中央通信は今月13日、金正日国防委員長による鉱山地帯の咸鏡南道への相次ぐ視察を報じた。一方で、民間の国際金融主導でウラン鉱を含む北朝鮮の資源開発が進むことの危険は大きい。「北朝鮮が国際金融のルートを持てば、北の核はテロリストなどに拡散する危険が高まる」とジョン・ボルトン元国連大使は強調する。投資ファンドの資金提供により、北朝鮮が原鉱石からウランを抽出したイエローケーキを大量生産すれば、首領系企業は外貨稼ぎのため、その闇輸出に走るだろう。その結果は、飢える民に目もくれず「宝の山」を誇示する将軍様をますます肥え太らせてしまう。「平和利用」を隠れみのにした核開発が続けられる恐れもある。
6カ国協議での2月合意の「核の無能力化」の履行は不透明のままだ。国際金融という巨大なブラックホールは北朝鮮を吸い込みつつある。それが核問題をさらに迷走させるかもしれない。こうした動きは日本の国益に響く。だが、日本は米英などの投資ファンドや関係当局に自制を促すなどの方策を取ろうとしていない。蚊帳の外に置かれたと嘆いていても問題は解決しない。
開発規制へ包囲網を
「指示通りの量の鉛をソ連に送るという、あなたの支援を感謝します。ソ連政府は武器弾薬および技術設備についてあなたの要請に全面的に応じます」。これは、ロシアのエリツィン政権が90年代に公開した旧ソ連時代の極秘文書群の中から見つけた、スターリンの金日成にあてた1950年3月18日付書簡である。文中の「鉛」とはウランの偽装名である。
「スターリンはウラン提供を約束した金日成を褒めたたえ、48年9月8日、北朝鮮の指導者として信任した」(マンソウロフ元ソ連駐北朝鮮大使の論文「北朝鮮の核爆弾への道」から)。金日成は49年後半から50年にかけてウラン鉱約9000トンをソ連に輸出。ソ連は49年8月に初の核実験、北のウランにより米国に対抗した核大国の地位を不動にした。金日成は代金の代わりに武器の提供を受け、50年6月に38度線を越えて侵攻した。朝鮮戦争である。
足元のウラン資源の軍事価値を知った金日成は56年にソ連から核技術の提供を受けて以来、延々と核開発を進めてきた。核の魔力に取りつかれた後継の北朝鮮の国家指導者はとうとう2006年10月、核を爆発させた。
北朝鮮のウランなど希少鉱物資源の分布状況について、金日成やスターリンが知る手がかりになったのは、戦前に朝鮮総督府地質調査所が行った地質や資源調査資料だ。データは綿密かつ正確。スターリンは1947年4月にウランの抽出技術専門家を含む希少金属地質調査団を北朝鮮に派遣した。調査団は翌年、朝鮮総督府のデータ通り、核爆弾を安く開発できるだけの放射性物質を確認して欣喜雀躍(きんきじゃくやく)した。今でも、「米国防総省や米企業の委託を受けて総督府地質調査資料を所蔵している国立国会図書館や国立公文書館に専門家の調査がしばしば入っているようだ」(日本政府筋)。
北の核開発には、日本が気付かないうちにかかわるケースは少なくない。
7月21日付本連載「科協(カーギー)がさらう頭脳と技術」で取り上げた在日本朝鮮人科学技術協会を根城にした核技術の流出もある。さらには旧日本軍や理化学研究所は北朝鮮・興南の日本窒素肥料(現在のチッソ)工場で、ウランを含むモナザイト鉱を化学処理して核開発を試みていた。
核開発を急いでいたソ連は45年8月に対日参戦すると真っ先に興南工場を占拠した。米軍は朝鮮戦争が勃発(ぼっぱつ)するとただちに徹底的に空爆した。
現在、モナザイト処理技術は総連系企業の「国際トレーディング」と首領系企業の「龍岳山貿易」との合弁工場(咸鏡南道咸興市)に受け継がれている。
90年代には年間600億円以上に上ったとも推定される在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)系からの本国への送金、さらに拉致問題に対し、日本政府は最近まで、無為、無策を続けてきた。ウラン資源を根拠にした北朝鮮の核開発は日本の安全保障にとって死活的な問題である。日本は国際金融主導のウラン資源開発を規制する国際的合意をいかに取り付けるかに総力を挙げるべきだろう。(田村秀男)
:2007:08/18/10:46 ++ 【主張】株価急落 実体経済の強さ見失うな
この日の下げは、外国為替市場で急激な円高が進み、円安効果を享受していた輸出企業の業績悪化観測が一気に広まったのが引き金だ。米国の低所得者向け住宅融資の焦げ付きに端を発したサブプライムローン問題で米国の消費が冷え込むと懸念されていただけに、ダブルパンチになった。
顧客の解約要求に備え、保有株を売って現金化を図るヘッジファンドに加え個人投資家の売りも出たようだ。
日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)は悪くはない。設備投資と個人消費という内需の両輪はしっかりしている。企業収益も高水準が続き、雇用も引き締まっている。
にもかかわらず、売りが売りを呼んだのは、投資家心理が弱気一辺倒になったからだ。サブプライム問題が実際にどれだけ企業に損失を与えるか明確でないのも理由の一つだが、東京市場に限ると、政治の問題もある。
参院選での与党惨敗で政治の方向感が失われている。防衛事務次官人事をめぐる混乱でまたも露呈した政権の不安定さがこれに拍車をかけている。
もともと、安倍政権が打ち出した成長戦略は財政規律を緩ませ、構造改革が頓挫するのではないかとの不安感を市場に醸成していた。しかも、自民党の中川秀直幹事長らは、日銀が金利正常化の動きをみせるたびに激しく牽制(けんせい)した。これが金融政策への政治の介入を嫌う内外の市場関係者に日銀の独立性、信頼性への懸念を抱かせた。
現在の円高は、直前までの行き過ぎた円安の反動が大きな要因だ。その円安は低金利の円で資金調達し、金利の高いユーロやドルの資産で運用する円キャリー取引によるもので、超低金利放置の副産物なのである。
繰り返して言えば、日本の実体経済は底堅い。日本企業も、ある程度の円高に耐える体力を備えている。
日銀は、いざというときには市場を支える意志を明確に示し、まずは市場に蔓延(まんえん)しつつある過度な日本経済への悲観論を払拭(ふっしょく)しなければならない。安倍政権も改革路線の立て直しを行動で示すべきである。
(2007/08/18 05:16)
:2007:08/17/12:16 ++ 【正論】高崎経済大学教授・八木秀次 靖国参拝見送りは「不戦敗」の容認
≪なぜ今蒸し返されるのか≫
先頃、いわゆる従軍慰安婦問題に関する日本政府への謝罪を求める決議が米下院本会議で可決された。今年は12月に南京事件から70周年を迎えるが、中国政府関係や中国系の人々によってやはり日本を非難する映画が10本近く製作されている。そんな中、安倍内閣の高市大臣を除く閣僚が8月15日の靖国神社参拝を見送った。参拝が一人と寂しい限りだが、参拝反対の国内外の圧力に屈した形だ。少なくともそのようなメッセージを国際社会に発したことは間違いない。またもや安倍内閣は対応を誤ったようだ。
慰安婦や南京という60年以上も前の問題や事件がどうして今頃になって蒸し返され、日本が非難されるのか。サンフランシスコ講和条約や日韓基本条約、日中共同声明で終わった話ではないか、と多くの日本人は考えるだろう。
“歴史”は多くの日本人にとって過去の事実であり、その研究は学術の領域だ。だが、例えば中国人にとって歴史とは相手を追い詰め、自己批判させ、永久に臣従化させる道具でしかない。獨協大学教授の上村幸治氏によれば、周恩来が死の間際まで苦しんでいたのが「歴史問題」だという。1932年当時、周恩来は寧都で会議を開いて毛沢東を批判した。毛はこれを根に持ち、後に自分が主席になった後、この過去の「歴史問題」を持ち出しては、ねちねちと周をいたぶった。72年、周の膀胱癌(ぼうこうがん)が判明したときも毛は手術を妨害した。周は毛の求めに応じて自己批判書を書いた。家に10日間籠って、一つ一つ自分の罪を数え上げた。書き上げた時には足がむくんで、靴も履けなくなっていた。それでも73年の政治局拡大会議で、周はあらゆる罪名を着せられ、徹底的に指弾された。「『歴史問題』で攻撃し、執拗(しつよう)に謝罪を迫る様子を読みながら、私自身は日本と中国の関係に思いをめぐらせた。歴史を持ち出す毛沢東を中国に、執拗に謝罪を『命じられる』周恩来を日本に置き換えて考えた」(『諸君!』3月号)と上村氏は述べている。
「過去を水に流す」ことを潔しとする日本人の感性からすれば、過去をほじくり返し、“事件”を捏造(ねつぞう)さえして日本を責め立てる中国や韓国、最近ではアメリカの姿勢は理解できない。だが、彼らの感覚からすれば“歴史”は政治であり、戦争そのものなのだ。
≪歴史問題は政治そのもの≫
ましてや現代は容易に戦争が行えない時代だ。そのため、過去の「戦争の記憶」をめぐって今日、武器を使用しない“戦争”が行われているのだ。過去の戦争の解釈をめぐって善悪を明確にした上で、被害を受けたと称し、そのことを国際的に認定された者が、加害者と称される者よりも道徳的に優位な立場に立つ。それは同時に政治的に優位な立場に立つことでもある。
米下院決議の背景には中国系の政治団体の存在やそのロビー活動があったことが指摘されている。慰安婦問題は最初は韓国との間の問題であったが、直接関係のないはずの中国系がこの問題に深く関わっているのはもちろん理由がある。“南京大虐殺”と“従軍慰安婦”のダブルでもって、日本を道徳的に劣った卑劣で野蛮な国家として国際社会、特にアメリカの世論に印象付けようということだ。結果、日本は国際社会での影響力を低下させざるを得なくなる。
≪中国の“日本叩き”の狙い≫
一昨年春の中国本土での反日デモが日本の国連安全保障理事会の常任理事国入りを阻止することが目的であったのと同じく、“歴史”を持ち出しての今日の“日本叩き”も、東アジアでの覇権を確立しようとしている中国にとっては日本の常任理事国入りを阻止し、日米を離間させるという現代政治の思惑によっているのであろう。事実、そのような結果になろう。
高市大臣を除く閣僚が8月15日の靖国神社参拝を見送ったことは、「戦争の代替行為」である歴史解釈において敗戦を認めたに等しい。それも不戦敗だ。中国はほくそえんでいることだろう。
安倍首相は就任前、「一国の指導者が、その国のために殉じた人びとにたいして、尊崇の念を表するのは、どこの国でもおこなう行為である。また、その国の伝統や文化にのっとった祈り方があるのも、ごく自然なことであろう」(『美しい国へ』)と書いたほか、様々な場面で靖国神社参拝を約束していたではないか。英霊への公約でもあったはずだ。首相は最後の支持基盤をも失う間違った選択をしたのではないか。
(やぎ ひでつぐ)
(2007/08/17 05:01)
:2007:08/17/12:07 ++ 【主張】防衛次官人事 内紛などしている場合か
小池百合子防衛相と守屋武昌事務次官が、次官の退任や後任の人選をめぐって鋭く対立し、首相官邸も巻き込んで火花を散らしている。
人事権を持つ大臣の意向に、官僚トップといえども次官が反旗を翻すなど許されない。自衛隊という実力部隊を持つ組織であれば、なおさらだ。
これを御しきれなかった小池防衛相や、関与しながら騒ぎを収められない塩崎恭久官房長官は、その管理能力に大きな疑問符が付いた。
日本の防衛に空白は許されない。焦点となるテロ対策特別措置法の延長問題にどう対処するのか。内外で活動する自衛隊員の士気にもかかわる。内紛などしている場合ではない。
事の発端は、小池防衛相が在任5年目に入った守屋次官を西川徹矢官房長に交代させようと決断したが、次官には事前に伝わらなかった点にある。
手続き上、正副官房長官が開く人事検討会議に向けて、塩崎長官への連絡を怠ったことも話を複雑にした。
後任となる西川官房長が警察庁出身者であることに、防衛庁時代からの生え抜きの守屋次官は強く反発した。また塩崎長官は、省庁幹部人事の了承には人事検討会議の手続きを外せないと主張し、早期の次官人事を求める防衛相の要請を拒否した。
防衛相が省内と官邸の双方と対立する構図となり、内紛の詳細が報道される異例の展開となった。
守屋次官は在日米軍再編や自衛隊のイラク派遣などを推進して「大物次官」とも呼ばれた。プライドを傷つけられたという側面もあろうが、大臣-次官の序列を無視したこれ以上の言動は、省昇格を果たした防衛省の評価を落とすことになろう。
一方、小池防衛相と塩崎長官の対立の背景には、内閣改造で留任か、閣内残留かなど、両氏にとって微妙な時期だけに、政治的思惑も漂う。
安倍晋三首相が政権立て直しの方向性をまだ打ち出せない時期だけに、その指導力を問う声もある。しかし、この程度の人事で首相がいちいち振り回されるようでは困る。人事能力を備えた人物を閣僚に起用すべきである。
(2007/08/17 05:02)
:2007:08/17/12:00 ++ 炭素繊維で車1割軽く・東レと日産、車台開発
東レは日産自動車などと共同で、先端材料の炭素繊維を使い、自動車の基幹部品である車台(プラットホーム)を大幅に軽量化する技術を開発した。自動車全体の重量を1割減らし、燃費性能を4―5%改善。耐衝撃性も1.5倍に高まる。3年後をめどに市販車への採用をめざす。温暖化ガスの排出削減に向けた世界的な燃費規制の強化を背景に、鉄を主力にする自動車用素材の転換が加速しそうだ。
車台は自動車の足回りの骨格部品で、エンジンなどと並ぶ基幹部品。これまでエンジンの動力を車輪に伝えるプロペラシャフトに炭素繊維が使われている例があるが、今回の技術が実用化できれば基幹部品への初めての採用となる。(07:00
:2007:08/17/11:57 ++ 任天堂やSCE、新作ソフトをダウンロード販売
任天堂は「Wii」に搭載したダウンロード機能を使い、手で振って遊ぶコントローラーを生かした最新ソフトを販売。当初はパズルや教養系ソフトが中心で、価格は1作品1000円以下の見通し。自社開発だけでなく中小ソフト会社からも作品を募り、アクションゲームなど大作にも広げる。(07:00)
:2007:08/16/12:26 ++ 【正論】大阪大学大学院教授・坂元一哉 「8・15」に思う 核廃絶への道筋を考える
≪実際には使えない兵器≫
「終戦の日」に、核兵器に対する日本の姿勢を考えてみた。核兵器は非人道的な兵器であり廃絶すべきである。広島、長崎の凄惨(せいさん)な経験を有する日本が、その姿勢を堅持するのは当然のことである。
だが、両都市への原爆投下から60年以上が経つ世界の現実は厳しい。核兵器は廃絶というより、拡散の道を進んでいるように見える。核兵器使用の非人道性についても、唯一の使用国である米国に十分な反省があるようには思えない。そういう中で、日本の姿勢が空理空論にならないためには、核兵器に関する現実的な思考との折り合いが必要になるところもある。
核廃絶にはいくつかの難問がつきまとっている。一つは、核兵器が廃絶されれば核戦争の恐怖はなくなるが、同時に大戦争の勃発(ぼっぱつ)を封じ込める重しもなくなるのではないかという問題である。また、核は実際には使えない兵器だが、核を保有すれば政治的、外交的地位が高まると考える国が後を絶たないという問題もある。さらに核が廃絶されても、核の知識はなくならないという問題が残る。
これらの難問のために、核廃絶の実現には長い時間がかかりそうである。その間は別のやり方で核兵器に対処せざるを得ない。日本が究極的な核廃絶を目標に掲げつつ、米国の核の傘に入っているのもそのためである。
≪傘に入ることと対米非難≫
米国の核の傘については、その信頼性に疑問を呈する見方がある。いざというときに米国が核兵器を使用して日本を守るかどうか確実ではないという理由からである。その心配はわからないではない。だが核戦略のロジックでは、たとえ米国が核を使うことが100%確実でなくとも、使わないことが100%確実でなければ、相手は怖くて核を使えず核抑止が有効になる。私はその意味では米国の核の傘は信頼できると思う。
だがそうだとしても、核の傘は核兵器に対する日本の姿勢と矛盾しないだろうか。この点、「核廃絶と言いながら、米国の核の傘に入っているのはおかしい」との批判がよくなされる。しかし、そもそも核兵器がなくならないから、核の傘が必要になるわけである。そういう批判には「核が廃絶されれば、核の傘はいらなくなる」と答えるだけでよいだろう。
もう一つよくある批判は、米国の核の傘に頼っていては、広島、長崎における核使用について米国に反省を求めることができなくなるというものである。しかし、日本が米国の核の傘に入っているのは、それが日米双方の安全に利するからである。それによって米国にものが言いにくくなる理由はない。
もっとも、核の傘は核使用もあり得るとの建前で成り立っている。それを認めておいて米国の核使用を道義的に非難できるのか、という反論はあるかもしれない。だが核の傘における核使用の可能性は、あくまで核戦争を抑止するためのものであり、自衛(集団的自衛)が目的である。「戦争を早く終わらせるため」(米国の主張)に行った民間人の大量虐殺とは道義の問題のレベルが違う。
米国には率直に反省を求めればよい。ただしそれは、核不使用の体制をさらに固め、核廃絶への動きを少しでも進めるという観点からにすべきだろう。過去を断罪するという態度では、泥仕合になるだけである。
≪いま直面する近隣の危機≫
核の傘と核兵器に対する日本の姿勢の間に矛盾がないとして、いままさに日本が直面する核の脅威にはどう対応すればよいか。6カ国協議で北朝鮮がすんなり核を放棄するなら、話は簡単である。そうなれば、核廃絶は一歩前進する。だが、たぶんそうはならないだろうし、北朝鮮は、核を放棄するとしても、核兵器をつくる知識と能力は残そうとするだろう。
そうなるとやはり、核の傘に頼らねばならない。だが、核の傘で相手の核攻撃を抑止できるのは、相手が合理的な場合である。非合理な行動もあり得るとなれば、ミサイル防衛など、新しい防衛体制の整備が急務になるだろう。したがって北朝鮮の合理性の見極めが、日本の安全保障にとって重大な意味を持つ。
私はこの点、拉致問題の重要性が増していると考える。この問題の解決を遅らせることは、国益にとってマイナスにこそなれ、何のプラスにもならない。北朝鮮がそういう単純な計算すらできないようでは、他のことに関する合理性も疑わざるを得なくなる。
(さかもと かずや)
(2007/08/16 05:09)
:2007:08/16/12:16 ++ 【主張】8・15と靖国 閣僚参拝が1人は寂しい
終戦の日の閣僚による靖国参拝は、日本が占領から解放された後の昭和30年ごろから、慣例となっていた。しかし、最近は、平成4年の宮沢喜一内閣で12人の閣僚が参拝したのをピークに、減少傾向となり、一昨年は2人、昨年は首相として21年ぶりに終戦の日の靖国参拝を果たした小泉純一郎前首相を含め3人にとどまった。
閣僚の靖国参拝に対する中国や韓国の批判を恐れた結果だと思われる。今年は、先月の参院選で与党が大敗し、これ以上の政治問題化を避けたいという意識が各閣僚により強く働いたとすれば、残念なことだ。首相をはじめ閣僚の靖国参拝は、政治や外交の動きに左右されるべきではない。
高市沖縄担当相は先週末の閣議後会見で、「15日は今年は難しいかなと思う。都合の良いときに参りたい」と述べていた。15日の参拝を決断したことを評価したい。菅義偉総務相ら一部閣僚は別の日に参拝する可能性を示唆しており、今後の参拝を期待する。
昨年から今年にかけ、いわゆる“A級戦犯”合祀(ごうし)への昭和天皇のお気持ちを伝えた記録が明らかにされた。富田朝彦元宮内庁長官のメモや卜部亮吾侍従日記などだ。これらを根拠に、“A級戦犯”分祀論が強まっている。
いずれも、昭和天皇が松岡洋右元外相や白鳥敏夫元駐伊大使ら一部の“A級戦犯”合祀に不快感を示されていたことを示す記録で、合祀された14人全員の“A級戦犯”分祀に結びつけるような政治利用は慎むべきである。
靖国神社には、幕末以降に主として戦争で亡くなった246万余柱の霊が祭られている。そのうち、213万余柱は先の第二次大戦の死者だ。8月15日の参拝は大きな意義を持つ。
以前は、参拝者に戦没者の遺族や戦友たちの姿が目立ったが、最近は、親子連れや若いカップルが増え、靖国参拝が子や孫の世代に引き継がれていることがうかがえる。中国や韓国には、日本の戦没者慰霊施設の静かな環境を妨げないことを重ねて求めたい。
(2007/08/16 05:08)
:2007:08/15/13:24 ++ 新電子マネー見えないルール(下)現金に化ける「ゲームのお金」。
入手した剣は「敵を倒さないと得られない人気の高い武器」(男性)。男性はゲーム内で別の参加者に剣を販売、対価としてゲーム内の仮想通貨を取得。さらに同通貨の売買業者を通じて換金、ゲーム上のお金が現金約三万円に化けた。
詐欺的行為でも…
「同様にゲームを金もうけの道具として、月何十万円も稼ぐ人もいる」(男性)という。実際、中国人留学生が一億八千万円以上を得た例もある。
仮想マネーの現金化取引は「リアル・マネー・トレード(RMT)」と呼ばれる。民間調査機関の中央政策研究所(東京・千代田)によると、RMT業者は六十四社、市場規模は推計約百五十億円(二〇〇五年)。
現金同様の価値を持つ仮想マネー。だが、現行法上は現金扱いではなく、犯罪行為や税務処理などに十分対応できない矛盾も潜む。
「詐欺的行為なのに、詐欺罪で立件できなかった」。警視庁の捜査幹部が首をひねるのは、オンラインゲーム運営会社の男性社員が、会社のサーバーを不正に操作してゲーム上の仮想マネーを大量に取得、RMT業者に売って五千万円余りの現金を得た事件だ。
逮捕容疑は、盗み見た上司のIDなどを使ったとの「不正アクセス禁止法違反」で最高刑は懲役一年。検察庁に相談したが、「仮想マネーは詐欺の対象となる財物ではない」とされ、最高刑が懲役十年の詐欺罪での立件を見送ったという。
昨秋の東京地裁判決の量刑も懲役一年、執行猶予四年。警視庁捜査幹部は「(仮想マネーをつかまされた)RMT業者も転売利益を上げており、誰が詐欺被害者か分かりにくい」と話し、ゲーム内でしか価値のないはずの仮想マネーが実質的価値を持ったときの立件の難しさをこぼす。
多くのゲーム運営会社は詐欺行為への懸念などから換金はしないが、換金を公認するのが米リンデンラボ社が運営する「セカンドライフ」だ。
セカンドライフ内で流通する仮想マネー「リンデンドル(LD)」について、同社は一米ドルを約二百七十LDで換金。日本でも円と交換するサービス会社がある。だが、仮想マネーに詳しい高木篤夫弁護士は「こうしたサービスがマネーロンダリング(資金洗浄)に利用されるリスクなどもある」と指摘する。
どこの国が課税?
LDの取引に絡む税務処理も法の想定外。例えば、換金サービスを行うある会社はLDを買い取ると経費計上している。同社は「LDは等価値のものと交換できる保証はなく、現金とは異なる」とする。一方、米国では「現金と同じ」として、セカンドライフ内での利益を現金化する際に課税する動きもある。
ただ、「どこの国が課税するか」という問題もある。さらには「換金可能な仮想マネーが国境を越えて拡大すると、国家による通貨発行権の意味がなくなる」(インターネットの法律問題に詳しい山下幸夫弁護士)との危惧も出ている。
現金と同様の法的規制は必要か――。東京弁護士会では五月からセカンドライフの実態分析などを始めた。情報ネットワーク法学会の落合洋司弁護士も「過剰規制は好ましくないが、利用者が増えれば、トラブルは増える。ルール整備は急務だ」と警鐘を鳴らす。
:2007:08/15/13:16 ++ 積年のウミ出た防衛省内紛(社説)
守屋氏に退任を求め、後任に警察庁出身の西川徹矢官房長をあてたいとする小池氏の行動には、手続き面で問題があった。が、中央省庁の人事権は原則的に大臣に属するのも事実である。守屋氏の抵抗は防衛省に特有の問題を想起させる。
事務当局の最高首脳が政治家に抵抗するのを見た自衛官たちは、政治家による軍の統制という意味でのシビリアンコントロールのあり方に疑問を持ちかねない。大臣・次官という序列の軽視は、上官命令を内容によっては無視できるとする空気を自衛隊内部に醸成しかねない。
守屋氏の抵抗の背景に政治家の存在があるかどうかは明確ではない。仮にあるとすれば、自衛官たちに一部の政治家と結んで要求を実現する道もあると教える。戦前の軍部がとった危険な手法に近い。
七月に刊行された防衛白書で久間章生前防衛相は、防衛省への移行を機に政策官庁に生まれ変わるとする決意を述べた。私たちはその際「古い体質の内局幹部を一掃する若返り人事の断行が直ちに重要となる」と指摘した。在任四年を超えた守屋氏の退任はそれに沿う決定である。
抵抗の中身が自身の退任ではなく後任の人選をめぐる内容であれば、一定の正当性はある。イージス艦情報が漏れた事例を踏まえ防衛省の秘密保全のあり方を強化するために警察庁出身の西川氏を起用するとの説明にどの程度の説得力があるかも明確ではないが、後任人事に問題があるとすれば、後任を育てなかった自身にこそ、一義的な責任がある。
今回の内紛には内閣改造を前にした塩崎恭久官房長官と小池氏との政治家同士の思惑も絡む。官邸の人事検討会議がそれに絡めて議論されている。各省大臣が官僚の言うがままにならないように制度化された会議が結果的に官僚の抵抗の手段に使われるとすれば、制度設計者が考えなかった皮肉である。
:2007:08/15/13:10 ++ 無題
回収するのは松下の全額出資子会社である松下電池工業(大阪府守口市)が二〇〇五年十二月から〇六年十一月にかけて製造し、ノキアの携帯十四機種向けに納入した「BL―5C」。日本国内での出荷個数は約十六万個で、ソフトバンクモバイルの「Vodafone 702NK」など三機種計十三万台弱と、NTTドコモの「FOMA NM850iG」三万三千台に搭載されている。
松下などによると充電中に電池パックがショートして発熱・膨張し電話機本体から外れるといった事例が世界で約百件、国内で二件報告されている。重大な被害は出ていないという。製造時に電池内部が傷付いたことがショートの原因としている。
松下の携帯向けリチウムイオン電池の年間出荷個数は六千三百万個で売上高は百八十億円。世界シェアは約七%で、世界首位の三洋電機やソニー(いずれも約三〇%)に次ぐ。最近は携帯の高機能化で、電池の小型・高出力競争が激化している。
IT(情報技術)機器の電池を巡っては、三洋電機が〇六年十二月に同様の発熱事故で百三十万個の携帯用電池を回収、約四十億円の損失を計上した。ソニーは同年秋、ノートパソコン用の電池九百六十万個を対象に回収費用として五百十二億円を引き当てた。
関係者によると松下の電池の卸価格は一個約四百円。全数回収の場合は約百八十五億円に相当する。これにその他の回収費用が加わる。実際の回収個数は不明だが、数百億円規模の回収費用が発生する可能性がある。
▼リチウムイオン電池 繰り返して充電し使える電池の一つ。ニッケル水素電池などに比べ、一度充電すると長持ちするのが特徴。正極にリチウム金属酸化物、負極に炭素などを使い、両極間でイオンを行き来させることで電気を起こす。携帯電話やデジタルカメラなどに広く使われている。
:2007:08/15/13:04 ++ 【正論】文芸批評家・都留文科大学教授・新保祐司 「8・15」に思う
■あの一瞬の「静寂」へ思い馳せて
≪「しんとせしものなり」≫
この7月に文春文庫に入った大佛次郎の『終戦日記』は、晩年に幕末維新期の歴史を叙述した傑作『天皇の世紀』をのこした大歴史家の眼をすでに予感させる。
その昭和20年8月15日のところに「予告せられたる十二時のニュウス、君ヶ代吹奏あり主上親(みずか)らの大詔放送、次いでポツダムの提議、カイロ会談の諸条件を公表す」とあり、翌16日のところには「小川真吉が小林秀雄と前後し訪ね来たる。昨日の渋谷駅などプラットフォームの人が新聞をひらいてしんとせしものなりしと。小林も涙が出て困ったと話す」とある。
小林のこの「出て困った」ほどの「涙」は、日本の歴史の悲劇を深く感じとった「心の一瞬」から流れ出たものであろう。親友河上徹太郎は、昭和21年の春に「八月十五日の御放送の直後の、あのシーンとした国民の心の一瞬」を鋭く指摘して、「理窟をいい出したのは十六日以後である。あの一瞬の静寂に間違いはなかった。又、あの一瞬の如き瞬間を我々民族が曾て持ったか、否、全人類の歴史であれに類する時が幾度あったか、私は尋ねたい」と書いた。この「静寂」は、大佛の日記に書きのこされている「しんとせしものなりし」と符合する。
昭和20年8月15日とは、日本人にとって歴史上、空前の崇高なる「一瞬」を経験した日なのであり、その後毎年やって来るその日は、その「一瞬」を回想する日に他ならない。
≪百年を単位に歴史を見る≫
戦後生まれの私にとって、物心ついてからの8月15日は、NHKテレビで、正午をはさんで日本武道館において執り行われる「全国戦没者追悼式」の放送がある日であった。
丁度、この夏の日には、甲子園の高校野球をテレビで見ていることが多く、11時50分になると、野球の試合中継から短いニュースをはさんで突然、式典会場の映像に移る。その「一瞬」の感覚に、日常の中に歴史が出現してくるような思いがした。
しかし、ここ数年、河上のいう「十六日以後」に「いい出」された「理窟」の類が政治・外交問題などとからんでますます声高になり、その喧(やかま)しさの中に、この「一瞬の静寂」は埋没してしまっているように思われる。
また「全国戦没者追悼式」の放送の中でもきまって指摘される、遺族の高齢化や減少のことを考えると、8月15日は重大な岐路にさしかかっているといえる。というのは、遺族という家族や同時代を生きた関係者というものを超えて、日本人が「国民」として追悼を引き継いでいけるかという問題を突きつけられているからである。
直接的な関係のない世代が、歴史としての8月15日を追悼する深い心情を持っているであろうか。歴史と悲劇の感覚を失った今日の日本人には、引き継ぐ意志が果たしてあるのだろうか。かつて中村光夫は「百年を単位として」歴史を見ることの大切さをいったが、昭和20年から「百年」の後、つまり40年後に、日本人は8月15日を追悼する精神の高さを保持しているかどうか、このままでは極めて疑わしい。
≪鎮魂を引き継いでいく≫
ここで平成17年6月、戦後60年の年に、天皇皇后両陛下がサイパンを訪問されたときの胸を打つエピソードを思い出す。敬老センター訪問の際、入所者の一部の島民が「海ゆかば」を歌ったという。予定になかったことであった。60年前の玉砕の悲劇を回想するとき、島民の心から自(おの)ずから「海ゆかば」が湧きあがったのであろう。「海ゆかば」とは、そういう音楽である。
自ずから「海ゆかば」を歌い出すサイパン島の「島民」と比べるとき、「海ゆかば」を知らない、あるいは封印しつづけて経済的繁栄だけは手に入れた日本列島の「島民」とは、一体何か。河上の有名な「配給された自由」にならっていえば、そこには「配給された平和」が長くつづいていたにすぎない。戦後レジームからの脱却というようなことも、戦没者追悼の場で、自ずから「海ゆかば」が歌い出されるようになってからの話であろう。
8月15日に、心ある日本人は「海ゆかば」を起立して聴くべきである。「涙が出て困」るほどに感動するであろう。そして、あの日の「国民の心の一瞬」の「静寂」にさかのぼってみることである。そのようにして鎮魂を引き継いでいかなければならない。(しんぽ ゆうじ)
(2007/08/15 05:07)


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